

営業パーソン特化の転職・キャリア支援「SQiL Career Agent」が登場
「顧客目線があります!」は強みじゃない…セレブリックス梅田が営業“超格差社会”に警鐘
新R25編集部
“セールス”をテーマに、営業代行やイベントなど、さまざまな領域で注目を集める株式会社セレブリックス。
以前に登場いただいた、今井晶也さんが「営業こそクリエイティブな職種」と吠えたことでも印象深い会社です。
そんなセレブリックスが、営業パーソン特化の転職・キャリア支援サービス「SQiL Career Agent」をリリースしたということで、事業責任者の梅田翔五さんに取材させていただくことにしました。
梅田さんいわく、ChatGPTのようなAIの出現で、世の中は「営業“超格差社会”」になるとか…。
格差社会のなかで生き残る人材はどんな人なの…? 営業職以外の人も必聴のお話だったので、全ビジネスパーソンに向けてシェアさせていただきます。
〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉
セレブリックスの方は全員シュッとされていますね

天野
AIに仕事が奪われるんじゃないかとおびえてる人は多そうですが、営業支援会社セレブリックスの梅田さんが、「営業」もその可能性があると…

梅田さん
そうです。
僕は、現代は営業“超格差社会”に突入しつつあると思うんですね。

天野
営業のなかで格差が開いていくと。僕は営業職じゃないですが、なんだか他人事じゃなさそうです。

梅田さん
この5年間ぐらいで、営業にまつわるホットワードがたくさん出てきたと思うんですね。
「インサイドセールス」「セールスイネーブルメント」「セールスオプス」とか…
まさかわからない人なんていないですよね?

梅田さん
メルマガやホワイトペーパー、WEBセミナーなどのマーケティング施策の一部をセールスが運用するという会社も少しずつ増えてきており、またその手法・手段もさまざまです。
そういった新しい概念や手法についていける営業とついていけない営業の間に、どんどん差がついてしまっている。

天野
たしかに。

梅田さん
一方で、昔よりも“営業の人数はいらなくなってきたよね”というのがリアル。
たとえば、コロナの影響で「飛び込み営業」って体感的には半分くらいになってるんじゃないか…とか。
そんななかで、生き残る人と不要になる人がハッキリ分かれてしまうのが営業“超格差社会”なんです。

天野
ほんとに他人事じゃなさそうな雰囲気…。どういう人が生き残れるんでしょうか?

梅田さん
クリティカルシンキングをしつづける人ですね。
日本語で言うと「批判的思考」。

梅田さん
わかりやすく言うなら「嘘を嘘と見抜ける人でないと…」みたいな。

天野
懐かしい。

梅田さん
今、情報だけなら誰でも入手できるんですよ。たとえば家を買いに来た人も、「ネットにはこう書いてあったんですけど…」って言う。
それに対して、「お客様が本当にほしいものって何なんでしたっけ?」「こう言ってるけど、じつはこうなんじゃないですか?」っていう、ひねくれた視点で気付きを与える。
これがクリティカルシンキングなんですね。

天野
表層ではなく、セールストークのコアを見つけるという。

梅田さん
そうです。ChatGPTなどのAIの出現によって、お客様の質問に回答を返すだけの営業は不要になる。
「それって何をほしくて言ってるんですか?」って、質問に質問で返すぐらいじゃないと営業はできなくなります。
そこに気付けない会社にいると、会社全体でも個人としても世のトレンドに遅れをとって、“その会社にいるだけで市場価値が下がっている”ことに気付かない営業パーソンが大量に生まれてしまうでしょうね。
なぜ営業パーソンのキャリアはあいまいで、積み上げにくいのか? 梅田さんが核心を突く

天野
そんななかで、なぜ営業パーソン特化の転職・キャリア支援サービス「SQiL Career Agent」を立ち上げたんでしょうか?

