自分を「イタイ」と思ってしまったらどうしたらいい?

「1人に悪口言われたら、999人の称賛が見える」にいにいこと新野社長が語る“ポジ転思考”

ライフスタイル
人気リアリティ番組に出演していることで、SNSを中心に熱視線を集めている「にいにい」こと新野俊幸さん

「仕事を辞めたくても、上司が怖くてなかなか言い出せなかった」という自身の経験から、退職代行を発明。EXIT株式会社を立ち上げた起業家としても知られています。

番組内での言動から、視聴者に「気持ち悪い」という手加減のない悪口をぶつけられたりもしていますが…

新野さん、まったく怯まない。

それどころか、「妖怪・ビン吸い」「目が勃起してる」というコメンテーターたちのコメントを自らのキャッチフレーズとして打ち出し、アパレルショップ「新野商店」をオープンさせてしまいました。
日本中が「ネガティブ」に覆われているこんなときだからこそ、「何もかも“ポジ転”してしまう」新野さんに、ポジティブでいるための秘訣を伺いました。

〈聞き手=ほしゆき〉
【新野俊幸(にいの・としゆき)】1989年生まれ。青山学院大学卒業後、ソフトバンクに入社。リクルートテクノロジーズ、サイバー・バズを経て、2018年にEXIT株式会社を設立

ポジ転の秘訣①「社会的ゾンビ期」をつくってポジティブ思考覚醒

ほし

ほし

新野さん、Zoom越しでもメンタルの強さが伝わってきますね(笑)。
新野さん

新野さん

ありがとうございます! 伝わって光栄です。
ほし

ほし

(クセ強いな)

新野さんは、昔からずっとポジティブ思考だったんですか?
新野さん

新野さん

いや、僕めちゃくちゃネガティブでしたよ。他人の目を人一倍気にしているタイプでした。

社会的ゾンビ」というドン底を経験してから少しずつマシになって、ようやく好きに振る舞えるようになってきたくらいです。
ほし

ほし

社会的ゾンビ…?
新野さん

新野さん

新卒で入社した会社を辞めてニートになった時期があったんですけど、そのときが人生で一番キツくて。誰にも必要とされていない、何の役にも立っていない、まるでゾンビだったんですよ。

これ、生きてる意味あんのかな?」と思ってました。
フードかぶりながらそんなツライ話を…
新野さん

新野さん

だから、今みたいに他人から好き勝手言われている状態って、ものすごくありがたいんですよね。

社会的にめちゃくちゃ存在してるじゃないですか!
ほし

ほし

それは間違いないです…

今は新野さんが次に何を仕掛けてくるのか、多くの人が気になっていますからね。
新野さん

新野さん

でしょ? “生きてる感覚”がものすごくあるんですよね。マイナスの言葉だとしても、何も言われないよりは100倍マシ。

とにかく記憶に残りたい…!

わざわざ時間をかけて僕に「キモい」って感想を送りつけてくるほど、誰かに強烈な印象を残していること自体がうれしいんですよ。
「とにかく記憶に残りたい…!」
ほし

ほし

でも「キモい」なんてストレートに言われて、正直傷つきません?
新野さん

新野さん

僕男子校出身なんですけど、男子校って気持ち悪くないとウケなかったんですよ。

学生時代に必死こいて「気持ち悪さ」を磨いたんで、その成果が出てるんですよ(笑)。
ほし

ほし

むしろそれが武器だと!(笑)
新野さん

新野さん

そうですね。

大学に入って、男子校のノリがほかの世界ではあまり歓迎されないこともわかってるんですけど、それでも出していったほうが僕的には面白いと思うし、素の自分なので変えるつもりはないです。

ポジ転の秘訣②アンチは1/1000。後ろの999人を見る

新野さん

新野さん

あと僕は、常々「アンチは氷山の一角でしかない」と思っています。

ポジティブにとらえてくれている人は、基本何も書き込んだりしないんですよ。

ほしさん、応援しているインフルエンサーに直接DMを送ったり、YouTubeにコメントしたりしたことありますか?
ほし

ほし

いや…ほとんどないですね。
新野さん

新野さん

ね、僕もないです。でも応援してるし、何となく「いいな~」って見てます。大半はそういう人なんですよ。

だからアンチコメントが来ても、それは1/1000でしかない。裏側にいる999人が僕を称賛してくれている姿が、見えているんです
ほし

ほし

にいにい、流石のポジ転です。
新野さん

新野さん

だろ?

「ノイジーマイノリティーより、サイレントマジョリティーを常に意識」ですよ。
クセ強いな
新野さん

新野さん

たとえば会社のなかでボロクソ言ってくる人がいても、何も言わずに見守ってくれている人たちのほうが多いと思うし、声をかけられなくても「当たり前に応援してくれてる人たち」がいると思います。
ほし

