ビジネスパーソンインタビュー
リーダーは「桃太郎」のようなビジョンを掲げよ。部下を動かすには“3つの言葉”が必要だ

三浦崇宏著『言語化力』より

リーダーは「桃太郎」のようなビジョンを掲げよ。部下を動かすには“3つの言葉”が必要だ

新R25編集部

2020/01/21

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こちらの意図をクライアントに納得してもらえない

意見を求められたとき、うまく話せなかった

そう悩み、迷ってしまうのは、もしかするとあなたが使う「言葉」が原因かもしれません。

「これからの時代、磨くべき最強の武器は“言葉”である」と提案するのが、広告やPRの枠を超えて注目を集める、The Breakthrough Company GOの代表取締役でPR/CreativeDirectorの三浦崇宏さん

ご自身の著書『言語化力 (言葉にできれば人生は変わる)』では、三浦さんが言葉の力を使って、アイデアを形にし、人生を動かしてきた“言葉の使い方”が描かれています。

アマゾンのビジネス書事前予約数ランキングで1位を記録し、本日より発売となる同書から3記事を抜粋してお届けします。

現代では、数字を掲げるやり方はもう古い

ビジネスにおいて、今、数字以上に言葉が求められている。

これまでの時代は、ビジネスで重要視されていたのは、数字だ。

モノを安くたくさんつくれば、売れる」「よりよいサービスを提供すれば、儲かる」 「人を増やせば、売り上げもあがる」。

昭和、平成は目標としての「数字」さえ示せば、それが指針となり、みんなが前に進むことができたのだ。

「世界の枠組み」「ビジネスの仕組み」がかっちり決まっていたため、目指すべき数字だけ示せば事足りた。

今年は1億円稼ぎましょう」「来年は2億円稼ぎましょう」 それでよかった。

成長や進化のベクトルは定まっていて、あとはその「進むべき距離」 だけ考えていればよかったわけだ。

しかし今はそのベクトルが、定まっていない。

時代が変化するスピードは加速している。社会やビジネスのルールもあっという間にアップデートされてしまう。

ぼくたち一人ひとりが、そして企業だって、どちらに行くのが正解なのかわからない。

そういう時代だ。だからこそ、どちらに進むべきかを決めて、断言できる人間が強い。

この「ベクトルを決めなければいけない時代」に必要なのは「数字」ではない。「言葉」である。

言葉だけが進むべき方向を決めることができる

言い換えれば、現代というのは、「言葉」がないと前に進めない時代なのだ。

旅行の例で考えてみよう。「来月4000キロ先へ行こう」と言われて、テンションが上がる人間がいるだろうか。

何のことかわからず、いざ歩き始めたら途方にくれてしまうはずだ。どうやってサボるかを考え出すだろう。企業が数字だけで目標管理するというのはこういうことなのだ。

しかし、「来月ハワイに行こう」と言われたらどうだろう。

飛行機で行こうか、どの航空会社で行こうか、どんな水着を持っていこうかと、テンションも上がり、モチベーションも高まり、勝手に各々工夫するだろう。

目指すべき地点を数値目標ではない「言葉」で共有できている会社や組織は強い。

不確定な時代に、「こちらに進むんだ」と示すことができるからだ。

人を動かす「言葉」の3つのポイント

言葉で人を動かす。難しいように思えるが、そんなことはない。言葉で人を動かすときの重要なポイントについてまとめよう。

①目的を明確にすること

②目的に向かうプロセスを明確にすること

③主語を複数にすること

まず心がけるポイントはこの3つである。

1つめの「目的を明確にすること」は文字通りである。

ただ「動け」と言うよりも 「鬼を退治しに行こう」と目的をはっきりさせると動きやすい。犬・猿・キジでもついてくるくらいだ。

2つめの「プロセスを明確にすること」について話をしよう。

かつて外資系の広告代理店に勤めていたとき、ぼくが所属していたクリエイティブチームでは、カンヌ国際広告祭で賞を獲ることが至上命題だった。

当時、圧倒的な実力を持った先輩がおり、彼のチームは毎年のようにカンヌで賞を獲っていた。

しかしぼくが同じように挑戦してもなかなかうまくいかなかった。チームの本気を引き出すことができていなかった。

ぼくと彼の違いは、目的に到達するための「プロセス」を明確化できているかどうかだったのだ。どういうことか。

ぼくはチームのメンバーに「みんなで頑張ってカンヌ獲ろうぜ!」と何度も何度も言っていた。それに対して彼は「ここまで頑張ればカンヌ獲れるぞ」という言い方をしていたのだ。

「獲ろう」と「獲れる」は 文字違うだけだが大きな違いがある。

彼はカンヌを何回も獲ったという実績と経験があるから、努力の限界を決められるのだ。

メンバーに対してむやみに「一緒に頑張ろう」と言うのではなく「これくらい頑張れば獲れるから、ここまで頑張ろう」と線を引くことができる。

目的にたどり着くための条件、プロセスを明確に定義付けできるから、努力のゴールイメージが明確になる。

マラソンでも何キロ走るかわからない、とりあえずゴール設定なしで走るとみんな面白いように早いタイミングで諦めるようになる。

ゴールが明確じゃないとき、人は本気を出すことが難しい。どれだけ遠かったとしても、ゴールがあって、励まし合って支え合うからこそ、人は頑張ることができる。

「鬼を退治しに行こう」だと、どこまで努力をしなければいけないのかがわからない。

しかし、「この海の先に鬼ヶ島がある。そこに鬼がいて、5人で立ち向かえば勝てるはずだ」なら、努力量の目安がわかる。

成果に対するプロセスを明確化することで、 結果的に人の本気さをより引き出すことができるのだ。

3つめは「主語を複数にすること」だ。

「鬼を退治してこい」ではなく「一緒に鬼退治しに行こう」と言う。

「あなたが退治する」のではなく「ぼくらで一緒に退治しに行く」というように主語を複数にするのだ。視点を「I」から「WE」に変えることが有効なのである。

漫画家の小林よしのりさんが薬害エイズについて問題意識を持って、いろいろな発信をしていたときのこと。

会う人会う人「頑張ってください」と言ってくるなかで、藤あや子さんという演歌歌手だけが「一緒に頑張りましょう」と言ってくれたそうだ。

小林さんは藤さんの言葉にすごく救われたそうだ。藤さんの言葉が「I」ではなく「WE」の視点に立っていたからだ。

著者と編集者の関係であれば、編集者が「これ書いておいてください。頑張ってください」と伝えるよりも「これ、一緒に盛り上げていきましょう!」と言うほうが著者に気持ちが伝わり、モチベーションも上がるはずだ。

もともと不良だった作家の百瀬博教さんは「人は言葉でぶっ飛ぶんだよ」って教えてくれた。

いろんなぶっ飛ぶものを知っているであろう人の言葉だけにリアリティがあるよね。

今すぐ実践したくなる!これからの時代の武器になる“言葉”本

印象に残る言葉、人を動かす言葉など、言葉の力の大きさをひしひしと感じる一冊。

読み終わった瞬間に、今自分が話している言葉は、一体どんな思いで口にしているのか、考え込んでしまいました。

ちなみに、第4章の中にある「人生の指針になる言葉を持て」のパートは、三浦さんが人生の指針としている言葉が収録されており、すべてのビジネスマンの背中を押す内容となっています。

同書を読んで、言葉の力を知り、操り、人生を充実させていきましょう!

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