ビジネスパーソンインタビュー
八木仁平著『世界一やさしい「才能」の見つけ方』より
親や先生に「やっちゃダメ」と言われたことは? あなたの“才能”を掘り起こす5つの質問
新R25編集部
「自分には才能がない」
自身のことをそう評価したことはないでしょうか?
「才能さえあればもっと活躍できたはず」「〇〇さんは才能があるからいいな」と思うことがあるはず。
そんな一部の人間しか持ってないと思われている「才能」を「誰でも見つけることができる」と、自己理解の専門家である八木仁平さんは『世界一やさしい「才能」の見つけ方』で語っています。
同書では、「才能」のメカニズムから、才能を見極めるためのフローなどを丁寧に解説。
今回は、「才能を見つける5つの質問」について抜粋してご紹介します。
Q1. 他人にイラッとすることは?
あなたが他人にイラッとすることはなんでしょうか?
なぜ、イラッとしたことから「才能」がわかるの? と思いますよね。
それは、イラッとするのは以下の2つのどちらかを思ったときだからです。
・「自分だったらこうするのに」
・「自分だったら絶対こうしないのに」
つまり、「自分なら普通にできてしまうこと」ができない人を見たときに、「なんでこんなこともできないの?」とイラッとしてしまいます。
しかし、この「イラッ」としたときはあなたの才能を見つける大チャンスです。
「イラッ」の裏側には、才能が必ず隠れています。
この質問から才能を見つけるのには、10秒です。
・まず、イラッとしたことを考える
→次に、自分が何が当たり前にできるからイラッとしたのか考える
他人にイラッとしたときは、他人のできないことを指摘するのではなく、「その逆が自分の才能なんだ」と捉えましょう。
それができれば、人間関係がとても円滑に進むようになって人生はラクになります。
明日からも、人と関わる中でイラッとするタイミングがあるはずです。
そんなときにこの技術をつかってみてください。
才能も見つかり、人間関係もラクになり、一石二鳥のテクニックです。
POINT
イラッとする他人は、あなたの才能を教えてくれている
Q2. 親や先生によく注意されたことは?
親や先生に注意されたことはなんですか?
「注意されることってダメなことですよね? なんでそこから才能が見つかるの?」と思われるかもしれません。
人から注意されることは、あなたの突き抜けているポイントです。
目立っているからこそ、注意されるのです。
例えば、時速300キロで走れるF1カーが、最高速度が時速50キロの公道で走るとどうなると思いますか?
気を緩めて少し速度を出してしまうと、すぐにスピード違反になって注意されてしまいますよね。
最高速度を守ろうとすると、持っているポテンシャルが発揮できずに、悶々としてしまうはずです。
しかし、F1カーはレース会場に行くと、ものすごいスピードを出せます。
ここから何がわかるでしょうか?
そうです。
注意されるくらい自然とできる才能を見つけて、それを長所として発揮できる環境に移ることが大事だということです。
世界一やさしい「才能」の見つけ方
例えば、「ネガティブなことばかり気になる」などはどう考えても短所のように見えます。
そんな短所を持つUさんは周りの人からいつも「ネガティブなことばっかり考えるのはやめなよ」と注意され続けてきました。
その結果、自分自身も「困った短所だな」と否定的に捉えてなるべく出さないようにしてきました。
ですが、炎上を避けるための謝罪会見のプロとして仕事を始めた瞬間に、長所として役立ち始めたのです。
ネガティブに考えてリスクを徹底的につぶすことでお客さまから信頼されて仕事を依頼されています。
・注意されたことを思い出す
→自分のどんな「つい、やってしまうこと」が短所になったのか考え、長所として捉え直す
あなたが注意されたことから才能を見つけたら、ここからの人生では「その才能を活かせる環境」を選んで、そこで生きてください。
POINT
注意されるのは、突き抜けているポイント
Q3. やっちゃダメと禁止されると辛いことは?
なぜ、禁止されると辛いことを考えると才能が見つかるのか、わかりますか?
この時点でわかっていれば、あなたは才能を見つけるかなりの上級者です。
何度も繰り返しますが、才能とは「つい、やってしまうこと」です。
自分にとって、それをやっている状態が自然で、やっていない状態は不自然です。
無意識にやっていることなので、禁止されてできない状態はとても苦しいのです。
鳥が空を飛ぶことを禁止されて、陸を歩きなさいと言われているようなものです。
知人のTさんは感染症流行による外出自粛期間に、「人と会って話すこと」を禁じられ、とても落ち込んでいました。
つまり「他人とコミュニケーションする」という才能を持っているのでしょう。
ちなみに僕は「人と会って話すこと」は禁止されても辛くありません。
それをTさんに伝えるとビックリしていました。
みなさんはどうでしょうか?
「才能」はこのように本当に人それぞれです。
この質問には、以下の手順で答えてください。
1. やっちゃダメと禁止されると辛いことを考える
2. どんな「つい、やってしまうこと」が禁止されているのかを考える
この質問は1がポイントです。
ストレートに「禁止されると辛いこと」を聞かれてもなかなか思いつかないかもしれません。
そんな方は「これまで息苦しかった環境は何か?」と考えてみるのがおすすめです。
それは、自分の「つい、やってしまうこと」が禁止されていた環境であることが多いからです。
世界一やさしい「才能」の見つけ方
この質問で見つかった、禁止されると辛いくらいの「才能」を仕事にするとどうなるでしょう?
