平塚 知真子著『Google式10Xリモート仕事術』より

デザインに迷ったら“AI”におまかせ。無料で使えるGoogleスライド“裏技3選”

仕事
多くのビジネスパーソンは、毎日Googleのサービスを使っているでしょう。

Gmailはもちろんスプレッドシートやドキュメント、スライドなど、ビジネスを進める基礎ツールとして活用しています。

しかし、これらのGoogleのサービスをすべて使いこなせているか?と聞かれて、自信を持って回答できる方は少ないはず。

実はGoogleにはこれらのサービス以外にも、会議を円滑にすすめるためのツールや、タスク管理にうってつけなメモツールもあります。

そんなGoogleのツールを使いこなすための指南書となるのが、昨年11月に発売してから現在第4刷まで決定している『Google式10Xリモート仕事術』です。

Google認定パートナーの平塚知真子さんは、同書のなかで「ツールを使いこなせば、リモートワークでも劇的に生産性が向上する」と語っています。

今回は同書より、Googleサービスを使いこなすためのノウハウを複数記事でご紹介します。

「あなたはまだホントのGoogleを知らない」

「なんとオーバーな。Googleの使い方なら知ってるよ」と言うあなたに、ホントのGoogleの使い方を紹介しましょう。

お手元にデバイス(パソコン、タブレット、スマホ)を用意しながら、本書を片手に体感してみてください。

体感するアプリは、プレゼンテーションアプリ(プレゼンアプリ)です。

ビジネスでは、顧客や他部署へのプレゼンが必ずあります。

プレゼンソフトといえば、MicrosoftのPowerPoint(パワーポイント)や、AppleのKeynote(キーノート)などがありますが、Googleのプレゼンアプリは、「Googleスライド」といいます。

プレゼン資料で使われる1枚の紙は「スライド」といいますから、イメージしやすいでしょう。

今お使いのプレゼンアプリと比較しながら、体感しましょう。

①初動を短縮する

あなたはいつもPowerPoint、Keynoteなどのプレゼンアプリをどうやって立ち上げていますか。

通常は、あらかじめPCにインストールしたプレゼンアプリアイコンを、デスクトップやメニューからクリックして起動させます。

そして「新規作成」をクリックして最初の1枚が現れる。

ここまで「2アクション」です。

この場合、基本的にソフトがインストールされたデバイスでしか作業ができません。

一方、Googleスライドは、どうでしょう。

ウェブページを閲覧するアプリを「ブラウザ」と呼びますが、Googleの提供するブラウザがGoogleChrome(クローム)です。

次の【図1】のとおり、このChromeの画面上にある、通常URLが表示されている「アドレスバー」に直接「slide.new」と入力してみましょう。
出典

【図1】Googleスライドの新規作成画面にアクセスする

すると、【図2】のとおり、Googleスライドの白紙の新規文書がいきなり表示されます(スタート画面は省略される)

ブラウザを使うことで、どのデバイスからでも無料で使えるのです。

しかも「1アクション」で使えます。
出典

【図2】Googleスライドにタイトル、ファイル名を追加する

いつもとはまったく違うスタート画面で、ちょっとびっくりしますが、Googleでは「ブラウザ」でアプリを使うのです。

これは、データがあなたのパソコンに残らない、残させないからできること。

自身のパソコンに保存することを「ローカル保存」といいますが、Googleの場合は「クラウド保存」、つまりGoogleのサーバに自動保存されるのです。

なぜウェブページを閲覧する際に使う「ブラウザ」でアプリが使えるのか。

デバイスにインストールされたソフトではなく、ネットを経由してGoogleのサーバで管理されたソフトを使うからです。

GoogleマップやGmailもそうです。

手元のデバイスは、サーバにある情報を表示させる、いわば「モニター」にすぎません。

そのメリットはいったい何でしょう。

いつでも、どこからでもアクセスできることです。

パソコン、タブレット、スマホ、Windows、Mac、その他どんなデバイスでも、いつでも、どこからでも、同じデータに安全にアクセスできる。

データをお金にたとえるなら、自分のパソコンにだけに保存するのが「タンス預金」。

クラウドに保存するのが「銀行預金」。

銀行預金なら預金口座のある銀行だけでなく、全国にあるATMから安全にお金が引き出せます。

ファイルは新規作成したら、必ず「名前」をつけましょう。

Googleアプリのファイル名は画面の左上に「無題の〇〇」と表示されています。

ここをクリックするだけですぐに入力できます。

後で見たときにすぐに思い出せる名前がおすすめです。

②スライド挿入する裏技

スライドの「表紙」をつくってみましょう。

文字だけの表紙も悪くないですが、表紙はプレゼン資料の顔。

ここでは、表紙に画像を挿入してみましょう。

これまでMicrosoftのWordやExcel、PowerPointなどに画像を挿入するには、手元のデバイスに画像やグラフをいったん[保存]し、[挿入]していました。

