ビジネスパーソンインタビュー
「ハガキ職人」をやりがい搾取とは言えない
【コラム】オンラインサロンが“昔のラジオ”に似ている2つのポイント
新R25編集部
記事提供:キングコング 西野 公式ブログ
ラジオが持っている才能は『参加性』と『機密性』だと個人的に思っております。
『参加性』については、「ハガキ職人」が、時間とお金(ハガキ代)を払って、ラジオに参加しているのが例として分かりやすい。
それが「やりがい搾取」かというと、全然そんなことはなくて、ハガキ職人さんからすると自分のネタが受け入れられる(電波から流れる)ことで、一種の快楽を得ることができるし、友人関係で優位に立てる。
そこから秋元康さん(元ハガキ職人)のように仕事に繋げることもできる。
ハガキ職人さんはキチンと『対価』を受け取っているんですね。
皆そのことを理解できているから、ハガキ職人さんに対して「なんで、お金を払って働いてるの?」とは言わない。
もう一つ、『機密性』について。
おそらく、ナインティナインさんの『めちゃイケ』と『オールナイトニッポン』の棲み分けが一番分かりやすいと思うのですが、ハイテンションでマスに向けて発信していた『めちゃイケ』に対して、オフモードで“気心の知れた友人に話しかけるように”『めちゃイケ』の裏話など発信していた『オールナイトニッポン』。
この二つのコントラストがメチャクチャ気持ち良くて、『オールナイトニッポン』のリスナーは『めちゃイケ』を観ながら「私だけは、その時の岡村さんの裏の苦労を知っている。ムフフ…」と悦に入ることができた。
ただ、インターネットが出てきて、SNSで誰でもニュースを作れるようになってしまった為、ラジオは『機密性』が失われ、「秘密の共有」が極めて困難に。
加えて、ネットニュースでは文脈が鬼のように切り取られるので、メチャクチャ尊敬の念と愛情を持って「鶴瓶師匠って、ほんとにバカ野郎だよなー」と言っても、『キンコン西野、先輩批判「鶴瓶はバカ」』という見出しのネットニュースになり、ほとんどの人はニュースの見出ししか見ないので、「西野が鶴瓶師匠を批判した」ということで話が進んでしまう。
ラジオのパーソナリティーさんからすると、「そんな切り取られ方したら、もう何も喋られへんやん」といった感じ。
それでも今日もラジオは面白いけれど、『機密性』が保たれていた時代に比べると、やっぱり、やり方を考えなきゃいけない。
もうお気づきかもしれませんが、ここ最近、オンラインサロンに力を入れています。理由は『参加性』と『機密性』の両方を兼ね備えているからです。
昔のラジオの感じなんです。
本音で話せる数少ない場所がオンラインサロンで、向こう1〜2年は「あやしい!」「宗教だ!」という非難する人が一定数いると思いますが(タレントさんは将来の自分の選択肢を減らすことになるので、内容を把握しないうちに非難しない方がいい)、今後、オンラインサロンから生まれるエンタメは増えてくると思います。
僕が一方的に発信しているわけではなくて、投げた球をパコパコ打ち返してくれるので、連日勉強させてもらってます。
今年の年末には大変なことになっていると思います。
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