ビジネスパーソンインタビュー
80社以上がエントリー!
上司の考え方がわかるようになる!? ビジネスにも役立つ「ポケモンカード」の魅力とは
新R25編集部
子どものころ「ポケモンカードゲーム」で遊んでいた…そんなR25世代の読者は多いと思いますが、実は近年、販売額ベースで1153%増・トレーディングカード市場の月間シェア1位(2018年11月の前年同月比。メディアクリエイト調べ)と、またとんでもない盛り上がりを見せているようです。しかもその熱量は社会人にまで波及。
大人になった今、あらためてハマってしまうポケモンカードの魅力は何なのか? ポケモンカードに魅了されたビジネスマンたちが集まる「ポケモンカードゲーム企業対抗戦」に編集長の渡辺がお邪魔し、その魅力を探ってきました!
まずは名刺交換から。ビジネス交流会のような企業対抗戦
初となる「ポケモンカードゲーム企業対抗戦」は、12月16日にビジネスパーソンの聖地・新橋にこの秋オープンしたばかりの「新虎通りCORE」で開催。初心者と上級者に分かれ、複数のフロアで対戦がおこなわれていました。
会場となった「新虎通りCORE」は、ガラス張りで明るくてオシャレな空間
こちらは上級者向けの対戦会場。広々とした空間にはビジネスパーソンがたくさん!
渡辺
あれ? ジャケットとか着てシュッとした雰囲気の人も多いぞ…(失礼)
会場では、スタッフによってマッチングされた参加者同士が対戦前に名刺交換!
ゲーム会場と言われなければ見慣れたビジネスのワンシーンが…
あちらこちらで
名刺交換を終えると、さっそく対戦モードに入る皆さん。和やかな雰囲気に包まれつつも、手札を眺めて戦略を練る表情は真剣そのもの
「ポケモンカードなめてた」プロ棋士もハマるポケモンカードの奥深さ
今回の大会には80社もの企業が参加。そのなかでもひときわ異彩を放つ「日本将棋連盟」の文字が…! 気になった渡辺は早速突撃してみました。
渡辺
まさか現役のプロ棋士の方が出場しているとは。今回はどういう経緯で参加されたんですか?
【藤井猛(ふじい・たけし)九段】1970年生まれ、群馬県出身。1998年から2000年にかけて竜王戦で3連覇を果たした。将棋の戦法「藤井システム」の考案者としても有名
藤井猛九段
同じチームで参加している山口恵梨子女流二段がポケモン好きで、声をかけてもらったんです。
それまでまったくやったことがなかったんですが、誘われたときに将棋に勝って気分も良かったので承諾してしまいました(笑)。息子とポケモンカードを1カ月間みっちりやって、ルールを覚えてきました。
渡辺
実際にやってみて気づいた面白さはありますか? 将棋との共通点とか。
藤井猛九段
いや、やってみたら想像以上に面白いんですよ。むずかしさというか、将棋のような奥深さがありますね。
環境のちがいで戦況が変わってきたり、事前に作戦を立てたりする点は将棋と似ています。
渡辺
初心者でも楽しめそうですか?
藤井猛九段
ボクも初心者ですから(笑)。戦略だけでなく「運」要素もあるゲームなので、自分より強い相手に勝てるチャンスもあります。
ルールも比較的シンプルですし、初心者でも十分楽しめると思います。
続いて、藤井猛九段を巻き込んだ張本人・山口恵梨子女流二段を直撃してみることに。
渡辺
今回の日本将棋連盟さんの参加は、山口さんが積極的にリードしたそうですね。
山口女流二段
はい! 言い出しっぺです(笑)。
【山口恵梨子(やまぐち・えりこ)女流二段】1991年生まれ、鳥取県出身。2008年に16歳でプロ入りし、2010年には女流初段に、2016年には女流二段に昇段。将棋以外にもさまざまなゲームに造詣が深く、「第3回 ポケモン竜王戦」には特別招待選手として参戦
渡辺
ポケモンカードはどういうところが魅力ですか?
山口女流二段
私も最初はルールが分からなくて、ポケモンサークルに入って勉強したんです。どういう意図でカードを動かして、相手の6枚のサイドを取るかという「読み合い」が将棋に似ててすごく面白いなと思ってハマりました。
渡辺
藤井猛九段も将棋に通じる部分があると言っていました。
山口女流二段
子ども向けと思われがちですが、簡単そうで実は奥が深いんですよ。頭を使うので、ゲームとしてすごく面白いですね。
山口女流二段
トップレベルのプレイヤー同士の対戦を見るのも勉強になります。
今年、世界大会を見に行ったときも日本人の方がものすごくカッコイイ勝ち方をしてて、「ポケモンカードをこんなに読める人がいるんだ」と感動しました。
渡辺
カッコイイ勝ち方ってのがあるんですね(笑)。初心者はまずは何から始めるのがオススメですかね?
