八木仁平著『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』より
“やりたいことを続ければ仕事になる”は間違い。モチベーションが絶対に下がらない仕事の見つけ方
新R25編集部
「やりたいことで生きていきたい」「好きなことを仕事にしたい」
そう願う人々に向け、株式会社Meee代表取締役の八木仁平さんが『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』(KADOKAWA)を上梓されました。
世界に「夢中で生きる人」を増やすために「自己理解」を広める活動をされている八木さんは、確信を込めて次のように語っています。
「伝えたいのは、さっさと自己理解で『やりたいこと』探しを終わらせてください」
やりたいことで生きるために、私たちはどうすればいいのでしょうか。その答えがきっとここにあります。
今回は同書より、モチベーションが絶対に下がらない方法についてお届けします。
いい仕事の条件
どうすればモチベーションが途切れずに、自分の仕事に夢中になり続けることができるでしょうか?
僕の仕事の師匠から聞いた話をします。
仕事と同じ意味の「商い」という言葉がありますが、“商い”の本質は“飽きない”ことだと聞きました。
いくら人から感謝されてお金が稼げても、自分の興味のないことには「飽きる」。
自分のやりたいことだけやっていても、時代に合わせていかないと、お客さんも「飽きる」。
自分とお客さんの両方が“飽きない”のが良い“商い”だと教わりました。
まずは、自分が飽きないことが絶対条件です。
自分が飽きず、自分がやりたいことで、どうやって人を楽しませられるかを考えるのが、本当のいい仕事というものなのでしょう。
以前、僕のところに相談に来てくださった、ある看護師さんがいました。
「患者さんから感謝されるのはとてもうれしいのだけれど、自分がもうこの仕事がしんどくて続けられない」と言います。
たしかに、どれだけ人から求められている仕事でも、自分が辛ければ続けることはできません。
「やりたいこと」なら、自分が楽しみながら人を喜ばせられる。
つまり、他人に貢献したい人ほど、自分の「やりたいこと」を見つける必要があるのです。
反対に自分が「飽きない」仕事でも、お客さんに求められていなければ続けられません。
それは仕事ではなく「趣味」になってしまうからです。
趣味には基本的にお金がかかります。
だから、収入を得るための仕事は他に探さなければいけなくなってしまいます。
「『やりたいこと』を続ければ仕事になる!」という人もいますが、それは間違いです。
なぜなら、「誰に、どう届けるか」をしっかり考えた上でないと、どれだけやりたいことを続けたとしても、永遠に自己満足のままだからです。
自分と他人、どちらも飽きないことが、いい仕事の条件なのです。
「知りたい」欲求に耳を傾ける
よく「好きなことを仕事に」という言葉を聞きます。
では、「好きなこと」とはそもそも何なのでしょう。
本書での「好きなこと」とは、「興味・好奇心を感じる分野」としています。
たとえば、自己理解が好きな人は「どうすれば、もっと自分のことを知れるんだろう?」と考えますし、プログラミングが好きな人は「なぜ、このシステムは動かないんだろう?」と気になります。
ラーメンが好きな人なら「美味しいラーメンと、まずいラーメンの違いは何だろう?」と考えずにはいられません。
このように自分が好きな分野のことに対しては、疑問を疑問のままで置いておくのに耐えられないのです。
「知らない」ことを「知っている」という状態に変えたくなる。
その差を埋めたいと感じる気持ちこそが「好き」ということです。
好きな異性がいたとしたら、自然と興味が湧いてきて「もっと知りたい!」「もっと親しくなりたい!」と思いますよね。それも同じ「好き」です。
つまり、あなたが以下のように感じることが「好きなこと」です。
・なんで?
・どうして?
・どうすれば?
「好きなこと」には自然と興味が湧きます。それがそのまま仕事のモチベーションとなります。
レオナルド・ダ・ヴィンチは次のように語っています。
「食欲がないのに食べると健康を害すのと同じように、欲求を伴わない勉強はむしろ記憶を損なう」
食欲が湧いてくるのと同じように、自然と「知りたい!」という欲求が湧いてくる分野を見つければ、仕事のモチベーションに困ることはなくなるのです。
モチベーションが「お金」の人は、「好き」で働いている人に敵わない
僕は以前、「どうやって情報発信で成果を上げるか?」というテーマで人に教えていることがありました。
しかし、その当時はある程度お金にはつながっているものの「このままでいいのか?」というモヤモヤ感がありました。
それは、「情報発信」に対して純粋な興味を感じていなかったからです。
「仕事だから勉強している」という感覚でした。
自分の勉強したことを人に伝えて感謝されることはうれしかったのですが、勉強している時の自分は「なんでこんなことをしているんだろう?」と感じていたのです。
しかし今は、純粋に興味のある「自己理解」を仕事にしています。
なので、勉強するときに頑張っているという感覚がまったくありません。
むしろ、もっと勉強するための時間を確保して、いくらでも追求していきたいという気持ちがあります。
この経験から僕は「お金のために働いている人は、好きで働いている人には敵わない」と痛感しました。
そう、モチベーションの量がまったく違うからです。
あなたの周りにも、仕事がとても好きな人がいて、「この分野にこんなに情熱を持てる人がいるのか、自分じゃ絶対に敵わないな」と思った経験はないでしょうか?
しかし、「好きなこと」を仕事にすれば、努力する必要もなく自然と夢中になります。
僕も「なんだか、やる気が出ない」という日がなくなりました。
人生は100メートル走ではありません。長いマラソンのようなものです。
一時的に「努力」することは、100メートル走では有効です。
しかし、人生というマラソンでは、途中で息切れせずに好きなことに「夢中」になり続けている必要があるのです。
短い勝負では「努力」も有効な戦略だと思いますが、長期的な勝負において「努力」は「夢中」に勝てません。
あなたも「夢中」という最強のモチベーションを手に入れて、息切れしない働き方を手に入れませんか?
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』〈POINT〉
×成功したいから、お金が稼げそうなことをする。
○成功したいからこそ、好きなことをする。
「やりたいこと探し」に必要な要素を分解する一冊
「自由に生きたい」「好きなことがしたい」「お金が欲しい」「楽しく生きたい」
そういった欲望を要素分解し、本当の「自分に必要なもの」を見極めることが、自己理解のひとつの醍醐味です。
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』で、あなたのなかの思い込みを取り払い、もう一度、自分自身と向き合ってみてはいかがでしょうか。
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