ほし

なるほど。ビジネスマンだとそういう転用ができますね。
新野さん

新野さん

凹むより先に、応援者を意識すること

もちろん、妄想ではなく「サイレントマジョリティーがいる」と確信するためには、応援してもらえるよう日々努力することも大事です。

「今年の新卒社会人は、僕みたいになれる!」

ほし

ほし

新野さん、一種のアンチコメントとして寄せられた言葉を「ビンスイ」「MEBOCKEY」とグッズ化して、販売していますよね。

このあたりもぶっ飛んでいると思うんですが…最初から「何か仕掛けよう」と戦略を立てていたんですか?
新野さん

新野さん

いや、そこまで考えてなかったですよ。

表に立つことで、こんなに「ネタキャラ」っぽく注目されるのも正直予想外だったので(笑)。
ほし

ほし

どんなイメージで名を轟かせる予定だったんですか?
新野さん

新野さん

「イケてる経営者」っていうか。

かっこいいブランディングで加速してくぜ!みたいな。
番組配信がはじまった直後の新野さんのInstagramより
ほし

ほし

…なるほど(笑)。
新野さん

新野さん

残念ながらモテとは違う路線で加速してしまったんですけど(笑)、その現実を全力でポジティブに捉えた結果、「自らこのネタワードを武器にしよう」と思ったんですよね。

みんなからのネガティブな言葉をポジティブに解釈して発信していくのは、正直不安もありました。逆撫でしちゃうかな、煽っちゃうかなって。

でも、あの“ゾンビ時期”を思い返せばどう転んだってマシだし、叩かれても死なないしな!と思ったので振り切りました。
ほし

ほし

そして結果的に、にいにいファンが増えたんですね!(笑)
新野さん

新野さん

いやー、みんなが「めちゃめちゃ面白い!」って言ってくれたのでよかったです!

アパレルをやろうなんてまったく思ってなかったんですけど、自分からポジ転して発信を続けていたら「アパレルやりませんか?」って声がかかったんです。

やっぱり逆境はチャンスですね。
世界の本田にも乗っかる。説得力がすごい
新野さん

新野さん

今だと、新卒社会人の子たちは「こんな状況でかわいそう」って言われがちですけど、僕はまったくそう思わないです。
ほし

ほし

え、なんでですか?
新野さん

新野さん

新卒入社のタイミングで全面自粛が強いられた人たちって、歴史的に見ても今年しかいないでしょ。

先輩たちに比べて、まったく新しい成長ができるってこと。明らかに特殊な存在になれる。

新卒からこんなハプニング経験できるの、むしろラッキーだよ。今後何が起きても「コロナよりマシだろ」って思えるじゃん。
新野さん

新野さん

まさに、僕が「ゾンビ期があったから何でもポジ転できた」ように、「コロナがあったからポジティブ」っていう人生にできるんだよ!

不自由の中でたくさん挑戦して、失敗するために、この時期にガンガン動こうぜ。

ポジ転の秘訣③「イタイと言われるなら環境を変える」

ほし

ほし

「サイレントマジョリティーを見る」「ゾンビ期をつくる」…

ほかにもポジ転の秘訣ってありますか?
新野さん

新野さん

僕は、環境を変えたことが大きかったですね。

自分の羞恥心と1人で戦いつづけるのは難しいので、「自分にはできない」と思っていることをしている人たちのコミュニティに、足を突っ込むといいです。

たとえば、今って自粛中だしYouTubeはじめてる人たちが多いでしょ。それを見て自分もやってみたいと思っても、「1人で話してるのアップするのイタいよな…」って諦めてる人たちが大勢いると思うんですよ。
新野さん

新野さん

「YouTubeとかイタい」って言ってる人たちがまわりにいると、当然ハードルは上がる。

でも世の中には、「やってて当たり前でしょ」って人たちが集まっているコミュニティもあるわけよ

うじうじ悩んでるより、居場所変えたほうが圧倒的に速く自己改革できるよね。
ほし

ほし

でも今は外出自粛期間で、新しい人たちとコミュニケーションとるのが難しくないですか?
新野さん

新野さん

オンラインサロンに入ってつながるとか、違う業界の人たちとZoom飲みするとか、物理的に会えなくても方法はたくさんあるよ。

それでも難しそうだったら、「こうなりたい」と思う人たちの思考に触れつづけるだけでも変化はある
ほし

ほし

思考に触れつづける…
新野さん

新野さん

僕はもともとニートだったし、起業なんてできる人種じゃなかったんですよ。でも、堀江(貴文)さんやひろゆきさんの記事や本は、昔から読みまくってた。

自分からアクションを起こしつづける人の思考にずっと触れておくことで、自分の思考を矯正していくイメージです。
「新R25さんに忖度するわけじゃないですけど、フリーペーパーのころからめちゃくちゃ読んでましたよ」
新野さん

新野さん

自粛期間で時間があるからこそ、自分の環境を変えまくるチャンスだと思います。
ほし

ほし

もし新野さんがいま自宅勤務の会社員だったら、どんな挑戦をしますか?
新野さん

新野さん

僕は「自分の弱点をどんどん晒して成長したい」と思っているので、もし若手営業マンだったら、自分の営業をZoomで全国に生配信しますね
ほし

ほし

えぇ、めちゃくちゃ恥ずかしい…!
新野さん

新野さん

同じ弱点を持っている人は自分以外にもたくさんいるはずなので、さっさと晒して、誰かからの共感をもらったほうがいいんです。勇気が湧いてきますよ。

もしこの時期にそんな挑戦できたら日本で一番成長するよ? メンタルも超鍛えられる
ほし

ほし

自覚している弱みは、晒すことで強みに変えろと…
新野さん

新野さん

そう! この状況は、いくらでもポジティブに転換できます。「いま自分が何をすべきか」が思いつかないなら、人の思考から学んで盗もう。

俺も楽しんでもらえることをガンガン仕掛けていくから、みんな、コロナに負けるなよ!
最後まで濃い…
新野さん、想像以上のポジティブパワーでした。強烈

「なんでもポジ転する男」の思考のエッセンスは、

・凹む前に、応援者の存在へ意識を向けること
・“失敗する期間”をつくること
・羞恥心に負けそうならまわりの環境を変えること

こちらの3つ。

自宅での時間が増え、暗いニュースが飛び交うなかでは、どうしてもネガティブ思考になりやすいですが、今こそを「ポジ転」を学んで逆境をチャンスに変えていきましょう!

〈取材・文=ほしゆき(@yknk_st)/編集=天野俊吉(@amanop)〉