

喫煙者の属性は、どんどん“濃く”なっている。「都市部の喫煙所」がBtoBマーケティングの大穴場だった
新R25編集部
みなさん、「喫煙所」に対してどんなイメージをお持ちでしょうか?
「清潔感がない」「時代遅れ」などネガティブな印象を抱いている人も少なくないと思いますが、そんな喫煙所を「マーケティング」の観点で見てみよう、というのがこの記事の趣旨です。
それを学ぶために、都心オフィス喫煙所サイネージメディア「BREAK(ブレイク)」を運営する株式会社コソドCMOの湯川さんにインタビューを実施。
結論、喫煙所は“BtoBマーケティングの穴場”だと断言できそうです。
【湯川健太(ゆがわ・けんた)=右】 株式会社コソド 取締役CMO。都心オフィスビル喫煙所サイネージ『BREAK』事業責任者。2012年、rakanu株式会社(現:dot LIFE)を創立。2016年、同社にて「ペット事業」を立上げ、メディア事業・D2C事業を展開(累計1,500万食)。2019年、同社をVOYAGEGROUP(現CARTA HOLDINGS)へバイアウト(完全子会社化)し、代表取締役に。2023年より、株式会社コソド 取締役CMOに就任

渡辺
御社のサイトや資料を拝見させていただいたんですが、オフィスの「喫煙所」って、特にBtoBマーケティングを強化したい企業にとって魅力的な場所なんだなという発見がありまして。
普段タバコを吸わない僕自身は知らないことも多いので、今日はマーケティング観点で「喫煙所」の魅力を深堀りさせていただきたいです。

湯川さん
ぜひ、よろしくお願いします。
※以下、インタビュー中に登場する都市部の喫煙者に関するデータの出典は、「首都圏喫煙所設置オフィスビルの喫煙所利用者インターネット調査より(2024年4月)」となります
都市部の喫煙者の42%は「決裁者層」

渡辺
まずはターゲティング的な魅力というか、喫煙所に集まる人たちの属性が興味深かったです。

湯川さん
全国の喫煙者って今だいたい1700万人(※1)いると言われてるんですけど、その中でも、僕らは“都市部”の喫煙者にリーチできるメディアを運営しています。
ここに絞ると、かなり“濃い”ビジネスパーソン像が浮かび上がってきます。
(※1)『日本の統計 第2章 人口と世帯数』(総務省統計局)、及び『国民健康・栄養調査報告 飲酒・喫煙に関する状況』(厚生労働省)より推計


渡辺
“濃い”というのは?

湯川さん
たとえば、都市部の喫煙者の中には役員や部長など、いわゆる「意思決定を担っている層」が42%以上いるというデータがあります。

渡辺
BtoBマーケで一番押さえたい層が4割以上も。

湯川さん
はい。職種で言うと、人事、総務、経理、エンジニア、マーケターなどの内勤系の職種が多いのも特徴ですね。


渡辺
なるほど。それはマーケティングの観点で何か魅力があるんですか?

湯川さん
こういった人たちは「現場の意思決定者層」とも言えると思うんですが、最近はサービスを導入する際にも、最終決裁者だけでなく(実際にサービスを使う)現場社員の納得感がないと前に進まないケースが多くなっています。

渡辺
現場の声を無視して導入した結果、社内から不満の声が出ているツールはたくさんありますね(笑)。

湯川さん
そうなんですよ。かつ、内勤の人たちは普段外出の機会が少ないので、タクシー広告などではリーチしづらい面もあると思います。

渡辺
たしかに。
喫煙所はサービスの導入を検討・決定する立場の人たちに効率的にリーチできる場所なんですね。

喫煙者は意外にも美容・健康への意識が高い!?

渡辺
都市部の喫煙所を利用する人たちに関して、他にも何か特徴はありますか?

