ビジネスパーソンインタビュー
あなたは、日本の医療費の現状を知っていますか?
「すべての医療課題を“本気で”解決する」成長したい若手なら知っておくべき、医療ベンチャーの覚悟
新R25編集部
医療ベンチャー企業・CUCグループ。
「医療業界」と聞くと、医師や看護師といったような医療従事者が働いている世界というイメージで、我々ビジネスパーソンにとっては距離の遠い存在のように感じます。
しかし、そんな医療ベンチャーであるCUCグループに、国内大手総合商社や外資系企業など、就活生が注目するような企業からの転職者が集まっているんだとか。
新卒から中途まで、あらゆるビジネスパーソンを今まさに求めているという医療ベンチャー・CUCグループの魅力を、新R25が複数の記事にわたって徹底解剖します。
その名も特集「アツいぞ! 医療ベンチャー」。
初回は、CUCグループに入社することで、どんな挑戦ができ、どんな力を身につけることができるのか? を深堀り。
若手の育成環境や企業文化について、同社人事総務部部長の鎌苅亮介さんに聞いてみました。
〈聞き手:福田啄也(新R25編集部)〉
【鎌苅亮介(かまかり・りょうすけ)】慶應義塾大学商学部卒業。新卒で大手人材会社に入社し、約20年間に渡りHR部門・企業に在籍。営業、マーケティング、キャリアアドバイザーを経て、経営企画、事業統括、事業企画、人事企画等のミッションを担当する。2018年11月にCUCに中途入社し、現職は人事総務部の部長職を務める
医療業界の“すべて”の負を解決する
福田
医療ベンチャーというジャンルはあまり聞き馴染みがなく…
そもそも医学部とか出たような人が行くような業界じゃないんですか?
鎌苅さん
いえいえ。
医療の現場こそ、異業種で活躍された経験のあるビジネスパーソンや、常識に囚われないフラットな意見を持って挑戦してくれる新卒の学生を必要としているんですよ。
今日はその点から詳しくお話していきますね。
仕事がデキそうな方と相対して、ちょっとビビってます
鎌苅さん
私たちCUCグループは、医療業界にある「負」の解決に挑戦している企業です。
福田
医療業界の「負」…
どのような課題があるのでしょうか?
鎌苅さん
現在の日本は超高齢社会と言われていますよね。
2025年には、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上となると予想されています(2021年日本財団調べ)。
日本はこれにともなって、急拡大するあらゆる医療課題に向き合う必要があるんです。
福田
もうあと3年にせまっていますもんね…
正直、実感がなかったです。
鎌苅さん
医療課題の一例としては、「『在宅医療』の普及の遅れ」。
ご自宅での診療や看護を受けられる環境が整っていない地域が日本にはまだたくさんあります。
「最期の時は住み慣れた自宅で迎えたい」と願う方のうち、約8割がその願いを叶えられず、病院で亡くなられているのが現状です。
人生100年時代といわれる一方で、人生の最期を選べない。想像すると胸が苦しくなります。
そうなのか…まったく知らなかった自分を恥じました
鎌苅さん
その課題に対して、我々は在宅医療を提供するクリニックの開業や運営のサポートをおこなっています。
開業するクリニックのマーケティング調査や人材採用のサポート、ITシステムの導入をおこなうことで、在宅医療が提供できるクリニックを日本全国に増やしていこうと考えています。
そうすることで、自宅で最期を迎えられる、言い換えれば「最期の時まで家で自分らしく生きられる」人がひとりでも増えるような仕組みを整えにいっているんです。
福田
たしかにマーケティングや、ITシステムの導入などは、ほかの業界で培った知見が活かせそうですね。
鎌苅さん
ほかにもまだまだ医療課題はあります。
現在、日本の医療費が約42兆円まで膨れ上がっていることはご存じでしょうか?(2021年厚労省発表)
福田
規模が大きすぎてピンとこないですが…このままだと医療費が膨れあがって、いつか崩壊を迎えてしまう、ということでしょうか?
