ビジネスパーソンインタビュー
力強い果実の味わいで、“無糖”の常識を覆す!
知られざるブランド「―196(イチキューロク)」がリニューアル!ついに完成した“何も諦めない無糖”の正体
新R25編集部
シリーズ誕生から20年目を迎えるサントリーの大ヒットチューハイブランド「―196」が、この3月に大幅リニューアル。
これまで愛されつづけてきたおいしさが、堂々パワーアップ!と、だいぶ気合いが入っているようなんですが…
「―196」?なんとなく聞き覚えはあるような…ないような…?
大ヒットしてるらしいけど、そこまで馴染みのないブランドのリニューアル。
素朴な疑問を携えながら、サントリー株式会社 スピリッツカンパニー RTD・LS事業部 RTD部の玉腰 潤さんに話を聞きに行きました。
〈聞き手=渡辺将基(新R25編集長)〉
謎のブランド「―196」の正体とは…?
渡辺
すみません…「―196」というブランドが昔からあったんですか?失礼ながらあまり聞いたことがなく…
玉腰さん
そういったお声をたまにちょうだいします。
「―196」は、社内ではすっかりおなじみのブランドなんですが、お客さまにはほとんど知られていないんです(笑)。
玉腰さん
「―196」とは、「―196℃製法」によってつくられたチューハイを総称するブランド。
リニューアル前は、「瞬間凍結」「STRONG ZERO」「CRAFT ―196℃」の3つのシリーズを展開していました。
※「CRAFT ―196℃」は2024年3月で販売終了
渡辺
「STRONG ZERO」とかも「―196」ブランドの一部なんですね。それなら大ヒットも頷けます。
玉腰さん
パッケージにこういうロゴが入っているのを見たことはありませんか?
このロゴが、「―196℃製法」で作られている証です。
これは見覚えがある人も多そう
渡辺
あ、これは見たことあります。
ちなみに、その 「―196℃製法」というのは…?
玉腰さん
果実の持つ風味やおいしさを余すことなく封じ込める、当社独自の製法です。
種も皮もそのまま、果実をまるごと―196℃で瞬間凍結。それをパウダー状に微粉砕し、アルコールに浸漬します。
渡辺
果汁だけじゃなくて「果実まるごと」なんですね。
玉腰さん
そうです。この製法でつくると、お酒と果実が一体化し、味に立体感が出るんですよ。果実のおいしい“ダシ”のようなイメージですね。
「―196」ではこの20年、「―196℃製法」を軸に、時代のニーズに合わせて多様な商品を展開してきました。
日本ではもちろん、オーストラリアや中国など、海外でもご好評いただいています。
ただ…共通の価値を持ちながらも、その時々のニーズに合わせてそれぞれのシリーズの個性を訴求することを優先していて、最近は「―196」というブランドを押し出してこなかったんです。
渡辺
そういうことだったんですね。どうりで知らないわけだ…
玉腰さん
「―196℃製法」はサントリーが特許を取っている独自の技術で、絶対的な優位性があると自負しています。
この製法を武器に、世界で「―196」ブランドをつくっていきたい。そんな思いで、「―196」を全面に出して大きく刷新することに決めました。
何も諦めない無糖を。新「―196」の“ダブル”な挑戦
玉腰さん
改めてご紹介すると…こちらが新発売の「―196無糖」シリーズです。
渡辺
おお…「―196」が全面に推されてますね。
ちなみに、「―196℃」じゃなくて「―196」なんですか?
玉腰さん
はい。「―196℃」だと読み方もわかりづらいですし…
ブランドの価値を伝えながらも、お客さまに気軽に「イチキューロク」と呼んでもらいたいと思い、表記を「―196」にしました。
「イチキューロク」。みなさんもぜひ覚えてくださいね
渡辺
パッケージを見ると、「無糖」のインパクトも強いですね。
玉腰さん
そうなんです。コロナ以降、健康に気を遣う方や、家でゆっくり晩酌を楽しむ方が増えたこともあり、「無糖」はすっかりチューハイの定番になりました。
そこで、新しい「―196」も「無糖」に注力。「ダブルレモン」「ダブルグレープルーツ」「ダブルシークヮーサー」「オレンジ&レモン」の4つのフレーバーを発売します。
通年で発売するこちらの4品は、「―196℃製法」の強みが活かせる、皮にも味わいのある果物を選んでいるんです。
渡辺
リニューアル前にも「瞬間凍結」という無糖のシリーズがあったと思うんですけど、それとは何が違うんですか?
