ビジネスパーソンインタビュー
世界一シンプルなお金の哲学『あり金は全部使え』より
ホリエモン「金持ちを目指すのは、不安の裏返し。これからの時代はひどく損をする」
新R25編集部
『あり金は全部使え』
年金制度のほころびが見えはじめて、蓄えることが推奨されている社会へ一石を投じるかのように、堀江貴文さんが同タイトルの本を出しました。
最近のロケット事業をはじめ、新しいチャレンジを続けていられるのは「常にお金を使ってきたからだ」と主張する堀江さん。
堀江さんのお金の哲学が詰まった1冊から、2本の記事をお届けします。
金持ちを目指すな
僕は金持ちになりたいと思ったことがない。
そう言うと、じゃあなぜホリエモンはビジネスで儲けているんだ? と聞かれたりするが、もうため息が出る…。
ビジネスで利益をあげるのと、お金持ちを目指していないのとは、まったく違う次元の話だ。詳しく論じると本を1冊以上書けてしまうので、省略する。
お金持ちになりたいという人は、なればいい。
お金持ちになれる方法なら、たくさんある。僕の配信しているメルマガや書籍などで、効率よく稼げる新しい事業を無数に挙げているので、好きなだけ参考にしてほしい。
親切に公表しているのに、いまだに「お金持ちになりたいけど、どうしたらいいですか?」と、しょっちゅう聞かれる。
心の底からうんざりしているのだが、多くの人には「健康になりたいけど、どうしたらいいですか?」ぐらいの、反射的で無思考な質問なのだろう。
そんな人たちに僕は一貫して、問い返している。
お金持ちになってどうするの?
お金をたくさん持って、何をしたいの?
きちんと答えられた人は、滅多にいない。
そもそも正しく答えられる人は、お金持ちになりたいなんて、思わないのだろう。
10代ぐらいの頃は、僕も人並みに「欲しいものがあるのに、いまの貯金じゃ足りないなぁ」と思っていた。
だからといって、別にお金持ちになりたいとは考えなかった。
欲しいものが手持ちのお金では買えない。それは制限要因の理屈であって、お金持ちになりたい! という意欲とは、切り離されているものだ。
自分は物欲が人よりも薄いと気づいたのは、大学に入ってからだ。
先輩からは、「堀江は本当に人の心を持っていないな。シヴァ神みたいだ」と言われた。褒め言葉なのかどうか微妙だったけれど、僕の物欲のなさは、一般的な若者としては異質だったのだろう。
20代の初めにはすでに、お金欲しい!の呪縛から完全に解放されていた。
お金にマインドシェアを奪われず、やりたいことを全力投球でやりきる人生を他の人より早くスタートできたので、幸運ではあったと思う。
金持ちを目指すヤツはモテない
金持ちを目指すというスタンスは、いま主流になりつつある評価経済社会では、ひどく損をする。
別に金持ちを目指す生き方を全否定しようとまでは思わないけれど、そんなヤツはモテない。
どんなビジネスを手がけようと、どんな発信をしようと、モテない。
稼ぎの総量は、限定的だ。
お金持ちなんて目指さず、「あいつと一緒にいたら何だか面白い!」と言われる、行動的な人生を選んでほしい。
結果的に、お金にとらわれない、マネーフリーな人生を過ごせるようになるだろう。
お金持ちになりたい欲は、不安の裏返しだ。
豊富な資産が、もしものときや、働けなくなったときの不安を、解消してくれると信じている。
仲間や恋人に恵まれるためには、お金持ちになるのが早道だと思いこんでいる。
ある意味では間違いではない。お金は、多少のトラブルや不安を解消してくれる役割も果たしてくれる。
だがそこに、何に使うか?何をしたいのか?という、本質的な問いが欠けていたら、いつまでも不安は消えない。何億円貯金しても、不安に怯えているはずだ。
やりたいことに、真剣にハマッていれば、お金の不安は消えるものだ。
