ビジネスパーソンインタビュー
メンタリストDaiGo著『超影響力』より
この2つがあれば誰でも人を動かせる。DaiGoが分析する「影響力の大原則」
新R25編集部
「カリスマ」「天才」「インフルエンサー」。
影響力のある人たちには、彼ら特有の才能があるように感じますが…
それに対して「答えはノーです」と唱えるのは、メンタリスト・DaiGoさん。
影響力を持つ人が使っているテクニックは、ちょっとした意識で誰でも簡単に学びとれるものなのだそうです。
一体どんなテクニックを使えば影響力を持つ人になれるのか、気になりますよね。
そこで今回は、YouTube登録者数234万人(2021年3月22日現在)、圧倒的影響力と人の心を見透かす力を持つDaiGoさんの著書『超影響力~歴史を変えたインフルエンサーに学ぶ人の動かし方』より、今日から使える「影響力を身につけるテクニック」を抜粋してお届けします。
影響力の原則は「信用」と「信頼性」
「みんなが貪欲になっているときこそ恐怖心を抱き、みんなが恐怖心を抱いているときにこそ、貪欲であれ」
これは世界一の投資家ウォーレン・バフェットの言葉です。
しかし、同じ言葉を若手の証券会社の営業担当が言った場合、バフェットに言われたのと同じようにあなたの心に響くでしょうか?
実はここに「影響力」を理解し、使いこなしていくための2つの原則が隠されています。
それは「信用」と「関係性」です。
『超影響力』・人は、同じ内容でも信用した相手の話に耳を傾けます
・人は、同じ内容でも「自分と関係がある」と思った話にしか興味を持ちません
聞き手に信用され、相手と深く関係する話ができる話し手は信頼されます。
すると、聞き手本人、聞き手のいるグループに影響力を発揮することができるのです。
影響力の必須条件① 信用
影響力のある人は、次の3つのステップを踏むことで効率的に聞き手の信用を得ていきます。
1. 「シュムージング」で打ち解け
2. 「ストレングス」で相手に自信を持たせ
3. 「類似と共通点」で仲間意識を深める
1. シュムージング
1つ目のステップは「シュムージング」です。
簡単に言うと、「本題を切り出す前に自分のことをネタにした雑談を挟む」だけです。
2002年にスタンフォード大学の研究チームが行なった実験では、およそ100人の学生に対して「慈善事業に対する寄付を募ること」を指示。
その際に参加する学生を次の3つのグループに分け、どのグループが最も効果的に寄付を募ることができたかを比較しました。
『超影響力』① いきなり寄付をお願いするメールを送ったグループ
② メールの最初に、生まれ故郷に関する話や熱を上げて応援しているスポーツチームの話など、自分についての雑談を書いたうえで、寄付をお願いするメールを送ったグループ
③ 相手に電話で自分の趣味などをテーマにした雑談をしたあと、寄付をお願いするメールを送ったグループ
結果は明らかでした。
寄付のお願いの前に自分をネタにした雑談(シュムージング)を行なった②と③のグループは、寄付をもらえた確率が20%もアップしたのです。
さらに、事前に電話をかけて話をした③のグループのほうが成功率は高い結果になりました。
2. ストレングス
2つ目のステップは「ストレングス」です。
これは聞き手に自信を与え、行動を起こしやすくさせるテクニックです。
影響力のある人たちは聞き手に自信を持たせるステップを踏み、「私は力にあふれている、行動力がある、能力がある、チャンスがある」といった感覚を持たせ、行動を後押ししているのです。
実は私もストレングスを頻繁に使っていて、配信する動画で次のようなメッセージを繰り返し発信しています。
「このチャンネルを見ているみなさんは、間違いなく多くの知識を得ています。それはおそらく普通の人が一生触れないようなレベルの知識です」
「みなさんは解決方法となる知識、ツールを持っています。つまり、行動を起こす準備は整っているのです」
いずれも噓偽りのない本心です。
ただ、それをメッセージとして繰り返し発信しているのは、聞いた人に強さを与えることができると知っているからです。
3. 類似と共通点の強調
3つ目のステップは「類似と共通点の強調」です。
影響力のある人は、あからさまに人の上に立とうとしません。
身近な存在、気軽に話しかけられる仲間という立ち位置から、周囲に影響を与えていきます。
人は小さな共通点があるだけで相手の話に耳を傾け、受け入れる確率が2倍近く向上することがわかっています。
カリフォルニア州にあるサンタクララ大学の実験です。
研究チームは実験の参加者に「50種類の形容詞の中から好きなものを20個選んでください」と依頼し、全体を3つのグループに分けました。
