「彼らにとっては、会議が娯楽だったのだ」

【コラム】仕事が面白くない企業は衰退する。お金を払って働く『おもしろい経済』

お金
「インタラクティブ」というと、“提供する側”と“受けとる側”の間にキチンと線が引かれて、上下関係(どっちが上かは知らねーけど)ができてしまう。

まぁ、それもそれで面白いんだけれど、国民全員が情報を発信できるようになった今の時代に合わなくなってきているなぁと実感している。

今は、自分達が食べる肉を自分達で焼く「バーベキュー」や、自分達が楽しむ祭りを自分で作る「文化祭」のような、『全員クリエイター、全員オーディエンス』の時代に突入したように見える。

スナックである。

LIVEや作品やサービスを作る際、「いかに、スナックできるか?」は、いよいよ外せない要素となってきた。

まぁ、たまには全員の反応を無視して一人でブッちぎりたくなるけど、「たまに」でいい。
昨夜はレターポットの開発会議があった。

人数が多かったので、7チームに別れて会議。

昨日は、機能面ではなく、「レターポットを広める為にはどうすればいいか?」というテーマでペチャクチャと。
シャンパンを持ち込んできたヤツもいる。
最後は、話し合った結果を、チームごとに発表。
使えそうなアイデアから、バカみたいなアイデアまで、盛り沢山であった。
(※自分がいかに謙虚で素晴らしい人間かを座標軸で説明する西野氏。レターポットとは何の関係もない時間)
2時間半に及ぶ会議だったが、帰り際、会議に参加した連中が、「これから皆と2次会に行ってきまーす」と言って、呑み屋街に流れていったのが印象的だった。

「打ち上げ」ではなく、「2次会」である。

つまり、彼らにとっては、会議そのものが「1次会」であり、娯楽であったのだ。自分達で机を並べて、2時間半も働いて、自分達で後片付け。そして、2次会へ。

特徴的なのは、彼らがこの会議(仕事)に「お金を払って参加をしている」ということ。開発会議の参加チケットは僕のオンラインサロンの中だけで販売して、いつも1分ほどで売り切れる。
「これだけ働いたのだから、その分の給料を払え!」ではなく、彼らはお金を払って働いているのだ。
以前、千原ジュニアさんとケンドーコバヤシさんの『にけつッ』という番組に出させていただいた時に、「西野が町を作っている」という話になり、「町作りのお金はどこから出てるの?」と訊かれたので、「町を作る人達が払ってますよ」と答えたら、地獄みてーな空気になった。

か、金を払って、働かされるの!?」といった調子だ。

「はい。でも、バーベキューも、お金を払って肉を焼いているし、キャンプも、お金を払ってテントを建てているし、カラオケも、お金を払って歌っているじゃありませんか」とダメ押ししてみたが、さらなる地獄を生んだ。

お客さんは皆、「ヤベー宗教家が演説をブチ込んできやがった」という顔だった。

ただ、そんなに変なことは言っていなくて、国民全員が情報を発信できる時代において、「自分が発信する情報は面白い方が良い」と考えるのは当たり前で、となると、より良い発信者になるために時間とお金を払うというのは、別段、おかしな流れではない。

昨日、ゲラゲラ笑いながら、会議を進める皆を見て、「たとえ高給であろうと、業務内容が面白くない企業は衰退していく」と確信した。
貯金額よりも、発信者として面白くなれる方が幸福を得られるからだ。

そして、実に興味深いことに、「面白い」を発信している人(信用を獲得した人)は、クラウドファンディングやオンラインサロン等で、お金を作れる時代になった。

評価経済、信用経済、呼び名はいろいろあるが、厳密に言うと、『おもしろい経済』である。

「おもしろい」が通貨になっているので、その通貨を手に入れる為に先行投資をして働くのは、真っ当な等価交換で、ブラック企業の本質は「メチャクチャな労働時間」や「給料が安いこと」ではなくて、「仕事内容が面白くないこと」だと僕は思う。

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