ビジネスパーソンインタビュー
高校時代やブログを始めた頃の話も
はあちゅうと振り返る経歴。電通時代の仕事内容・退職理由は? 炎上のことはどう思ってる?
新R25編集部
目次
- はあちゅう(伊藤春香)さんのプロフィール・経歴
- 出身高校の慶應義塾湘南藤沢高等部では“陰キャラ”だった
- 慶應義塾大学へ入学し、始めたブログがヒット! 初の書籍化も経験
- 株式会社電通へ入社し、コピーライターとして働く。退社の理由は?
- 電通からトレンダーズ株式会社へ転職。「キレナビ」編集長に就任
- 「炎上商法」「ブス」などと非難されることについてどう思ってる?
- 「私はライターじゃなくて作家」発言でも炎上。はあちゅうさんの見解は?
- はあちゅうさんの著作から、3冊おすすめ作品を挙げてもらった
- 電通時代に受けた岸勇希氏からのセクハラ・パワハラ被害の告発が話題に
- オンラインサロン「#はあちゅうサロン」の特徴や入るメリットは?
- 関連リンク
インフルエンサーの代表格として活躍している、ブロガー・作家のはあちゅう(伊藤春香)さん。
新コーナー「新R25プロフ」では、はあちゅうさんのことがざっくりわかるように、高校時代のお話や、新卒で入社した電通での仕事内容や退職理由、2017年に告発した#metooの件も含めて、ご自身の経歴を振り返っていただきました。
はあちゅう(伊藤春香)さんのプロフィール・経歴
本名:伊藤 春香(いとう はるか)
生年月日:1986年1月22日
年齢:32歳(2018年10月時点)
職業:ブロガー・作家
デビュー作:『さきっちょ&はあちゅう恋の悪あが記Super edition』(2005年)
出身地:神奈川県川崎市
血液型:A型
配偶者:しみけん(AV男優)
経歴:
2001年4月慶應義塾湘南藤沢高等部へ入学
2004年4月慶應義塾大学法学部政治学科へ入学。在学時からブロガーとして活躍
2009年4月株式会社電通へ新卒で入社し、コピーライターとして従事
2011年11月株式会社電通を退社し、トレンダーズ株式会社へ入社。エステ・コスメ専門サイト「キレナビ」編集長を勤めたのち、YouTuberマネジメント事業の立ち上げを担当
2014年9月トレンダーズ株式会社を退職。フリーランスとして執筆・講演活動を開始
2017年12月電通時代に受けた岸勇希氏からのセクハラ・パワハラ被害を告発
2018年4月オンラインサロン「#はあちゅうサロン」を開始
2018年7月AV男優のしみけんさんとの事実婚を発表
はあちゅうに聞くしみけんとの結婚。AV男優についてはどう思ってる? なぜ事実婚を選んだの?|新R25
結婚直前には別れていた期間もあった!?
しみけんさんとの結婚については、こちらの記事をご覧ください
出身高校の慶應義塾湘南藤沢高等部では“陰キャラ”だった
はあちゅうさんは勉学に励み、憧れだった高校・慶應義塾湘南藤沢高等部へ入学。しかし当時の活動は学外が中心で、写真コンクールや作文コンクール、全国高等学校弁論大会などで賞をとることなどに熱心だったそう。
編集部・葛上
当時、なぜ熱心に学外で活動されていたんですか?
はあちゅうさん
とにかく、何者かになりたかったんです。昔から本が好きだった影響で主人公願望が強くて。でも私の人生は、原宿でスカウトされるようなドラマチックなものではなかったんですよね。
中学ですごく勉強を頑張って、慶應という夢の場所に行ったのに、私は“陰キャラ”で、思い描いていた“理想の学生生活”が送れていませんでした。そんな自分に焦っていろんなことにチャレンジしたのが高校3年生のときです。
編集部・葛上
その高校3年生の頃のチャレンジのひとつに、UNESCO奨学金プログラムによるパナマへのホームステイがあったそうですね。
はあちゅうさん
あの体験で、人生観がガラッと変わりました。
編集部・葛上
どんな体験をされたんですか?
