ビジネスパーソンインタビュー
「どんなことがあっても、ドンとしていたい」
「恋愛は自分の弱点を鍛えてくれる」ベッキーが語る“恋が働く女性に与えてくれるもの”
新R25編集部
記事提供:Woman type
※この記事は2018年11月に公開されたものです。
「もしかして私、世界で一番幸せなんじゃないの?」と本気で思うくらいハッピーなこともあれば、「何もかも終わった…」と奈落の底に叩きつけられることもある。
そんなリアルな恋模様を観察できる恋愛バラエティー番組『あいのり』が、今年Netflixで『あいのり:Asian Journey』としてリニューアル。
好評のうちにシーズン1の放送を終え、11月からはシーズン2がスタートした。シーズン1に引き続きパーソナリティーを務めるのは、タレントのベッキーさん。
【ベッキー】1984年3月6日生まれ。2000年、テレビ東京系『おはスタ』に、おはガールとして出演。以降、テレビ、ラジオ、雑誌、CMなどで活動。バラエティー番組などへの出演の他、音楽や演技、アートなどの分野でも活躍中
「正直、シーズン2が決定してうれしかった反面、大丈夫かなって気持ちもあったんです。そのくらいシーズン1が面白かった。
でも、今回もまた違った角度で、めちゃくちゃ楽しめます。『お願いだからシーズン2も見て! 1回目の放送を見ればその先も絶対に見たくなるから!』ってみんなに言っています」
『あいのり』では、ピンク色の車『ラブワゴン』に見知らぬ男女7人が乗り、旅をしながら真実の愛を探す。
1999~2009年に地上波で放送されていたころから番組の大ファンだというベッキーさんに、番組の見どころや恋愛について聞いてみた。恋が働く女性に与えてくれるものとは?
些細なことで一喜一憂。恋愛中はネガティブになりがち!?
『あいのり』を愛するあまり、かつては毎回の感想文をブログに書いていたというベッキーさん。あいのりメンバーの行動から機微を捉え、想像を膨らませるのがベッキーさん流の楽しみ方だ。
「『あいのり』には絶対に伏線があるんです。いきなり恋が始まったり行き違ったりするわけじゃない。謎解きゲームじゃないですけど、1カット1カットに意味があるから、じっくり見るのがおすすめです。
私、ちょっとしたシーンを見逃さないんですよ。『今、あの人の視線があの人に向いていたよね?』みたいなことを言っては、スタッフさんからいろいろ見つけ過ぎってつっこまれてます(笑)」
「『あいのり』への愛はずっと変わらない」と熱く語るベッキーさん。番組のルールは10年前に放送されていたころと同じだが、恋愛模様には時代が反映されているという。
「シーズン1もシーズン2も、結構女性からアクションを起こすんですよ。草食男子が増えている、なんて言われていますけど、確かにって思っちゃいますね。
『あいのり』を通して時代が見えるというか。あと、オリジナルの『あいのり』を見ていた世代からすると、20代前半のあいのりメンバーはちょっと歳下なんですよ。
数年前の自分と重ねて、『先輩としてアドバイスしてあげたい!』っていうムズムズした気持ちで見ている人は多いんじゃないかな?」
一方で、“恋する人の臆病さ”は10年経っても変わらない。些細なことで一喜一憂し、時に自信を失くしてしまうこともある。
「恋している人って、どうしてもネガティブになっちゃうんですよね。『絶対に大丈夫なのに!』っていう場面でも、無理だと思って踏み出せない。
私も恋をした時、どんなに周りの人が大丈夫って言ってくれても『いやいや、もう無理かも!』って言ってたなぁって…。そういうのって、どんなに世の中が進化しても変わらないんだなって番組を見ていて思いました」
好きな人からの何てことのない一言で、嫉妬したり、落ち込んだり。友達の話なら冷静にアドバイスができるのに、自分のこととなるとそうはいかない。
その恋に夢中になっているからこそ、まともな判断ができなくなる瞬間はある。だからこそ、意識的にクールダウンすることも必要だ。
「私はつらい時はすぐに妹や友達に『もうやばい!』って話をするんですけど、『ベッキーはいつも一瞬を切り取り過ぎ。そういう風に言ったのに大丈夫だったこといっぱいあるよ』って言われたことがあって。
どうしても妄想が働いちゃうから、その一瞬の出来事だけで勝手にストーリーを考えて、マイナスに考えちゃうんですよね。
でも実際は全然違うこともあるし、むしろ幸せな状況にあった、なんてこともある。落ち込みそうなときほど、落ち着いて深呼吸することが大切なんじゃないかな」
失恋した時は、仕事で成長するチャンス
告白してOKなら、キスして2人で帰国。もしNOなら、1人で帰国。これが『あいのり』の掟だ。
恋が成就すればこんなに幸せなことはないけれど、勇気を出して想いを伝えても、うまくいかないことだってある。失恋から立ち直るのは容易ではないが、「恋は催眠術。いつか解けます」とベッキーさん。
「私の女友達でも、『彼以上の人はいない…』って言っていたのに、次の恋が始まったら『こんなに素敵な人と出会えたの!』って一瞬で切り替わる子もいますよ(笑)」
終わった恋を引きずってしまうこともあるが、「忘れられないように、自分で仕向けていることもあると思う」とベッキーさんは指摘する。
「次の恋愛に行くために、環境を変えるのは一つの方法ですよね。時間が経てば、だんだん色褪せます」
そして「新しい人との出会いを探すか、仕事に集中するか、どっちか!」ときっぱり。
「引きずってしまうときって、よりを戻すことが目標になってしまっていることも多いと思うんです。だったら、目標を変えるしかないですよね。ロケット鉛筆みたいなもので、新しいものが入ってこないと古い芯は出ていかないから、新しい恋愛をするのも一つの方法。
もしくは、仕事に目を向けるのもいいと思います。お別れがあったっていうことは、仕事に集中する時間が増えるっていうこと。『仕事の面で成長するチャンスなんだ』って切り替えられるといいですよね」
恋愛は、自分の弱点を鍛えるトレーニング
ロマンチックな恋を夢見る人、恋に傷付いた過去を持つ人、恋人ができたことがない人…。『あいのり』ではさまざまな男女が、運命の相手を求めてラブワゴンに乗り込む。
自分の気持ちに向き合い、相手のことを知ろうとする過程で、あいのりメンバーが人間として成長していく姿が見られるのもまた、番組の面白さだ。
「恋愛は自分を知る良い機会だと思います。もっと気持ちを表現してほしいとか、もっと気に掛けてほしいとか、仕事だと我慢できるのに、恋愛だとわがままになっちゃうんですよね。急に心が自由になっちゃう。
だからこそ自分の弱いところが見えるから、弱点を鍛えていくためのトレーニングになる気がします」
あいのりを通じて、ハッピーな恋もつらい恋も見てきたベッキーさん。ベッキーさん自身は、今後はどのような恋愛をしたいと思うのだろう。そんな質問に、こう答えてくれた。
「どんなことがあっても、ドンとしていられる女性でありたいなと思います。何かあっても、3回に1回ぐらいは泣くのを我慢して、笑ってみる。そうやって筋トレみたいに心もトレーニングすれば、強くなれるんじゃないかなと思います」
楽しいこともつらいこともある恋愛。でも、心が自由に解き放たれるからこそ、自分自身への新たな発見や成長は必ずある。“真実の愛”を求める過程には、きっと意味があるはずだ。
〈取材・文・編集=天野夏海/撮影=赤松洋太〉
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