よろしくお願いします。

そうですね、6月28日でちょうど100日でした。

終わりが来ることを意識したら、日々を大切しようと思えたり、他人に優しくなったりできると思うんです。

「死」に触れることで、「生き方」を少しだけ考えてみる。そんなきっかけを伝えられたらいいなと思っていました。

ポップだけど「死」を常に意識できるようになる方法を考えて、ああいった漫画になりました。

そうですね…結構重要かもしれません。

本当は、10分だけ遅らせる予定でした。

でも思った以上に皆さんがいろんなラストを想像して盛り上がってくれてたので、もう10分遅らせることにしました（笑）。

ワニを待っているネズミたちと、読者が同じ目線になってほしかったんです。

だから最終話の1コマ目は、「おせえな」って台詞からはじめました。

みなさん、友だちみたいにワニの日常を見守っていてくれたじゃないですか。

でも、一般的には「死なないこと」がハッピーエンドとされるけれど、『100ワニ』ではそうとも言い切れないですよね。

そうですね。あの20分でそういう矛盾を感じていただけていたのなら、やった意味があったなと思います。

結末は最初から決めていて、変えるつもりはなかったんですけど、みなさんがいろんなラストを想像してくれていたので、そのハードルを超えたいって感情と日々葛藤してました。

最初トレンド入りしてる「電通案件」の4文字を見たときは、まさか自分へ向けられた言葉だと思わなかったんですよ。

何これ？って。

でもみんなからのリプライを見ていたら「電通案件って僕のことか!?」って気がついて…怖かったです。

まったく何も。

でも「電通案件じゃないよ！」って言うのも、「電通さんとの仕事」が悪いことみたいだから違うよな、おかしいよな…と思っているうちにどんどんいろいろな憶測を書かれてしまって…

そうですね、いろいろな展開を最終話直後に発表したので、「最初から大手企業が動いていたはずだ」と思われてしまいました。

実際はそうではなくて、単純に制作して下さる皆さんの熱量がすごかったんです。いきものがかりさんから「MVをつくりたい」というお話をいただいたのも、最終話の約1カ月前でした。

通常、1カ月でレーベルを通して楽曲を完成させるのはけっこう無理な話らしくて。

でも「最終回に公開しよう」という熱意によって、実現できたことでした。

たしかに、「余韻が欲しかった」などの意見については、作品に感情移入してくださってたみなさんを残念な気持ちにさせてしまって反省すべき点ですし、今後は気をつけなければいけないなと思いました。

ただ、制作サイドの人から、「連載しているうちに（コラボカフェやグッズなどの）告知をしてほしい」という声もあったんですが、それは全部断っていたんです。

そうです。読者のことを考えて、連載中は作品の商業展開を見せたくなかったんです。

最終的に、連載後に告知をした結果炎上してしまいましたが…

新しい季節は、“当たり前に来るもの”ではないと思うんです。次の季節に向かって、生きる選択をした人しか、夏には行けない。

ワニも最期、ひよこを助けるときに「死ぬかもしれない」と思ったはず。でも助けることを選択しました。

その先にあるのが「死」でも「生」でも、自分の意思で未来を選ぶことが、大事なんだと思います。

そうですね。テーマがあるとすれば…

「人間」です。

そこは未定です。

一気に注目されたことはありがたかったですが、代償も大きかった。SNSではいろんな言葉が飛んでくるし、画面の先にいる相手のことを考えず感情をぶつけてくる人が多くなっている気がします。

「言いたいことを言えなくなってしまった窮屈さ」を感じました。

ワニの“100日間”でいろんな人間模様を見ることができましたし、そこで感じた“人間”を表現できればと思っています。