はあちゅうさん
パナマの人たちは、なにも成し遂げてないし、なにも努力してないように見えるのに、人生がすごく楽しそうなんですよ。ボロッボロのラジカセで音楽をかけて踊って、安いお酒を飲んで毎日ワイワイ盛り上がってる。
一方で、私はすごく努力して憧れの慶應の高校に入ったのに全然楽しくなかった。それが悔しかったんです。自然と楽しくない方向に自分を追い込んでしまっていたんだな、ということに気づかされましたね。
編集部・葛上
いまの場所で楽しめるかどうかは自分次第ということですね。
慶應義塾大学へ入学し、始めたブログがヒット! 初の書籍化も経験
高校卒業後に慶應義塾大学法学部政治学科へ入学。在学時に始めたブログが人気になり、初の書籍『さきっちょ&はあちゅう恋の悪あが記Super edition』(2005年)も出版されました。
編集部・葛上
はあちゅうさんは今でこそインフルエンサーの代表格のようになっていますが、ブログを始めた当時から人気ブログにすることを意識して書いていたんですか?
はあちゅうさん
いえ、はじめはただ日常生活を書いているだけでした。「おもしろく書く」ということすら思い浮かばなかったというか。
ちょっとアクセスが増えたり、コメントがついたりするのが楽しくてハマってましたね。
編集部・葛上
はあちゅうさんにもそんな時代があったんですね!
でも2004年からブログを始めて2005年に出版されたということは、1年ぐらいで界隈に名が知れ渡るぐらいになったということですよね…?
はあちゅうさん
確かにそうですね。ラッキーでした。1年でブログが書籍化までいったのは、いい時期に始められたからだと思います。
学生ブログランキングで1位の子とタッグを組んで交換日記ブログを始めたら、最高記録で1日45万PVが出せるくらいになったんです。
編集部・葛上
Twitterなどがない時代でそれはすごい。書籍化は狙っていたんですか?
はあちゅうさん
ブログを始めた頃から狙っていました。だから本になることが決まって、ようやく夢が叶うんだと思ってました…
編集部・葛上
過去形なんですね。現実は違ったということでしょうか?
はあちゅうさん
本を出してみたらまったく話題にならず、夢が叶ったのにすごいあっさりしてて。本を出したくらいでは、人生はなにも変わらないんだって、失望してしまいました。
編集部・葛上
それ以降はどうされたんですか?
はあちゅうさん
もう一回出してやろうと思いましたね。ブログや書籍の執筆を通して、大学生のなかでカリスマ的な存在になりたかったんです。知名度はいろんなところへのフリーパスになりますからね。
株式会社電通へ入社し、コピーライターとして働く。退社の理由は?
2009年4月に株式会社電通へ新卒で入社し、コピーライターとして従事。いわゆるコピーライターのイメージにとどまらない、幅広いお仕事をされていたそう。
編集部・葛上
コピーライターということは、広告のコピーを考えるお仕事をずっとされていたんですか?
はあちゅうさん
クライアントによって、仕事はまったく違いました。バナーのキャッチコピーを考えたり、カタログの説明文を書いたり。
あとはCMの絵コンテを描くこともありましたし、アーティストさんの作詞もお手伝いさせて頂きました。思い出に残っている仕事がたくさんあります。
編集部・葛上
作詞まで…! すごく充実しているように思えるんですが、2年くらいで退職されてますよね。何が理由だったんですか?
はあちゅうさん
コピーライターとして1番になれる気がしないと思った、というのがひとつ。あと、大企業の働き方は自分を消耗させるところがありました。
朝から深夜まで働かなきゃいけないうえに、「はあちゅう」としての活動も制限されてしまったんです。
個人をつぶさないと大企業は成立しないんだと思うことがいろいろあって、辞める決断をしました。
電通からトレンダーズ株式会社へ転職。「キレナビ」編集長に就任
電通時代にトレンダーズ株式会社の創業者・経沢香保子さんから声をかけられ、トレンダーズ株式会社へ転職。エステ・コスメ専門サイト「キレナビ」編集長を勤めたのち、YouTuberのマネジメント事業の立ち上げなどを担当したそう。
編集部・葛上
電通へ勤めている頃も、個人としての活動はされていたんですよね。電通をやめてフリーランスを選ばなかったのはなぜですか?