鎌苅さん
おっしゃる通りです。
先ほどもお伝えした通り2025年以降、高齢化はさらに進みます。当然、医療を必要とする方が増える。
このままだと病院に入院する方も多くなり、さらに医療費は増えてしまいます。
さっき例にあげた「在宅医療」が普及すれば、家で暮らしつづけられる人が増え、入院医療費の抑制につながり、その医療費を削減することができるんです。
福田
なるほど…だんだんわかってきました。
CUCでは、数ある医療課題のなかでも、とくに日本の医療費の削減に力を入れているのでしょうか?
鎌苅さん
いえ、すべての医療課題です。
福田
えっ?
鎌苅さん
私たちは「医療という希望を創る。」というミッションを掲げ、医療の負に苦しむ患者様がいるのであれば、あらゆる課題の解決に挑むと決めています。
なので、目の前の課題も、未来の課題も、できる限り解消していきたいんです。
マジか…そんな大きな問題を解決しようとしている企業だったとは…
ベンチャー企業だからこそ、若手から大きなミッションを背負う
福田
世界規模で、すべての医療課題を解決する…
壮大なビジョンですが、まだ御社はベンチャー企業。
確立された育成環境がなさそうで、若手にとっては難易度の高いミッションも多い気もしてしまうのですが…?
沈黙…。図星でしょうか
鎌苅さん
おっしゃる通りで、CUCは単体ではまだ350人規模の会社です。
だからこそ、若手にも最前線に立ってもらって、自らの力で大きな課題を解決してもらえればと思います。
福田
想像以上にマッチョな回答ですね…
具体的に、御社の若手にはどんなミッションが与えられているのでしょうか?
鎌苅さん
たとえば新卒2年目の社員がいるのですが、彼は大学では政策について学んでいたので、医療系の知識はありませんでした。
そんな彼が、今ではある病院の再生プロジェクトにアサインされて、院長の片腕となって経営の立て直しに向き合っています。
福田
新卒2年目で、病院の院長と対等の関係に…!
鎌苅さん
じつは彼が1年目のときには、別の病院を担当し、数億円規模の医療機器の導入の企画を担当してもらっていて。
未経験ながらプランニングや業者との提携などをやってもらい、1年目にして大きな挑戦をしてもらったと思います。
彼の例に限らず、弊社は若手に対して、実力よりも大きいボールを任せるようにしているんです。
福田
なぜ若手に、そんなに大きなミッションを与えるのでしょうか?
1年目や2年目が担うにしては、あまりにプレッシャーが大きい気もしますが…
鎌苅さん
もちろん経営陣や先輩たちも徹底的にサポートをする前提ですが…
弊社の若手には、短期間での急成長に欠かせない「なんとかする力」を身につけてもらいたいと考えているからです。
そのためには、我々経営陣と同じように課題に向き合ってもらい、それに対してどうすれば解決するのかを考えぬいて、チャレンジしてもらうことが必要です。
なかなかハードなミッションだ…でも、そんな経験ができるところはほかに少なそう
ベンチャー企業だからこそ、若手から大きなミッションを背負う
鎌苅さん
弊社はよくも悪くもまだ完成していない会社なので、若手も一緒に事業をつくっている真っ只中なんです。
たとえば一昨年から“小児科”の経営支援事業も始めたのですが、これは有志の社員が集まって経営陣に提案してくれたのがはじまりなんですよ。
福田
へええ!
それは彼らに対して「新しい事業をつくりなさい」というミッションを与えていたんですか?
鎌苅さん
いえ、いえ、自分たちで勝手にプロジェクトをつくって、事業企画書をまとめて提案したものです。
代表からのたくさんのフィードバックにもめげずに修正を重ねて、実現にいたった事業なんですよ。
もう彼らだけで起業できそう
福田
社員が自発的に新規事業を提案してくる組織って、実際にはかなりめずらしいと思うのですが…
手を挙げやすい風土にするために、何か工夫をされているんですか?
