ビジネスパーソンインタビュー

日本のセーフティネットをもっと活用せよ。元国会議員だから言える正しい役所と議員の使い方

杉村太蔵著『“投資”“副業”お金の基本がゼロからわかる 稼ぎ方革命』より

日本のセーフティネットをもっと活用せよ。元国会議員だから言える正しい役所と議員の使い方

新R25編集部

2021/05/10

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「今の働き方だと収入が増えるか不安」「少しでも今の生活を楽にしたい」…など、お金の悩みはつきません。

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、今後の経済状況に不安を抱えている人はますます増えているのではないでしょうか。

「サンデー・ジャポン」をはじめ、さまざまな情報番組で大活躍する元国会議員で投資家としても有名な杉村太蔵さんの著書『“投資”“副業”お金の基本がゼロからわかる 稼ぎ方革命』では、そんなお金の不安を解消する、最初の一手が紹介されています。

変えるのは『働き方』ではなく『稼ぎ方』だ!

杉村さんの言う、変えていくべき稼ぎ方とは一体…?

経済状況がシビアになっている今こそ気になるお金の稼ぎ方・守り方を、同書より一部抜粋してお届けします。

お金の不安はまず相談

収入を増やしたり、支出を減らしたりするために、まずは何から手をつけるべきでしょうか。

ここで「よし、株でひと儲けしてやろう」なんて、いきなり考えてはいけません…。

しょっぱなからリスクの大きいことに手を出すのは愚策です。

お金に不安がある場合、最初に実行すべきことははっきりしています。

それは、相談することです。

誰に、あるいはどこに相談するか。

これはいろいろ考えられますが、まずは、「公共機関と専門家に相談する」と考えてください。

「それって、めちゃくちゃ稼いでる人が、税理士に相談して節税するとかいう話でしょ?ウチとは関係ないよ」なんて思った方はいませんか?

それは勘違いです。

たとえ収入が多くなくても、払わなくていい税金を余計に払っている人はいます。

税理士に相談してみる意味は十分あります。

ほとんどの家庭は家計支出を減らす余地がありますから、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談すると効果的なアドバイスを受けられるでしょう。

もちろん、そのために専門家に高い相談料を払わなければいけないとしたら、差し引きで損になってしまうこともあります。

けれども、その点はご心配なく。

自治体や専門家団体が主催する、無料相談の機会はたくさんあります。

まずは、お金をかけずに相談できる機会を利用してみましょう、というのが私の提案です。

そして、公共機関に相談するのはさらにお得です。

公共機関というのは、ここではみなさんにもっとも身近な市区町村の役所のことだと考えてください。

各自治体では、住民向けにさまざまな支援や補助のメニューを用意しています。

たとえば住民税や保険料の額を減らしてくれたり、免除してくれたりする。

出産や育児、子どもの習い事などに補助金を出してくれる。

もちろん、医療や介護の補助もありますし、収入が減ったとき、働けなくなったときには家賃補助や生活保護のようなセーフティーネットも用意されています。

正しい役所の使い方

とはいえ、役所への相談なんて面倒だな、と感じる人も多いと思います。

「一度区役所に相談してみたことがあるけど、ろくに話を聞いてくれなかったよ」なんて人もいるかもしれません。

心配はいりません。

そういう方でも上手に役所を使えるようになる方法を、ここから具体的にお教えします。

まず、やるべきことは、とりあえず役所に行くこと。

市、区、町、村といった、みなさんが住んでいる場所の一番身近な自治体(基礎自治体といいます)の役所に出かけましょう。

庁舎に入ると、たいていは目につく場所に「総合案内所」「総合窓口」といったものが用意されています。

これは、相談したいけれど、どの部署に相談したらいいかわからない、という人のための窓口です。

ここに行って、「私はこういうことで困っているんだけれども、相談先を教えてください」と言ってみましょう。

どんな悩みでも結構です。

多種多様な住民の困りごとに対応するのが役所の仕事で、そのためにさまざまな部署があるのです。

総合窓口の担当者は、あなたの相談にぴったりな部署を考えて、「それなら3階の年金・保険課ですね」「子育て支援課に行ってみてください」などと、しかるべき相談先につなげてくれるはずです。

