

「おいしさに妥協しない糖質オフ」の舞台裏
売上好調の「淡麗グリーンラベル」、“糖質70%オフ”でビール好きにも評判がいいワケ
新R25編集部
発売から18年間にわたりキリンビールを支えつづけてきたロングセラーの「淡麗グリーンラベル」。
“糖質70%オフ”(※)という特徴が時代の健康志向にハマっています。糖質オフとおいしさが評価されて売れ行きは絶好調、4月7日以降の2週間の販売数量で前年比約2割増しとなっているそうです。
(※)糖質70%オフ:日本食品標準成分表2015年版(七訂)による。
ただ、“糖質70%オフ”と言われると「味はどうなんだろう?」と思ってしまうのが正直なところ。いや、もっとストレートに言えば、おいしくなさそう…(すみません)。
そう思ってネットで同商品の評判を調べてみると…意外にも味の評判がすこぶるいいんです。
糖質を大きく抑えながらも満足感あるおいしさを実現している秘訣は? なぜここまで売れまくっているのか?
編集長の渡辺が「淡麗グリーンラベル」担当の村上亜美さんに話を聞いてきました。
話を聞くのは、キリンビール マーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当の村上亜美(むらかみ・あみ)さんです(この取材は、換気・事前の消毒等十分な対策のうえで実施しております)
まずは渡辺が試飲させていただくことに…

渡辺
よろしくお願いします。
今日は「淡麗グリーンラベル」のイメージにピッタリな白シャツと、グリーンのソックスで取材に臨んでおります。
誰も求めていない準備をしてきた渡辺

村上さん
ありがとうございます(笑)。

渡辺
「淡麗グリーンラベル」の売れ行きがリニューアル発売後、さらに好調だと伺いました。

村上さん
健康志向トレンドの追い風もあり、おかげさまでかなり勢いを感じています。
飲みごたえを追求した今回のリニューアルが反響をいただけていて、内心ホッとしていますね。

渡辺
今日はその“飲みごたえ”にフォーカスしてお話を聞きたいんです。
事前にネットで「淡麗グリーンラベル」の口コミを調べてきたんですが、「糖質オフ系のビール類のなかでも特においしい」という評判が多かったんですよね。

村上さん
そういった声をいただけてうれしいです。
リニューアルされた「淡麗グリーンラベル」を用意しましたので、渡辺さんもぜひ飲んでみてください。

渡辺
いいんですか? では、遠慮なくいただきます…
グビッ…
「おおっ!?」

渡辺
うん。さわやかな飲みやすさがありつつも、ビール好きも納得しそうな満足感がありますね。
この“飲みごたえ”が好評の理由だと理解しました。

村上さん
ありがとうございます!
「カラダ、気持ちいいおいしさ。」をコンセプトに、糖質70%オフでカラダを気にする人がうれしいだけではなく、ビール好きの方にも満足していただけるようなおいしさを追求しました。

渡辺
なるほど! これ、まさにそのコンセプトにぴったりの味ですね。
毎日の食事のお供として飲むか、休日のお昼に飲むのがピッタリだなと思いました。

村上さん
まさにそういった飲用シーンを想定していたので、渡辺さんにそう言っていただけてありがたいです(笑)。
飲みごたえを維持しつつ糖質70%オフを実現した開発の舞台裏

渡辺
でも、どうやって “糖質70%オフ”とこの“飲みごたえ”を両立してるんですか?

村上さん
「淡麗グリーンラベル」は、ビールと同じ原材料を用いたうえで、仕込・発酵・濾過(ろか)というビールと同じ醸造工程でつくることで、満足いただける飲みごたえを実現しています。

渡辺
なるほど。ビールと同じ原材料を使って、ビールと同じつくりかたをしていると。
でも、それだけじゃ糖質70%オフにはならないですよね?

村上さん
はい。実は、仕込・発酵工程の中で、より多くの糖質をカットするように工夫しているんです。

渡辺
…と言いますと?

