ビジネスパーソンインタビュー
秘密は「サントリー独自のブレンド」にあり
糖質オフって薄いんじゃないの?「GREEN1/2(グリーンハーフ)」が“糖質半分”と“おいしさ”を両立できた秘密
新R25編集部
各社からさまざまな新商品が登場する現在。
連載「新商品ポリス」では、新R25編集部が企業にお邪魔して、商品やサービスに読者目線(?)で切り込みます。
今回取材するのは、9月28日にサントリーから発売される「GREEN1/2(グリーンハーフ)」(以下:グリーンハーフ)。
取材を担当するのは、毎日晩酌するほど大のレモンサワー好きの私、編集部員・宮内。事前に、サントリーさんからいただいた「グリーンハーフ」を新R25メンバーで飲んでみることに。
「いただきま〜す!」
「えっ!」
糖質50%オフなのに、普通においしい。たとえるなら、自分でレモンを絞って作るレモンサワーのよう!
ただ同時に、「糖質がオフになると味が薄くなるはずでは?」「糖質オフなぶん、なにか体によくない成分が入ってるじゃ…?」など、お酒好きとしては気になるポイントもちらほら…。
さっそく、サントリー本社にお邪魔して取材してきました。
〈聞き手=宮内麻希(新R25編集部)〉
サントリースピリッツ株式会社 RTD・LS事業部の廣田さんです!
「グリーンハーフ」が目指すのは、あらゆる人の“ちょうどいい”
宮内
事前にいただいたんですが、このおいしさで糖質も半分だと「これまで自分が飲んできたものはなんだったんだ…」と思ってしまいました(笑)。
廣田さん
ありがとうございます!
宮内
ただ最近、各社からいろんなチューハイが出ていますよね。
イチ消費者としては「どれを選べばいいのかわからなくなってきた」という本音もあります。
廣田さん
たしかに、チューハイ自体が“個性の主張”の強いカテゴリーになりすぎている感じはありますよね。
「グリーンハーフ」はそのなかでも、みなさまにとって“ちょうどいいお酒”と覚えてもらえたらうれしいです。
宮内
ちょうどいいお酒?
廣田さん
コロナの影響で、多くの人の健康志向が高まったと言われてますよね。
ただ、お客様にお話を聞いていく中で、一概に“健康志向”でくくるのは違うのかもしれないと思ったんです。
高まったのは“健康志向”ではなく、"なんとなく健康志向”なんじゃないかなと。
宮内
どういうことですか?
廣田さん
お客様へのインタビューを通して健康意識は4段階に分かれているということに気がついたんです。
昔からジムに通っていて、食事もタンパク質まで計算している“ストイックゾーン”、「毎日1万歩は歩いてる」などと日常的に意識できている“健康志向ゾーン”、その次が“なんとなく健康志向ゾーン”、そしてまったく気にしていないゾーン。
廣田さん
なんとなく健康志向の人たちは「毎日明るく過ごして、お酒も楽しみたい」という気持ちがある一方、「自由に食べて飲むのは健康によくない」ともわかっている。
だけど「運動をするためにジムに通う」までのアクションはできていないので、小さなことで帳尻を合わせようとするんです。
「お昼に高カロリーなトンカツを食べたから、エレベーターじゃなくて階段を使う」みたいな(笑)。
宮内
…それ、私じゃないですか。
言われてみれば、まわりもそんな人が増えた気がします。
廣田さん
そして、「なんとなく健康志向ゾーン」の方向けにぴったりのチューハイが市場に存在していないのではないかと考えたんです。
糖質もアルコールも「ありかなし(ゼロ)か」という選択にしかなっていないんですよね。
「健康は意識したいけど、お酒は飲みたい」「果実感はほしいけど、太りたくない」。「グリーンハーフ」はそんな絶妙なシーンで、ちょうどよく選ばれるチューハイを目指したんです。
“心まで健康に”お酒を楽しんでほしいという想いで生まれたチューハイ
宮内
でも「糖質50%オフ」って、何と比較して50%オフなんでしょうか?
廣田さん
サントリーから発売している全チューハイの平均値の半分ですね。具体的には100mlあたり5グラムの約半分で、2.1グラムになっています。
宮内
なるほど。
ちなみに “半分”にこだわったのには理由があるんですか?