はあちゅうさん
まず、フリーランスでお金を稼げるのか不安でした。あとはまわりに会社員しかいなくて、フリーランスという選択肢が頭にありませんでしたね。
編集部・葛上
そうだったんですか。意外に慎重派なんですね。では、なぜトレンダーズを選んだのでしょう。
はあちゅうさん
当時の社長だった経沢さんから「もうすぐ上場するから、企業PRのプロがほしい」という相談をされたんです。
たくさんいる電通のコピーライターのひとりよりは、「これから上場する、勢いのある会社の女社長の右腕」のほうが絶対に楽しくて、得るものがあるだろうなと思って、すぐに転職を決めました。
編集部・葛上
その後にフリーランスになった、ということはトレンダーズ時代に安定した収入の土台をつくれたのでしょうか。
はあちゅうさん
はい。週末作家として書いていた『AM』という恋愛メディアのコラムが人気になって、そこから『anan』や『毎日新聞』の連載が決まりました。執筆依頼が殺到したところで、ようやくフリーランスでもやっていけるかも、と思えました。
加えて、トレンダーズを辞める年の8月に経沢さんとオンラインサロン「ちゅうつねサロン」を始めて、月に数十万円の給料が半年以上は入る目処が立ったのも大きかったですね。
編集部・葛上
オンラインサロンで月に数十万が…副業でそれはすごい。
「炎上商法」「ブス」などと非難されることについてどう思ってる?
はあちゅうさんはTwitter上で、非難・批判が殺到する“炎上”の中心になってしまうことが時折あります。たとえば2017年12月にセクハラ・パワハラを告発した際に起きた、過去のツイートを対象とした童貞いじりの件。
さらには2018年7月にAV男優のしみけんさんとの事実婚を発表した際にも、事実婚という形式についてや、旦那さんの職業についても心ない非難が集まりました。
編集部・葛上
はあちゅうさんが有名になるほど、炎上しているところをよく見かけるようになった気がします。
たとえば「炎上商法だ」みたいに非難されることについては、どうお考えですか?
はあちゅうさん
頭悪いな、と思います。みんな「炎上商法だ」って意味もわからず言ってますけど、炎上で名前が知られたところで、いいことはほとんどないんですよ。
それに議論を呼ぶことと、倫理的にアウトなことをして炎上するのは違うのに、そのへんを混同していることもありますよね。
編集部・葛上
たしかに。ただ、長年発信を続けていたら、炎上しそうなことって事前にある程度わかるようになりますよね?
はあちゅうさん
はい。でも私は、思ったことはつぶやくようにしてます。
編集部・葛上
炎上にメリットがないのになぜですか?
はあちゅうさん
自分を偽りたくないのと、強い言葉のほうが、人の印象や記憶に残るからです。
はあちゅうさん
アンソニー・ロビンズっていう世界ナンバーワンの自己啓発のコーチがいて、彼のコーチングセミナーに行ったことがあるんです。その人がめちゃめちゃ強い言葉を使うんですよ。
「お前たちは人生の敗北者だ」みたいな。彼はあえて「ショック療法」として、そういう言葉を使うそうです。
私自身もそういう強い言葉で目が覚めて、人生を変えてもらった経験があるので、強い言葉を好んで使う傾向がありますね。
編集部・葛上
そうだったんですね。ちなみに、初めて炎上したときのことって覚えてますか?
はあちゅうさん
ブログを始めてすぐに「顔がブスだ」って炎上しました。
まだみんなが顔写真を気軽に投稿していない頃だったので「そんなに自分の顔に自信があるんですか?」みたいな。
編集部・葛上
ヒドすぎる…。 そういう言葉って、あんまり気にならないものなんですか?
