ビジネスパーソンインタビュー
FISHBOY著『“なりたい自分”になる技術』より
理想の起点は“不自由さ”にある。FISHBOYが夢を実現するために歩んだ5ステップ
新R25編集部
「好きなことで生きていく」が叶いやすい時代。
ただ、好きなことで生きていても、「これが自分の理想の姿だっただろうか…」という壁に当たる人もいます。
ダンスの世界大会で優勝する経歴を持ち、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦さんの弟としても知られているFISHBOYさんもそのひとり。
FISHBOYさんは、著書『“なりたい自分”になる技術 ―「好きなこと」×「理想の姿」を両立できる人の考え方』の冒頭で、「『好きなことをする』のと『なりたい自分になる』というのは、まったく別のことだった」と語っています。
「好きなことが見つかり、理想の自分になる方法」とはどのようなものなのか?
同書より抜粋してお届けします。
不自由さに気づくことが、理想の世界を見つける第一歩
いま「自分のやりたいことがわからない」という人が多くいますが、やりたいことは自分で見つけなくてはなりません。
理想の世界を見つける第一歩は、自分のなかにある不自由さに気づくことです。
誰でも、日々生活しているなかで何かしら不自由に感じていることや、コンプレックスを持っていることがあるはずです。
私の場合で言うと、ダンサーとしてのがんばりが、まわりに認められないことを不自由に感じていました。
がんばりに対する評価の費用対効果がとてつもなく悪いことが、不自由で仕方ありませんでした。
あなたがいま不自由に感じていることや違和感を抱いていることは、何でしょうか?
思いつくことを、書き出してみましょう。
ステップ① ビジョンを言語化する
ビジョンは明確であればあるほど、実現の可能性が高まります。
なぜならビジョンとは、マラソンで言うゴール地点だからです。
ゴール地点があいまいでは走る道筋がわからず、 手探りで進まなくてはなりません。
それでは速く確実にたどり着くことはできません。
明確にするには「言語化」することです。
文字にすることで、自分自身も客観的な視点を持つきっかけになります。
また、人に広めるときも言葉になっていなければうまく伝えることはできません。
自分が抱いた不自由さや違和感は何が原因なのか。
どうすれば解消できるのか。
その不自由さや違和感がなくなった世界はどんなものなのか。
想像して書き出してみましょう。
“なりたい自分”になる技術
不自由さを解消し、理想の世界をつくっていこうと思うなら、なるべく多くの人のメリットになるようなビジョンを考えるのが必要です。
「得する人もいるけれど、損する人もいる」というビジョンでは、勢いがつきにくく、空気を変えるのに時間がかかってしまいます。
自分が抱える不自由さや違和感を、どう公益性に乗せて提案するか。
それが、ビジョンを構築するときの大きなポイントになります。
ステップ② 信用を得る
自分のなかでビジョンが言語化できたら、誰かに話しに行く前に、話を聞いてもらえる自分になることが必要です。
そのビジョンを語るにふさわしい信用力がなければ、ほとんどの人は話を聞いてくれないからです。
信用には大きく分けて2つの要素があります。
ひとつは「言動」です。
私自身、多くの人に信用してもらいやすいよう、服装や言葉遣いを変えました。
自分の言動を振り返り、話を聞いてもらいたい相手に接する立ち振る舞いとして、効果的でないと思うところがあれば見直していきましょう。
信用のもうひとつの要素は「実績」です。
「〇〇な世界をつくりたい」と言っても、それをできるとイメージしてもらえる実績がなければ、人は信用してくれません。
「日本人全員を踊らせたい」と言っている私自身が、「ダンスはまったくやったことがありません!」ではダメだということです。
「経験」という実績は自分からつくりにいくことができます。
やったことがないのであれば、やってみて「やったことがある」という事実をつくればいいのです。
ここでひとつ、大事なポイントがあります。
実績をつくりにいくときには、ビジョンに必要な役割から逆算した実績を積みにいくということです。
積み重ねた実績による信用で次の仕事が来るので、自分の望まないもので信用を積み重ねても、自分が望まない仕事しか入って来なくなります。
たとえば「振付師になりたい」と思うのであれば、振付の仕事で実績をつくれるように動かなければなりません。
ただ人から渡された振りを踊っていたり、レッスンスタジオでインストラクターをしていたりするだけでは、「振付ができる」という信用は得られないということです。
ステップ③ ビジョンを周囲に話す
信用が積み上がってきたら、周囲の人たちに自分のビジョンを話してみましょう。
いまはインターネットやSNSがあり、一気に多くの人に向けて発信することもできますが、私はまず身近な人たちに話して、反応を見てみることをおすすめします。
なぜなら、自分がそのビジョンを語ることを、まわりがしっくりくるかどうかが大事だからです。
自分のことを知ってくれていて、信頼関係もできている人たちにまず話して、味方を増やし、ひとつの輪をつくっておくのが大事なのです。
信用できる人たちとの壁打ちを繰り返すことで、自分では気づいていなかった説得力に欠ける部分を見つめ直せたり、あらためて自分の考えを整理できたりします。
あなたなら、誰に、どんな順番で自分のビジョンを話しますか?
