ビジネスパーソンインタビュー
イシコ著『入社1年目からどう働くか 』より
「ズル・カンニング・フライング」を駆使せよ。新社会人に伝えたい“仕事のスピードを上げる方法”
新R25編集部
「入社1年目は『見習い期間』ではない」
生き方や働き方が大きく変わり、先行きが予想できない現代では、「一つの会社に定年まで勤め上げることや、若手社員をじっくりと育てる余裕は減り、どんな会社でも通用する『即戦力な人材』が求められていく」と、Twitterフォロワー数4万人超えのインフルエンサー・イシコさんは、著書『入社1年目からどう働くか 社内外で評価される人材になる新・生存戦略』(SBクリエイティブ)の中で語ります。
入社1年目から即戦力な人材になるには、どんなことを意識すればいいのか。
新卒で大手総合商社へ入社後、1年目で100名近くいる同期の中から、1番に海外在住員に選出されたイシコさん。現在はベンチャー企業で働きながら、人生の選択肢を増やす提案を発信しているブログ「プランBのすゝめ」を運営しています。
多くのサラリーマンから支持される彼が実践してきた「入社1年目で知っておきたい仕事の心得」とは? 同書より、一部抜粋してご紹介します!
仕事が早い人は「ズル・カンニング・フライング」を駆使している
あなたの周りには、頑張っているようには見えないのに成果を出して、いい評価を得ている同僚や先輩はいないでしょうか。
学生時代にもいませんでしたか? ふだんはまともに授業に出席していないのに、テストではちゃっかりいい点を取っている人が。
社会に出ると、そういう“要領のいい人”が活躍する傾向にあります。
では、要領のいい人たちは、どんなことをしているのでしょうか。
キーワードは、「ズル・カンニング・フライング」。
いずれも学生時代はNGとされていることですが、これらは社会に出たら立派な「武器」になります。
よりスピーディーに仕事を進めるためにも、学生時代のタブーは有効活用していきましょう。
それでは、一つずつ見ていきたいと思います。
①ズル = 手を抜く工程を見極める
ズルは、スピードと生産性に大きく関係します。
「結果より過程が大事」と言われることもありますが、社会では「成果につながらない過程」に価値を感じてもらえません。
目標に対していかに効率よく、最短で成果を出せるかが重要です。
たとえば、ある仕事を成し遂げるのに、1から10までの工程があるとします。
1→2→3→4…と順番に行えば完成しますが、果たしてそのやり方は最善と言えるのでしょうか。
仕事に取りかかるときに意識したいのが、「ゴール逆算法」です。
これは、仕事のゴールである10から逆算し、「あなたの考え(アイデア)」が必要な工程には時間をかけ、それ以外の工程はとことん効率化する方法です。
たとえば報告書を作成するとき、いきなり取りかかるのではなく、まずゴールから逆算して手順を考えます。
ゴールが「見た目も整った報告書を作ること」なら別ですが、ひとまず「上司に報告の内容を伝えること」なら、箇条書きでもいいはずです。
あるいは、既存のフォーマットを使ってみるとどうでしょうか。
フォーマットを使うと、見た目を整える時間は必要ないので、時短になりますよね。
内容をまとめることに集中できて、効率よく進めることができます。
たまに資料の作成で、必要以上に見た目にこだわる人もいますが、ゴールから逆算すれば、それが本当に時間をかけるべき工程か判断できるはずです。
考える必要のない(自分が頑張らなくてもいい)工程を極力省き、1→3→6→9→10という具合に短縮できれば、仕事のスピードは格段に上がります。
②カンニング = 人のやり方をパクる
成果を出している人のやり方をカンニングするのも、効率よく仕事を進める有効な手段です。
「人のやり方をパクる」と聞くと、なんだかその相手に悪い気がするでしょうか。
しかし、仕事はチームで進めるものです。
個々のスキルが伸びれば、結果としていい影響があることは間違いありません。
入社1年目のとき、残業続きで悶々としていたことがあります。
一方、隣の席の先輩はいつも定時退社。抱えている仕事の量は先輩のほうが2〜3倍多いのになぜだろう、と不思議に思っていました。
ある日、残った仕事を終わらせるために朝7時前に出勤すると、先輩の机の上にメモ書きが。のぞくと、今日やるべきことが細かく書き出されていました。
TODOリストを、前日のうちに作っていたのです。
先輩は仕事中、そのリストを見ながら手を動かしていました。
前日のうちに翌日の仕事の進め方を思い浮かべているからか、動きに無駄がなく、仕事も的確。それ以来、僕自身も前日にTODOリストを作って実践するようにしています。
僕の場合は先輩の動きをこっそり見てしまったわけですが、「先輩のやり方を参考にしたいので教えてください!」と正攻法で聞いてみるのも一つの方法です。
成果を出している人のやり方はどんどん真似して、そこから自分に合った仕事の進め方を見つけていきましょう。
③フライング = 早めにスタートを切る
学生時代は、足並みをそろえてスタートすることが一般的でしたが、社会に出れば「フライング」上等。
できるだけ早めに着手するほうが、ポジティブな評価を得やすくなります。
「万が一に備えて早めに用意しておこう」と事前に準備するクセをつけておくと、 「用意周到だな」とみなされて、周りから安心して仕事を任せてもらえるようになるのです。
仮に上司から「1週間後に企画書を出して」と言われたら、いつから動き出しますか?