はあちゅうさん
いや、超気にしてます。ずっと前に「歯を見せて笑う顔がブサイクだから、やめたほうがいいですよ」って書かれて、それから10年間は歯が見える画像は載せられませんでしたね。
写真を撮る時には、歯を出さないようにしていました。
編集部・葛上
10年も…!? 想像以上に引きずっていたんですね。
はあちゅうさん
炎上はいくら体験しても慣れませんし、落ち込みますね。そこはキングコングの西野さんやイケハヤ(イケダハヤト)さんたちとは違います。あの人たちはメンタルが強いし、炎上を波乗りのようにエンタメ化しているというか。
私は毎回「もうダメだ」とメンタルが不安定になります。そういう姿を知らずに「本当に傷ついているんですか?」って言われて、また落ち込むこともあります。
「本当は無神経のくせに」って言われているようで…落ち込みのエンドレススパイラルです。
「私はライターじゃなくて作家」発言でも炎上。はあちゅうさんの見解は?
「NAVERまとめ」で“読モライター”のひとりとしてまとめられたことに対して、「私、ライターではない」「肩書きがライターになってる時は全部修正してもらってる(´ω`)」と否定。
この発言に対して、吉田豪さんや能町みね子さんなどが言及。ネットで大きな議論を呼びました。
編集部・葛上
はあちゅうさんにとって、ライターと作家にはどのような違いがあるのでしょう?
はあちゅうさん
ライターさんはこうやって取材してくれたり、いろんなスポットで体験をレポートしたりとか、対象物があってライティングをするイメージ。
一方で作家はもう少し書くものの幅が広かったり、自分の考えや、身の回りの出来事から創作したりする人、というイメージを持っています。
私は取材記事は書いていないので、「そういうことはしてないよ」というつもりで「私はライターじゃないよ」って言ったら、思いのほか燃えちゃいましたね。
編集部・葛上
ということは、見栄で「私は作家です!」と主張していたわけではないんですよね。
はあちゅうさん
はい。そもそも作家という肩書きへのリスペクトもあるので、私は絶対に「作家」単体では名乗らないようにしています。「ブロガー・作家」と書くことによってルーツを明らかにしているつもりなんですよね。
「ブロガー」を併記すると、ネットが軸だということが、わかりやすいじゃないですか。
はあちゅうさん
以前、「ライター講座」の講師として仕事依頼とかがきて、ライターという肩書きが広まってしまいそうだったんです。
そうなると仕事のミスマッチが増えるから嫌だなーという気持ちで「ライターではないよ」と言ったつもりが、私の意図とはまったく違う解釈で広まってしまいました。
だから炎上の渦中で置いてけぼりにされた感じがありましたね。
はあちゅうさんの著作から、3冊おすすめ作品を挙げてもらった
編集部・葛上
はあちゅうさんはたくさんの本を出されていますが、ご自身で3冊おすすめするとしたら、どれになりますか?
はあちゅうさん
『半径5メートルの野望』『自分を仕事にする生き方』『通りすがりのあなた』。この3冊です。
編集部・葛上
それぞれどんな推薦理由ですか? まずは『半径5メートルの野望』から伺いたいです。
はあちゅうさん
『半径5メートルの野望』は私が憧れていた林真理子さんに帯のコメントをもらった、エッセイ調の自己啓発本です。
私がブロガーからどうやってフリーランスになったか、みたいなことが書いてあります。自分の原動力になっている考え方を書いているので、自己紹介として1冊読んでもらえるとしたら、『半径5メートルの野望』を挙げたいです。
編集部・葛上
では『自分を仕事にする生き方』は?