湯川さん
性別でいうと、9割が男性ですね。
そして、世帯年収が1000万円を超える人が30%以上、自由裁量所得が月10万円を超える人が35%以上います。

渡辺
決裁者が多いとのことでしたけど、やはり経済力も平均より高いですね。

湯川さん
はい。また、タバコ吸う方って意外とトレンドにも敏感で、セルフケアにも関心があるんですよ。こんなデータもありまして…


渡辺
へぇ〜、タバコを吸ってるのに健康意識が高いんですね(笑)。

湯川さん
そうなんです(笑)。
「不健康なことをしている自覚がある人」ほど、サプリを飲んだりしてバランスを取ろうとする傾向があるのかもしれません。
僕自身も喫煙者なので、その感覚はよくわかります(笑)。


渡辺
でも、これもマーケターにとっては魅力的なターゲットですよね。

湯川さん
そう思います。
消費意欲が高くて、決裁権もある。こういった層を僕らは“濃い”ビジネスパーソンって呼んでるんです。

渡辺
とても興味深いです。
考えてみたら、ここ数十年間タバコの値段はどんどん上がっていて、喫煙者の数自体は減ってるじゃないですか。
ただ、その分タバコを吸いつづける層が意思決定力や情報感度、購買力の高い“濃い”ビジネスパーソンになっていて、マーケティングの観点では注目すべき存在になっているんですね。


湯川さん
おっしゃる通りです。
20年前と比較するとタバコの値段は約2倍になっていて、“大衆の嗜好品”から“経済的に余裕のある人の嗜好品”に変わっています。
それでも喫煙者はまだ国内に1700万人いるので、すごく魅力的なターゲットだと思います。
喫煙所は広告を見せるのに最適な空間

渡辺
喫煙者がBtoBマーケにおいて魅力的なターゲットであることはよくわかりましたが、御社は喫煙所にサイネージを導入してるんですよね。
“喫煙所ならではの広告体験”というものはあるんでしょうか?

湯川さん
喫煙所って灰皿があれば成立する空間なので、それ以外にほぼ「何もない」んです。基本的にヒマな空間というか(笑)。
そこにサイネージで映像が流れると、「つい集中して見てしまう」っていう現象が起きやすいんです。


渡辺
広告視聴をするうえで、余計なノイズがないんですね。
たしかに、情報過多な現代においてはかなりレアな空間なのかもしれないです。

湯川さん
しかも最近の都市部のビルって、喫煙所が1〜2箇所しかないことも多くて。
1日平均5回喫煙所に足を運ぶ人が、平均滞在時間6分、毎回同じ空間で同じ映像を何度も見るわけです。


渡辺
自分のチームの喫煙者も、ことあるごとに喫煙所に行ってますね。非喫煙者の自分からすると、ちょっと行き過ぎじゃないかと(笑)。
ただ、マーケティングをしたい企業から見れば、喫煙所なら“濃い”ユーザーに長く&何度も接触できるということですもんね。

湯川さん
そうなんです。さらに、喫煙所は密閉空間なので、音を出すことができるのもポイントです。

渡辺
たしかに…! 喫煙所は静かなので音が印象に残るし、繰り返し見ることの刷り込み効果も大きくなりそうですね。


渡辺
ただ、「喫煙所に広告を出す」という行為がブランドイメージの毀損につながってしまうリスクはありませんか?

湯川さん
都市部のオフィスの喫煙所って、基本的に清掃も行き届いていてキレイなんです。
また、喫煙所の中は外から見えないので、非喫煙者が広告を目にすることもありません。

渡辺
なるほど。であれば心配なさそうですね。
「BREAK」のサイネージが設置されている喫煙所は、明るく清潔な空間が多いです
都心オフィス喫煙所サイネージメディア「BREAK」の特長


渡辺
「BREAK」はそんな都心オフィスの喫煙所にサイネージを導入しているとのことですが、出稿するとどれくらいの数の喫煙者にリーチできるんでしょうか?

湯川さん
延べ人数(※2)で、月間約520万人です。
(※2)ある期間内に同じ人が複数回来訪した場合でも、それぞれを1人と数えて合計した人数のこと

渡辺
延べ人数だとしても、そんなに多いんですね。

湯川さん
はい。千代田区、港区、中央区、品川区、新宿区など、都心のオフィスビルに特化して現在391施設(2025年7月時点)にサイネージを設置していています。
現在も設置拠点を着実に広げており、今後さらに拡大していく予定です。


渡辺
どんどん広がってますね。
ちなみに、そのリーチ数は理論値的なものなのか、実際にリーチした人の数を計測しているのか、どちらですか?

