西野亮廣エンタメ研究所Voicyより

僕がホリエモンロケットに1000万円を使ったのは、「命をつなぐ」お手伝いができるからだ

お金
寄付や募金、物資支援、クラウドファンディング、チャリティーグッズの販売。

新型コロナウイルスの影響が広がる今、支援の輪も広がっています。

とくに、規模の大きさや知名度から、有名人の支援表明はたびたびニュースになっていますが、何をどう支援するかに関して、さまざまな意見が飛び交っています。

そんな中「人のお金の使い道には、絶対に口を出してはいけない」と話すのは、自身もインターステラテクノロジズ株式会社へ1000万円の寄付をした、キングコングの西野亮廣さん

西野さんが考える「お金を使うことの意味」とは何なのか、「西野亮廣エンタメ研究所voicy」よりご紹介します。

「お金を使う」とは「命をつなぐ」こと

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの方が「支援」というかたちでお金を使っています。

ダウンタウンの松本人志さんが芸人さんに最大100万円の貸付を表明したり、宮迫博之さんが「串カツ田中」のネーミングライツを購入したりするなど、話題になっていますよね。

ボクも、ホリエモンが出資しているロケットのネーミングライツ1000万円で購入しました。

支援を表明すると、「そんなことにお金を使うなら、医療機関に寄付しろ」という声が一定数届きます。

きっと、本人に悪気はなく、正義感から言っているのでしょう。

ただ、僕らのようなお金の使い方でも、「命をつなぐ」ことができるんです。

松本さんの場合は、芸人さんと、そのご家族。宮迫さんの場合は、串カツ田中の従業員さんと、そのご家族

ボクの場合は、インターステラテクノロジズのスタッフのみなさんと、そのご家族

お金を使うことで、そういった方たちの命をつなぐお手伝いをさせてもらっています。

先日、東京都内のとんかつ屋さんの店主が火災で亡くなるという、痛ましい出来事がありました。自殺の可能性が高いといわれています。

当たり前の話ですが、人が命を落とす原因は、新型コロナウイルスだけではありません。失業率と自殺率は相関関係にあるため、経済が止まったら、人は死んでしまいます

あるサービスの先には、それを提供するための仕事があり、会社があり、従業員とその家族がいるんです。

「そんなことにお金を使うなら、医療機関に寄付しろ」という発言は、言い換えると「そこで働く人の命はどうでもいいから、医療機関に寄付しろ」ということ。

人の命に優先順位をつけるという行為は、人間が踏み入れてはいけない領域だと思います。

もちろん、できることなら、苦しんでいるすべての人を救いたいですよ。

でも、そんな力はなかなか持っていない。

みんな、助けることができなかった人の悲しいニュースに胸を痛めながら、自分の無力さを恨んでいます。

それでも、ある人はカレー屋さんを支援して、ある人は美容室を支援して、ある人は病院に運ばれてきた患者さんを懸命に治療して、自分が助けられる範囲で頑張っています

有事の際に「こんなことにお金を使うな」と発言している人は、「お金を使う」ということがどういった意味を持っているのか、今一度、考え直したほうがいいでしょう。

使い道に口を出していいのは、国のお金だけ

ただ、唯一「そんなことにお金を使うな」と発言してもいい場面があります。

それは、「税金の使い道」です。

これに関しては「みんなで議論しましょう」というルールになっています。

今回のコロナ騒動の中では、税金の使い道について議論されることが多かったですよね。それは、正しい姿だと思います。

おそらく、税金の使い道について議論しすぎて、個人のお金の使い道にまで口を挟むようになってしまったのではないでしょうか。

しかし、このラインは絶対に超えてはいけません

今は本当に大変な時期なので、冷静でいられなくなる気持ちも、すごくわかります。

みんな、もう少しだけニュースやTwitterのタイムラインと距離をとったほうがいいのではないでしょうか。

よほど軸がしっかりしている人でないと、感情が振り回されて、精神が削られ、誤った発言をしてしまうことにつながります。

その発言によって、苦しむ人も増えてしまうでしょう。

とても大切な話だと思うので、覚えておいてもらえたらうれしいです。

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〈撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