はあちゅうさん
これはフリーランスになって3年経って見えてきたものとか、才能だと思ってないことが才能になって、自分を仕事にできるんだよということを書いた本です。
私がみんなに伝えたいメッセージが凝縮されているので、ぜひ読んでほしいです。
編集部・葛上
最後に『通りすがりのあなた』はどうでしょう。
はあちゅうさん
この作品は、私が文芸デビューした小説です。「はあちゅう」というキャラクターとしては伝えられなかったメッセージを込めました。
デビュー作は特に自分の価値観が投影されると考えているので、挙げさせてもらいました。
電通時代に受けた岸勇希氏からのセクハラ・パワハラ被害の告発が話題に
2017年には、電通史上最年少でエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターに就任した岸勇希氏から、セクハラやパワハラの被害を受けていたことを、『BuzzFeedNews』で告白。「#metoo」という性暴力に対する反対運動も伴って、大きな話題となりました。
該当記事によると、彼の直属の部下ではなかったものの、深夜に「俺の家に今から来い」と呼び出しがかかったり、「俺に気に入られる絶好のチャンスなのに体も使えないわけ?」と性的な関係を要求されたりしたこともあったよう。
編集部・葛上
電通時代に、セクハラやパワハラの被害を受けていたそうですが、特に苦痛だったのはどんなことでしょう…?
はあちゅうさん
退職してからも嫌がらせが続いたことです。コンテストで入賞させないようにしたり、裏で電通主催のイベントへの登壇をやめさせようと動いていたことなども知りました。
会社をやめたら関係が途切れると思っていたのに、いろんなところに手を回して私の活動を邪魔してきて、その執着心を知って怖かったです。
性的関係を拒んだぐらいで、そんなに執着してくるのかと。
編集部・葛上
電通へ勤めている頃の被害より、退職後のほうがツラかったんですか?
はあちゅうさん
会社にいるときにされたのは半分しょうがないというか、後輩として気に入らなかったんだろうなと少し諦めていました。
ただ、深夜に呼び出されて、ベッドで全身マッサージをさせられたこととかはすごく嫌でしたね。本当に疲れていているし、自分の抱えている仕事も終わっていないのに、なんでこの人のマッサージをしなきゃいけないの?と思っていました。
編集部・葛上
それは理不尽ですね…
ちなみに、なぜ2017年になって告発しようと思ったんでしょうか? #metooの運動が海外で盛り上がっていたからですか?
はあちゅうさん
岸さんの本が出ることがわかり、私のまわりで「岸さんはすごい」と評判になったり、また私の人生と接点ができたりしたら、ツラくなってしまうと思ったんです。
当時からずっと、岸さんに似ている人や、岸さんがよく着ていた色のシャツの男性を見かける度に、物陰に隠れてしまうくらい警戒しているのに。
そのことを友だちに相談したら、『BuzzFeed』を紹介してもらいました。
編集部・葛上
はあちゅうさんの告発のあと、いろんなコメントが集まっていましたが、特に印象に残っているものはありますか?
はあちゅうさん
「今まで女を使って仕事をしてきたのに、『セクハラ』『パワハラ』と叫ぶお前は卑怯だ」と言われたのが悔しかったです。
私が自分の持って生まれた性別を起点として、文章を書くのはとても自然なことですから、それがダメなら誰も何も書けないはずじゃないですか。
肉体関係という意味での「女」でいうなら、私は女を使って仕事をしたことはありません。
はあちゅうさん
あとは、#metooの告発をきっかけに数年前の童貞についてのつぶやきにどんどん注目が集まり、「お前もセクハラをしているじゃないか」と攻撃されたのも悔しかったです。
そもそも童貞のつぶやきは、童貞についてしゃべる仕事がきたときに、それに関連してつぶやいていたのものでした。その何年も前のつぶやきが悪意をもって切り出され、まとめられてしまった。
編集部・葛上
そうなんですね。
はあちゅうさん
事件の被害者となった瞬間から、十年分以上の過去の発信をさかのぼって人間としての落ち度がないか確かめられ、失言がまとめられるという…
明確な対象者(被害者)が存在せず、概念についてしゃべったことを「セクハラ」と言われたことも含めて、「ここはそういう国なんだな」って思いましたね。
誰も味方じゃない感じがして、窓から飛び降りたくなりました。
編集部・葛上
はあちゅうさんのことを勝手に強い人だと思い込んでましたが、案外そうでもないんですね。
はあちゅうさん
私だけじゃないと思いますが、人は悪意に弱い生き物だと思いますよ。
「私の告発で世の中が変わる」とまでは思ってませんでしたけど、「とにかくはあちゅうを潰したい」という憎しみを感じたのが怖かった。
しかもちょうど新刊の発売と重なっちゃって、告発のことを「売名行為」とか「新刊のプロモーション」と言われてしまったのもツラかったです。
2年かけて書いた本のアマゾンレビューがめちゃくちゃに荒らされたのも、精神的にダメージが大きかったですね。
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被害者が「精神的・身体的苦痛」を感じるかどうかがポイント
パワハラについては、こちらの記事でも詳しく解説しています
オンラインサロン「#はあちゅうサロン」の特徴や入るメリットは?