こうして、あなたの困りごとにふさわしい相談先にアプローチできたら、あとはもっと詳しく相談に乗ってもらって、しかるべき支援メニューを用意してもらえばいいわけです。

日本には、あなたが思っている以上にさまざまなセーフティーネットが用意されています

困っている人を助ける制度はとても充実している。

その点は世界でもトップクラスだと言っていいでしょう。

ところが、残念なことに、その情報が困っている人に届いていない。

制度はあるのに、必要としている人に支援の手が届かないのです。

国会議員として働いているとき、私が非常にはがゆかったのはこのことでした。

実際、コロナ禍を機に「こんな支援制度があるよ」「困っている人は役所にこんな申請をしてみて」といった情報がマスメディアやネットで拡散されるようになり、「えっ、そんな制度があるなら早く言ってよ!」と思った方も多いと思います。

もちろん、必要としている人に支援が届くように、行政の側がしっかり情報を発信していくことは大切です。

しかし、とりあえず今すぐに私たちにできることは、「相談上手」になること

こちらから自分の困りごとを伝えて、行政から支援を引き出せるようになることをまずは考えましょう。

正しい議員の使い方

さて、役所に相談して、税や保険料の免除、補助金、助成金といった支援を受けられれば、めでたしめでたしです。

一方、「残念ながら、あなたに当てはまる支援制度は用意されていないですねえ」と言われてしまうこともあるでしょう。

あるいは、相談に行ったけれどまともに相手をしてくれない

木で鼻をくくったような対応で追い返される、ということだってないとは言えません。

そんなときにどうするか。

役所の窓口の人に文句を言う?

電話をかけてクレームをつける?

やめておきましょう。

それは意味がありません

行政というものは、ルールにしたがって行われています。

市役所の対応が不親切だったり、あなたに補助金を出してくれなかったりするのは、基本的には「ルール上そういう対応しかできないから」なのです。

いくらクレームをつけられても、役所の職員はルールにのっとって仕事をするしかなく、対応を変えることはできません。

クレーム対応で仕事が滞って、さらに行政サービスが低下するだけです。

百害あって一利なしということですね。

とはいっても、ここでは「あきらめなさい」とは言いません

こういうときに相談するべき相手がいます

それが、市区町村議会の議員です。

議員さんに相談しましょう

「え、議員?忙しくて一般市民の相談なんか聞いてくれないんじゃないの?」と思うでしょう。

大きな勘違いです。

国民、都道府県民、市区町村民などなどの声を聞いて、議会を通じて行政に反映させるのが議員の仕事です。

「市役所の対応がおかしいんですけど、ちょっと話を聞いてもらえませんか」と市民に相談されて断る市議会議員はいません

もちろん、区議会議員でも町議会議員でも村議会議員でも同じです。

万一そんな議員がいたら、次の選挙で投票しなければいいのです。

ほぼすべての議員さんは、あなたの相談を喜んで聞いてくれるはずです。

なぜなら、「行政のここがおかしい」「ここを改善してほしい」という情報を求めているからです。

それが議会での議論のテーマになるからです。

市民からの声には耳を傾けない行政でも、議員からの声は直立不動で聞きます。

なぜならば、議員は市民の代表だからです。

議会が局長を呼べ、市長を呼べと言ったら必ず出てきます。

これが民主主義です。

私たち日本人は、長い間、民主主義社会で生きています。

議会があって、議員がいるのは当たり前のことです。

ところが、残念なことに議員の使い方を知っている人はごく少数です。

実にもったいない

せっかく税金を払っているのですから(働いていなくて所得税その他を払っていない、という人だって、消費税は毎日払っています)、議員を使い切っていただきたいのです

もちろん国会議員や都道府県議会議員もそうですが、まずは暮らしに密着している市区町村議会の議員から、がいいでしょう。

お金の不安をワクワクに変える

清掃員や証券マン、政治家から無職時代まで、あらゆる立場を経験してきた杉村さん。

『稼ぎ方革命』には、そんな杉村さんによる、どんな立場の人でもお金に対してワクワクできるようなノウハウが詰まっています。

同書を読んで、まずは自分でできる範囲で、お金と向き合ってみてはいかがでしょうか。

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