ビジネスパーソンインタビュー
ニコ動の有料会員が激減…「ストレスをプラスに変える」セオリーはもう通用しない!?

有名クリエイターは次々とYouTubeに移籍

ニコ動の有料会員が激減…「ストレスをプラスに変える」セオリーはもう通用しない!?

新R25編集部

2017/11/25

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11月28日に行われた、ニコニコ動画の新バージョン「niconico(く)」の発表会。新機能が公開されたものの、「改善すべきところが改善されていない」とユーザーからはとても厳しい意見が飛び交っていた。

最近のニコニコ動画は、明らかに以前のような勢いがなくなってきている。カドカワの発表した2017年4〜9月期の決算によると、有料会員数は228万人で、前年同期の256万人から28万人減少した

このペースで減っていくと、10年後には有料会員がほとんどいなくなる…なんて悲劇的な結末を嘆く声も聞こえる。なぜ“ニコ厨”をはじめとする有料会員は去ってしまっているのだろう?

動画再生にログインが必要… 乱立するスマホ動画サービスのなかでも抜きん出てストレスが多い仕様

原因のひとつとして挙げられるのは、動画視聴におけるストレスの多さだ。そもそもログインしないと動画が再生できないクローズドさには疑問が残る。

動画の再生にログインを求められるストレスは大きい(画像は『ニコニコ動画』のスクリーンショット)

また、有料会員になる恩恵が「マイナスをゼロに戻すだけ」なんて不満もささやかれている。たとえば、高画質動画の視聴や好きなシーンからの再生など、いまでは“当たり前”の機能が同サービスでは有料会員にならないと利用できない

ニコニコ動画がリリースされた当初とは違い、現在はYouTubeをはじめ、AbemaTV、Netflix、Amazonプライムビデオなどクオリティの高い動画サービスが乱立。ニコ動の有料機能が標準化されたため、「お金を払うほどの特典?」と首を傾げられるようなものになってしまった。

さらに、いまはスキマ時間にスマホで動画を視聴する時代。こうした仕様に対するユーザーのストレス耐性はどんどん低くなっている。

動画投稿の“ビジネス化”で、有名クリエイターたちが稼げるYouTubeに次々と移籍

過去はこうした仕様がうまく活きていた部分もある。クローズドであるがゆえに生まれる一体感や、コンテンツの二次・三次創作。ほかにはないコンテンツの魅力にハマっていた視聴者も多いはず。

しかし、そこで活躍していたクリエイターはどんどんYouTubeへと活躍の場を移している。その大きな理由として考えられるのは、動画投稿の“ビジネス化”。以前は視聴者からの反響がモチベーションだった動画サービスが、次第に“稼げる”プラットフォームとして整備され、認知を広げてきたのだ。

ニコニコ動画も「クリエイター奨励プログラム」を実施して稼げる仕組みは用意しているものの、オープンで閲覧数を稼ぎやすいYouTubeのほうが多くの広告収入を見込める。

「好きなことで、生きていく」ことが可能とあれば、クリエイターたちの流出は必然の流れか…。

ニコニコ動画でゲーム実況が人気だったアブ。YouTubeへ軸足を移し、チャンネル登録者数はすでに100万人を超えている。

「ストレスが拡散や独自性につながる」という“川上流”セオリーが通用しなくなってきている!?

Rodrigo Reyes Marin/アフロ

ただ、しばらく前からこういった不満の声は上がっていたはず。なかなか改善しないのはなぜなのだろう?

ニコニコ動画を運営する株式会社ドワンゴの会長・川上量生氏が、著書『ニコニコ哲学』のなかで語っていたことから想像してみたい。

まず挙げられるのは“不満”の拡散性。この点について川上氏はこう述べている。

文句でもいいんです。むしろ『ムカつく』『ウザい』『迷惑』という話のほうがいい。なぜかというと、そういう話のほうが、口コミで広まりやすいからです」

あえて不満を残して、それをきっかけに認知を広げる狙いがあるようだ。

さらに川上氏は、「会社がクレームに対して鈍感な体質を作ることが重要」だとも話している。あえてクレームを聞き入れないことで、ほかの“敏感な”会社とは異なる独自のクリエイティビティを確保する。そうして競争相手を減らすことが成功のカギだと見ているよう。

だが一方、じつは書籍が出版された2014年時点で、「ニコ動は5年もてばいいと思ってた」「その場しのぎで放置してきた部分が、ひずみとなって現れてきた」なんて言葉も登場していた。そこから一気に動画サービス戦国時代が到来し、そのセオリーが通用しなくなっていることも確かだろう。

良質な競合サービスが増えたいま、「嫌なら有料会員になってね」という横綱相撲は通用しない。独自の路線を走るニコニコ動画の次なる一手を注視したい。

〈文=佐藤宇紘〉

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