増えつづける男性不妊に警鐘
R25男子がスマホでカンタン不妊検査! 医師に結果を見てもらった
新R25編集部
現在、6組のカップルのうち1組は不妊症。そのうちの半分は男性に原因があるという事実をご存じですか? 不妊治療と聞くと女性が受診しているイメージがありますが、実はボクらにも原因あるかもしれないんです。
でも、「自分の精子って大丈夫なのかな?」と思ってもどうすればいいのかわからないですよね。正直、わざわざ病院に行く気にもならないし…。
そう思っていたら、自宅で気軽に精子チェックができる「TENGA メンズルーペ」(TENGA ヘルスケア)という商品があるという情報をキャッチ! さっそく購入してみました。
スマホで自分の精子をチェックするという不思議体験
これは、スマートフォンを使って自分の精子を動画で撮影できるというもの。
中はこんな感じ
まずは、スマホのカメラにルーペをセット
そして、このプレートの中心に精液を採取します
そしてこれをレンズにセット
この状態で動画を撮れば、精子の様子をチェックできるんです!
実際に試してみたところ…。
編集部・福田(25)
おお!! 確かに自分の精子を確認できる!まじまじと見るのは不思議な気分だけど、結構動いているような…?
「TENGAメンズルーペ」の公式サイトによれば、映っている精子の数を目視で確認し、自分の「精子濃度」が計算できるとのこと。
編集部・福田
うう…目視なのかよ…。1、2、ああ、めっちゃ小さい…。
でも、もしこれが男性の平均よりも少なかったらどうしよう…。改善ってできるのだろうか?うだうだ考えていてもしょうがないので、専門家に聞いてみることにします!
「うわっ…私の精子、少なすぎ…?」となったらどうすればいいの?
というわけで直撃したのは、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科の小堀善友先生。「TENGA メンズルーペ」の監修もおこなっている、男性不妊の専門家だ。
編集部・福田
「TENGA メンズルーペ」で、自分の精子の状態を観察してみました。見てください。
真顔でスマホを見つめられる
小堀先生
ああ~、いっぱい動いていると思いますよ。
編集部・福田
やっぱり目視!?そんなんでわかるものなんですか?
小堀先生
パッと見て、たくさんいるなと思ったら大丈夫です。数えるほどしかいない…たとえば10匹とかしかいないのであれば、少ないので専門医に行ったほうがいいと思います。
編集部・福田
そういうもんなのか…。でも、これで精子の量や運動量が少ないとわかったら、どうしたらいいんでしょうか?
小堀先生
研究の結果、精子の量と運動量には、老化の原因である“酸化ストレス”が関わっていると言われています。だからそれを減らせば、改善は可能です。
編集部・福田
“酸化ストレス”という言葉を初めて聞きました。
小堀先生
まだ若いから気にしたことないですよね。偏った食生活や睡眠不足、疲れすぎ、喫煙などで、体にストレスがたまっているんですよ。それが蓄積されると、精子の状態が悪くなります。
編集部・福田
そうなったらどうすればいいんでしょうか?
小堀先生
よく寝る、運動する、煙草を吸わない、バランスのよい食事をとる。これらを心がけることです。これで精子が回復する可能性が十分にありえますよ。
編集部・福田
なんというか…当たり前の健康習慣って感じですね。でも、これをすべて実践するって正直難しいですよね。特にこれ! というのはないんですか?
小堀先生
特にこれを…というのはないですね。はっきり言って、「健康的な生活を送るように心がける」しかないと思います。
編集部・福田
うーむ、なるほど。薬とかで治療することはないんですか?
小堀先生
「コエンザイムQ10」のような抗酸化剤を使って回復した事例もありますが、あまり一般的ではないですね。
「男性でも加齢によって子どもができにくくなる」増える男性不妊に警鐘
編集部・福田
「TENGAメンズルーペ」を使ってみるまで、自分の精子を気にしたことがなかったです。
小堀先生
そういう人が多いのが現実ですね。ただ男性不妊の問題は、ここ最近のライフスタイルの変化で増えてきています。
編集部・福田
女性の友人は「○歳までに2人産みたい」とか言ってる子もいるんですけど、男の自分としてはそんなことちゃんと考えたことなかったです。
小堀先生
そうでしょう。でも、男性も歳をとればとるほど、精子の質が悪くなって子どもができにくくなるんですよ。
編集部・福田
加齢で自然と“酸化ストレス”がたまっているということか…。
小堀先生
研究では、男性でも35歳からは自然妊娠しにくくなると言われています。年齢が上がるにつれて、子どもが自閉症になるリスクが高まっていくんです。だから、子どもをつくるなら早いほうがいいんです。
男女ともに晩婚化が進んでいますし、すぐに改善は難しいかもしれませんが、そういった知識は知っておいてほしいですね。
1クラスに2人は体外受精で生まれた子どもがいる!? 増えつづける日本の「不妊」
編集部・福田
生活習慣を改善してもダメなときは、どうすればいいんですか?
小堀先生
そのときは体外受精をするしかないです。
編集部・福田
体外受精! 聞いたことはあるけど、正直あまりよく知らないです。
小堀先生
言葉通り、精子と卵子を採取し、体外で受精させる方法です。それがある程度分裂したら、母体に戻して育てていきます。
編集部・福田
お金はどれくらいかかるんですか?
小堀先生
1回の体外受精で25万~50万くらいかかります。
編集部・福田
かなり高いですね! カンタンにできるものじゃない…。
小堀先生
それでも、今は赤ちゃんの20人に1人は体外受精なんですよ。小学校の1クラスのなかに2人は体外受精で生まれた子がいるということです。
編集部・福田
そう言われると、イメージしているよりずっと多いですね。
小堀先生
それだけ日本の不妊が増えているということなんですよ。
編集部・福田
なるほど…。不妊はこれからも増えていく一方なのでしょうか…?
小堀先生
このままだと増えていきますね。ただ、ここ10年でガンの治療が大きく進化したように、男性の不妊治療も飛躍的に進化するのかもしれませんから、なんとか食い止めていきたいですね。
先生の話をまとめると、
・「酸化ストレスの蓄積」で精子の質は悪くなるため、健康的な生活習慣を意識すべき
・市販のキットで精子の質を確認するとよい
・男性が原因の不妊もあることを知っておくべし
とのこと。
正直「不妊治療」なんて他人事だと思っていたけど、さすがに自分の精子をじっくり数えたり、医師に見られたりしたらそんなことも言っていられないと思えてきました。
女性の不妊検査は、「超音波エコー検査」や「ホルモン検査」などに時間やお金がかかることに比べると、1500円前後でセルフチェックができるのなら、将来のパートナーとの未来を見据えて一度試してみてはいかがでしょうか?
〈取材・文・撮影=福田啄也(新R25編集部)〉
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