そうなれば、「仕事をしたい」とか「したくない」というレベルではなく、「仕事をつい、やってしまう」という状態になります。
そのとき、人生から「モチベーション」の問題は消えます。
言い換えれば、「今モチベーションが上がらずに困っているのであれば、才能を活かせていない」ということです。
成功の秘訣は「やる気を出すこと」ではなく「やる気がなくてもできることを続けること」。
そして、やる気がなくてもできることには、あなたの才能が関係しています。
ぜひこの質問で、そんな才能を見つけてください。
POINT
「やっちゃダメと禁止されると辛いこと」を仕事にすれば、モチベーションの悩みから解放される
Q4. あなたの短所を「だからこそ」で言い換えるとどうなりますか?
あらためて、「短所」と「長所」は表裏一体です。
なのに「あなたの長所はなんですか?」と聞いても答えられる人は少なく、「あなたの短所はなんですか?」と聞くとほとんどの人が答えられます。
これは不思議ではありませんか?
実は、これには人間の本能が関係しています。
人間はポジティブな情報よりも、ネガティブな情報に注意を向けやすい「ネガティビティバイアス」を持っています。
「ネガティブ」に注目する本能は、死のリスクが下がった現代でも変わっていません。
社会の変化が急激すぎて、脳の進化が追いついていないのです。
その本能を利用して、見つけやすい「短所」から「才能」と「長所」を見つけましょう。
実は、あなたの「短所」を一瞬で「長所」に変えてしまう魔法の言葉があるのです。
それは「だからこそ」。
例えば「人見知りだから、新しい友達がなかなかできない」と考えていたとします。
この「だから」を「だからこそ」に言い換えてみましょう。
そうすると「人見知りだからこそ、大事な人とじっくり向き合うことができる」や「人見知りだからこそ、一人でじっくり考える時間を取ることができる」と一瞬で長所に言い換えられます。
この言葉をつかえば、どんな短所も例外なく、長所に言い換えられます。
なので、この質問には次の流れで答えてください。
・短所を考える
→短所がどんな「才能」から生まれているか考える
短所があるあなた「だからこそ」輝ける。
そんな場所が世界には必ず存在しています。
POINT
「だからこそ」で、短所は長所に一変する
Q5. 他の人は嫌がるのに、自分には楽しいと思えることは?
仕事として、あまりに楽しくて、遊びだと思えるくらいのことを見つければ、勝ったも同然です。
多くの人は「仕事とは苦痛が伴うもの」と思っています。
ですが、現実は正反対です。
仕事とは遊びであって、喜びが伴うもの。
そういう感覚でできることのほうが楽しく、結果も出るのです。
自分には遊びのように楽しいのに、周りからは仕事として受け止められる。
それがあなたの「才能」です。
遊びのように楽しければ、1日16時間、週7日働いても苦になりませんが、苦痛が伴う仕事だと感じている人にとっては大変すぎます。
だから、誰もあなたには勝てないのです。
「努力は夢中にかなわない」
これは、仕事においてよく言われる言葉です。
さまざまなアレンジが加えられて流布していますが、元は孔子の『論語』にある「知之者不如好之者、好之者不如楽之者』(知っているというのは好むに及ばない、好むというのは楽しむに及ばない)」で、ことわざで言えば「好きこそものの上手なれ」です。
世界一やさしい「才能」の見つけ方
「夢中になれることなんて、ゲームくらいしかないです」と思う人もいるかもしれません。
もちろんそこにも「才能」が隠れています。
ゲームに夢中になる人は多くいますが、何を楽しんでいるかは人それぞれです。
例えばゲームでも特に「レベル上げをするのが楽しい」という人がいると思います。
その場合は、「コツコツ成長する」才能を持っています。
また「最短ルートで攻略することが楽しい」という人もいます。
この人は、「効率的な戦略を考える」才能を持っています。
世界一やさしい「才能」の見つけ方
こうやって「夢中になれることの中で、どんな行動が特に楽しいんだろう?」まで掘り下げることで、あなたの才能を見つけることができるのです。
この質問にも、簡単に答えられます。
・「他の人は嫌がるのに、自分には楽しいと思えること」を思い出す
→特にどんな行動が楽しいのか考える
この質問で見つけた才能を仕事に活かすことができれば、「早く仕事終わらないかな~」ではなく、「あっという間に時間が過ぎた!もっと働きたいな~」と思うようになります。
才能を見つけて活かすと、これまでの人生がなんだったんだと思えるほど、世界の見え方が変わってしまうのです。
POINT
「夢中になれること」を掘り下げると才能が見つかる
「才能を見つける技術」を毎日の習慣に
才能を見つける5つの質問を紹介させていただきました。
5つの質問を知った今の時点で才能を見つけられていなくても問題ありません。
ここまで読んだだけでも「才能を見つける視点」が手に入り、明日から生活しているだけで次々と自分の才能に気づけるようになっていくからです。
いつの間にか、才能を見つけるのが習慣にすらなっていくでしょう。
自分の才能を見つける技術を磨く
『世界一やさしい「才能」の見つけ方』は、自分だけの強みの発見から、それを活かす方法まで多くの文献を参考に書かれています。
同書には巻末特典として「才能を見つける→活かす→育てる」を実践できるフローチャート、才能の具体例1000リスト、才能を発見できる300の質問などが用意されています。
「自分には才能がない」とすでに諦めてしまっている方こそ、今から新しいキャリア・人生を見つけにいってみませんか?
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