ビジネスパーソンインタビュー

「アイドルに未練があるわけじゃない」三上悠亜はなぜ、批判を越えてK-POPデビューしたのか

「偏見には免疫がありますから」

「アイドルに未練があるわけじゃない」三上悠亜はなぜ、批判を越えてK-POPデビューしたのか

新R25編集部

2019/02/03

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国民的アイドルグループ・SKE48からAV女優へ。当時、世間を驚かせた三上悠亜さんは、その後トップクラスの人気を誇る女優となりました。

そんな彼女が昨年、もう一度世間を驚かせたのが「K-POPガールズグループを結成し、韓国デビューした」というニュース。しかも、YouTubeで公開されたMVには、批判のコメントが集中してしまったとのこと…。

気になる韓国デビューの真相と裏側を、偏見に負けず活躍の幅を広げる三上さんに聞いてみました。

〈聞き手:ライター・文 希紀〉

【三上悠亜(みかみ・ゆあ)】2015年6月にAVデビュー。キャッチフレーズは、“元国民的アイドルグループ”。2017年2月に「DMM.R18 アダルトアワード2017」最優秀女優賞を受賞。2018年3月にガールズユニット「HONEY POPCORN」を結成し、K-POPデビュー

アイドルが大好きだった過去。スキャンダルによって、「今の自分は応援できないな」

ライター・文

まずは三上さんがAV業界に入った流れから教えてください。

三上さん

SKE48にいたころ、スキャンダル写真が週刊誌に掲載されて…

SKEは清純派のグループだったので、それまで浮いた話が1つもなかったんです。だからグループへのダメージがすごく大きくて。

ライター・文

どれくらい影響があったんですか?

三上さん

1年ぐらい干されました。グループに居づらい雰囲気がずっと続いていました。

ライター・文

そんなに…! ツラくなかったですか?

三上さん

うーん…その状況がツラいというよりは、アイドルとしての自分に絶望する気持ちのほうが大きかったです。

私、小さいころから松浦亜弥さんとか、ハロー!プロジェクトのアイドルが大好きで。「恋愛沙汰を表に出すのは私の好きな“アイドル”じゃない」ってずっと思ってたんです。

そんな理想のアイドル像と自分を比べたときに、「今の自分は応援できないな」って思ってしまった。そういう絶望ですね。

「自分の人生だから自分で決めなきゃ」誰にも相談せず、AVの世界へ

ライター・文

そこから、なぜAVデビューという選択肢を選んだのでしょうか。

三上さん

最初は、いくつかあった選択肢のひとつでした。

アイドルは引退するけど、芸能活動をあきらめたわけじゃない。だから世の中の人に知ってもらう“最短距離”の方法として「これしかない」と。

あとは、アイドルと同じ、もしかしたらそれ以上のたくさんの人に元気を与えられる仕事だと思ったんです。

ライター・文

迷ったりはしませんでしたか?

三上さん

悩みはしましたよ。でも、「自分の人生だから、自分自身で選ばなきゃダメだ」と思って。

1人で決断…すごすぎます

ライター・文

実際にAVの世界へ入って、想像していた部分とギャップを感じることはありましたか?

三上さん

ビックリするぐらい“あったかい”なーと。現場も明るくてスタッフさんも本当に優しい。入るまでは、AV業界=闇みたいなイメージを抱いていたので…(笑)。

出演する人が一番大事」っていう意識をすごく感じるんですよ。

ライター・文

それは素晴らしいですね。

そんな世界で、三上さんはあっという間に人気女優になった印象なんですが、何か心がけていたことってあったんでしょうか?

三上さん

心がけていたというより、アイドルのときやってたことをそのままやってたら、喜ばれたことはありますね。

たとえばSNSをまめに更新してたら、「宣伝してエライね!」みたいな。

三上さん

最初は求められるままに仕事をしてるだけだったんですけど、やっぱり誰かに求めてもらえることって、自信になるんですよね。

この仕事、向いてるかもしれない」って思いだしてからは、アイドル時代からのファンにも「前よりイキイキしてる」「輝いてるね」って言われることが多くなったんですよ。

ライター・文

以前からのファンにも!

三上さん

そうなんですよ。今は毎日がすごく楽しいですね。

私、毎日でも仕事をしたいんです。海外から夜に帰ってきて、次の日すぐ地方営業とかでも平気。

AV女優になってからは、遊ぶ時間もかなり減りました

ライター・文

そこまでストイックに頑張れている理由はどこにあるんでしょうか?

