ビジネスパーソンインタビュー
鴨頭嘉人YouTubeチャンネルより
マクドナルドで「日本一始末書を書いた社員」がたくさん表彰された理由
新R25編集部
起業や独立が珍しくない昨今、「サラリーマンとしてはイマイチだけど、独立すれば成功できるかもしれない」と考えたことがある人もいるのでは…?
しかし、かつて日本マクドナルドで“伝説の店長”と呼ばれ、自身の講演を発信しているYouTubeチャンネルは登録者数102万人(2020/2/7現在)を誇る“炎の講演家”・鴨頭嘉人さんは、「会社員のときにできないことが、独立したらできるようになると思っている人は、思い上がりだ」と断言します。
独立して「成功する人」には、どのような特徴があるのでしょうか?
【鴨頭嘉人(かもがしら・よしひと)】高校卒業後、東京に引越し19歳で日本マクドナルドにアルバイトとして入社。30歳で店長に昇進。32歳の時にはマクドナルド3300店舗中、お客様満足度日本一、従業員満足度日本一、セールス伸び率日本一を獲得し最優秀店長で表彰される。その後も最優秀コンサルタント。米国プレジデントアワード、米国サークルオブエクセレンスと国内のみならず全世界のマクドナルド表彰もすべて受賞する功績を残す。2010年に独立。現在は組織構築・人材育成・セールス獲得についての講演・研修を行う「炎の講演家」として活躍している
僕は「日本一たくさんの始末書を書いた社員」でした
僕はサラリーマンも独立起業家のようにに働けばいいと思っています。
マクドナルドで働いていたころ、勝手に「月曜日にてりやきマックバーガー半額」というキャンペーンをやって、爆売れしたことがあります。
でも本社の許可を取っていなかったので、めちゃくちゃ怒られました。
ほかにも、東京のスーパーバイザーをやっていたとき、社内のコンテストで日本一を取りたくて、本来10時半に販売しはじめるはずの「てりたまバーガー」を、朝から売ったこともありました。
そのとき僕は、「みんなもやったらいいのに」と思ったんです。
だから「てりたまバーガー」を朝から売るための POPを作って、ほかのエリアの人も使えるようシェアしました。
それも本社の人に怒られて、評価を下げられましたね。ボーナスも下がりました。そういうことを、いっぱいやってたんです。
でも僕は、最優秀店長、最優秀スーパーバイザー、それからサークルオブエクセレンスという本社スタッフのチームで最高の表彰を受けて、日本のマクドナルドの社員が取れる全タイトルを取ったあと、グローバルのタイトルも全部取った、唯一の社員です。
なぜ、そんなにたくさんの表彰を受けることができたか。
理由は僕が、「日本一たくさんの始末書を書いた社員」だからです。
誰よりもたくさんリスクを取って、チャレンジしていました。
そのなかで、当たりが出るんです。
リスクを取れない会社員は、独立してもリスクを取れない
僕は「悪いことをしろ」と言ってるわけじゃありません。とにかくチャレンジしてくださいと言いたいんです。
サラリーマンがチャレンジしたときに受ける損失は、怒られて、ボーナスをちょっと減らされるぐらいです。給料をゼロになんかできませんからね。
でも、独立してから失敗すると、借金を背負うことになります。
独立してからのほうが、リスクもプレッシャーも大きいんです。
会社員のときにできないことが、独立したらできるようになると思っている人は、思い上がりですよ。
サラリーマン時代にリスクを取れないような人は、独立してもリスクを取れません。
逆に、独立してから成功する人は、サラリーマン時代からリスクを取っている人です。
だから、クビにならない程度に、ガンガンやったほうがいい。
リスクをとって働いていると、そのうち社内で評価されて、年収も上がります。
そうなれば「サラリーマンを続けるのもいいな」と思いはじめるでしょう。
起業してもいいし、サラリーマンのままでもいい。副業をしてもいい。サラリーマンをやりながら、会社を作ってもいい。
チャレンジすればするほど、選択肢は増える一方です。
僕は「マクドナルドで初めて育児休暇を取った男性社員」です
当時はうちの妻もマクドナルドの社員だったので、2人で育児休暇を取りました。
僕ははじめ、「うちの会社は固い会社だから、育児休暇を取りたいなんて提案は、絶対に通らないだろうな」と思っていたんです。
そこで、誰もやらないようなクレイジーな提案が好きなボスに相談をしました。
案の定ボスは面白がってくれて、「人事部の担当者に持っていったら絶対あかんから」と、会社のトップに話を持っていきました。
当時のマクドナルドは、アメリカだと女性管理職が20%くらいいるのに対し、日本では5%しかいない状況。女性の活躍を推進するためのプロジェクトに、お金かけて取り組んでいた時期でした。
そこで、プレゼンテーションのプロであるボスは、「男性社員による育児休暇の取得事例を作ったほうがいいと思います」と、上手に提案したんです。
そうしたら、「テストでやってみましょう」となり、すぐに育児休暇を取れることになりました。
ちなみに、日本のマクドナルドで2番目に育児休暇を取った男性は、原田泳幸さんと言います。社長がとったんですよ。
社内で提案を通すのも「ビジネス力」
会社の中でやりたいと思うことがあれば、とりあえず提案してみましょう。
ただし、単にワガママを言えばいいわけじゃありません。
思いついた面白い企画をどうやって通すか。「この表現だったらどうだろう?」「この人の協力を仰いだらどうだろう?」と、考える。
これもビジネス力なんです。
そういった経験を積むと、独立してもしなくても、副業をしても、うまくいく人になれます。
これからは個人が組織を支える時代なので、個人の能力アップが一番大事です。
独立したときのためにも、独立しなかったときのためにも、常に起業家精神でチャレンジしまくる。これが唯一の答えです。
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