ビジネスパーソンインタビュー
熊原さん、息してますか…?
「コロナショック…大丈夫でした?」レバレッジ型投信に個人資産をぶち込んでいた男に近況を聞いてきた
新R25編集部
これまでさまざまな投資関連記事をお届けしてきた新R25。
特に、大和アセットマネジメント 運用本部長・熊原祐次さんと、マネーの鬼・田端信太郎さんが繰り広げた忖度なしの「ガチンコ投資対談」は大きな反響がありました。
この対談のなかで、熊原さんは「資産の大半を自社商品(iFreeレバレッジNASDAQ100)に投資している」と熱意を見せていたのですが…
2月末から3月中旬にかけてアメリカ株は大暴落。「世界恐慌以来で最悪の景気後退」と言われるほどの落ち込みを見せました。
「熊原さん、大丈夫かな…?」
ちょっと心配になった編集部は、再び話を聞きに行くことに。
情熱に満ち溢れた熊原さんの姿はそこにあるのでしょうか…?
〈聞き手=渡辺将基(新R25編集長)/文=森久保発万(新R25編集部)〉
熊原さん、息してますか…?
渡辺
熊原さんは以前、田端さんとの対談で「資産の大半を自社商品に投資している」とおっしゃっていましたが、このコロナショック…率直に大丈夫でしたか?
熊原さん
いやー、さすがに焦りましたね。
30年間貯めつづけた全資産が、たった2週間で半分になりましたから。
渡辺
全資産が半分ですか…(汗)
熊原さん
国際情勢の変化や大災害みたいな事態には備えてるつもりでしたけど、パンデミックでここまで経済が止まるのは完全に想定外でしたね。
ただ、結局そこから株価は一気に回復して、現時点ではコロナショック前のマイナス8%くらいまで戻ってきました。
渡辺
御社は“ツミレバ” (※)を推奨されてますけど、レバレッジ型の投資信託は今回のような状況に弱かったりするんでしょうか?
※大和アセットマネジメントは、「積立」と「レバレッジ」を組み合わせた投資手法を「ツミレバ」という愛称で呼んでいます。
熊原さん
レバレッジ型の投資信託だと基準価額の下落にも倍率がかかってしまうのはその通りなんですけど、それはあくまでも一時的なものです。
何度も話しているように、私は長期的に見ればアメリカ市場は伸びていくと思っているので、こういう局面があっても我慢さえできれば大丈夫です。
熊原さん
ただ、長期的に横ばいの市場にレバレッジをかけて投資した場合、今回のような大きな変動は痛手になりますね。
【解説】100からスタートした指数が日毎に+10%→-10%→+15%→-15%→+5%と変動した場合、最終的に102(+2%)の微増となる。
しかし、上記のように対象の指数が上昇・下落を繰り返すケースにおいて2倍のレバレッジをかけると、最終的に96(-4%)となり、元本割れを起こしてしまう。
渡辺
なるほど。やはり積立投資は長期目線を忘れちゃダメですね。
では、熊原さんは暴落時も投資スタイルを変えることなく、粛々と積立を続けていたんでしょうか?
熊原さん
むしろ毎日の積立金を増やしましたね。基準価額が下がっているということは、株が安く買えるということですから。
実際に、iFreeレバレッジの買付金額はコロナショック中も伸びてました。基本的に、個人投資家は市場が下がっているときは“買い局面”だと判断する傾向があります。
渡辺
そうなんですね。
熊原さん
まあ、私は積立金を増やしすぎてちょっと生活が苦しくなりましたけど…
渡辺
え? 投資は余剰資金でやるのが鉄則じゃないんですか?
