プロサッカーチームを経営。投資家としての顔も

堀江貴文「彼の存在は奇跡」驚くべき挑戦を続ける実業家・本田圭佑を駆り立てるもの

仕事
ここ数年、サッカー日本代表の顔として活躍してきた本田圭佑選手。彼は現役のサッカー選手でありながら、経営者や投資家としての顔を持っている

「彼の存在は奇跡」あのホリエモンも手放しで絶賛する“実業家”本田圭佑

出典

MANTAN/アフロ

ホリエモンこと堀江貴文氏は自身の著書のなかで、「本田の言動やスタイルは唯我独尊すぎると批判があるようだけれど、誤解されている。彼が追っているビジョンに、まだ大多数の人が追いついていないだけだ」と実業家としての本田圭佑を評価。Twitterでもその存在を“奇跡”だと絶賛している。
堀江氏が特定の人物をここまで高く評価することは珍しい。そんな本田圭佑の知られざる活動と、モチベーションのルーツを見ていこう。

現役選手でありながら、運営するサッカースクールは5年で6カ国に展開。国内では約70校に

彼は自身のマネジメント会社「ホンダ・エスティーロ」で2つの事業を行っている。

まずひとつはサッカースクールの運営だ。2012年に本田が立ち上げた「SOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOL(ソルティーロファミリアサッカースクール)」は、開校からわずか5年で6カ国へ展開。日本国内だけでも70校を運営している。
現役の選手でありながら、これだけの規模のスクールを運営していた人がこれまでにいただろうか。ホンダ・エスティーロの人材採用ウェブサイトには、「日本一、そして世界一の育成組織になる」という高いビジョンが掲げられている。

3カ国でプロサッカーチームを経営。目的は「超有名チームへ人材を輩出すること」

本田が手がけているもうひとつの事業は、プロサッカーチームの経営だ。2015年当時、オーストリアの3部に所属していた「SVホルン」の経営に参画。同リーグで見事に優勝し、目標として掲げていた「1年以内に2部昇格」を実現した。

そんなSVホルンの目標は、“挑戦の登竜門”として超有名チームへ人材を輩出すること。世界中の若い選手を起用し、より大きなチームから注目されるようになることを目指している。
また、サッカースクールとプロチームの運営を並行することで、自分のスクールで育てた有望な選手をすぐに海外へと送りこむこともできる。幼いころから一気通貫で大きなチームへと挑戦できるような場をつくろうとしているようだ。

本田は2017年にはカンボジアのチームの運営にも参画、さらにはウガンダのサッカーチームも買収した。プロサッカーチームの運営はこれで3カ国で手がけていることになる。ホリエモンが評価するように、とんでもないスピードで事業の幅を広げているのだ。
本田が運営するカンボジアのチーム「ソルティーロ・アンコールFC」

2016年にはファンドを設立してエンジェル投資を開始。5000万円の賞金を全額投資へ

また、2016年には自身のファンド「KSK Angel Fund」をつくり、創業間もないスタートアップ企業に投資するエンジェル投資家としても活動を開始。

第1弾として子どもたちにプログラミング教育を提供する「ライフイズテック」、次にクラウドファンディングサービス「Makuake」を運営している「サイバーエージェント・クラウドファンディング」に投資することを発表した。

投資金額は明らかにされていないものの、自身の活動を評価され受賞した「ファーストペンギンアワード」の賞金5000万円を全額投資に回すと発言している。

「サッカーだけじゃなく、世界の教育に関心がある」すべての活動の根底にある“子どもたちへの想い”

本田を動かすモチベーションの源泉はどこにあるのか。彼は過去、『Goal』のインタビューでこんな発言をしている。

僕は別にサッカーの育成に固執しているわけではありません。むしろ、日本の教育、世界の教育に関心があって、サッカーだけじゃなく、どのような仕事にもあてはまる人材教育にすごく興味を持っています」

また、本田の「KSK Angel Fund」のウェブサイトには「AI, IoT, Sensor, drone, Rocket などの次世代の技術を中心に投資していきます。しかし1番の関心ごとはそれらの技術がいかにして次世代の子供達の教育に関わるかです」とある。
プロチームの運営からクラウドファンディングへの投資など、一見バラバラなことを行っているようにも見える本田だが、それらの活動をつないでいるのはゆるぎない“教育への想い”。

幼いころから「世界一のサッカー選手になる」という大きな夢を抱いて自身が世界に羽ばたいた一方、その“世界”で貧困に苦しみ、まともな教育を受けられない子どもたちを目の当たりにしてきた。そんな体験が、彼の想いの根底にあるのだろう。
子どもたちが夢をもち、それを実現する場をつくる

圧倒的なバイタリティで、大きなビジョンを実現しようとしている本田。たった1人の男の情熱が、世界を変える日が来るかもしれない。
<文=新R25編集部>