これは、デバイス上にソフトがインストールされていたからです。

一方、Googleなら、この手間がすべて省けます

クラウドでアプリが稼働しているので、端末からわざわざアップロードする必要がありません。

クラウドにあるGoogleの「検索」で見つけた画像(またはYouTube動画)をスライドにダイレクトに挿入できます。

つまり、Googleスライド、Google検索、YouTubeというアプリに「ITの段差」はまったく存在しないのです。

このGoogleならではのシームレスな流れを体感してみましょう。

何かを「追加」したいと思ったら、Googleのアプリならすべて共通操作になりますので、覚えておいてください。

まず、【図3】のとおり、「メニューバー」から[挿入]をクリックします。
出典

【図3】Googleスライドに何か追加したいときは、メニューバーの[挿入]から

すると、Googleスライドに追加できるものがプルダウンメニューですべて表示されます【図4】。
出典

【図4】Googleスライドは同じ画面でGoogle画像検索ができる

画像やテキストボックス、音声、動画、図形、表、グラフなどいろいろな要素を、スライドに追加できることがわかりますね。

たとえば、この[挿入]のプルダウンメニューにあるグラフですが、Googleの場合、従来のように「グラフを画像ファイルに変換してから挿入」するのではなく、表計算ソフトであるGoogleスプレッドシートで作成したグラフそのものに[リンク]することができます。

つまり、「データ連携」したまま挿入することができるのです。

だから、スプレッドシート上のグラフが変更されれば、Googleスライドのデータもすぐに同期・更新されるのです。

これからはデータに更新があるたびに、いちいち差し替える作業が必要なくなります。

ここでは[画像(写真)]を挿入してみましょう。

【図4】にあるとおり、[挿入]から[画像]を選択すると、さらに隠れていたメニューが表示されます。

上から2つ目の[ウェブを検索]をクリックすると、同じ画面上にGoogle画像検索が表示されます(これは他社ツールでは実現不可能)。

タブを切り替える手間がいらないので、同じスライド上で検索から挿入まで実行できてしまいます

プレゼン資料に使う画像探しは意外と手間がかかる作業ですが、これにより作業がスピードアップします。

追加したい画像のイメージをキーワード検索してみましょう。

ここでは「山」と入力してみます。

エンターキーで検索スタート。

後は、表示された検索結果から好きなものをクリックで選択して(【図5】では上から2つ目の画像)、画面右下の[挿入]をクリックするだけ。
出典

【図5】検索結果の画像はクリックでGoogleスライドに直接挿入

なお、このGoogleスライド上で行う画像検索では、GoogleのAIが「再利用可能」と判断した画像のみが表示されるようになっています。

著作権にも配慮されているので安心です。

③AIにデザインをお任せする

さて、表紙のタイトルを入力し、面白そうな画像も挿入できました。

ただ、デザインにちょっと悩むときもありますよね。

テキストボックスの位置を変える、文字の大きさや色を変える、画像のサイズを調整してバランスを取るなど。

この作業も、GoogleのAIがあなたに代わってやってくれ、ほんの一瞬で見栄えのいい表紙を作成してくれます

[データ探索]は、右図のボタン、またはアイコンだけの状態で縮小表示され、画面右下に見つかるはずです(【図5】緑の枠)。

[データ探索]をクリックすると、画面右側に複数のデザイン案がたちまち表示されます(【図6】)。
出典

【図6】[データ検索]でAIがレイアウトしてくれる

気に入ったデザインがあれば、クリックで選択。

すぐにGoogleスライドに適用されます。

このように、Googleを体感しているだけですが、あなたはすでに最先端のAI機能を使えていることになります。

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