2017年から始まった幻冬舎の編集者・箕輪厚介さんによる「箕輪編集室」が、ネット界隈を中心にオンラインサロンブームを巻き起こしました。
オンラインサロンとは、主にFacebookのグループ機能を活用して、そこでしかできないコミュニケーションを楽しんだり、制作活動などがおこなわれる会員制のコミュニティ。
はあちゅうさんは2018年4月からオンラインサロン「#はあちゅうサロン」をCAMPFIREで開始。2018年11月現在で、200名以上が所属しています。
編集部・葛上
「#はあちゅうサロン」はどんなサロンなんですか?
はあちゅうさん
カンタンにいうと、“才能塾”みたいなものだと思ってます。
私の仕事の経験をお話したり、実践型でプロジェクトを進めることを通して、メンバーの才能が花開く場をつくっています。
実績として、おそらく最多のオンラインサロンオーナーを輩出し、やりたいことを見つけて転職を決める人なんかもたくさん出ています。
編集部・葛上
オンラインサロンというと、幻冬舎の箕輪さんの「箕輪編集室」やキングコング西野さんの「西野亮廣エンタメ研究所」なんかも人気ですが、それらとの違いはどんなところでしょう?
はあちゅうさん
おふたりは自分のプロジェクトにリーダーとして人を巻き込むタイプですが、私はファシリテーターに徹しているところが一番の違いかもしれません。
自分で何かを始めることに価値があると思っているので、「私の仕事を手伝ってほしい」という依頼はしません。
編集部・葛上
それがほかのサロンよりも、オンラインサロンオーナーを輩出している理由なのでしょうか。
はあちゅうさん
なにが作用しているか明確には説明しづらいのですが、誰かの出した成果に焦る環境だとは思います。
会社ではそれなりの地位でも、サロン内では肩書きはあまり意味がない。個人として何ができるのかが問われることで、自分の才能に出会えることがあります。
たとえば2018年9月に始めて、1ヵ月で約3万フォロワーまで増えた私のインスタアカウント「旦那観察日記」が生まれたのも、「#はあちゅうサロン」がきっかけでした。
編集部・葛上
そうだったんですね。
はあちゅうさん
サロンメンバーが楽しそうにiPadを使っているのを見て、なんとなく私もiPadを買ってみたんです。絵の練習のつもりで旦那とのエピソードを描いたら、それが思いのほか好評で。
こんなふうに、「#はあちゅうサロン」ではメンバーそれぞれが自分の世界を広げています。
はあちゅうさん
「はあちゅうサロンの●●さん」ではなく「●●さんがいるはあちゅうサロン」と言われるような組織になりたい。
私自身が義務をあんまり負いたくないんですよ。常に、メンバーに仕事をふる立場だったら、自分の働き方も柔軟に変えられない。だから、メンバーが自分で仕事を生み出す環境を作っています。
ちゃんと実績も出ていて、今のところ、うちのサロンが一番「メンバーが結果を出してるサロン」かなと思ってますね。
#metooの件など含めて、Twitter上で強い発言をされる姿とはちょっとイメージの違う、等身大の“弱さ”を語る姿が印象的な取材でした。
個人で頑張るだけではなく、「#はあちゅうサロン」でチームとしての活動を始めたはあちゅうさんが、これからどんなものを生み出していくのか楽しみです。
〈取材・文=葛上洋平(@s1greg0k0t1)/ 撮影=渡辺将基(@mw19830720)〉
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