玉腰さん
最大のポイントは、フレーバー名にも入っている”ダブル”です。
渡辺
たしかに、「“ダブル”レモン」「“ダブル”グレープルーツ」「“ダブル”シークヮーサー」…それぞれのフレーバー名に“ダブル”がついてますね。
玉腰さん
旧製品でも「―196℃製法」で果実をまるごと使っていましたが、新「―196」ではそれに加えて、果実感をより味わっていただくためにさらに「果汁」を足してるんです。
渡辺
「果実」と「果汁」で“ダブル”ということですか。
玉腰さん
そうです。これにより、これまで以上にグッと力強い果実の味わいを楽しめるようになりました。
後ほどぜひ飲んでいただきたいんですが…ひと口目のインパクトから圧倒的に違います。
この味わいは、果汁だけでは表現が難しいんです。ベースに「―196℃製法」があり、そこに果汁とサントリー独自の原料酒が組み合わさるからこそ、“無糖とは思えないほどの果実感”を実現しています。
渡辺
無糖なのに果実感が強いって珍しいというか、正直あんまり信じられないんですけど…ホントですか?
玉腰さん
そうですよね(笑)。でも、ここが一番のこだわりで。
無糖を選ぶ方って、果実感や味わいは諦めてしまっていることが多いと思うんです。「無糖だからしょうがないよね」という感じで。
渡辺
たしかに。
お酒は飲みたいけどカラダのことも気になるから、「味は物足りなくてもヘルシーな無糖でいいや」と思っている人も多そうです。
玉腰さん
「―196」は「無糖だからしょうがない」ではなく、「うまい!しかも無糖!」を目指しました。
ヘルシーさと力強い果実の味わいを両立することで、“諦めない無糖”をお届けしたかったんです。
渡辺
消去法じゃなくて、積極的に選ばれる無糖を目指しているんですね。
渡辺
新「―196」のアルコール度数はどのくらいなんですか?
玉腰さん
「オレンジ&レモン」以外の3種は6%。「―196℃製法」による力強い果実の味わいを豊かに表現するためには、6%がベストだと判断しました。
負荷なく飲めるオレンジ由来のあまやかさが特徴のフレーバーです。
やさしいオレンジにキリっとしたレモン。柔らかだけど、飲みごたえがあり負荷なく食事に合うんです。
渡辺
たしかに、「オレンジ」っていい意味で無糖っぽくないですよね。
個人的には度数低めのお酒のほうが好きなので気になります。
玉腰さん
今後は期間限定の「ダブルアップル」などのフレーバーも出していく予定です。
今の市場にある「無糖」のイメージを壊していきたいですね。
渡辺
これだけ贅沢な製法だと、かなりコストもかかってきそうな印象ですが…
玉腰さん
そうなんです(笑)。一切妥協せず、徹底的に中味のおいしさにこだわろうと思いまして。
実は、中味の価格は上がっています。
渡辺
なるほど。おいしくなるなら、多少の値上げは仕方ないですよね。
玉腰さん
いや、販売価格は据え置きです。
渡辺
値上げなし!? ということは、サントリーさんの利益が…
玉腰さん
ええ、まあ…そういうことです(笑)。
閉塞感が続く日本を、「どかーーん!」と前向きに
渡辺
今回のリニューアルにおいて、一番時間をかけたのはどんなところですか?
玉腰さん
「―196」は20年目にもかかわらず、まだまだ世の中に浸透しきっていない状態。「リニューアル」と言いつつ、実際はブランドをイチから作り上げる必要がありました。
そのため、このタイミングで「ブランドの存在意義を固める」ことに一番時間を使っています。
「―196」が世の中にどう貢献するのか、「―196」があることで社会がどうよくなるのか。そんな議論を社内で繰り返しおこないました。
渡辺
その議論は、どんな結論に至ったんですか?
玉腰さん
「閉塞感が続く日本社会で頑張る人たちが、前向きになれるようなチューハイを目指したい」という方針にまとまりました。
CMなどで伝えるメッセージは「どかーーん!」。
まさに閉塞感を打ち破っていくような、豪快な言葉を選んでいます。
渡辺
たしかに、パッケージも「どかーーん!」って感じがします(笑)。
玉腰さん
「―196」「無糖」とドーンと書いてあって、果実のインパクトも強め。
ちょっとうるさいくらいのデザインなんですが(笑)、多少うるさくてもいいから、強引にでも前を向いてもらいたいなと。
渡辺
ターゲットはどんな方を想定してるんですか?
