ビジネスパーソンインタビュー
スワン著『あなたの24時間はどこへ消えるのか』より
ビジネス書を実践できないのは「自己肯定感」が原因。あなたの時間管理はなぜうまくいかないのか
新R25編集部
「いつか、時間ができたらやりたいんだよね」
おそらく多くの人が、一度は口にしたことのある言葉ではないでしょうか。
旅行や読書といった「いつかはやりたい」と思っていることを、思い返せば何カ月、何年も放置してしまっている人も多いはず。
なぜ時間を思い通りに使えないのか。
いったい何に時間を奪われているのか。
その答えは累計25万PV突破のnoteをもとにした時間管理の実用書『あなたの24時間はどこへ消えるのか』(SBクリエイティブ)に書かれています。
著者であるスワンさんの実体験をもとにした同書より、無意識のうちに時間を失う理由と、それを取り戻す方法を、一部抜粋してお届けします。
自分の時間を守るには「自己肯定感」を上げよう
昨今、書店をのぞけばパワフルなフレーズで埋め尽くされた書籍が目に付きます。
表現はさまざまですが、そのフレーズはどこかドキッとするような、思わず自分の心を見透かされたような引きのあるキャッチーなものばかりで、なかなか目を逸らすことができません。
「今度こそ、忙しさを見直してみよう。」
しかし、そう思って本を読んでみたものの、翌日に本の通りに従って振る舞える人が一体どれだけいるでしょうか。
ビジネス書やネット記事を読み漁っても、実践できないのは「自己肯定感」が低いから。
人は強烈な主観で物事をとらえ、その主観による価値に適した扱いをします。
自分のことを安いもの、大した価値のないものだと思っていたらいつまでたっても「自分を大切に扱うこと」も「自分の時間を守る」ことも難しいのです。
「なんかわたしっていいよね、だから大切にしたい」という感覚こそが自己肯定感であり、自分のあり方を支える隠れた大黒柱なのです。
だから本書では確実にあなたがあなた自身の時間を守れるようになる下準備として、まず「セルフノート」という習慣をご紹介します。
この習慣を通して日々の不安感や、内側に隠れるコンプレックスを取り除き、自己理解と内省を通して「自己肯定感を上げる」技術を身につけていただきます。
細かいテクニックの前に、まずはあなた自身が「自分の時間を大切にしたい、するべきだ」というマインドに切り替えてほしいからです。
ちょっと回りくどいように感じるかもしれませんが、さまざまなビジネス書をこれでもかと読み漁ったのにもかかわらず上手く使いこなせなかったわたし自身の体験から、まずはその知識を使う土台となる「自分」を見つめ直すことが非常に重要だと、実感しています。
さあ、まずはあなたの時間を守る準備に取り掛かりましょう。
自分だけの思いをさらけ出す「セルフノート」を作ろう
まず一冊のノートを用意してください、これを「セルフノート」と呼びます。
手始めにこのセルフノートを使ってさまざまなことを「書く」という新しい習慣を始めていただきます。
書くという行為は誰でもできる身近な存在ですが、内省と客観視の練習に非常に向いています。
そしてセルフノートを用意するにあたって、あなたに3つのお願いがあります。
一つ目は、決してこのノートの中身は誰にも見せないでください。
秘密を作ると、人はどうしても誰かに伝えたくなるものです。
でもこのノートはあなただけのノートで「ここにだけは誰も踏み込んでこない」という圧倒的な安全性を確保してほしいのです。
どんなにオープンな人でも自宅と会社で服装が違うように、人目がある場所とない場所とでは出てくる思考の深さや言葉が全く違ってきます。
もちろん大切な家族や恋人、親友であってもトップシークレットにしてください。
二つ目に、リアルなノートを用意してください。
「普段のメモはすべてパソコンにまとめています」という人もいるかと思いますが、ここはぐっと堪えてアナログで行いましょう。
パソコンやクラウドメモは大変便利ですが、メモ以外にもさまざまなことができてしまい気が散ります。
それに記録という意味では、パソコンのメモは自分が書いたことを気軽に書き直せてしまうというのも少々厄介です。
そして何より、タイピングとライティングでは脳の処理方法が全く変わります。