『超影響力』① 類似グループ:好きな形容詞として選んだ20個中、17個が一致する人を集めた集団
② ニュートラルグループ:20個選んだ形容詞のうち10個が一致する人を集めた集団
③ 非類似グループ:20個中、3個の形容詞しか一致しなかった人を集めた集団
その後、各グループ内で
「自分の書いたエッセイを読んで感想を聞かせてもらいたい」
「グループのために○○まで行って××を運んできてもらいたい」
など、簡単な頼み事をし合うという実験を行ないました。
すると、頼み事の成功率に大きな差が生じたのです。
①の類似グループでは、77%の人が相手の頼み事を聞き、行動を起こしました。
これが②のニュートラルグループでは60%、③の非類似グループでは43%まで下がったのです。
人は自分と似た部分のある人には好意的になり、影響力を受けやすく、手を差し伸べたい、助けたいと思い、行動を起こすのです。
影響力の必須条件② 関係性
影響力のある人が心得ているコツは、「関係性の強調」です。
誰かに何かを伝えるとき、自分の正しさをアピールしたり、相手の間違いを指摘したりする必要はありません。
「これから話すことは、あなたと関係していて、こう役立ちます」 と伝えること。
「関係性の強調」こそ、超影響力を支える要なのです。
自分と関係があるから知りたくなり、人は知りたくなると行動するのです。
たとえば、たくさんの好意的な口コミの集まった商品は「社会的証明」の力を借りることができ、その後も長く売れ続けることになるわけです。
「社会的証明」の最もシンプルな使い方は何かというと、「この意見の支持率は高い」と知らせることです。
たとえば、新人研修の場で参加者の関心を集めたいとき…。
「ある人材業界の大手企業の調査によると、 『今までの職場で人間関係に難しさを感じたことがある?』という問いに『ある』と答えた人は実に84%にのぼりました。なぜ悩んでしまうのか。どうしたら悩みが解決するか。今日はそんな話をしたいと思います」
あなたが話し手として「今から話す内容はすでに多数から支持されている」とアピールすることは、そのまま聞き手にとって「関係性の強調」になるのです。
効率的に「信用」を得て「関係性」を築いていく手法
私が配信している動画では、プラクティカルバリュー(聞き手に役立つ価値)を意識して、基本的に次の3つの情報を提供するようにしています。
『超影響力』① 私自身も含め、視聴した人の人生をいい方向へと変化させるために使える情報
② 取り巻く人間関係を改善したり、友人知人の悩みに答えられるようになったり、視聴した人が周りの人に使える情報
③ コミュニケーションが円滑になる、日頃の会話のネタになるような情報
役立つ内容であることは信用を生みます。
人生をよくする情報は多くの人に動画への関係性を感じさせます。
しかも、人は自分が使えると思った情報、自分が使ってみたノウハウを
「こんないいやり方があるんだよ」
「こんなおもしろいノウハウがあるけど、知っている?」
などと、他の人にも広めたいと考えます。
これは自分が先に知ってよさを見抜いた情報を誰かに教え、相手が喜び、 「あー、それ、使えるね」「いいね」となることで、承認欲求が強く満たされるからです。
聞き手にとって価値ある情報の発信を続け、1本1本の動画を積み重ねること。
これが結果的に、直接会ったことのない人の考えや行動にも変化をもたらすような影響力の高さにつながっていったのです。
そのノウハウを身につけることで、持って生まれたカリスマ性や長時間かけて培った人間関係がなくても、聞き手に影響力を発揮することができるのです。
最初は誰でも影響力ゼロ。DaiGoさんの『超影響力』からテクニックを盗もう
どちらかと言えば「コミュ障」に近い、内向的な性格だというメンタリストDaiGoさん。
自分の本質的な性格・考え方は変えずに、見せ方や伝え方、表現方法に気を配るだけで、周囲からの評価が変化していくことを実感してきたのだそうです。
そしてさまざまな分野の知識を得る過程で、自分の行動変化から得た効果は、「説得力」と「影響力」によるものだったことに気づきます。
『超影響力』では「説得力と影響力を組み合わせ、人々の行動を促す技術」=「超影響力」として、学術的な研究データから導かれた、誰でも日常的に実践できるテクニックを多数ご紹介。
インフルエンサーを目指す方はもちろん、組織を上手に動かしたい方、よい内定先が欲しい学生まで、必読の1冊です!
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