ハマりきれない自分の中途半端さを、お金持ちになるためという言い訳でごまかしてはいけない。
不安を消せるのは、思考の密度だ。貯金通帳の残高の多さではない。
銀行預金は「不安の貯金」
小学生時代、僕の通っていた小学校では、親戚からもらったお年玉を郵便貯金することが奨励されていた。
新学期明け、講堂に郵便局員がやって来て、生徒たちは茶封筒にお年玉を入れ、貯金の手続きをしていた。
僕は「なんで貯金しないといけないの?」と、不思議でならなかった。
せっかくのお年玉だから、ゲーセンに行ったり、マンガを買いたかったのに…。
学校の先生も、両親も、世間の大人は「貯金は大事です」と言う。
それは、正しくない教えだ。
何らかの目的があって、貯めているのは別にいい。
でも、特にこれといった使い道がないのに、預金通帳にお金を余らせつづけるのは、本当に愚かしいことだ。
そもそも郵便貯金は第二次世界大戦中、戦費調達のキャンペーンから全国に普及したものだ。
戦争がなくなった現在は、国債を償却するために、貯められたお金を運用している。
そんないびつな機関に、大事なお年玉を吸い取られてしまったアホらしさは、ずっと僕の記憶に残っている。
銀行などの機関に預けているお金は、銀行に対する債権だ。
貯金は、いざというときのための資金だというけれど、多ければ多いほど、それだけ誰かにお金を貸して、あなた自身の人生の幅を狭めているのと同じなのだ。
貯金は生活の安心につながると、大人は言うかもしれない。
しかしその金額ぶん、債権者としての負担を増やしているのだ。それがなぜ安心なのだろう?
僕の言い分は、極論すぎるかもしれない。だけど、いくら批判されようと、しつこく言い続ける。
貯金が美徳というのは、間違った考え方だ。
銀行に預けていれば、たしかにお金は融資という形で世の中に回る。
しかし融資の恩恵を受けるのは、限られた大手企業だ。庶民の消費が活性化しなければ、意味がない。多くの会社の業績は上がらないし、雇用も生まれない。
使わない限り、お金は活きてこないのだ。
貯金を増やすより、出会い、興奮、体験を積み重ねろ
僕は大学生になって以降、貯金は一切やめた。
一生懸命働き、まとまったお金を持ったら、仲間と遊びに行き、旅行へ出かけ、美味しいものを食べ、見聞を広めるために使い尽くした。
性分的に、貯金好きではないのもあるけれど、活きない貯金を守るより、活きたお金を使ったほうが、絶対に楽しくて幸せだと信じていた。
使うだけ使いまくって、正しかったと思う。
お金を使って得た経験は、社会に出てから、いろんな場面で役に立った。コミュニケーションのレベルも、出会う人のランクも高くなった。
貯めていれば、国内の40代のビジネスマンのなかでは指折りの富豪になっていたかもしれない。
でも僕にとっては、貯金額を増やすより、そのときにしか得られない出会い、興奮や、体験を積み重ねることの方が、はるかに大事だった。
僕の得てきた体験は、いま同じ額のお金を投じたところで決して得ることはできない。貯金は目先の不安を多少取り除くのかもしれない。しかし時間を買い戻すことはできないのだ。
いまという時間を楽しみ尽くし、後悔のない人生を送るために、お金の活力を信じて、好きなだけ使ってしまおう。
貯金にとらわれ、お金の活力を死なせてはならない。
堀江さんのお金の哲学をもっと知りたい方はこちら!
『あり金は全部使え』のサブタイトルは「貯めるバカほど貧しくなる」。
堀江さんは、将来の貯蓄よりも、今の幸せのためにお金を使うことが大切だと主張しています。
そしてお金を使うことで、どんどんお金は増えていくとも。その理由は実際に本でチェックしてください。
最後に堀江さんからのメッセージ。
「お金の呪縛を振り払い、悔いなく生きろ!」
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