廣田さん
お客様に聞いてみると、70%オフや80%オフだと気休めに感じてしまうのか、「だったらいっそゼロを選ぶ」という声が多くあがりました。
逆に、20%オフや30%オフだと「これまでのチューハイと変わらない」「飲んでいて罪悪感がある」という声もあったんです。
宮内
それはわかります。
だったら「健康を気にせず好きなだけ飲むよ!」と思いますね。
廣田さん
適度なアルコール感と果実感がありながら、健康を意識している自分のことも認めてあげられる。
そのちょうどいいバランスが“糖質50%オフ”だったんです。
廣田さん
お酒ってお水と違って、極論飲まなくてもいいものですよね。
でも、日々のリフレッシュや楽しみになるから選ばれている。それなのに「あんまりよくないかな…」と思いながら飲むのってさみしいじゃないですか。
お酒好きの方に、心まで健康的にお酒を楽しんでもらいたいんですよ。
廣田さん
事前におこなったユーザーインタビューで「グリーンオフを選んだ日は揚げ物を食べてもいいと思える」と答えてくれた方がいたんです。
我慢をするためにゼロを選ぶのではなく、新しいお酒の楽しみ方の選択肢を広げられる存在になれたらいいなと思いますね。
サントリーの技術力を結集させることで、トレードオフを両立させた開発秘話
宮内
もう一点気になる部分があって。
なにかが“オフ”されている機能的な商品って、あまり身体によくなかったり、人工的な味がしそうなイメージがあるんですけど…
廣田さん
「グリーンハーフ」は「糖質50%オフ」だけでなく、「人工甘味料不使用」「アルコール度数5%」「プリン体ゼロ」という4つを兼ね備えているところにこだわりがあります。
市場を見ても、このすべてを実現しているのは「グリーンハーフ」だけだと思います。
廣田さん
正直、“糖質を50%オフするだけ”なら簡単なんです。
その代わりにアルコール度数を低くしたり、人工甘味料で甘さを付け足せばいいだけですから。
でも、アルコール度数が下がると満足感がなくなるし、人工甘味料が入っているだけで「味わいが損なわれるのでは…」と思う方もいますよね。
なので「グリーンハーフ」は糖質以外もすべて妥協しないと決めました。
宮内
この条件をすべて満たした商品がなかったということは、かなり難易度が高い開発ということですよね?
廣田さん
はい。新しい商品ということもあって、開発は本当に手探りでした。
実は、最初の試作品をチーム一同で飲んだときは、正直「ダメだこりゃ..」と(笑)。
めっちゃ正直な感想でした
廣田さん
そこから「30%オフにして味わいを優先すべきじゃないか」「人工甘味料を入れて糖質ゼロにしよう」など、かなり議論を重ねました。
すべてを妥協しないと自分で決めたはずなのに、「どれか諦めたい」と本気で思ったこともあります(笑)。
宮内
どのタイミングで「これはいける」となったんですか?
廣田さん
ポイントとなったのは、原料酒のブレンドです。
レモンサワーはベースとなるお酒とソーダとレモンから成り立っているんですが、その「お酒」の部分を何種類も組み合わせて検証していきました。
それぞれのお酒のよさも出て、味に深みを持たせられるベストなブレンドを見つけたことで、人工甘味料を使わなくても満足感のある仕上がりを実現できたんです。
廣田さん
だからこの商品についてこだわったポイントと聞かれると…すべてなんです(笑)。
しいていうなら、チームで決めた「糖質を半分にすること」と「人工甘味料を使わなくてもおいしく満足感のある仕上がりを目指すこと」の両立を最後まで諦めなかったことだと思います。
宮内
お話を聞いて、廣田さんが「ちょうどいいお酒」とおっしゃっていた理由がわかった気がします。
「あれも選んで」「これもやって」と健康を意識するのではなく、「とりあえず糖質半分だしこれを選んどけば大丈夫か!」というスタンスで手に取れる商品だなと。
廣田さん
まさに「グリーンハーフ」を選ぶことを、お酒を飲むときに感じるちょっとした罪悪感の言い訳にしてほしいんですよ。
廣田さん
「グリーンハーフなら揚げ物と合わせてもいいか」「2本目を飲んでもグリーンハーフなら奥さんに言い訳できる」というように、いろんな方にとっての“都合のいいお酒”でありたいなと(笑)。
「グリーンハーフ」というブランドを通じて、お酒を飲む瞬間やその先にある楽しい時間に貢献できればいいなと思っています。
ちょうどいいチューハイ、これまでありそうでなかったかもしれなません。
“楽しく飲む時間”を過ごすために求めていたのは、まさに「グリーンハーフ」のような言い訳ができるアイテムだったのかも…
お酒を飲むときにとことん言い訳をしたい私は…これからお世話になることでしょう。よろしくお願いします!
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