まだ先だからと、目の前の仕事を優先させる人もいるのではないでしょうか。
企画書を提出するには、「企画のタネになりそうな情報を探す」「ユーザーにヒアリングする」「企画書にまとめる」「キャッチコピーを練る」など、いろいろな工程が必要になります。
これらを1日で行なうのはかなり大変。
そのため、どんなに小さなことでもいいので、なるべく早い段階でできることから着手しておくのです。
たとえば、「企画のタネ探し」は休み時間でも息抜きしながらできますね。
考える工程を少しずつ済ませておけば、あとはまとめる作業だけになります。
慣れてきたら、仕事を依頼される前に準備しておくと「できる新人」と評価されます。
とくに、会議前の準備や月末の事務処理など、ルーティン化している仕事はフライングに最適です。
早めに動くことは、自分の身を守ることにもつながります。期日直前に体調不良になったり、緊急の仕事が入ったりするかもしれません。
その場合、「提出日に出せればいい」と考えて前日まで手をつけていなかったときに、リカバリーがききません。
フライングは、仕事を進めるうえでの防御策でもあるのです。
仕事のスピード・完成度を上げる2つのテクニック
①すぐに5分間取り組む
仕事を任されたら、ほかの作業でどんなに忙しくても一度中断して、依頼された仕事に5分間取り組んでください。
作業を進めるうちに、疑問点は必ずと言っていいほど出てきます。
本格的に着手する前に不明点を解決しておくことで、スピードも質も格段に向上します。
それに、仕事を頼まれて5分以内だと、相手にも質問しやすいですよね。
仕事を依頼した相手も、頼んでから5分後くらいであれば、よほど急いでいないかぎり、気前よく応じてくれるはず。
時間が経てば経つほど聞きづらくなりますし、「前に聞いたことを思い出せない…」という冷や汗をかく事態を防ぐこともできます。
②70点で一度提出する
取りかかった仕事は、どのレベルで提出すればいいのでしょうか?
目安は、締め切りまでに余裕を持って「70点」で提出すること。
その仕事に1時間かかるとした場合、最初の30分でひとまず70点の状態にして上司に確認してもらい、 残りの30分で 70点から100点を目指すのが賢いやり方です。
理由は二つあります。
一つは本提出前に一度見せておくことで、方向性が間違っていた場合に軌道修正しやすいからです。
仮に、仕事を任せた相手の意図をまったく理解していなかったとしても、早めに正しい方向へ直すことができます(修正がないに越したことはありませんが)。
もう一つは、前もって報告することで、依頼した側に安心感を与えられるからです。
逆に、締め切りぎりぎりまで一人で抱え込んでいると、依頼した人も、「あいつは大丈夫かな」と心配になってしまいます。
ここで考えたいのは、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の頻度です。みなさんはどのくらいがベストだと思いますか?
基本は、「あれどうなった?」と聞かれたら、とりあえず失格だと考えてください。
受け手の好みもあるので一概には言えませんが、迷ったら、ホウレンソウは過剰すぎるくらいでちょうどいいと思います。
頻繁に報告しているうちに、上司から「もうお互い理解できているから、中間報告を減らしてもいいよ」と言われるタイミングが来るはずです。
そうなってから、徐々に確認する回数を減らせばいいのです。
もちろん、この方法はあくまで社内だからこそ通用するもの。
社外に提出する書類の場合は、「まず70点でいいや」とはなりません。
提出前にこの手法を用いて、社内であらかじめブラッシュアップしておきましょう。
新入社員からベテランまで役立つ!仕事の心構えが詰まった一冊
同書には、入社1年目から知っておきたい「マインド」「仕事術」「自己投資」「キャリア戦略」について書かれています。
「少しずつ業務に慣れていこう」と考えてしまいがちな入社1年目ですが、意識を変えるだけで、ぐんとまわりに差をつけられます。すでに社会人の人たちにも役立つ一冊です。
新年度が始まる季節。ぜひお手にとってみてください!
また自身のキャリアプランに不安の方は、イシコさんのブログ「プランBのすゝめ」でさまざまな方“プランB”キャリアを紹介しているので、気になった方はこちらもチェックしてみてください。
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部