ビジネスパーソンインタビュー
西野亮廣エンタメ研究所Voicyより
人に「変わって」と伝えるのはムダ。それよりも“現実的に”人を変える方法を教えます
新R25編集部
新型コロナウイルスの影響で、外出の自粛やリモートワークへの切り替えなど、これまでとは違う生活を余儀なくされています。
それにより、「リーダーにもっと早く意思決定をしてほしい」「職場と家庭・育児の場がすべて一緒になり対応しきれず大変」といった不安や不満、混乱の声も多く聞こえます。
キングコング・西野亮廣さんは、「相手にリクエストする姿勢は素晴らしい」としつつも、「変わってほしい相手に『変わって』と訴えてもムダ」だと語ります。
では一体、人に変わってもらうためにはどうしたらいいのでしょうか?
今回は西野亮廣エンタメ研究所Voicyより「変わらない人を変える方法」をお届けします。
人を変えたいのであれば、人ではなくシステムを責めろ
先日、オンラインサロンに「リーダーを変える方法」という記事を投稿しました。
あなたの旦那さんや奥さん、上司や部下が、あなたをイライラさせるような行動を取ってしまうことってありますよね。
そんなとき、相手に「変わって」とお願いして、実際に変わってもらえた経験はありますか?
あまりないかと思います。
きっとあなたは、これまでの経験から「人は簡単に変われない」ということを知っているはずです。
そのうえで、お伝えしたいことがあります。
世間の人々と同じように、リーダーも「人間」です。
誤った判断もするし、考えも古くなる。
リーダーに変わってもらう一番の方法は、リーダーを責めることではなく、リーダーに「考えを改めよう」と思わせることができない「システム」を責めることです。
ボクは昔から言っているのですが、原因をヒューマンエラーではなくシステムエラーと捉えるほうが、改善の余地があります。
「システム改善」というとリーダーの仕事と考えがちですが、そうではありません。
リーダーを変えたいと思うのならば、「リーダーを変えるためのシステム」を組み直す必要があります。
「考えを改めてくださいよ」と訴えかけても無駄で、考えを改めないと損をするか、考えを改めれば得をするシステムに組み直してしまったほうがいいという話です。
政治家に改善を求め続けるよりも、事態が前に進む方法
コロナの件で、政治家さんたちが連日、不満の溜まるようなアクションを続けていて、みんな怒っていますよね。
我々は税金で政治家さんたちの時間を買っているので、怒る権利はあると思うし、それ自体はいいことだと思います。
ただ、ダメな政治家さんに改善を求め続けるのではなく、いいアクションを起こした政治家さんを目一杯ほめて、目一杯リツイートしたほうが、もっと良くなると思うんです。
政治家さんの生命線は、選挙にかかっています。
ですから「いい政治をしたほうが票が集まる」ということをあからさまに示したほうが、事態は前に進むと思います。
上品に「人参をぶら下げる」ということです。
どこまでが事実かはわかりませんが、「すしざんまいの社長が、ソマリアの海賊に漁船を渡したら、海賊行為をやめて漁業をはじめた」という有名な話があります。
要するに、海賊は悪いことではなく、得をしたかっただけなので、もっと得ができる「漁師」という仕事を選んだということ。
「人を変えるのは、人ではなくシステムである」のいい例です。
あなたの旦那さんや奥さん、部下、上司、社長もみんな人間です。お願いして変わってもらうのは、なかなか難しいですよね。
これらのことを鑑みて、政治家さんを人間として扱うと、もっといい方向に進むのではないかと思いました。
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〈撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
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