三上さん

やっぱり、一度「自分の行動ひとつで何かが終わる経験」をしているので…

それを思えば、今できることは全力でやらなくちゃっていう気持ちに、自然となれますね。

デビューMVには批判コメントが…「私の好きなアイドルに近づかないで」という声も

三上さん

2017年にDMMのアダルトアワードでグランプリを受賞することができて。次の目標をどうしようかと考えたとき、AVとは違う接点で三上悠亜を知ってもらえる人を増やしたいなと思ったんです。

そのためにやりたかったのが、ガールズグループを結成して、韓国デビューすること

日本のAV女優は今、台湾をはじめ、グローバルに活躍する方が増えていて。私は元々K-POPが好きだったので、いつかは韓国で活動をしたいという思いをずっと持ってました。

ライター・文

それで2018年、見事「HONEY POPCORN」として韓国デビューを果たすんですね!

反響はどうだったんでしょうか?

三上さん

HONEY POPCORNは、メンバー全員がAV女優。でも、韓国ではAVが法律で禁止されてるんですよ。

その関係で、デビューへの反対意見が韓国のネットを中心にすごく盛り上がってしまって…ファンの方を呼んで行う予定だったデビューお披露目イベントも中止になりました。

ライター・文

そこまで…すごいですね…

デビューシングル「Bibidi Babidi Boo」のMVにも、批判コメントが集中してしまったみたいですね。

[MV] Honey Popcorn(허니팝콘) _ Bibidi Babidi Boo(비비디바비디부)

*English subtitles are now available. (Please click on 'CC' button or

社会問題にも発展したことで結果的に注目度は上がり、MVの再生数は100万回を超えた

三上さん

世界各国からアンチコメントが届きました

日本のK-POPファンからのコメントも多かった印象です。“K-POPを汚すな”というのもありました…

ライター・文

なぜ日本のK-POPファンは、そんなに怒ったんでしょうか?

三上さん

何年もの練習期間を経て、完璧なパフォーマンスを披露するK-POPアイドルは、ファンにとって憧れの存在。日本のAV女優が同じ世界に入るのが、許せなかったんだと思います

実際、コメント欄には「私の好きなK-POPアイドルに近づかないでほしい」といったニュアンスのコメントもありました。

ライター・文

う~む…アイドルファンの若い子だとそういう気持ちになっちゃうものなんですかね…

三上さん

でも、そう言いたい人の気持ち、すごくわかるんですよね。私自身もずっとアイドルファンだったし、K-POPファンだから。

もし中高生ぐらいで同じ立場だったら、私も批判する側に回っていたかもしれないなと思うので。

ライター・文

それだけ多くの批判を目の当たりにして、ツラくなかったですか?

三上さん

むちゃくちゃ落ち込みましたよ。

でも、無視されるよりは全然いいかなと。アンチでも見てくれる人がいる。反応をもらえるうちが花というか…

三上さん

私、よく考えれば、AV女優のデビューは「元アイドル」として、K-POPデビューは「日本のAV女優」として

どちらもスタートが人と違ったんです。だからまた「何か言われるかも」っていう覚悟はできてたんですね。偏見には免疫ができてたというか。

もともと寝たらなんでも忘れちゃうポジティブな性格なんで、それもあってなんとかなりましたね(笑)。

K-POPデビューしたのは、“アイドルへの未練”ではない

ライター・文

一度は諦めたアイドルの道を、韓国デビューでもう一度歩んでいるのがスゴイなと思うのですが…

三上さん

いえ、今はアイドルではなく、あくまでもAV女優がK-POPデビューしたというかたちだと思っています。

やっぱり私にとってのアイドルは、フラットな状態からスタートする清純なイメージ。

それに対してHONEY POPCORNは、“すべてをさらけ出している”のが強みですから。AV女優でしかできない活動をしたいと思っています。

ライター・文

なるほど…

失礼な質問かもしれませんが、「できるならもう一度アイドルをやりたい」という未練のような気持ちはないんでしょうか?

三上さん

今はもう未練はないですね

そうだなあ…アイドルは…生まれ変わったらもう一度やれたらいいですね。

そのときはあの頃より、もうちょっと賢くなって。

ポジティブに「今の仕事が楽しい」と話してくれた三上さん。

最後に、次なる目標を聞いてみると、

渋谷を歩けなくなること…ですかね(笑)。アイドル時代はとにかく知名度が低くて、渋谷を歩いてても誰にも気付かれなかった。最近は、気付いてもらえることもあるんですけど、まだ渋谷を普通に歩けます(笑)。今はもっともっと三上悠亜という存在を多くの人に知ってもらって、アイドルグループの知名度を超えたいと思ってます!」

とのこと。

街中で見かけたら、気軽に声を掛けてくださいね!」。ファンの方…聞こえてますか!

〈取材・文=文 希紀(@gigi_kikifumi)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=二條七海(@ryuseicamera)〉

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