ビジネスパーソンインタビュー
大阪の大改革を成し遂げたリーダー論『実行力』より
物知りになることが目的じゃない。リーダーが習慣にすべき“ニュースの見方”
新R25編集部
組織におけるリーダーの役割とは?
その答えは人によってバラバラです。
今回は、38歳で大阪府知事に就任した橋下徹さんの新著『実行力』から、橋下さんの考えるリーダーのあり方について、3本の記事をお届け。
大阪府庁1万人・大阪市役所3万8千人の職員、組織、そして国をも動かし、結果を出してきた秘訣に迫ります。

僕がニュースを見るのは、物知りになるためではない
僕は毎日、主要な新聞5紙などを読み、様々なニュースに対して、「自分はこう考える」という持論を頭の中で構築する作業をしています。
特にニュースから課題を見つけて、それについては自分なりの解決策を考えます。
すべてのニュースに対してできるわけではないですが、めぼしいニュースについては、必ず課題を探り、「自分の意見」を言えるようにしています。
単にニュース知識を頭に入れて物知りになるのではなく、自分の意見を必ず付けて持論を言えるようにするのです。これを毎日、毎日、今でもやっています。
学者ではないですから、たとえば歴史問題を考えるときに、世界史の本を一巻から読むというようなことはしていません。
知事・市長という立場も今の法律事務所代表という立場も、組織を運営する実務家ですから、現実の課題を解決しなければならない仕事です。
抽象論ばかり頭の中でこねくり回していても仕方がありません。
ゆえに現実のニュースから課題を見つけ出し、その解決策などの持論を組み立てる訓練をするためには、まずは新聞などから入っていきました。
そして、単にニュースに目を通すのではなく、そこから課題・論点を見つけ出すことが非常に重要です。
課題・論点を見つけることができなければ、記事を読んでそのまま現状を追認するだけになります。
改革・変革を実行するのに最も重要なことは課題を見つけ出す力。
誰もが気付かない課題を見つけることができて、初めてその解決策である改革案・変革案を考えることができるのです。

どんなニュースについても、自分の持論を言えるようにする
また知事・市長時代は、メディアから意見・見解を求められる可能性があることは、いつも想定していました。
どんなニュースについても、自分の持論を言えるようにしておかないといけません。
「こういう事件がありました」「実はこの裏側にはこういう事実があるのです」と伝えるのは、アナウンサーや単純なコメンテーターの役割。新聞記事に書いてあることを読み上げるか、どこからか聞いてきた情報を伝えればいいだけ。
それに対して、意見・見解を求められる人の役割は、そのニュースについての自分なりの意見を言うことです。
自分の知識が足りないと的確なことは言えませんので、そのニュースをめぐって知識が足りないと思うときには、関連する本を読んで勉強します。
知識そのものは、今やインターネットですぐに引っ張ってくることができますので、記憶する必要はありません。

“持論”を積み重ねると、人が気づかない物事が見えるようになってくる
僕は政治家を辞めた今、ニュースなどの時事ネタについて持論を展開することが仕事のひとつになっています。
テレビやインターネット、書籍を通じて持論を述べる機会を与えられていることは非常にありがたいことです。
これには、日々新聞などを読んで持論を組み立てていることが役に立っています。
毎日毎日そうした練習をしていると、どんな話題が出てきても、一定の持論を述べることができるようになります。
そして、このような能力が身についてくると、人が気づかない物事が見えるようになってきます。部下が気づかない問題点は、こうした積み重ねの中で見つけられるようになりました。
さらに持論を組み立てる積み重ねをしていくうちに、だんだんと自分のなかに大きな方向性・ビジョンができてきます。
1冊、2冊の本を読めばビジョンができるというものではありません。毎日、課題を探り出し、考え、持論を組み立て続けていくとビジョンらしきものができてきます。
そういう意味で、自分なりのビジョンができるにはある程度の年月がかかると思います。
リーダーが読むべき哲学が詰まった橋下さん著『実行力』
「僕がリーダーとしてこだわってきたことは『実行力』です」
2008年に、いきなり1万人の行政組織のトップに立った橋下さん。
4年という限られた任期で結果を残すために行動した経験から、チームのマネジメント法、組織を動かす思考など、部下を動かすためのリーダー像がわかる1冊です。

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