

たしかに見た目は“バキバキ”してるけど…
炭酸水ってどれも同じじゃない? 新発売「THE STRONG 天然水スパークリング」にツッコんできた
新R25編集部
各社からさまざまな新商品が登場する現在。
でも、その商品ってよく考えてみると、ちょっとツッコミどころもありませんか?
「新商品ポリス」では、新R25編集部が企業にお邪魔して、商品やサービスに読者目線(?)で切り込みます。はたして担当者はツッコミを見事跳ね返し、商品の良さをアピールできるのか…。
今回ツッコミにいくのは、「サントリー天然水 スパークリング」シリーズから6月29日に新発売の強炭酸水「THE STRONG 天然水スパークリング」。(以下、「ザ・ストロング」)
バキバキな見た目からも「刺激が強そう」な雰囲気は伝わってくるのですが、今回取材を担当させていただく私・編集部の宮内、炭酸水を飲むたびにいつも思っていたことがあるんです。
「ぶっちゃけ、炭酸水の違いってわからなくない…? 極論、なんでもよくない?」
そんな長年の疑問をぶつけてみると、取材開始早々、意外な回答が返ってきました。
〈聞き手=宮内麻希(新R25編集部)〉
「お手柔らかにお願いします…」と言いつつ取材に応えてくれたのは、サントリー食品インターナショナル株式会社 ブランド開発事業部の村上公規さんです
ツッコミ①:ぶっちゃけ「炭酸水」の違いがわからないんですが…

宮内
今、各社から炭酸水が出てると思うんですけど、正直中味の違いがわからないんですよね…
まずは「ザ・ストロング」の特徴を教えてください。

村上さん
中味に関しては、水はサントリー天然水を使用、炭酸ガスも当社のなかで最高レベルのガス圧を充填していたりと、かなりこだわっています。

宮内
へえ…

村上さん
とはいえ、炭酸水を構成する要素は“水”と“炭酸”だけなので、正直、中味で大きな差を出すのは難しくて…
なので、「違いがわからない」というのはリアルな感想だと思います…
えっ、認めちゃった

宮内
(あ、やっぱり違いなんてないんだ…)

村上さん
ただ、炭酸水についていろいろ調査していくうちに、お客様の多くは炭酸水に対しておいしさではなく刺激を求めているということがわかったんです。
現行品の「サントリー 天然水スパークリング」では、レモンやグレープフルーツなどフレーバーのあるタイプも展開しているのですが、プレーン炭酸水を愛飲されているお客様からは「味はつけなくていい!」という声をいただくこともあって。

宮内
そもそも、味はあんまり重視してない…そうかもしれません。

村上さん
なので、「ザ・ストロング」では、とにかく“刺激”にこだわってみたんです。
中味だけでなく、見た目の印象や手に取ったときのゴツゴツした感覚からも刺激を感じてもらうために、ボトルもバキバキの形状にしましたし…
ほんとだ

村上さん
そのほか、開栓音が爽快に鳴るようなキャップ・ボトルの仕様(※)や、強刺激をイメージしやすい洗練されたシルバーカラーを採用しています。
中味の炭酸刺激だけでなく、視覚や触覚、聴覚も含めた「五感に刺さる強刺激」を目指した。これが、「ザ・ストロング」の大きな推しポイントですね!
※ 一部製造工場では不採用
ツッコミ②:ボトルの形状で、中味をごまかそうとしてませんか?

宮内
「五感に訴える強刺激」。コンセプトは面白いですけど…
それって正直、中味以外でごまかそうとしてるってことですよね?

村上さん
…その質問、来ると思ってました(笑)。
メーカーとして、飲料である以上中味で差をつけたいという気持ちはあります。
一方、お客様からはおいしさではなく刺激を求められているなかで、炭酸水をどう変化させていくべきなのかはチームでもずっと議論していて。

村上さん
転機になったのが、あるプレーン炭酸水を愛飲されているお客様の「炭酸水は飲み物というよりリフレッシュツールになっている」という一言でした。
ツールって機能だけでなく自分の好きなデザインや色など、いろんな要素から選びませんか?

宮内
…そうですね。

村上さん
同じようにお客様に「どんな炭酸水を選びますか?」と聞くと、「開けたときのプシュッという音が心地よいもの」と答えた方がいたんです。
これって中味ではないですよね。

宮内
たしかに…

村上さん
そこで僕たちも、炭酸水を“飲料ではなくリフレッシュツール”と再定義することにしました。
そこから「中味以外の刺激にもこだわること」つまり、「五感の刺激に着目すること」がより本質的な価値につながると考えるようになったんです。