湯川さん
後者です。すべてのサイネージにAIカメラを搭載していて、利用人数をリアルタイムでカウントしています。

渡辺
なるほど、AIカメラで“実測”してるんですね。
ただ、サイネージには常時いくつかの広告が流れているじゃないですか。となると、出稿したとしても「喫煙所を利用した人の数=自社広告のリーチ数」にはならないと思うんですが…


湯川さん
先ほど喫煙所の1回あたりの平均滞在時間は約6分とお伝えしたんですが、実はそれに合わせて「BREAK」のサイネージも6分(360秒)を1ロールにしているんです。
ですので、理論上は1回滞在すれば、そのときに出稿していただいている広告を1回ずつは目にする設計になっています。


渡辺
ほぉ〜なるほど! しっかり考えられてますね。

湯川さん
また、オプションでブランドリフト調査も可能です。

渡辺
それはどうやって調査するんですか?

湯川さん
「BREAK」が入ってるビルの社員を対象に「〜〜の期間にビルの喫煙所に行きましたか?」とアンケートを取って、Yesと答えた人とNoと答えた人で認知の差分を計測するやり方ですね。


渡辺
なるほど、なるほど。

湯川さん
ただ、そういったものでは測りきれない効果も出ています。
たとえば最近の事例ですと、「BREAK」に出稿していただいた企業さんのWEB広告のCPAが急に下がったこともありました。
この期間CPAが変動する要因は他になかったので、「CPAの改善に『BREAK』が貢献している可能性が高い」という結論になって、この企業さんには継続的にご出稿いただいています。

渡辺
500万人規模に濃くリーチできるなら、そういった間接効果も十分に考えられますよね。
ここまで好材料が揃っていると、リーチ単価は結構高いのでは…?と思ってしまうんですが、どうなんでしょうか?

湯川さん
一番スタンダードなプランが、4週間で600万円です。これで520万人に届く設計なので、リーチ単価は1円台になります。


渡辺
タクシー広告やYouTubeなど比較しても、むしろ安いと思いました。“濃い”ビジネスパーソンに頻度高く届けられることを考えたら、なおさらお得に感じます。

湯川さん
そういっていただけて嬉しいです。もう少し安価にテストしてみたい場合は、1週間で170万円というプランもあります。

渡辺
1週間でトライアルもできるんですね。
最後に、「BREAK」の活用はどんな企業にオススメですか?

湯川さん
BtoBの企業さんですと、やはりSaaS系サービスのプロモーションや、企業ブランディングなどの用途でよくご利用いただいています。
また、注力サービスをリリースする際にはCMをつくることも多いと思うんですが、その素材を活用してテレビやタクシーとセットでご出稿いただくことも多いですね。
「BREAK」なら、他の手法ではアプローチしづらい層にもリーチできるので。


渡辺
BtoC商材でも、自己投資意欲の高い人たちに向けた金融・健康・美容・家電などのジャンルは相性が良さそうですね。
今日は「喫煙所マーケティング」の理解が深まりましたし、大きな可能性を感じました。インタビューさせていただき、ありがとうございました!
「BREAK」を運営する株式会社コソドは、喫煙所サイネージメディア以外にも、自社で喫煙所「THE TOBACCO(ザ・タバコ)」の企画運営を行っています。
非喫煙者と喫煙者が心地よく共存できることを目指している「THE TOBACCO」は、洗練されたデザインと機能性を兼ね備えた新しいカタチの喫煙所
こういった取り組みを見ていると、コソドさんは「喫煙所」というビジネスチャンスに飛びついているだけでなく、信念を持って喫煙や喫煙所のイメージアップに取り組んでいることが伝わってきます。
今回のインタビューで「喫煙所マーケティング」の可能性を感じた企業様は、ぜひ「BREAK」に相談してみてください。

ビジネスパーソンインタビュー

喫煙者の属性は、どんどん“濃く”なっている。「都市部の喫煙所」がBtoBマーケティングの大穴場だった
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