ビジネスパーソンインタビュー
Airbnb創業者も会いに来た!
なぜ彼に年間300万円のスポンサーがつくのか。プロ無職・るってぃのアツい生き方
新R25編集部
少し前からTwitterで見かけて気になっていた「プロ無職」を名乗る、るってぃさん。
無職のプロって、いったいどういうこと…? なぜ2万人以上のフォロワーが…? 旅行にもよく行っているみたいだけど、お金には困ってないの? 疑問は尽きません。
気になったので、本人に直接インタビューを打診。3記事公開の1記事目は、自身の活動やおもな収益源について語っていただきました!
無職に年間300万円のスポンサー!? なぜお金が集まってくるの?
ライター・中村
るってぃさんは、実際どういうことをされてるんですか?
るってぃさん
ブログなどでの“発信活動”がメインですね。自分の体験したことをいろんなツールで発信して、お金に換えています。
わかりやすいものだと、企業からの依頼でブログにPR記事を書くとか。いまはほとんど書いてませんが…
ライター・中村
じゃあどうやって生活しているんでしょう? 生活に困っている感じはありませんよね。
るってぃさん
実は、いまは年間契約で300万円のスポンサーがついてくださっているんです。それだけでほとんど生活に困ってません。
ライター・中村
無職にスポンサー!?
るってぃさん
スポンサーになってくださったのは「ノマド的節約術」など、メディアを複数運営している松本博樹さんという方です。「勢いがあるから」ということで将来への期待を込めて出資してくださっています。
ライター・中村
なるほど…
るってぃさん
ほかにも収益の柱になっているのは、オンラインサロンや「note」の有料記事の販売などです。
ただ、貯金なんかはせず、いただいたお金は活動の幅を広げるためにすべて使っています。
ライター・中村
攻めの姿勢ですね。
るってぃさんは、さまざまなテーマでクラウドファンディングを募り、累計400万円以上集めてらっしゃるじゃないですか。
なんでそんなにお金を集められるんでしょう?
るってぃさん
毎日、「発信力を武器にする方法」や「海外のライフスタイル」などを自分なりの言葉で発信してきたからですかね。
当たり障りのないことを言うよりも、自分が感じることを素直に発信したほうが、強く共感してくれる人は増えていくので、そういう人を大切にしています。
ライター・中村
“濃い”フォロワーを増やしていくイメージでしょうか。
るってぃさん
そうですね。価値のある情報発信を3年はやってきたから、「なぜこのプロジェクトをやるのか」が伝えやすいし、見てくれている人に「おもしろそう」とお金を出してもらえる。
そうした活動のおかげで、こうして取材の依頼もくるようにもなったんだと思います。Twitterのフォロワーが1万人を超えてからは、マジで仕事にも困らなくなりましたね。
海外留学で「なんでもあり」な環境を見て頭が弾けた
ライター・中村
昔から会社員には興味がなかったんですか?
るってぃさん
いえ、昔は「超普通」なヤツでした。大学に行って、就職して…と考えてましたよ。
ライター・中村
ということは、考えが変わったきっかけがあったのでしょうか。
るってぃさん
大学でブレイクダンスをやっていて、大学4年生のときにニューヨークへダンス留学をしたんです。
そしたら頭がパッカーン!って弾けて、いわゆる“マジメ”に働く気がなくなっちゃって。
ライター・中村
パッカーン!ってなったんですか。
るってぃさん
もう本当に「問答無用・なんでもあり」な環境で、常識がくつがえされたんです。
本当かわかりませんが「メキシコからトンネル掘って、ここにきました」とかいう人がめちゃくちゃいました(笑)。
ライター・中村
そんなことあるんですね!
るってぃさん
もちろん法律的にはよくないことですけど、マジメにルールを守って生きているのがアホらしくなって。
日本の生活に生きづらさも感じていたので、そこで初めて“人になれた”気がしましたね。
会社を10カ月で退職→ブログがきっかけで家をもらい、“死なない状態”に
ライター・中村
ただ、一旦は就職されたんですよね。
るってぃさん
その時はなにもスキルがなかったので、留学から帰って就職活動をして、内定をもらえたアパレル系の会社に就職しました。でも、10カ月で辞めちゃいました。
ライター・中村
なかなか早いですね。
るってぃさん
もともと、副業で稼げるようになったら辞めようと思ってました。1~2年を想定していましたが、思ったより早く辞められましたね。
「エアログ」という、Airbnb(民泊サービス)を紹介するブログで稼げるようになったんです。
ライター・中村
会社を辞められる、ということはブログでけっこう稼いでいたんですか?
るってぃさん
さっきの話と逆になるようですが、ブログ単体ではほとんど稼いでいません。
辞められたのは、ブログを読んでくれていた方から家をもらったことが大きいですね。
ライター・中村
え!? 家ですか?