山口女流二段
カードショップやポケモンセンターでは初心者向けのイベントも開催されているので、皆さんが温かく迎え入れてくれますよ!
「将棋よりコマ数が多いので、覚えるのに一苦労しました(笑)」カードのことを思わず「コマ」と呼んでしまう山口女流二段
プロ棋士のインタビューを終え、次は上級者から話を聞こうとした渡辺。ポケモンカードをまだやったことがない新R25読者のために、上級者からアツいコメントを引き出そうという作戦です。
会場を移動していると、ポケモン世代にはなつかしい曲「ポケモン言えるかな?」のイマクニ?さんに遭遇!
参加者の写真撮影攻勢にも快く応じていたイマクニ?さん
渡辺
イマクニ?さん、ぜひ新R25を見ているビジネスパーソンにポケモンカードの魅力をアピールしてください!
イマクニ?
え? そうだな…
ビジネスに必要なものは3つある! イノベーション、アジェンダ、そしてあの…アレだ!
ポケモンカードにはこれらのすべてが詰まってるぞ。早速始めてみよう!
謎のメッセージを残して気まずそうに去っていったイマクニ?さんを見送った渡辺。
渡辺
3つ目の「アレ」ってなんだったんだろう…
「上司の考え方がわかってきた」ポケモンカードが仕事にもたらす意外な効果
気を取り直して上級者へのインタビューを開始!
渡辺
新R25の読者の大半は、ポケモン世代だけどポケモンカードはあまりやったことがない20〜30代のビジネスパーソンなんですが、そんな彼らにも響くポケモンカードの魅力を教えてほしいです。
イベントの企画、制作、運営などをおこなう株式会社GOEMONにお勤めの福澤健太郎さん
福澤さん
僕は上司に誘われて1年くらいやっているんですが、仕事で言いづらいこともゲームをしながらなら打ち明けられます。上司とのコミュニケーションは確実に深まりましたね。
戦略の考え方も上司と似てきて、仕事もやりやすくなりました。
渡辺
すごい、そんな効果が(笑)。
福澤さん
上司が考えていることもわかってくるし、同じ目標のもとで仕事をするうえでは、すごく役に立ってると思います。
あと、ウチはイベント会社という特性上、アルバイトの若い子たちが結構いるんですが、その子たちとのコミュニケーションにも役立ってますね。(雇用形態にかかわらず)会社としての一体感をつくれるツールだと思います。
渡辺
ポケモンカードは立派なビジネスツールなんですね。すばらしいコメントをありがとうございました!
初心者も参入しやすいポケモンカードの「やさしい設計」
ビジネスへの意外な効果もわかったら、なおさら新R25の初心者読者にもポケモンカードを楽しんでもらいたい! 貪欲な渡辺の突撃インタビューは止まらない…。
渡辺
あえてポケモン関連企業の方からお話を聞いて、初心者でも安心して楽しめることをもっと伝えたいんですけど何かありますか?
ポケモンの攻略本を販売する株式会社オーバーラップにお勤めの蛇口玲さん
蛇口さん
新しいカードが発売されるタイミングで、環境がガラリと変わる点ですね。
そのタイミングで使えるポケモンが一新されるので、初心者でも活躍しやすいゲームだと思います。
渡辺
ゲームって初心者が参入しづらいのは、古参に有利な仕組みになってる点もあると思うので、それはやさしいですね!
蛇口さん
あと、ほかのカードゲームと違って、ポケモンカードはお互いのターンでは相手を邪魔しないというゲーム性も初心者にはやさしいと思います。イヤな気持ちにならないというか。
女性プレイヤーも発見! 好きなポケモンでデッキを組む楽しさ
会場をあちこち移動しているなかで、渡辺はあることに気づきました。先ほどの女流棋士のように、女性の参加者も結構いるということに。
笑顔で対戦を楽しむ女性もいれば…
女性同士のマッチアップも!