梅田さん
これはぜひ書いてほしいんですが…
営業手法はどんどんアップデートされているなか、営業パーソンの“転職の手法や考え方”はまったくアップデートされていないことに危機感があったんです。
レベルの高い人たちだけがどんどんいい転職をして、そうじゃない人は置いてけぼりになっている。

梅田さん
なぜ転職やキャリアアップの手法がアップデートされていないかと言えば、営業パーソンのコアスキルが明確化されていないからです。
エンジニアやデザイナー、マーケッターなら、こういう言語やソフトが使えるとか、専門性が明確になっている。
一方で営業パーソンとなると「僕はお客様との信頼関係を構築できます!」「法人営業を10年やってきました!」みたいなフワフワした地点で止まっていて、とてもスキルが明確化されているとは言い難い。「結局それって何ができるの?」みたいな。
逆に言えば、営業パーソンたちも「俺って何をやったらキャリアアップしていけるの?」と迷子状態になっている。

天野
なるほど…

梅田さん
たとえば「プロダクトライフサイクル」という言葉があります。
“商品やサービスが出てきてから廃れるまでの周期”。
現代は、これがどんどん短くなってきていると言われています。たとえば今TikTokが流行ってますけど、10年後に流行ってるかはわからないですよね?

天野
プロダクトライフサイクル…

梅田さん
プロダクトライフサイクルが長かった時代は、「30年間同じモノを売ってきました」でキャリアが完結する人もたくさんいた。
ところが、現代では“売るモノ”や環境が変化しつづけるため、「横展開できる、自分のコアスキル」がないとキャリアに迷ってしまう。
最近話題の「リスキリング」という概念も、そこから需要が生まれていると思っています。

天野
そうだったのか…なんとなく「勉強しなおすの大事だよね」ぐらいの話かと思ってたけど今ようやく理解できた気がします…
「常にコアスキルを意識し、アップデートしていかないと○ぬ」みたいなことなんですね。

梅田さん
おっしゃる通りだと思います。
我々が立ち上げた「SQiL Career Agent」では、エージェントが営業パーソンへのインタビューを通して、「その人のコアスキル」を明確化。
自分に足りないスキルもわかるので、目指すべきキャリアの道筋を見つけることができます。
いざ体験。「顧客目線があります!」は営業パーソンの強みになり得るのか?

天野
せっかくなので、実際にどんなキャリアアドバイスをするのかを体験したくて。
新R25の営業パーソンを連れてきました。

小林
新R25の小林です。
記事には初登場です。皆さん覚えてね

梅田さん
小林さんはどんなキャリアを歩んできたんでしょうか?

小林
もともと商社の一般職で、その後某ブライダル情報誌の、ウェディング企業への法人営業をやっていました。

梅田さん
それは既存のルートセールスですか?

小林
そうです。でも、数字が足りなければ新規も営業してました。数字を達成するための手法は問わないっていうスタイルで。
いろんなデータをもとにロジックを立てて売ることもしてました。
一人前の営業になるために、細かいマーケティングの研修プログラムみたいなものもありましたし…!

天野
なんかスキルを盛ろうとしてませんか?

小林
静かにしててください!

梅田さん
営業の実績で言ったら、率直に“上中下”のどれぐらいだったと思います?

小林
えー…
まあ、中ぐらいじゃないですか?

梅田さん
なるほど。
では、その仕事のなかでまわりの営業と小林さんの違うところ、つまり強みは何だったんでしょうか?
いい質問

小林
それはやっぱり…第二新卒で24歳から入社してて、私は圧倒的に顧客目線が強いんです。
クライアントの決裁者は男性が多かったのと、結婚式場やホテルの支配人のかたって50代以上の方も多い。
だから「皆さんになくて私にあるのは顧客視点です!」って言い切ってました。

梅田さん
…そうだったんですね。

小林
式場を選ぶのってやっぱり花嫁さんなんですよ!
若い女性のトレンドはこうなんです!って、アンケートによる定量、自分の感覚による定性の、両方から話をできていたのが強みだと思います。
そこからは、サイバーエージェントに“広報”として入社して…そういった職種を経験した強みを武器にして、今は新R25で営業をしている…というキャリアになります。

天野
梅田さん、どうでしょうか?

梅田さん
今のヒアリングは非常に短い時間で、本来ならもっと深堀りさせていただくんですが…
やりとりから、僕が気になったポイントが一つあります。
営業パーソンとしての強みを「若い女性目線があること」っておっしゃっていたんですけど、クリティカルシンキングすると本当にそうなのかな?と。

天野
…というと?

梅田さん
「同世代ならではの目線がある」っていうのは、意地悪に見てしまえば「24、5歳で営業してる人全員そうなんじゃね?」って言えると思うんです。
失礼な言い方を許していただくなら、同世代だから顧客目線があると言ってしまうと、当時より年齢を重ねた小林さんには、顧客目線がなくなっているとも言えてしまいますよね。

小林
あーーーー、たしかに…!