玉腰さん
たとえば、日々うまくいかないことがありながらも、一生懸命頑張っている人々ですね。
嫌なことや悩みがあっても、「―196」を飲んでいるあいだは、そのうまさで少しでもそれを忘れてほしい。
ひと口目から感じる力強い果実のインパクトにこだわったのは、そんな想いもあるからなんです。
「―196」をひと口飲んで「今日もいい一日だったな」と思えたら、明日からもう少しだけ頑張れるんじゃないかなって。
渡辺
ああ…いいコンセプトだなぁ。
日々一生懸命頑張っている渡辺には大変響いたようです
肝心の味はどうなの…? 新「―196」を、お酒好きメンバーがジャッジ!
玉腰さん
せっかくなので渡辺さんも、新「―196無糖」を飲んでみてください。
渡辺
ありがとうございます! ただ僕、食レポが信じられないくらい苦手で…
今日はお酒好きのメンバーを連れてきたので、一緒に試飲させてもらってもいいですか?
吉野
待ってました! 喜んで飲ませていただきます!
ということで、新R25初登場の営業・吉野が参戦。普段はマジメなのに、お酒を飲むと異常に面白くなってしまう弊社の隠れ玉です
渡辺
まずは「ダブルレモン」から…
渡辺
…!? 飲む前からすごくいい香りがする。
吉野
これ、めちゃくちゃおいしいです!
渡辺
キリッというよりまろやかな味わいが残りますね。
玉腰さん
まさにそれが「―196℃製法」ならではの“なじむ”味わいです。
飲んだ瞬間は力強いレモンの香りがするんですけど、そのあとはスッと切れて、でも余韻は心地よく続く。
余韻を味わっている間に、もうひと口飲みたくなるという設計なんです。
吉野
あ〜! まさに。どんどん飲み進めたくなっちゃいます。
「ダブルグレープフルーツ」の味も、めちゃくちゃ好きです。グレープフルーツのチューハイって苦いものが多いイメージでしたけど、イヤな苦さが全然ない。
玉腰さん
「ダブルグレープフルーツ」が完成したとき、「これだ」と感じたんです。“何も諦めてない無糖”が、ついにできたなと。
吉野
…あっそうか、これ無糖ですもんね!もはや“無糖”ということを忘れてました。
それくらいおいしかったようです
渡辺
「ダブルシークヮーサー」は、一番香りが豊かな感じがします。こんなに果実感のあるシークヮーサーサワーは初めて飲みました。
玉腰さん
シークヮーサーは果実をまるごと使う「―196℃製法」との相性がすごくいいんです。
特に“お酒通”の方には気に入っていただけるんじゃないかなと。
最後は、渡辺さんが気になっていた「オレンジ&レモン」をぜひ。
渡辺
あ〜、これはやっぱり好きな味ですね! 最初はオレンジが香ってきて、後からレモンが追いかけてくる感じ…?
玉腰さん
正解です。
ジューシーなオレンジを最初に味わっていただいて、キレのあるレモンで締める。この“時間差”にもこだわっているんですよ。
吉野の推しは「ダブルグレープフルーツ」、渡辺の推しは「オレンジ&レモン」とのこと。みなさんの推しも探してみてください!
「チューハイと言ったら―196」と認知されるブランドを目指したい
渡辺
新「―196」は今がまさに門出だと思いますが…今後はどんなブランドにしていきたいと考えていますか?
玉腰さん
まずは「―196」というブランドを、日々一生懸命生きているターゲットユーザーから一番選ばれるブランドに育てていきたいですね。
玉腰さん
チューハイ、特に「無糖」のトレンドはまだまだ長く続くと思うので、まずは「無糖」に注力していきたいと思っています。
売上の規模はもちろんですし、イメージの面においても「チューハイと言ったら―196」という認知を形成したい。
渡辺
ここまでの注力リニューアルとなると、消費者の反応が楽しみですね。
玉腰さん
はい。さらに、欧米をはじめとした各国でのグローバル展開も予定しており、新「―196」を携えて世界市場にも挑戦していきます。
ゆくゆくはビールなどと比べても選ばれる存在になれるように、チューハイの枠を超えていきたいです。
少しでも多くの方に「―196℃製法」ならではのおいしさを知っていただけるよう、私たちも全力で頑張ります。
渡辺
今回のインタビューも、その一助になったらうれしいです。今日はありがとうございました!
リニューアルされた「―196」は、3月26日より全国で発売開始。
今まで無糖に対して、どこか“諦め”を感じていた方ほど、その味わいに驚かされること間違いなし。
遠目で見てもわかる「イチキューロク」のロゴが目印ですので…店頭で見かけた際はぜひ、手にとってみてくださいね!
〈取材=渡辺将基(@mw19830720)/文=石川みく(@newfang298)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
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