男性相手に超真剣モードで対戦する女性もいました
ということで、女性にも話を聞いてみたくなった渡辺が声をかけたのは、制限時間ギリギリまで男性と熱戦を繰り広げていたこちらの女性。
ネット印刷通販を中心に企画やデザインもおこなう株式会社帆風(Vanfu)にお勤めの大澤藍さん
渡辺
時間ギリギリまでかなりの攻防でしたね。勝てましたか?
大澤さん
途中までは順当に勝ってたんですけど、最後の対戦でチップを全部賭けて負けちゃいました(笑)。
渡辺
それは残念でしたね。ここ(5階)は上級者向けのフロアですが、ポケモンカード歴は長いんですか?
大澤さん
始めたのは今年の8月くらいからです。会社の同期に誘われたのをキッカケに。今回は同僚6人で2チームに分かれて参加しました。
渡辺
同僚とのコミュニケーションにポケモンカードが役に立っているんですね。ほかにはどういう魅力がありますか?
大澤さん
やはりポケモンがかわいいので、カードゲームにとっつきづらい女性でも入りやすいと思います。好きなポケモンを使ってデッキをつくれる楽しさや、そのデッキで勝ったときの快感はポケモンカードならではだと思います。
1ターンでたくさんの手札を引けるスピード感と、500円で強いデッキが買えるコスパも魅力
せっかくなので、帆風の大澤さんとの対戦に勝利したツワモノにも話を聞いてみました。
写真左の男性です
渡辺
先ほどは熱戦お疲れさまでした! 隣にいらっしゃるのは同じ会社の方ですか?
オンラインゲームを提供している株式会社ネクソンにお勤めの藤森将能さん(写真左)と同僚の笠原麻菜美さん(写真右)
藤森さん
そうです。ふたりとも「ネクソン」というゲーム会社で働いています。
渡辺
さすがゲーム会社、どうりで強いはずだ…
藤森さん
僕はまだ始めて1年くらいですけどね(笑)。
渡辺
ゲームを提供している側から見て、ポケモンカードの“ゲームとしての面白さ”はどんなところにあると思いますか?
藤森さん
ほかのカードゲームよりデッキの枚数が多くて(60枚)、かつ1ターン(自分の番)でたくさん手札を引いていろんなことができる点ですね。展開の速さが楽しいです。
スゴイ人だと手札を引くスピードがめちゃくちゃ速くて、それを見てるだけでも圧倒されます。
渡辺
なるほど、それは退屈しなそうですね。初心者向けにオススメできるポイントはありますか?
笠原さん
強力なGXカードが必ず入っている「GXスタートデッキ」というものが500円で買えるので、そんなにお金をかけずに誰でもある程度の強さから始められる点ですね。
渡辺
500円ですか!? それはお手頃ですね。むしろ1万円くらい大人買いして始めてみたいです(笑)。
ちなみに、おふたりはいつポケモンカードで遊んでるんですか?
笠原さん
お昼休みに会社の休憩スペースでやってます。ゲーム会社なので、「ポケモンカードのどういうところが楽しいんだろう?」と研究がてら(笑)。
藤森さん
対戦が終わったあとはいつも反省会をやって、「あそこはミスだったよね」などとアドバイスし合ったりしてますね。
渡辺
楽しみながら自分たちの仕事にも生かしていると。
笠原さん
あとは、コミュニケーションの幅が広がるところも魅力です。ポケモン世代も親になって、お子さんもと一緒に楽しんだりしてる人も多いんですよ。
笠原さん
私の実家の近所にも親子プレイヤーが結構いて、自分にも小学生の友だちがいっぱいいます(笑)。
子どもが楽しんでると閉鎖的な雰囲気がなくて、大人の初心者でも始めやすいと思います。
藤森さん
でも実際は子どものほうが断然強かったりするよね(笑)。
笠原さん
そうそう。「子どもに負けた!」って悔しくてますますがんばってしまう(笑)。
渡辺
世代間を超えたコミュニケーションはポケモンモチーフならではですね。
社内でのコミュニケーションを活発にするだけでなく、初めて会った人ともすぐに打ち解けられる。そして、将棋や麻雀のように戦略的に物事を考えるクセがつくポケモンカードは、もはやある種のビジネスツールなのだと実感。
もし近くに遊べる人がいなくても、カードショップやポケモンセンターは仕事帰りのビジネスパーソンも多く入りやすい雰囲気とのこと。まずはGXスタートデッキを買ってルールを覚えて、足を運んでみてはいかがでしょうか?
〈取材・文=新R25編集部/撮影=長谷英史〉
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