ビジネスパーソンインタビュー
見ていたメディア、仕事の仕方、結婚観などはどう違う?
ネットもメールも使えない時代の仕事って…? R25世代が団塊Jr.世代に聞いてみた
新R25編集部
読者の皆さん、こんにちは。『新R25』編集部です。
若手ビジネスマンに向けて情報を発信しているメディア…と名乗っているので、当然その世代の“価値観”についてはいろいろ調査したいところ。たとえば、「かつてと今のR25世代では、価値観がどれぐらい変化している」のでしょうか?
そこで、今回は編集部の現・R25世代と、45歳、48歳という「団塊Jr.世代」の座談会を実施!若手社員時代のことについて語り合ってもらいました。
今回集まったのは、こちらの4人。
(左から)
編集部・葛上
27歳。新R25編集部に在籍する。趣味はアートとクラフトビールというカルチャー系
編集部・福田
25歳。メディア系企業を経て新R25編集部へ。“浮気をされがち”だというマジメ男子。嫌いなものはお酒
海老澤さん
48歳。ITバブル崩壊や、リーマンショックによるリストラを乗り越え、現役SEとして活躍中
平田さん
45歳。広告系企業などを経て、現在教育系のアプリを手がける会社の代表を務める。過去に競馬で800万円当て、しばらくバックパッカーをしていた…というスゴイ人
メディアについて:とにかく情報が少なくて、雑誌やテレビを“待った”
編集部・葛上
我々は“メディア”の仕事をしてるんですが、皆さんがどんなメディアを見てきたのか、聞いてみたいです!
海老澤さん
社会人になってからは、新聞はやっぱり一応取ってたね。
編集部・福田
へえ~。僕は正直取ったことがないです。結構高いじゃないですか…月4000円ぐらいするし。
それってちゃんと読んでたんですか?
平田さん
まあ、ナナメ読みだけど(笑)。
会社の朝礼で、「新聞で気になったこと」とか話さなくちゃいけなくて、それを言うために読んでたって感じかな。読んでないと、会社のおじさんが「勉強不足や」とか言ってくる(笑)。
編集部・葛上
雑誌とかも読んでましたか?
平田さん
週に3~4誌ぐらいは必ず買ってたねえ。『週刊プレイボーイ』『SPA!』とか。
あとはスポーツが好きだから、『Number』。1989年以降のものは、全部取ってあるよ!
海老澤さん
自分は、仕事と趣味を兼ねて、IT系の雑誌はよく読んでた。
仕事で使うプログラミングの知識について解説されてる連載を『これは知りたいやつだ!』って読んでたんだけど、必要な情報が次回になるまで読めないことも多くて。
今だったら検索して情報を探すんだけど、当時はインターネットがなかったから。
インターネットが…ない…
海老澤さん
そう、雑誌が頼りなの。でも月刊誌だったから、ほしい情報が1カ月待たないと手に入らないわけ。
当時、秋葉原でそういう雑誌がちょっとフライングで発売されることがあって、秋葉原まで探しに行ってたんだよね。
編集部・葛上
秋葉原まで雑誌を探しに行く…
編集部・福田
そんなことしたことないですね…めちゃくちゃ大変だな…
平田さん
テレビの情報も、今よりずっと貴重だった気がするね~。
僕はサッカーが好きだったから、今海外のサッカーが好きなだけ観られるのが夢のよう。
これは学生のころだけど、『ダイヤモンド・サッカー』(テレビ東京)っていう番組があって、「ドイツ代表の試合、今週は『前半』を放送します」っていうの(笑)。
編集部・葛上
え?
平田さん
で、その試合の後半45分は「来週放送します」って。
ひとつの試合を2週にわたってやるわけ(笑)。
編集部・葛上
つまり、翌週まで試合結果の情報がまったく出回らないってことですよね…。ぜんぜん想像できないです。
恋愛・結婚について:「日本の家庭」の価値観が変わりはじめた時期だった
――“今のR25世代は、あまり恋愛に積極的じゃない”なんていわれることも多いですが、どうですか?
編集部・福田
たしかに積極的とはとても言えないですね…。例えば合コンとかは行かないです。
編集部・葛上
僕もそうですね。別に「絶対行きたくない」とは思ってないですけど…
一部の人がすごい行ってるイメージです。
海老澤さん
というか、「合コン」って定着したのは最近だと思うよ。
少なくとも、僕らが大学生のころとかはそんなにみんながやってるわけではなかったんじゃないかな…。まあ自分に縁がなかっただけかもしれないけど(笑)。
編集部・葛上
そうなんですね…! どうやって彼女を作ってたんですか?