鎌苅さん
代表から常々、「やりたいことは、自ら発信しないと叶わない」ということを伝えています。
うちはもともと「やりたいと思ったことを実現する」という思いで立ち上げた企業なので、メンバーの「やりたい」という意思は積極的に取り入れるようにしているんです。
福田
社員の意思を尊重…対外的に掲げているだけの会社も多いなかで、事業化までいたっているのは、リアリティがありますね…
ほかにも、やりたいことを発信しやすくするために、取り入れている制度などはあるのでしょうか?
鎌苅さん
「DREAM」と名付けた、社内異動の公募制度がありますね。
半年に一回、異動希望者を募って、実際に希望部署の担当と面接ができる制度です。
「これを解決したい」という意思が伝わり、部署のほうにも受け入れられた場合は、直属の上司がどんなに「行かないでくれ」と言ったとしても、異動を叶えることができます。
自らがやりたいことを発信して、それを実現できる。これが、CUCグループ全体に浸透している文化なんだと思います。
見据えるのは世界。海外の医療課題も解決に動く
福田
「医療に関わる“すべて”の課題を解消する」というビジョンを掲げている御社が、今特に課題感を感じているのはどんなことですか?
鎌苅さん
2022年に注力をしようと思っているのは「海外の医療課題の解決」ですね。
福田
国内のみならず海外まで…!
でも、まだ日本の医療課題もたくさん残っていると思うのですが…
鎌苅さん
もちろん国内の課題にも向き合っていますよ。
でも、世界に目を配ると、日本以上に医療が求められているんです。
私たちは「“日本の”医療課題を解決する」とは言ってません。世界の医療課題もなんとかしたいんです。
ちょいちょい想像を超える回答をかましてくるな…
鎌苅さん
私たちはすでに、医療資源が不足している東南アジアを中心に事業を始めています。
たとえば、インドネシアは糖尿病人口が世界5位と言われている国です。
糖尿病は、重症化すると透析を必要とすることが多いのですが、透析患者さんは週3回定期的に治療を行わないと生きることができない。
しかし、インドネシアではこの透析に必要な医療機器も人材も不足しているという現状があります。
そうした現状に対して、現地法人とのジョイントベンチャーを設立し、インドネシアにおける透析医療の普及促進を始めているんです。
福田
おお…
鎌苅さん
さらに、ベトナムでは初の日系病院の開設と運営の支援をしていて、6年目の若手がグループ最年少取締役として現地で経営をしています。
日本の医療技術は、世界的に見ても高水準です。
我々が国内で培ってきたノウハウを、各国に広げていく。世界中の人間が必ず向き合うことになる医療に対し、希望を創りたいんです。
福田
本気なんですね…
最後に御社に入社してほしい新卒・中途には、どんなスキルやマインドを求めているのでしょうか?
鎌苅さん
自分で夢を描き、夢に向かって行動ができる人ですね。
人から与えられるミッションよりも、自分のなかで「社会をこうしたい」というマインドがある人のほうが活躍しやすいと思います。
すでに「日本の医療ってこれが変だよな」という意識があれば、ぜひ聞かせてください。一緒に解決しにいきましょう!
もちろん、まだ医療に興味がなくとも「社会を変えたい」と思っている方も歓迎します!
世界規模で課題を解決しようとするCUCグループ。
ベンチャー企業だからといって、侮るべからず。高齢化が進む日本では、まさにこれから直面するであろう課題に、本気で取り組む“アツい”企業でした…!
社会を本気で変える挑戦をしてみたい方は、その思いをぜひ実現してみてはいかがでしょうか。
次回は、外資系証券会社・国内総合商社から中途入社した社員に「なんでCUCに転職したの?」と聞いてみます!
〈取材・文=福田啄也(@fkd1111)/編集=石川みく(@newfang298)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
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