熊原さん
さすがにちょっと突っ込みすぎましたね…(笑)
相変わらず自社商品と心中する覚悟の熊原さん
暴落時にうろたえないために知っておきたい「2つの考え方」
渡辺
でも、今回みたいにずっと積み立ててきたお金が一瞬にして半分になるようなことがあると、投資が怖くなってしまう気もします。長期投資できずに降りてしまう人もいそうですし…
熊原さん
その気持ちはわかりますけど、「大暴落で資産が半分になった」って慌てるのは少し過剰反応かなと思いますね。
資産が半分になったのはあくまで一時的な話で、長い目で見たら株価は徐々に回復していくはずなので。
熊原さん
それに私は、「見えない資産」もトータルに考えて投資判断をすべきだと思うんですよ。
今日はこんなもの持ってきたんですけど…
インタビューのたびに小ネタを仕込んでくる
渡辺
「ミエナイシサン」…なんですかこれ(笑)。
熊原さん
今回はB’zっぽいタイトルにしてみました(笑)。
投資資産の変動で一喜一憂する人は多いですけど、冷静に考えると毎月の給料や将来の年金もこれから入ってくるお金なわけじゃないですか。
年金は今のところ年間300万円もらえることになってるから、90歳まで生きたら25年もらえるので単純計算で7500万円。
渡辺
なるほど、それが「ミエナイシサン」か…
熊原さん
そうです。これらのお金も含めて考えたら、現状の資産変動はあくまでその一部にすぎないってことですよ。
熊原さん
あともうひとつ、「自分仕送り」っていう考え方もあると思ってまして。
「年金をもらえる65歳まで」は働いて何とかして、現役時代の毎月の積立額は65歳以降の自分に仕送りをすると考えてみる。
たとえば、今35歳の人は65歳まで30年間仕送りできるから、65歳から30年間、つまり95歳までの将来の自分に仕送りをするイメージです。
渡辺
なるほど、面白い考え方ですね。
熊原さん
そうやって考えると、今回の相場変動も「資産が一気に減った」ではなく、「未来の自分への仕送り額がちょっと減った」くらいのものじゃないですか。
この考え方、すごくないですか?特許とりたいと思ってるんですけど。
特許の取得はさすがにミエナイ
渡辺
相場の変動にうろたえずに投資を続けるためのマインドセットとして、そう考えるのはいいかもしれませんね。
でも、65歳まで積み立てたのに売る直前に急落したらどうするんですか?
熊原さん
売るときも長いスパンで考えて、一気に売らずに少しずつ切り崩せばいいんですよ。
そうすれば、一時的な値動きにとらわれない資産運用ができます。
渡辺
なるほど…買いも売りも分散させるんですね。
熊原さん
そうです。投資は期間が長いほうが有利なので、こういう考えをもってぜひ若い人たちにチャレンジしてほしいと思っています。
熊原さんが投資している「iFreeレバレッジNASDAQ100」の主要販売会社はこちら(2020年6月時点)
熊原さん
最後に、投資で資本主義の醍醐味が味わえるって話をしてもいいですか?
「俺、Googleのオーナーなんだぜ」熊原さんが考える投資の醍醐味
熊原さん
投資をやってる人のなかには、「応援したい会社の株を買え」って言う人が多いじゃないですか。
それで身近な株を買うのもいいと思うんですけど、私の考えはちょっと違うんですよね。それだけじゃ夢がない。
渡辺
…と言いますと?
熊原さん
投資の醍醐味は、世界トップ企業のオーナーになれるってことですよ。買うなら“高嶺の花”を狙わないと!
たとえば、Googleの株を買ったら「俺、Googleのオーナーなんだぜ」って言えるんですよ?
“高嶺の花”を狙いすぎて画角からはみ出てしまう熊原さん
熊原さん
たとえばゴルフ場の会員になるには紹介状とか審査が必要ですけど、世界トップ企業のオーナーになれる権利は100円から買えるんですよ?
若者はこのすごさをわかったほうがいいです、ホントに。
「僕らが若いころは、わざわざ窓口に行かないと買えませんでしたからね」
熊原さん
今、検索のデータもマップのデータも、何から何までGoogleに握られてるじゃないですか。世界中から優秀な人材が集まって、日々世界を動かしてるわけですよ。
…でも、その会社のオーナーは私ですから。
渡辺
たしかに(笑)。
熊原さん
シリコンバレーに行って、Google本社見たらびっくりしますよ。「こりゃ日本企業が普通に戦ったら追いつけないわ」って。
熊原さん
…でも、オーナーは私ですから。
絵に描いたようなドヤ顔
渡辺
ちょっとGoogleの株買いたくなってきました(笑)。
合コンでもモテますかね?
熊原さん
モテますよ!
「俺、Amazonのオーナーなんだけど…」「いやー、ベゾスはよくやってるよ」みたいなこと言えますから。
渡辺
100円しか買ってなくても(笑)。
こんな不純な投資のきっかけを啓蒙していいのだろうか
熊原さん
真面目な話、投資をすれば世界や業界の動向にも敏感になってくるし、ほとんどの人は自分の仕事にプラスになると思います。
それに、「安定した日本企業に勤めつつ、成長著しいグローバル企業の株を買って利益を狙う」みたいな生活もできるわけですよ。
渡辺
広い視点で見たときのリスク分散的な考えですね。
熊原さん
とにかく投資はプラスになること多いから、コロナショックみたいな相場変動に惑わされず、若者みんなにやってほしいですね。
GoogleやAmazonなどのハイテク企業で構成!熊原さんが投資している「iFreeレバレッジNASDAQ100」の主要販売会社はこちら(2020年6月時点)
R25世代は何から投資を始めればいい?
渡辺
最後に、R25世代は何から投資を始めればいいですかね?
