

「好き」を極めて新しいジャンルでスターになった男
「仕事だけではここ一番の“ジブンの土台”ができない」野球YouTuberトクサンが語る“趣味を好きでいる責任”
新R25編集部
大人になって仕事に熱中すると、趣味がおろそかになりませんか?
スポーツ、音楽、映画、読書…。学生時代は夢中になったいろいろな“好きなもの”に、気付けば触れていない。最近そう思います…。
今回は、そんな「趣味」というテーマで、この方にお話を聞いてみました。
【トクサン】1985年生まれ、東京都出身。帝京高校時代に夏の甲子園出場。創価大学に進学後は、2年生からレギュラーとして活躍し、4年生で主将に就任。ベストナイン、盗塁王、首位打者を獲得。プロ野球のドラフト候補となったが指名されず。2016年にYouTubeチャンネル「トクサンTV」がスタートし、野球YouTuberとして人気を確立している
草野球YouTubeチャンネル「トクサンTV」で、人気を集める野球人・トクサン。
大学時代、ドラフト候補にもなったというトクサンは、その夢を諦め、一般企業に就職します。
しかし、それ以降も大好きな野球との接点を持ち続け、ついには「草野球YouTuber」というまったく新しいジャンルでスターとなりました。
トクサンに「仕事と趣味」についてきいたところ、返ってきたのは「責任」と、「人としての土台」という至極真っ当なお答えでした…!
〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉
「野球がないと自分の人生はダメになる」トクサンが語る“好きでいる責任”

天野
新庄剛志さんに遠投を教わったり、前田健太投手と対戦したり。
「草野球」の枠を飛び越えてうらやましすぎる“仕事”をしているトクサンに、「仕事と趣味」というテーマでお話を聞きたいんですが…
ユニフォーム姿じゃない取材に緊張しているトクサン

トクサン
僕は、一度好きになった自分の“趣味”は好きでいる責任があると思ってるんですよね。

天野
責任?

トクサン
小学生のとき、いじめられた経験があって…
そんななかで、野球とソフトボールをやって、すごく救われたんです。「平日は学校でいじめられててつらいけど、土日は野球がある」って。
そうやって好きなことに救われてきた経験があるからこそ、ちゃんと好きでいつづける責任があるなと思うんです。
「何かに救われた」という感覚はわかる人も多いかも

トクサン
救われている、助けられているっていう感覚はすごくありますね。
野球がないと自分の人生はちょっとずつダメになっていくんです。

天野
大学卒業のタイミングで、ドラフト候補としてリストアップされていたんですよね? ただ、指名されず、一般企業に就職したと…
その時期に「ダメになった」んですか?

トクサン
そうなんです。ギリギリまで指名を待ったんですけどプロから声はかからなくて、結局、野球部のOBの方に紹介されるかたちで警備の仕事をする会社に入社しました。
そして、野球から離れた生活をするわけですが…やっぱり面白いと思えなかったんですよ。本当に失礼な話なんですけど、警備で人の命を守りたいと本気で思えなかった。
それで先輩たちにも頭を下げて、すみません!と言いながら退職するっていう…
先輩のコネで入社したのに、2年で退職。気まずすぎる

トクサン
その後は教員を目指したり、アルバイトをしたりして、人生に迷ってる時期でしたね。
そのなかで、2013年に「天晴」というチームに入って草野球を始めたことが、僕の人生で一番大きかった。

天野
また「野球に救われた」っていう。

トクサン
そうなんですよね。で、2016年にアニキに声をかけてもらって、「トクサンTV」をスタートする…
振り返ってみると、本当に野球に救われてますね(笑)。
仕事だけでは、自分の「土台」ができない。水面のメンタルを手に入れよう

天野
ただ、いくら好きなことや趣味があっても、若いうちはいったん仕事に集中したほうがいいっていう声も多いじゃないですか。

トクサン
いや、僕は絶対両立したほうがいいと思いますね。
人生を豊かにしてくれるということはもちろん、趣味をちゃんと頑張ることは、メンタルの土台を作ってくれるはずなんです。

天野
ほう…

トクサン
僕、人生において基本的には“攻めていきたい”って考えてるんですけど、一方で「メンタルは水面(みなも)のようでありたい」とも思ってるんですよ。
何を言われても動じない、穏やかな水面。
あるいは、動じない“富士”のごとくありたいという。
なんかいちいちたとえが風流なのはなぜ?

トクサン
“水面メンタル”の土台になるものが、自分の好きなもの。「趣味」なんですよね。それをどんどん大きくしていくことが、社会人としても絶対に意味があるはずなんです。

天野
たしかに、仕事だけしか自分の居場所がないと、メンタルに波ができちゃうのかも。

トクサン
そうそう、仕事でどんな場所にいっても、自分の立ち返れる場所があるのは大きいです。

天野
それで言うと、「トクサンTV」でホークスの練習に参加して、選手たちの前で朝のあいさつをするっていう動画があったじゃないですか。
あれを見て、「自分だったらこの場であいさつなんてできない」って思ったんですよ。とんでもないメンバーじゃないですか。
0:50~から、松田選手、柳田選手らの前での緊張のあいさつの様子が見られます
大きな声であいさつ。選手たちから「いい声だ!」とヤジも飛ぶ
「いたってマジメにやらせていただいております!」工藤監督もうなずいてる

トクサン
まさにそうですね。ああいう場面でも、自分なりに凛としていられる。
あそこでもメンタルの“土台”がないと、動揺してもう何言ってるかわかんないようなことになってしまうと思うんですけど。

天野
仕事の場面でも、結局ここ一番で“土台”が求められる場面ってけっこうある気がしたんですよね。

トクサン
まあ、当然めちゃくちゃ緊張したんで、後から動画を見て、「自分のあいさつで工藤監督がうなずいてる…」って冷静にビックリしましたけど(笑)。

天野
やっぱり、トクサンにとっては、野球から得たものがすごく大きいんですね。

トクサン
そうですね。チームメイトと接したり、対戦相手チームから何かを感じたり、人と触れ合って成長していくツールが野球だったと思います。
「挑戦していく」というモチベーションも与えてくれるんですけど、一方で「ここでエラーして負けたって、今日もメシは食えるんだから大丈夫だ」っていうふうに自分を落ち着かせるメンタルを得ることもできた。
その二軸を教えてくれたという意味で、すごく大きいなと思いますね。
〈取材・文=天野俊吉/撮影=森カズシゲ〉

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