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“風刺漫才”が大反響。政治問題に切り込むウーマン村本が伝えたいこと

「選挙行ったことない」発言の意図とは?

“風刺漫才”が大反響。政治問題に切り込むウーマン村本が伝えたいこと

新R25編集部

2017/12/27

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先日放送された『THE MANZAI』(フジテレビ系)で、ウーマンラッシュアワーが披露した政治ネタが反響を呼んでいる。

ウーマンラッシュアワーといえば、ボケ担当・村本大輔の過激な発言がたびたび炎上し、これまでも話題になってきた。最近ではネット番組や自身のTwitterで政治についての持論を展開していて、今回の『THE MANZAI』のネタはその集大成とも言える。

彼はどのような思想を持って、政治ネタに取り組んでいるのだろうか?

「お前たちのことだ!」お笑いファンから政治家まで、多くの視聴者の心を動かした漫才とは

画像はYouTubeのスクリーンショット

今回、視聴者から政治家まで多くの人が賞賛した漫才は、ざっくり以下のような内容。

「現在日本が抱えている問題は?」(村本)、「被災地の復興問題」(中川)などの政治的な“フリ”から始まり、そこから日本が抱えるさまざまな政治・社会問題に関するスピーディーなやりとりが展開される

村本はそれに対し「でも結局ニュースになっているのは?」「それはほんとうに大事なニュースか?」と、報道が“不倫”などのゴシップに偏っていると指摘する。オチは、

だからほんとうに危機を感じないといけないのは?」(村本)

被災地の問題よりも」(中川)

原発問題よりも」(村本)

基地の問題よりも」(中川)

北朝鮮問題よりも」(村本)

国民の意識の低さ!」(中川)

お前たちのことだ!」(村本)

『THE MANZAI』より

と言い放って舞台を去るというもの…。ドキッとさせられた視聴者も多かったのではないだろうか。

普通であればご法度とされるような政治ネタであったが、12月18日放送の『AbemaPrime』(AbemaTV)で村本は、

「あれでカットされたらフジテレビのネタ番組は出ないってマネージャーに言ってて…(中略)『THE MANZAI』の総合演出の人が『受けて立とう』といってくれて、挑戦させてくれるような人で助かりました」

と、実現に至った舞台裏を明かしている。

あえての「選挙行ってない」発言。投票率じゃなくて“興味率”をあげるために、政治を笑いに昇華

つのだよしお/アフロ

『ハフィントンポスト日本版』のインタビューで村本は、そもそも多くの人が政治に興味を持てないにもかかわらず、「選挙に行こう!」という啓蒙だけが独り歩きしている状況を指摘している。

(政治への)興味率をあげたい。(中略)世の中って『とにかく投票に行こう』という真剣な呼びかけばっかりですが、そうじゃなくて『政治に興味を持とう』があって初めて『選挙に行こう』が成り立つと思うんですよ。

http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/27/muramoto-wrh_a_23257991/

2017年10月の衆院選の際には、「選挙に行かなかった」「選挙にいかせるぐらい政治に興味を持たせろ」とツイートして炎上したが、この真意は、やはり「一般の人々が興味を政治に興味を持てる状況を作らなければならない」というものだと考えられるだろう。

そんな思いをもった村本は、自身の武器である“笑い”を通じて、政治を話題に、そして身近にした。彼らの勇気あるチャレンジが、多くの人が政治に興味をもつきっかけをつくったのだ。

また、『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)に出演した際には、「政治に対して、芸人が興味がなさすぎる」「芸能人から発信していかないと」とも発言。芸人仲間にも政治に興味を持つことの重要性を訴えている。

「知ってるってウソをついてもダメ」政治の知識がなくてもみんなが発言・議論できる社会に

つのだよしお/アフロ

また、村本の政治に関する発言のなかで目立つのは、「自分が“知らない”ということを公言すべき」ということ。

僕らが、『自分は馬鹿だ』と言うことを自覚することから始まると思います。

『俺は知っている』という奴らがいるから、自分の無知を言いにくくなっているところがある。お父さんが子どもに、『俺もわからないし、お前もわからないと思うから、政治の話、国の話を一緒にしてみないか』『みんなわからないから、みんな一緒に考えていこうよ』みたいなことを言わないと。政治を知ってるってウソをついてもダメです。

http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/27/muramoto-wrh_a_23257991/

政治に関心を持てない状況で知識がないことも公言できないとなれば、ますます政治が“タブー視”されてしまう。そのような現状を変えていきたいという意思がある、といえるだろう。

前述の『AbemaPrime』でも、村本は自らが“知らない”立場であることをオープンにしたうえで、政治家や識者に視聴者目線で素朴な疑問をぶつけていく役回りとして活躍している。

『THE MANZAI』でのネタが大きな話題になっている現在だが、この話題が一過性のものになってしまうのは、村本の意図するところではないはず。

次なる“ネタ”でもボクらの政治への関心度を高めてくれるのか、そしてゆくゆくは自然と「政治に興味を持てる」社会になっていくのか…。漫才を見てひとしきり笑ったら、ちょっとはネタに出てきた問題について調べてみる?

〈文=新R25編集部〉

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