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日本の普及率は異常に低い!? 政府も本腰を入れ始めた「日本のシェルター最新事情」

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「シェルター」と聞くとパニック映画やSFの避難シーンに登場するイメージだったけど、最近多発している北朝鮮のミサイル発射で、日本にもひょっとしたら必要かも…といった話が出てきている。

そして、ついに政府が“国民保護”の観点からシェルター整備の本格検討を始めたらしい

「学校にシェルターを設置」「シェルター付き住宅は減税」など、シェルター普及案が続々登場

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Rodrigo Reyes Marin/アフロ

シェルターの必要性をたびたび訴えている自民党の二階幹事長
12月8日、時事通信が「自民党国土強靱(きょうじん)化推進本部(本部長・二階俊博幹事長)は8日、党本部で会合を開き、北朝鮮による相次ぐミサイル発射などを念頭に、シェルター整備を推進する方向で一致した」と報じた。

これまでおこなわれている会合では、「学校や市町村役場」にシェルター設置を検討する案などが出ているという。まさに『エヴァ』みたいな世界…。

また、前防衛大臣政務官で衆議院議員の小林鷹之氏は、核シェルターを備えた新築住宅に対して「税制上の優遇措置などを検討していただきたい」と要請。「減税されるからエコカーを買おう」みたいなノリで、「減税されるから家にシェルターを付けよう」となるかもしれない!?

ほかにも、「倉庫などを地下に持つ民間企業や団体が周辺住民の避難受け入れに協力すれば補助金を支給する案」「地方に核シェルターを新設する企業や団体へは、補助率を引き上げるなどの手厚い優遇策」(『SankeiBiz』より)なども検討されているらしい。
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ロイター/アフロ

北朝鮮ミサイルはいよいよ危険領域に…

世界では人口の100%を収容できるシェルターがある国も。日本はわずか0.02%と異常に低い普及率

そんな大げさな…と思いきや、日本以外の国ではシェルターはかなり普及しているらしい。

NPO法人「日本核シェルター協会」のWebサイトによれば、人口あたりの核シェルター普及率は、スイス、イスラエルが100%! 以下、ノルウェー98%、アメリカ82%、ロシア78%…と続く。対して日本はたったの0.02%だ。

ほかの国でこんなにシェルターが普及してるってどういうことなんだろう…?と調べると、クーリエ・ジャポンの記事に以下のような情報が。
スイスでは、新たに建設される大型ビルには、民間、公共を問わず、地下に核シェルターを設けることが基本的に義務づけられており、核攻撃に備えて、きちんと管理されていなくてはならないことになっている。

出典https://courrier.jp

冷戦まっただ中の63年に、核シェルターの設置を義務づける連邦法が制定される。それは世界中をパニックに陥れた62年のキューバ危機から数ヵ月後のことだった。

出典https://courrier.jp

法整備という面においても、世界基準の「当たり前」レベルとはまだまだ差があるようだ…。

ネットでも買える家庭用「シェルター」はエアコン型!? お値段は300万円超…

ちなみに、政府の整備を待つ前に、自分たちでシェルターを買うことも可能(?)だ。

“55年以上の経験と実績”を持つという、社名もズバリ“シェルター”社(大阪府)が販売するのは、「エアコン型」のシェルター。
家庭用核シェルターがアマゾンでも買えてしまう時代! お値段は300万円超…
このエアコンのようなブツがシェルターってどういうこと…? と思っていたら、これは危険物質をろ過し、室内進入を防ぐという発想で開発された製品らしい。つまり、部屋を閉め切ってこの装置を作動させれば、細菌兵器、有害ガスなどから身を守れるということなのだ。

見た目はエアコンでも、やはり命を守る機器ともなればそれなりのお値段もするようで、300万円を超える値が付いている…。た、高い!

さらに、もっと「シェルターっぽいもの」も。
こんな外国っぽい地下核シェルターが、日本でも必要になる日がくるなんて…(画像はシェルター社公式ホームページのスクリーンショット)
同じくシェルター社が販売する「フォールアウトシェルター」は、自宅の地下に設置するタイプ。天井・壁は耐震、耐火設計で、「汚染空気換気ろ過装置」も付いている。核兵器、細菌兵器から地震、強風にまで対応しているという…!

お値段は明記されていないものの、「銀行ローンによるご購入も可能になりました。(最大120回、無担保、金利8%)」とのこと。

紹介してみたはいいけど、個人では手が出せないものが多い印象…。やはり国や自治体の整備に期待したい!

〈取材・文=新R25編集部〉