梅田さん
たとえばあり得るのは、「最新のトレンドを、データや市場調査をもとに具体的な提案に落とす」ことを習慣的にやっていたんだとすれば、小林さんの強みは「情報収集力」や、自身の発言に客観性を持たせる「メタ認知力」なんじゃないか?と。
このあと時間があれば、広報としてもそういった情報収集やメタ認知力を発揮した仕事をしていたのか?をすり合わせていきたいなと思いましたね。

小林
そう言われるとそうなのかも…
でも、「情報収集力」ってちゃんと意識したことはなかったな…
考えたことなかったけど、自分の解像度がちょっと上がった気がしますね。
こういったクリティカルシンキングにもとづく質問を繰り返し、営業パーソンとしての強みを言語化してくれるそうです

梅田さん
あなたの強みはなんですか?ときかれると、皆さん最初はだいたい抽象的なことをおっしゃるんですよ。「お客さんのために動けます」「信頼関係を築くことが得意です」とか。
それって具体化すると「タスク処理能力が高い」「学習能力が高い」ってことなんじゃないか?と細かくしていって、もう一度抽象に戻す。
抽象⇒具体⇒抽象という過程をたどることで、営業パーソンとしてのコアを見つけにいくインタビューをしていますね。

天野
インタビューのコツとして最上レベルのお話ですね…

天野
ちなみに梅田さんは、営業パーソンとしてどんなキャリアを歩んできたんですか?

梅田さん
僕は、就職活動をしたのがリーマン・ショックの次の年で…
しかもお恥ずかしながら、父がすごく厳しかったんですよ。
僕が受ける企業のIRを父親が全部見て、「製薬はいいんじゃないか」みたいな就職でした…
たしかにそれはちょっと…

梅田さん
それで、財閥系の流れを汲む“ザ・ジャパントラディショナルカンパニー”でMR(製薬会社の営業)をやっていました。

天野
MRか…今はどうかわからないですが、「病院でとにかく医師の先生を待ってる」みたいなイメージがありますね…

梅田さん
まさにそれでした。2~3時間、病院の待合室で待ってる。
あとは接待もめちゃくちゃありました。ミシュランの2つ星の寿司屋に23歳の僕と60代のドクターが行くみたいな。

天野
貴重な経験だし、誰もができることではないですが…
その当時はどんな心情だったんですか?

梅田さん
そういった仕事の方々を否定するわけではないですが、僕個人は何も楽しくなかったです。
なぜなら、何が成果に結びついたかがまったくわからないから。僕はダンスをやっていたんですが、「忘年会でブレイクダンス踊ってくれたから発注するよ」みたいなこともあって。
実際、MRは今どんどん人数が減っているというデータも出ています。
さっきまでバキバキだった梅田さんのくすぶり時代

梅田さん
その後、人材系の会社やスタートアップの営業職に転職して、なんとか自信を取り戻してきた過去があって…。成果を出すために毎日終電まで働くなんて時期も、数年続きました。
そんなキャリアで失敗してきたり、なんとか取り戻したいと葛藤してきた経験があるからこそ、営業パーソンのキャリアにホンネで寄り添いたいと思ってるんです。「頑張れば取り返せるぞ!」みたいな。

天野
キャリアアドバイザーによっては、けっこう上から来る人もいますもんね…。親身になってもらえるのはありがたいです。

梅田さん
セレブリックスで定めたパーパスに「Be The HOPE ~営業のその先を考える~」という言葉があるんですが、営業パーソンの“HOPE”の実現方法の一つとして、キャリアアップのお手伝いをすることが、社会を良くすることにつながると考えています。
もし、ちょっとでもキャリアに迷っている営業パーソンがいたら、僕に連絡してください!TwitterのDMとかでも大丈夫です(笑)。
自分がこれまでやってきた仕事で身につけた「コアスキル」は何なのか?
どんな仕事でも「AIに取って代わられる」などと言われる今、営業職じゃなくても、立ち止まって考えてみるべきテーマな気がします。
「記事を○年書いてきました」だって、コアスキルと呼べるかは怪しいですからね…。
少しでもうなずいたアナタは、「SQiL Career Agent」をチェックして、梅田さんのキャリアインタビューを受けてみることを強くオススメします!
〈取材・文=天野俊吉(@amanop)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉

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