タイピングに慣れていると「手で書く」という行為は遅いように感じるかもしれませんが、感情を紙に書き出すことでストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられるという研究結果も出ています。
そして3つ目は、ノートは大きめのサイズを用意してください。
どんなに小さくてもA4以上で、自由にのびのびと書ける大きめのサイズにしてください。
脳内を書き尽くすには思ったよりスペースが必要ですし、一覧性が高いほうが振り返りにも高い効果を発揮します。
さあ、いい感じのノートが用意できたでしょうか。
ではさっそく、セルフノートを通して自分と好きに会話をします。
まずは自分の部屋など、落ち着いた場所で取り組むといいでしょう。
ここからは具体的な事例を交え、セルフノートを通して内省と解放を行い、自己肯定感を上げるためのお題をいくつかご紹介していこうと思います。
「ブレインダンプ」で関心事を自覚する
ブレインダンプ、という手法をご存じでしょうか。
頭の中にふつふつとわいてくることを止めどなく、そのまま紙に書き出していくというメンタルケアの方法です。
朝起きたら何よりも先に、さっそく新調したセルフノートを開いてみましょう。
そしてペンを握って、寝ぼけた頭に浮かんでくることをつらつらと書き連ねてみてください。
『あなたの24時間はどこへ消えるのか』起きた、眠い、肌寒い。
今何時だ
空が青い、今日は上着はいらないかもなあ。
寒い冬はいやだな〜
あ、クリーニングとりに行かなきゃ。
でも明日でいっか
打ち合わせは午後から、上手くいくかなあ緊張するなあ
足が痒い、腰も痛い、そろそろ整体いきたい
そういや髪も切りたい、まとめて予約とるか
こんなゆるい感じで構わないので、朝イチで頭に浮かんでくる「今感じていること」「今日の予定」「急に思い出したこと」「たった今、目に入ってきたこと」「いま不安なこと」「今日の楽しみなこと」などなど、本当になんでも構いません。
真っ白いページの使い方にルールはなく、ペンを握ったら脳内に浮かんでは消えていくあらゆる言葉やイメージをひたすらノートに書き連ねてみてください。
脳内の実況中継をしているような感覚で行いましょう。
「もう書くことがない」と思えるくらい、出し尽くしたら終了です。
キリがなければ時間制限をつけてもいいし、気が済むまで書き尽くしてもいいでしょう。
頭に浮かぶことをすべて書き出すと「最近の自分の関心ごと」が一覧化されます。
人は日々の中、ものすごいスピードでさまざまなことを思い、思い出しては忘れ、そしてまたおぼろげに思い出すという果てのない繰り返し作業を行っています。
それはまるで膨大な倉庫作業のようなもので、その広い敷地内をわたしたちは日々猛スピードで探し回ったり、さまざまな情報を出し入れしているわけです。
時にお目当てのものを入れ間違えたり、整理し切れなくてぐちゃぐちゃに放り込まれていることもあるかもしれません。
この書き出すという行為は脳内の棚卸し作業のような役割を担っています。
倉庫の荷物をひとつひとつ、ゆっくり体の外へと出していくことによって「自分が今何を感じているのか、何を抱えているのか」を初めてちゃんと実感できるようになります。
だからこそ頭の中をすべて言葉にして書き出し、見える化して俯瞰することによって「正確な今の自分の状態」を見つめてみましょう。
さて、今日のあなたはどんなことを考えていますか?
減らしたあとで、大切なものが見えてくる
同書では、スワンさんの実体験を交えながら現代人の悩みを代弁し、かつ、具体的な解決策が語られています。
解決策として強調されているのは「減らす」こと。
『あなたの24時間はどこへ消えるのか』人は「適度な余裕」があってこそ思考がクリアになり、正しいものを選んだり、捨てることができます。
だから怖がらないで、小さな一歩を踏み出してみてください。
そしたらきっと、本当に必要なものが見えてくるはずだから。
減らした先で見つけた“本当に大切なもの”だけを手に、あなたの24時間を取り戻していきましょう。
ビジネスパーソンインタビュー
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