仮に、年収400万の方が月3万円ずつ積み立てるとして…
熊原さん
それならやはり、以前紹介した「iFreeレバレッジ NASDAQ100」ですね。
銘柄はGAFAみたいな世界トップ企業から構成されてるし、元手が少なくても大きな利益を得られる可能性が高いので。
熊原さん
過去30年の株価指数のグラフを見れば、NASDAQ100は大きく上昇しています。
もし過去30年で毎月3万円を「iFreeレバレッジ NASDAQ100」に積立投資していたら、約2億1500万円が手に入る計算(※)になりますから。
※あくまで過去のデータを用いた検証結果を示したものであり、ファンドの実績ではない点にご注意ください。また、必ずしも将来の成果を示唆・保証するものではありません。計算の詳細は【留意事項】をご参照ください。
渡辺
30年で月3万円を貯金してるだけだと1000万円ちょっとだから、すごい差ですね。
熊原さん
真面目に働いた優秀な人よりも、のらりくらりと働きながら月3万円投資した人が勝ったりもする。
これも投資の面白いところですよ!
渡辺
たしかに、弊社の藤田(晋。サイバーエージェント代表取締役社長)も「お金は労働の対価というだけじゃなく、“リスクを負った対価”みたいな性質もある」と言ってましたね。
熊原さん
まさにそう思います。100円でもいいから投資やってみると、お金の本質がわかると思いますよ。
「iFreeレバレッジNASDAQ100」の主要販売会社はこちら(2020年6月時点)
熊原さんの考える暴落時の心構えから投資の魅力までを教えてもらった今回のインタビュー。
コロナショックで「投資=リスクが怖い」というイメージを持ってしまった方も、長いスパンで冷静にお金について考えつつ、「オーナー俺だから」の優越感に浸ってみてはいかがでしょうか?(笑)
ドヤるなら「iFreeレバレッジ NASDAQ100」!
〈取材・編集=渡辺将基(@mw19830720)/文=森久保発万(@vneck_now)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
【留意事項】
【当記事で言及した企業について】
当記事で言及した企業はあくまでも参考のために掲載したものであり、個別企業の推奨を目的とするものではありません。
【「iFreeレバレッジNASDAQ100」の積立投資の計算(過去30年)について】
・期間:1990年5月末~2020年5月末(最終月は積立せず)
・「iFreeレバレッジNASDAQ100」はNASDAQ100の指数先物価格を使用し、為替ヘッジする商品性を考慮して米ドルベース。先物価格のデータが取得できない期間は株価指数データを使用(金利コストを控除)。
・「iFreeレバレッジNASDAQ100」の運用管理費用 年率0.99%(税込)を控除。
【「iFreeレバレッジ NASDAQ100」(以下、当ファンド)のリスクについて】
・当ファンドは、値動きのある有価証券等に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本が保証されているものではなく、これを割込むことがあります。
・信託財産に生じた利益および損失は、すべて受益者に帰属します。投資信託は預貯金とは異なります。
・基準価額の主な変動要因については次のとおりです。
「株価指数先物取引の利用に伴うリスク」、「価格変動リスク・信用リスク(株価の変動、債券の価格変動)」、「為替変動リスク」、「カントリー・リスク」、「その他(解約申込みに伴うリスク等)」
※当ファンドの保有期間が2日以上の場合の投資成果は、通常「2倍程度」になるわけではありません。
※NASDAQ100指数が上昇・下落を繰返した場合には、当ファンドの基準価額は時間の経過とともに押下げられることとなります。
※基準価額の変動要因は、上記に限定されるものではありません。
※詳しくは「投資信託説明書(交付目論見書)」の「投資リスク」をご覧ください。
【お客さまにご負担いただく費用】
「iFreeレバレッジ NASDAQ100」の購入時や運用期間中には以下の費用がかかります(2020年6月現在)。
詳細につきましては、「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧ください。
・お客さまに直接的にご負担いただく費用
購入時手数料 販売会社が別に定める率 〈上限〉2.2%(税込)
・信託財産留保額
ありません
・お客さまに保有期間中に間接的にご負担いただく費用
運用管理費用(信託報酬)
運用管理費用の総額は、日々の信託財産の純資産総額に対して年率0.99%(税込)
その他の費用・手数料
監査報酬、有価証券売買時の売買委託手数料、先物取引・オプション取引等に要する費用、資産を外国で保管する場合の費用等を信託財産でご負担いただきます。
※「その他の費用・手数料」については、運用状況等により変動するため、事前に料率、上限額等を示すことができません。購入時手数料について、くわしくは販売会社にお問合わせください。
※手数料等の合計額については、保有期間等に応じて異なりますので、表示することができません。また、上場投資信託証券は市場価格により取引されており、費用を表示することができません。
【商号など】
大和アセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第352号
【加入協会】
一般社団法人投資信託協会会員 一般社団法人日本投資顧問業協会会員
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