“建前”と“本音”があるらしい?

内閣改造したばかりなのになぜ!?「いきなり衆議院解散」の理由をわかりやすく解説!

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ちょっと前に内閣改造したばかりなのに、今度は解散しちゃうの!? 9月28日に安倍晋三首相がいきなりの衆議院解散を決めたことで選挙戦モードに突入した日本列島。連日、政治ニュースが飛びかい、世の中は一気に慌ただしくなっている。

それにしてもなぜこのタイミングで電撃解散しちゃったの? わかりやすく解説したい!

10%に上げる消費税の使い道を「借金返済」から「教育無償化」などに変更!その是非を問う選挙

安倍首相は今回の解散を「国難突破解散」と命名した。安倍首相の言う「国難」とは、少子高齢化や緊迫する北朝鮮情勢のこと。
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つのだよしお/アフロ

10月4日、街頭演説をする安部首相
「国難」をなんとかするために、2年後に10%に引き上げられる消費税の使い道を変更したい。その是非を問うための選挙をするという。2%の引き上げにより5兆円強の税収増となるが、元々はうち4兆円あまりを国の借金の返済に使うことになっていた。首相はこの資金を、

・2020年度からの高等教育の無償化
・2020年度までに、3歳から5歳まで、すべての子どもたちの幼稚園や保育園の費用を無償化

などの「人づくり革命」に使うと宣言。「国民の皆様との約束を変更し、国民生活に関わる重い決断を行う以上、速やかに国民の真意を問わねばならない」と説明している。

また、核・ミサイル実験を活発化させる北朝鮮には、おどかしに屈せず「力強い外交を進めていく」と記者会見で宣言した。

北朝鮮問題で支持率回復&野党ゴタゴタで自民党の議席を増やすチャンス!これがホントの解散目的?

とはいえ野党や新聞・テレビなどのメディアからは「大義なき解散だ」との声がやまない。安倍首相の説明以外にも“真の狙い”があるともいわれている。それが、悲願である憲法改正のために「自民党の議席を増やすこと」だ。
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ロイター/アフロ

今が議席を増やすチャンス!?
相次ぐスキャンダルなどにより、安倍政権の支持率は7月には34.7%にまで落ち込んでいた(産経FNN合同調査。以下同)。そこへ降って湧いたのが北朝鮮情勢。北朝鮮が挑発行為をエスカレートさせるにつれ、安全保障や外交面での評価が高い政権の支持は急回復し、9月には50%を超えるようになったのだ。

また、蓮舫元代表が辞任して揺れに揺れる民進党など、野党を見渡しても自民党の直接のライバルになれそうな党はなかった

自民党の支持率が回復し、野党が混迷を極めているうちに総選挙で議席を増やしたいという意図があるのでは、と指摘されている。

森友・加計の疑惑が追及されるはずだった「臨時国会」を解散によって回避した?

安倍首相が衆議院解散を宣言したのは臨時国会の初日。臨時国会とは、通常国会のほかに臨時で開かれる国会で、内閣や、衆参いずれかの議院の4分の1以上の要求があった場合に召集されるモノ。今回の臨時国会では、安倍首相が個人的な付き合いで土地などを便宜したと見られている「森友学園」「加計学園」をめぐる疑惑についての論戦が再開されるはずだった。

ところが初日の冒頭で「衆院解散」に踏み切ったことで、安倍首相は追及から逃れる結果に。自身の支持率低下の原因となった森友・加計問題から、国民やマスコミの目をそらさせたかったという狙いもあるのではないか、といわれているのだ。

…と、様々な思惑が指摘されつつも総選挙に打って出た安倍首相。ところがここにきて、小池百合子都知事率いる希望の党を中心に、野党では大きな動きが出ている。
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ロイター/アフロ

小池さん&前原さんで「希望の党」!? なかなかカオスです…
準備期間が少ないなか突入した選挙戦だけに、どんなことが起こっても不思議ではない。アメリカのトランプ政権が誕生した時のようなビッグサプライズが日本でも起こりうるのか!? 衆院選の公示は10月10日、投票は22日から。今後の動向に注目だ。

〈文=関淳一/H14〉