村上さん
実際、お客様に対してこれまで発売している当社の炭酸水を飲み比べてもらい「どれが一番刺激が強いと感じるか」の調査を行ったのですが、73%の方が「ザ・ストロング」と回答したんです。(※)
※PETプレーン炭酸水カテゴリーで見た目や触り心地を含めた最強刺激
●調査主体:サントリー食品インターナショナル株式会社
●調査実施機関:インテージ ●調査実施時期:2021年3月
●対象者条件:10-59歳男女 プレーン炭酸水週1本以上購入者 ●サンプルサイズ:n=53
「THE STRONG天然水スパークリング」,「サントリーソーダ」,「天然水スパークリング」の3品飲用後のアンケート:「最も強刺激を感じると思うものを1つ選んでご回答ください。」の回答結果

村上さん
でも、ザ・ストロングは製法部分でより磨き上げる刷新は行ったのですが、実は…これまでと炭酸ガスの強さはほぼ変わってないんですよ。

宮内
え、そうなんですか!?
よく見ると現行品にも「強炭酸水」という表記がありました

村上さん
この結果は、中味の炭酸ガスだけではない部分でしっかり刺激を感じてもらえるという自信にもつながりましたね。
ぜひ、飲んでみてください。

宮内
では。
「プシュッ!!!!!」

宮内
おお! たしかに、開けたときの音がすごく気持ちいい!
「いただきます」
「くぅ~!!!!」

宮内
スッキリしていておいしい!!!!
ペットボトルを持って気がついたんですが、ちょうど持ち手のところにバキバキが来るようになってるんですね。
バキバキが来ます

村上さん
そうなんです。飲料を持つときって無意識に重心の部分をつかむお客様が多いので、ここにバキバキがくるように設計しました。
実は開発で一番苦労したのが、このバキバキ感を出すことなんです。
サントリーでは数多くの新商品の容器を開発してるんですが、「ザ・ストロング」は試作数が通常の5倍以上でした。
バキバキへの探究心がすごい

宮内
なにがそこまで大変だったんですか?

村上さん
ペットボトルに炭酸ガスを入れると、炭酸ガスが外にむかって膨張するので、ペットボトルの表面がツルッとしてしまうんです。
「バキバキ形状は無理なのでは?」という声もあがるなか、グループ会社にも協力してもらって世界中で販売されているボトルの形状を調査した上で、デザイナーや開発メンバーと度重なる試行錯誤を繰り返しながら、“バキバキ”を感じられる構造を実現できたんです。

宮内
そこまでしたのか…
「見た目でごまかしてる」っていうのはちょっと失礼だったかもしれませんね…
ツッコミ③:炭酸水って、水やお茶と比べて中途半端なポジションじゃないですか?

宮内
ちなみに、炭酸水ってどんなときに飲むのがオススメなんですか?
なんとなく、水やお茶に比べて飲用シーンが中途半端なポジションなんじゃないかと思っていて…

村上さん
たしかに、水やお茶なら「食事と」、コーヒーなら「仕事中に」とそれぞれ飲用シーンが思い浮かびますよね。
炭酸水は「食事」も「仕事中」でも使えるので、特定の飲用シーンが存在しないんです。言い換えれば、万能でもあるんですよ。
コロナ禍で伸びたカテゴリのひとつが、炭酸水なんです。

村上さん
自宅で仕事をする機会が増えたことで、飲料も“切り替えツール”のひとつとして捉える方が増えました。その結果、刺激があってリフレッシュできる炭酸水がより選ばれるようになったんです。
加えて炭酸水は味わいにクセがなくどんな食事にも合うので、仕事中に飲んで余ったら夕食に合わせるという使い方もできる。
もちろん、割り材に使ったり、お酒代わりに楽しまれたりする方もいます。

宮内
飲料というより、ツールのように使うんですね。

村上さん
そうなんです。
「ザ・ストロング」を通して、プレーン炭酸水が万能なツールで、さまざまなシーンでお楽しみいただけることを広めていくというのがブランドとしての展望でもありますね。

宮内
最後にひとつお伺いしたいんですが、炭酸水って一度開けてしまうと時間とともに炭酸が抜けてしまって悲しい気持ちになるんです。
できる限り炭酸が抜けるのを防ぐ方法ってないんですか?

村上さん
それは…なかなか難しい質問ですね(笑)。

村上さん
しいて言うなら、冷したほうが炭酸が抜けにくいので冷蔵庫に入れて保管しておくことですかね。
ただ、開栓後に炭酸が残る方法は僕たちもまだいろいろと模索中です・・・

宮内
ではいつか、炭酸の抜けない炭酸水を楽しみにしています!!!!

村上さん
僕も欲しいので、次の夢として頑張ります(笑)。
取材冒頭の「中味に差はないんです」という村上さんの言葉で不安になっていたのですが、実際に手にとって、飲んでみると妙な納得がありました。
プシュッという開栓音、手に取ったときのゴツゴツとした感覚、一口目の文字では表しきれない爽快感、「ザ・ストロング」は“味わうもの”ではなく、“楽しむもの”であるということが大きな発見でした。
みなさんも、リフレッシュツールとして普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
〈取材・文=宮内麻希(@haribo1126)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉

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