ビジネスパーソンインタビュー
サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』より
圧倒的成果は“バカなる思考”から生まれる。いつも変人が勝ちつづける理由
新R25編集部
現在「新R25」で働きながら、登録者数64.5万人超え(2022年1月現在)のビジネス系YouTuberとして“サラ”リーマンの“タメ”になる書籍情報を発信しているサラタメさん。
「300冊以上の名著から得た知見」や「ブラック企業からホワイト企業への転職経験」などを通して血肉にしてきたノウハウを、すべてを詰めこんだという新著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン――名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』を上梓されました。
貯金なし・彼女なし、ないない尽くしの営業マン・マモルさんと「人生100年時代の会社員の真の安定」を考える一冊です。
真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン――名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法
マモルさんになったつもりで、サラタメさんから真の安定を手に入れる方法を学んでいきましょう!
唯一“賢者の盲点”を突ける「バカなる思考」とは?
「バカなる思考」とは、最初聞いたときは「そんな“バカ”な」と思うのですが、よくよく最後まで聞いてみると「“なる”ほど」とうなずける、そんなアイデアを繰り出す思考法です。
部分的には「非合理(バカ)」で全体像を踏まえると「合理的(賢い)」アイデアなので、下図右下の「賢者の盲点」を突くことができます。
真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン――名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法
マモル
むむ、まったく意味がわかりません(笑)。というか、部分的に見ても、全体的に見ても合理的な「普通の賢者」が、ベストなんじゃないですか?
あえて「おバカな部分」を盛り込めばマネされない
日頃仕事をしていて、非合理(バカ)なアイデアでホメられることなんてそうそうないので、多くの人が当然のごとく「普通の賢者」を目指します。
これは非常に正しい思考法のように思えますが、実は正しすぎるのです。
「正しすぎる思考法」は、言い換えると「誰もがマネしやすい思考法」にもなりえるということです。
似たようなアイデアの商品・サービスが、遅かれ早かれ同じような経緯で生まれることになり、その先に待つのは熾烈な競争地獄。
短期的には非常に進めやすい仕事ですが、「マネっこ競争」「価格競争」に飲み込まれることを踏まえると、長期的には負けが約束された仕事になってしまうのです。
情報があふれる今の時代、唯一無二のアイデアなんてありません。
「マネできない」という状況は、そうそう生み出せないのです。
そこで私たちができることは、他の人が「マネしたくない」アイデアを生み出すこと。
アイデアに、あえて「おバカな部分」を盛り込んで、ライバルに「マネしたくない」と思われることなのです。
サラタメ
「マネできない」ではなく、「マネしたくない」アイデア、これがまさしく「バカなる思考」です!
「絶対失敗する」と言われたスタバの、“バカなる思考”快進撃
ここで勘違いしてはいけないのが、ただの非合理な戦略ではない、ということ。
部分的にも、全体的にもおバカなアイデアは、図にある「ただの愚か者」であり、なんの役にも立ちません。
たとえば商品開発でいうなら、商品単体ではまるでおバカなアイテムに見えるものの、開発する会社の歴史・理念・コンセプトなど全体を踏まえると、「賢い!」となるものを目指すのです。
とてもわかりやすい&美しい「バカなる思考」の事例として、スターバックスコーヒーが日本に進出したときの快進撃をご紹介します。
スターバックスコーヒージャパンは、今では日本で独占的な地位を築いているので、非合理なイメージはまったくないと思いますが、日本市場に参入したときには、かなり非合理なことをしていて、各種メディアで「絶対失敗する」といわれていたそうです。
その非合理とは「フランチャイズ(看板だけ貸して、売上の一部をもらう出店方法)」ではなく、「直営店(土地もオーナーもすべて、スターバックス側で用意)」で出店したこと。
「フランチャイズ」で出店すれば、仮に失敗しても、第三者のオーナーがリスクを負ってくれることになるので安心。
「直営店」方式だとリスクが高く、チェーン店展開において超重要な「出店スピード」が落ちてしまう。
そんななかで、スターバックスは直営店方式という非合理すぎる戦略を取ったのです。
なんでそんな非合理な選択をしたのか?