るってぃさん
そうなんです。いまもそこに住んでいるので、家賃はゼロ。家がもらえたことで固定費がかなり少なくなって、ほとんど“死なない状態”になれました。だから会社を辞められた、というのもあります。
ライター・中村
どうして家がもらえたんでしょう? 持ち主にとっては、売ったほうが得に思えますが…
るってぃさん
僕も最初は意味がわからなかったんですけど、世の中には、お金や家が余っていて、純粋に若者を応援したいという人がいるんですよね。
そういう人たちがたまたまブログを見て「こいつなら、面白いことをなにかやってくれそうだな」と思ってくれたんじゃないかな。
家のほかにも物をくれたり、「フリーで失敗しても、うちで働いていいよ」と言ってくれる人がいたり。ブログを通して、いろんな出会いがありましたね。
ただお金を稼ぐのは誰でもできる。それより“体験を稼ぐ”ほうが価値がある
るってぃさん
僕は、お金を稼ぐより、誰にもマネできない“体験を稼ぐ”ほうが価値があると思ってます。
体験は誰にも盗まれないし、ひとつの体験からいろんなコンテンツが作れます。レバレッジがめちゃめちゃ効くんですよ。
ライター・中村
「体験を稼ぐ」って新しいですね! 特に“稼げた”と思う体験はなんでしょう?
るってぃさん
ブログがきっかけで、Airbnbの共同創業者でCEOのジョー・ゲビアが、僕の家に来てくれたことです。
ライター・中村
え!? どういうことですか?
るってぃさん
僕がやっていた、「代々木の潰れかけのパン屋をAirbnbで再生させるプロジェクト」が、Airbnbの「世界の素晴らしいホストストーリー6選」に選ばれたんです。
その話がCEOのジョーの目に留まったようで、会いに来てくれました。
左がAirbnbのCEOのジョー・ゲビア。「明日朝、AirbnbのCEOのジョー・ゲビアが来ます」というAirbnbから連絡を受け、急遽Airbnbのホストたちを集めてミートアップがおこなわれたそう。
ライター・中村
そんなことあるんですね…!
るってぃさん
ある程度のお金を稼ぐのは誰でもできる。でも「世界中に展開しているAirbnbの創業者を自分の家に呼んだ」っていう実績は、なかなかマネできないじゃないですか。すごくうれしかったし、もう天狗でしたよ。
でもその翌日に、めちゃめちゃ悔しい思いをすることになるんですけどね。
ライター・中村
悔しい思い、ですか?
るってぃさん
翌日に建築関係のイベントがあって、トークセッションでCEOのジョーと日本人の建築家が登壇していたんです。
それを見て「なんで自分は見ているだけなんだ?」って、すごく悔しくなって。一瞬でも天狗になったことが恥ずかしくて、世界で活躍する人と対等にステージ上でしゃべれるようになりたいと強く思いました。
ライター・中村
無職なのにめちゃくちゃ意識が高い…
るってぃさん
その第一歩として、まずはAirbnbのようなシリコンバレー企業や、現地のフリーランサーの働き方を見にいきたいと思ったんです。
クラウドファンディングで50万円ぐらい集めて、2016年の11月にシリコンバレーで取材してきました。
ライター・中村
すごい行動力ですね! “プロ無職”という肩書きのイメージがくつがえされました。
地球が遊び場。自分が楽しむために、世界を良くしたい
ライター・中村
いろいろやっているように見えますが、活動に共通している“軸”はあるんですか?
るってぃさん
一番大きな軸は、日本を良くすること。さらには世界を良くしたいと思っています。「地球が自分の遊び場」という感覚なので。
ライター・中村
地球が遊び場…?
るってぃさん
たとえば、環境汚染でひとつの国に行きにくくなってしまうのは、僕にとっては近くの公園や小学校に行けなくなるのと同じ。自分の遊び場がなくなるようなイメージなんですよ。
ライター・中村
なるほど。自分が楽しむために世界を良くしたい、と。
るってぃさん
はい。人のためとか社会のためというよりも、自分のためです。人生を楽しむことを追求していたら、結果的にまわりの人の人生も良くなった、というのが理想ですね。
エラそうなインフルエンサーと同じ土俵に立ちたい。その次は海外へ
ライター・中村
最終的には「世界を良くする」方向に向かうとして、もっと近い将来、実現したいことはありますか?
るってぃさん
エラそうにいろいろ言ってる、インフルエンサーたちと同じ所に立ちたいですね。
自分のような活動をしているなら、彼らと同じ土俵で意見を言えなければならないと思っています。
ライター・中村
偉そうなインフルエンサーですか。たとえば…?
るってぃさん
それこそ「新R25」で取り上げているような人たちですよ。箕輪厚介さん、田端信太郎さん、はあちゅうさん、あとはキングコングの西野さんとか。
向こうは僕のことも知らないし、相手にもしてない。そう思うと悔しいです。
ライター・中村
憧れより、悔しさの方が強いんですね。
るってぃさん
憧れって厄介な感情なんですよ。憧れた瞬間、もうその人は超えられないので。
自分は憧れで終わりたくない。だから対等の立場で発言できるように、すべてのリソースを注いでいます。
その次は絶対に海外へ進出したい。本当に地球を遊び場にして、楽しいことをしたいですね。
“プロ無職”という言葉の怪しさ(失礼)とは裏腹に、るってぃさんは目標を高く持ち、さまざまな活動をしているアツイ男性でした。
次回は、るってぃさんに「働き方」について聞きたいと思います! 乞うご期待。
〈取材・文=中村英里(@2erire7)/取材・撮影・編集=葛上洋平(@s1greg0k0t1)〉
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部