思い浮かぶ人をリストアップし、シナリオを書いてみましょう。
“なりたい自分”になる技術
ステップ④ アプローチを考える
ビジョンを叶えるための基礎ができあがったら、いよいよ実行のフェーズに入っていきます。
ここで考えるポイントは、「誰に」「どうしてほしいのか」を明確にすることです。
例として、私が「日本人全員を踊らせたい」というビジョンを実現するために考えたアプローチを紹介します。
私は、「日本人全員」を年代別に3つの層に分けて考えることにしました。
人が何かをはじめる理由は、年代によって異なるのではないかと思ったからです。
まず10代前半頃のキッズ世代は、教育によって新しいことをはじめます。
次に、20代後半〜30代の若い世代は、夢のために動きます。
最後に、 30代以上の大人たちですが、彼ら彼女らはメリットがないと新しいことをはじめません。
このように、まず自分が動かしたいと思っている人は「誰」で、「どんなアプローチ」 ができるのか、整理してみましょう。
大人がダンスに対して感じるメリットは、大きく分けて4つあると思っています。
1つは「健康」。
2つめは「交流」。
3つめは「表現」。
最後4つめは「発見」です。
動機がない人に動機をつくるためには、誰でも興味があるようなことと結びつける必要があります。
まわりが興味を持つと興味の輪は広まります。
そういう意味では、まずいま興味を持っている人たちの熱をさらにヒートアップさせるアプローチは大切です。
ステップ⑤ プロジェクトをつくる
アプローチ方法まで見えてきたら、あとはとにかく行動です。
ここでは、私自身が経験から学んだ、プロジェクトをつくるときにおさえておきたいポイント2つをお伝えします。
ひとつは、テーマとゴールを最初にしっかり決めておくことです。
ビジョン全体のゴールを見ておくのはもちろん、プロジェクトごとのゴール、そのためのテーマもしっかりと決めて、メンバーで共有するようにしましょう。
その上でもうひとつ私が推奨するのは、小さなゴールを設定することです。
この発想は、 私の失敗経験からきています。
私は「大人が踊る」というゴールを設定し、オンラインサロンをつくって、踊りたい大人を集めました。
ところが、やりはじめてから気づいたのです。
この人たちには、ダンスを練習したところで発表する場がないということに。
発表する場所がなければ、どこを目指して練習すればいいかわからず、モチベーションが下がってしまいます。
その様子を見て、私は大きなゴールの手前に、小さなゴールをいくつか設定することが必要だと痛感。
小さなゴール設定として「大人のダンス発表会をおこなう」という新たなプロジェクトを立ち上げました。
このように、プロジェクトを成功させるためには、向かうべき大きなゴールと、モチベーションを維持させるための小さなゴール設定が大切です。
考えて書き出してみましょう。
“なりたい自分”になる技術
「踊らされるな、みずから踊れ」。FISHBOYさんの本が、背中を押してくれる
SNSの発展によって、世界中の誰にでもアクセスしやすくなり、好きなことを仕事にしやすくなりました。
その一方で、「自分のなりたい姿」や「実現したい世界」がない、わからないという声も聞こえてきます。
『“なりたい自分”になる技術』では、自分のビジョンを見つけ、それを実現し、「なりたい自分」になるために必要なことが、FISHBOYさんの体験談とともに紹介されています。
あふれる情報に踊らされ、 世間の評価に踊らされ、 誰かが言った“正解らしさ”に踊らされる。
そんな現代の世の中で、「踊らされるな、みずから踊れ」というFISHBOYさんのメッセージは、力強くもやさしく背中を押してくれるはずです。
ビジネスパーソンインタビュー
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