それは、会社全体として見ると、合理的な選択だったからです。
スターバックスは「安くおいしいコーヒーを売る」会社ではなく、家でも職場でもない、お客さんが心から安らげる空間「サードプレイスを提供する」会社だったからです。
もし、スターバックスがスピード&売上重視のフランチャイズ展開をしてしまったら、お店のオーナーがこんなことをしていたかもしれません。
真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン――名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法・狭いお店でも、ギュギュッとイスを配置する
・長居するお客さんには、出ていってもらう
・人件費をケチって、スタッフのサービスは最低限にする
これらは、一般的なビジネスでいえば、たしかに合理的な戦略。
ただ、スターバックスのコンセプト「サードプレイスを提供する」ことを踏まえると、絶対避けなければいけないことだったのです。
だからスターバックスは、直営店方式で、直属の社員にオーナーをやらせ、立地・席配置・サービス、すべてを自分たちのコンセプトに合わせて展開することにこだわったのです。
ドトールをはじめとした日本の国内コーヒーショップチェーンは、当初スターバックスの戦略をマネしようなんて思いませんでした。
その間にスターバックスは、唯一無二のポジションを築き、根強いファンを集めるようになります。
そのあまりの快進撃に、徐々にライバルたちも気づき始め、ついにはマネして同じコンセプトの店を出すようになりますが、そのときはすでに手遅れです。
部分的にスタバっぽさを取り入れることはできますが、「サードプレイスというコンセプト」「直営店方式での出店」「社員が直接管理するからこそのハイレベルな接客」、スターバックスが持つこれらのストーリー全体をマネすることはできなかったわけです。
サラタメ
「マネしたくない」と思われてる間に「マネできない」レベルにまで突き抜けたという、とても美しい「バカなる事例」です。
「バカなる思考」は、いちサラリーマンの仕事でも発揮できる
長期的に勝ち続ける企業は、多かれ少なかれ、部分的に非合理な部分を盛り込み、大きな成功を手にしています。
ただ、この「バカなる思考」は、イケてるグローバルカンパニーだけのものではなく、いちサラリーマンの日々の仕事にも活かせるのです。
ビジネス現場では、たしかに合理性を求められることが多いのですが、いつも合理性だけを追い求めていればいいわけではないと覚えておいてください。
合理性だけでは、圧倒的成果にはつながらないですし、なにより仕事を骨の髄まで楽しむことはできないのです。
個人としては、こんな場面で「バカなる思考」を発揮してみましょう!
真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン――名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法・ライバルに圧倒的な差をつけたいとき、アイデアにあえて非合理なポイントを盛り込む
・上司に対して、非合理に見える提案をするときは、全体を見れば合理的であることを入念に伝える
・相手の意見が非合理だからといって頭ごなしに否定しない。全体として合理的になってないか検討してみる
真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン――名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法【まとめ】
・ライバルに圧倒的な差をつけたいときには「バカなる思考」
・「バカなる思考」とは、「バカな」から始まり「なるほど」で終わるアイデア
・部分的にも全体的にも合理的な思考は正しいが、簡単にマネされてしまう
サラタメさんが、あのときの自分に手渡したい「攻略本」
パワハラ上司との悪戦苦闘。人生初の転職における試行錯誤。数々の副業に手を出しては挫折する日々…
サラタメさんの「一番ツラかった、あのときの自分に手渡せる『攻略本』をつくっておきたい」という思いから生まれたのが、『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン――名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』です。
これから副業を始めたい会社員はもちろん、すでに副業を始めている人にとっても実になるノウハウが詰まっています。漠然と「このままでいいのか…?」と思っている方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
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