ビジネスパーソンインタビュー
がんばる姿を大切な人に見せたい…
“景品を取る”だけじゃない。オンラインクレーンゲームの動画に込められた製作者の思いとは
新R25編集部
「クレーンゲーム」というと、R25世代の読者でも“ちょっと懐かしい思い出”を持っている人が多いかもしれない。小学生の頃なら親や兄弟と、中高生になると友だちや彼女と…。
今回、タイトーが製作したオンラインクレーンゲーム(ゲーム内で景品をゲットすると、自宅まで送られてくる!)の動画は、そんなノスタルジックな思い出を想起させるもの。ついグッときちゃうのだ…。どうしてこんなしんみりするストーリーにしたんだろう? 『新R25』の編集部員Nが、動画の製作者を直撃してみた!
クレーンゲームは、単に「景品が取れる機械」じゃない
この動画を製作したプロデューサーの西脇剛志さん(タイトー)、高木皓平さん(Septeni Japan)、プランナーの丹羽貴紫さん(面白法人カヤック)に集まってもらった。
写真左から高木さん、西脇さん、丹羽さん
編集部N
本日はお集まりいただき、ありがとうございます。
拝見した動画は、にぎやかで楽しいクレーンゲームのPRにしてはチョットしんみりするというか、グッとくる仕上がりに感じました。どうしてこのようなストーリーにしたのでしょう?
西脇さん
ゲームセンターのクレーンゲームはすっかり定着していますが、オンラインのほうの知名度はまだまだ。そんな状況でゲームの“楽しさ”ばかりを前面に出しても、興味のない人には響かないと思ったんです。
編集部N
確かに…。自分はオンラインクレーンゲームをやったことがないので、取った景品が自宅まで送られてくるとは知りませんでした。
西脇さん
そんな人のためにも、まずはオンラインに限らず“クレーンゲームのよさ”ってなんだろうと考えました。
私たちタイトーが考えるクレーンゲームは単に“景品が取れる機械”ではなくて、友だち同士、恋人同士、親子が一緒に遊ぶ時間や思い出をつくるものなんです。
編集部N
クレーンゲームは景品を取るだけの機械ではない。なんだか新しい解釈ですね。
西脇さん
ぬいぐるみがほしいのであればお店で買えばいいですよね? でも、わざわざクレーンゲームを選ぶってことは、“大切な人のために景品をがんばって取る”という気持ちの表れ。それが“クレーンゲームの良さ”だと考えたんです。
高木さん
企画を考えるときに、カヤックの丹羽さんからもらったコンセプトが、「がんばったプレゼントは忘れない」だったんです。ですから、「がんばっている姿を大切な人に見せようよ」、というメッセージが軸になっています。
ゲームだし、ワイワイガヤガヤみんなで楽しもう! みたいな案も最初は考えたのですが、それではクレーンゲーム好きの一部の層にしか刺さらない。
これから、オンラインクレーンゲーム文化をしっかりつくっていくためには、幅広い層を取り込む必要があると考えました。その方向性をもとに、丹羽さんに今回のストーリーを組み立ててもらったんです。
動画に込めた“製作者たちの思い出”って?
編集部N
ちなみに、このストーリーは皆さんの思い出にもとづいているんですか?
丹羽さん
僕の実家には子どもの頃のぬいぐるみが結構あるんですが、いま見ると「これ、本当にほしかったのかな?」と思えるようなものばかり。
そんなぬいぐるみの思い出をたぐると、たまにしか会わない叔父が、家族旅行で行った温泉のゲームセンターで取ってくれて楽しかったという、叔父と一緒に遊んだ楽しい記憶がよみがえりました。そんな思い出が、今回のストーリーのヒントになりました。
編集部N
丹羽さんご自身の思い出がヒントになっているのですね! 動画のなかでも、息子のために張り切ってぬいぐるみを取ろうとする父親の表情が印象的でした。みなさんのお気に入りのシーンは?
西脇さん
私の場合、お気に入りのシーンというか、1番こだわったのは主人公が「あれは…親父?」という場面のセリフです。
西脇さん
最初のナレーションチェックでは「お父さん」になっていたのですが、実際、成人男性が自分の父親のことを話すときって、「うちの親父が」って感じで呼びますよね? だから、動画を観た人が感情移入できて、自分とオーバーラップできるよう、細かいセリフにもこだわったんです。
丹羽さん
僕は、主人公が子どもの頃の自分とクレーンゲーム機の前で向き合っているシーンです。
丹羽さん
このシーンは演出をお願いした監督のアイデアです。絵コンテを見たときにも、1番いいシーンだなと思いました。
ここでは、主人公が取ったぬいぐるみを子どもの自分に差し出すのですが、「いらない。お父さんに取ってもらう」と言われてしまいます。このシーンでは、子どもが本当にほしかったものは、ぬいぐるみではなく“父親との時間”で、自分が子どもの頃にしてもらってうれしかったことに父親になったいま気がついたという心情を描きました。
高木さん
僕が1番観てほしいのは、最後、お父さんと息子が家の中でオンラインクレーンゲームを楽しむシーンです。
高木さん
ここが今回のプロモーションでは重要なところ。オンラインのクレーンゲームなら、家にいながら親子で楽しめて、“がんばって取ってくれる”父親の姿を子どもに見せられる、というメッセージを込めたシーンです。
編集部N
確かに、クレーンゲームがつなぐ親子の絆のようなものを感じました。
西脇さん
まさに親子の絆。親子だけでなく、友だち、恋人、家族など、大切な人との絆を深める役割がクレーンゲームにはあると信じています。
編集部N
西脇さんご自身がクレーンゲームで感じた“絆”ってありますか?
西脇さん
私には娘がいるのですが、娘が子どもの頃は一緒にクレーンゲームをしても、どうしても仕事の目で見てしまっていました。
西脇さん
でもいま、オンラインクレーンゲームで娘が好きなアーティストのアイテムを必死で取って、1人暮らしをしている大学の寮に送ってあげてるんです。
ハートマークつきで「ありがとう。パパ大好き」とメッセージが送られてくると、もっとがんばって取ろう!って思うんですね(笑)。恥ずかしいですが、深い絆を実感しています。
高木さん
それはがんばっちゃいますね(笑)
編集部N
それでは最後に、動画で伝えたいメッセージをひと言でお願いします。
西脇さん
「思い出は色褪せない」ですかね。思い出って消えないですし、時間の経過とともに輝きを増したりするので、多くの人にオンラインクレーンゲームで大切な人との思い出をつくっていただきたいです。
高木さん
かっこいい!
丹羽さん
クレーンゲームなら、モノが取れるだけでなく思い出も一緒に取れるので、大切な人と一緒に遊んでほしいです。
仕事が忙しくて家族や彼女と遊びに行く時間がない。そんなときは、スマホで気軽に楽しめるタイトーのオンラインクレーンゲームで、大切な人との絆を深めてみては?
〈取材・文=新R25編集部〉
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