平田さん
「友だちの紹介」とかが一番多かったように思うな。あとは、「手紙を渡す」ことも、普通にあった気がする。
海老澤さん
テレビとかでは、「早く彼女を作らなきゃ」ってすごい言われてたな~。だからやっぱり、今の若者よりはそういう“焦り”がずっとあったと思うね。
――恋愛観とあわせて、皆さんの結婚観もお伺いしたいです。
編集部・福田
僕は早く結婚したいですね。親、安心させたいですもん。
平田さん
マジメだな~(笑)。
自分は32歳で結婚したけど、正直そこまで結婚についてちゃんとした考えはなかったかな。
自分のころは、昔からあった「男は嫁をもらって子どもは○人、マイホームを建てて…」みたいな価値観が崩れはじめたタイミングだと思うんだよね。
編集部・葛上
なるほど。ちょうど「日本的価値観」の転換期だったと。
平田さん
そうそう。「DINKS」といって、子どもを持たないライフスタイルも話題になったりね。
仕事について:Windowsがなかった。仕事はすべて電話中心
――仕事についてもお伺いしたいです。社会人になったころと現在を比べて、大きな変化はありますか?
平田さん
社会人になったぐらいのときは、PCが部署にひとつしかなかったの。
時間を決めて、順番に使ってたんだよね。自分用のフロッピーディスクを持っていって。
海老澤さん
まだWindowsもなかった時代だからね。
Windowsが…ない…?
海老澤さん
だから、仕事のメインは電話。
こっちはメールを使えても、相手がメールのアカウントを持ってない、なんてこともしょっちゅうだったから。
平田さん
当時は電話して相手が「いない」ってなったら、どうしようもない。
今だったらメールでもチャットでも、いくらでも連絡できるけど、仕方ないから帰るか、ってことも多かったよ。
編集部・葛上
電話メインの仕事のやりとりで、トラブルとかはなかったんですか?
海老澤さん
ありましたよ。「言った言わない」のトラブルは。
編集部・葛上
そうなっちゃったらどうするんです?
海老澤さん
それはもう、立場の強いほうが勝つ(笑)。
自分はエンジニアとしてクライアントに向き合うようなこともあったから、大体「すいません」って謝ってたね。
編集部・葛上
ヒドイ話ですね…
海老澤さん
あと覚えてるのはやっぱり、PCまわりの性能が低かったことかな…
仕事に必要なソフトをインストールしなきゃいけないときは、「フロッピーディスク30枚組」とかのソフトを買ってきて、1枚ずつ入れ替えてインストールしていくの。
編集部・葛上
フロッピー30枚組!?
海老澤さん
で、30枚目になって「エラーです」とか(笑)。クソーッ!ってなってましたね。
あれがCD-ROMという1枚のディスクになったときの感動といったらなかったです(笑)。
すいません、爆笑してしまいました
平田さん
あとは、オフィスでたばこを吸う人が多かったな~。
編集部・葛上
それ、吸わない人からしたらツライですね…
ニオイとか、とんでもないことになってたんじゃないですか?
平田さん
そうなんだけど、当時はそれが当たり前だったからねえ。
JRの車内でも、駅のホームでも吸えたし。
編集部・福田
今は、たばこ休憩行って戻ってくると、すぐ「くさい」って言われますよ。
なので最近は「iQOS」とか「プルーム・テック」みたいな加熱式たばこにしました。
編集部・葛上
それだとくさいって言われないの?
編集部・福田
iQOSは焦げてるみたいな独特のニオイがする感じ。プルーム・テックのニオイはそこまで気にならないです。“たばこ吸った感”は弱めだけど。
ニオイを嫌がる人が近くにいるかで使い分ける感じですね。
平田さん
自分たちの世代ではそういうのはなかったから、ありがたいね。チェックしてみようかな。
――ほかにも、「当時はそんなこと言われなかった」ことってありますか?
平田さん
たとえば情報セキュリティみたいなことは、ほとんど何も考えてなかった(笑)。
今みたいに1人1人がカードキーを持ってるなんてないから、入り口から入ろうと思えば誰でもどんな会社にも入れたからね。
編集部・福田
それ、変な人やスパイが入ってきたらどうするんですか?
平田さん
まあそう言われたらそうなんだけど(笑)。でも当時はそれが当たり前だったんだよね。
ここでお時間…ということでまとめ
――いろいろなテーマが出ましたが、全体を通してどのような感想を持ちましたか?
編集部・葛上
僕らとは大きく考え方も違う世代なのかなって思ってましたけど、「結婚観」などはある意味現代の価値観が“始まった”世代なんだと思って、発見がありました。
編集部・福田
僕は「マジメ」って言われたのが印象的でした。
平田さん
テレビの話も仕事の話もそうだけど、今は、昔と比べたらスピード感があることを実感したね。話しながら。
例えばポスター1枚作るにしても、昔はデザイナーと膝を突き合わせて写植(文字)を実際に貼ったりしてたから、1日がそれで終わってたんだよ。
今だったら瞬時に何パターンでもできるじゃない。
海老澤さん
そのぶん1日がのんびりしてたというか、今は残業しすぎないように厳しく言われるけど、1日にやれることが多くて忙しくなってると思う。
今のR25世代はその感覚に慣れてるんだなって感じました。
時代が変われば、仕事の進め方や生活環境は当然変化していくもの。「団塊Jr.世代」のおふたりは、そんななかでも変化をポジティブにとらえ、面白おかしく話してくれるところが印象的でした。
そんな姿勢を学べたところで今回の座談会はおひらき。次回以降も、さまざまな世代の方とお話ししていきたいと思います!
〈取材・文=新R25編集部〉
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部