ビジネスパーソンインタビュー

「リア充アピール代行」を利用するのはどんな人? 運営会社にその実態を聞いた

お金を払ってまで“いいね”がほしい?

「リア充アピール代行」を利用するのはどんな人? 運営会社にその実態を聞いた

新R25編集部

2017/11/11

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SNS全盛のネット社会において、他人の目を気にする人たちが増えている。そんな時代の象徴として登場してきたのが「リア充アピール代行」サービスだ。

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株式会社ファミリーロマンスが提供する同サービスは、同社のスタッフが依頼者の元へ行き、希望に応じたシチュエーションで「SNS映え」する楽しそうな写真を一緒に撮るというもの。

その時代をとらえたユニークさからTVやWeb媒体など多くのメディアに取り上げられ、いまやなんと月平均で40件もの依頼があるらしい。

実際にどんな人物からの依頼が多いのだろうか? 同社代表の石井裕一氏に話を聞いた。

利用者のタイプは2通り。「サプライズ誕生日会」など細かなシチュエーションを希望する人が多い

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ファミリーロマンス代表・石井裕一氏

「主に利用者のタイプとしては2通りあって、普段SNSも活用していないような、いわゆる“非リア充”の方が一度リア充の感覚を味わってみたいというパターンがひとつ。そしてもうひとつは、自分のことを“リア充側”だと自覚している人が、よりそのイメージを強固にするために利用するパターンです。年齢層としては20代半ばが中心で、男女比は4:6くらいですね」

依頼内容としては、普通の飲み会はもちろん、「カフェでの華やかな女子会」「友だちがサプライズで開いてくれた誕生日会」など細かいシチュエーションを希望する方が多いようだ。

スタッフにはマニュアルを配布。1回の撮影で2〜3回服装とシチュエーションを変えて撮影

同社はリア充アピール代行サービスのほかにも「結婚式代理出席」「セミナー代理出席」「彼氏・彼女代行」など数多くの代行サービスを提供しており、スタッフにはそのノウハウを詰め込んだマニュアルを配布している。

「当日は着替えを2〜3着持参し、限られた時間のなかでカフェ、居酒屋など場所ごとにシーンと服を変えながら、あたかも違う日に行っているかのように複数の写真を撮影します。“よく遊びに行く仲良し”という設定を演出するためです」

料金は、スタッフ1名あたり2時間で8000円。それに現地までの交通費や食事代などを加えたものが、サービス全体にかかる費用となっている。

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利用者のInstagram。「金曜日にクライアントとおしゃれなバーで飲んでいる」という設定だ

“インスタグラマー”が企業からのPR案件のキャスティングのためにスポット利用

しかし、“リア充風”な写真を撮るために、そこまでお金を払うのはどんな人たちで、どんな利用動機があるのだろう。リアルな利用者像を聞いてみた。

「ひとつは、いま流行りの“インスタグラマー”のような人たちからの依頼ですね。企業からのPR案件で多くの友人が写り込んだ写真が必要とか、海でいいカラダをしている男子と一緒に写った写真を撮らなければならないとか、そうしたスポット利用のニーズがあります」

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なるほど、いわば仕事上でのキャスティング費用のようなものだ。これに関しては納得できるが、では“非リア”な人たちの利用動機は…?

まるで本当の友人のように接してくれるスタッフに「また会いたい」と思いリピート利用

「“非リア”な方の利用動機はさまざまですが、『インスタをはじめたいけど、投稿する写真が景色ぐらいしかない』などの理由が多いですね。彼らはコミュニケーションが苦手で、一緒に写る友人が少ないことに悩んでいますが、当社のスタッフたちはそんな依頼者に対して終始あだ名や呼び捨てで話しかけるなど、まるで本当の友人のように接します。結果、依頼者がそのスタッフたちを気に入ってくれて、『また会いたい』とリピートするケースも少なくありません」

石井代表いわく、「利用した方からは『気持ちが前向きになれた』という感想を多くいただきます」とのこと。お金をかけてまで「一瞬のリア充」になりたいものかと疑問に思う部分もあったが、ポジティブになれる効果があるのなら高いものではないのかもしれない。

ちなみに、これまでで最高額の依頼はラスベガス旅行の同伴で、スタッフ5〜6人分の旅費とカジノで合計300万程度を使った人がいたとか。いくらなんでもこれは極端だが…。

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