村上さん
ビール類をつくる際には、発酵工程で糖質を分解してアルコールと炭酸ガスをつくる過程があるのですが、このときにより多くの糖質を分解して減らす工夫をしているんです。
事前に原料に含まれる糖を細かくしたり、仕込時間を調整したりすることで、コツコツ糖質をカットしています。

渡辺
時間をかけて、丁寧につくっているんですね。

村上さん
はい。糖質オフ系の発泡酒は、糖質カットによって変化した味わいを補完するために、(ビールには入っていない)甘味料や香料などを添加することも考えられるのですが、「淡麗グリーンラベル」はこれらも一切使用していません。
添加物には極力頼らず、あくまでも麦やホップといった原材料そのもので得られる満足感を味わっていただくことにこだわっているんです。

渡辺
なるほどなぁ…
ビール類の製造過程について勉強になっている渡辺

渡辺
ちなみに、今回のリニューアルで特に力を入れたポイントはどこでしょうか?

村上さん
今回のリニューアルでは、さらに飲みごたえを高めるため2つの工夫をしています。
まず、喉元にグッとくる満足感を追求して炭酸量を少し増やしました。

渡辺
たしかに、実際に飲んでみてけっこう喉への刺激が強いなと思いました。

村上さん
もうひとつ、心地いい華やかな香りに仕上げるために、ホップの配合バランスも調整しました。

渡辺
ホップの調整…ですか。
渋味を抑えて香りを引き立てる「ホップアロマ製法」

村上さん
「淡麗グリーンラベル」はこのホップにも独自のこだわりを持っていて、「ホップアロマ製法」というものを採用しています。

渡辺
それはどういう製法なんでしょうか?

村上さん
ビールや発泡酒づくりでは、原料を煮沸しているときにホップを投入するのが一般的なんですが、一気に入れすぎると渋味も一緒に出てきてしまうという課題がありまして。

渡辺
普通のビールならそれでもいいのかもしれませんけど、苦味が強く出てしまうとこのさわやかな味が表現できなくなってしまいますね。

村上さん
そうなんです。
ただ、ホップの全体量を減らすと今度は香りが弱くなってしまうので、「淡麗グリーンラベル」では、煮沸時にホップを入れすぎず、その後の冷却タイミングでホップを“追加投入”しているんです。

渡辺
なるほど。“追いホップ”をしたわけですね(笑)。

村上さん
まさにそうです(笑)。
この製法によって、渋味を抑えつつホップの華やかな香りを引き出して、スッキリとした後味を実現することができました。
「淡麗グリーンラベル」リニューアルにかけた想い

渡辺
「淡麗グリーンラベル」のおいしさの秘密がよくわかりました。
最後に、今回のリニューアルにかけた想いをお聞きしたいです。

村上さん
「淡麗グリーンラベル」は、誕生から18年間様々なリニューアルを繰り返してきた結果、ありがたいことに独自に実施している味覚調査でも高い評価をいただける商品になりました。
でもだからこそ、さらに高みを目指すにはどうすればいいかを常に考えなければいけない難しさがあって。

渡辺
たしかに、明確な課題が見えない状態だと、どう進化させていけばいいのか悩みますよね。

村上さん
そうなんです。一時はさわやかでスッキリした味を追求していた時期もありました。
でも今回のリニューアルにあたり、お客様に本当の意味で満足していただくためには、グリーンラベルらしい爽やかさは維持しながらも、喉元に心地いい「飲みごたえ」も両立させ、「おいしい糖質オフ」を実現することが重要なんだと改めて気づいたんです。

渡辺
原点回帰した結果、“飲みごたえ”に向き合ったんですね。

村上さん
はい。「淡麗グリーンラベル」のメインターゲットは30代後半~40代くらいの方なんですが、そのぐらいの年齢になると男性は(結婚して)家で飲むことが増えてきますし、女性も出産後の授乳期間が終わって、日常にお酒が帰ってきますよね。
ただ一方で、ちょうどそのくらいに体型の曲がり角がやってきて、痩せにくくなっているのを日々感じるようにもなるみたいなんです。

渡辺
僕も30代中盤から家でお酒を飲むようになりましたけど、めちゃくちゃわかります(笑)。

村上さん
ただ、ビール好きの皆様には純粋に、ビール類を飲むことに幸せを感じていただきたいので、カラダのことを気にしつつもおいしさには妥協してほしくないんです。
そんな人たちが後ろめたさを感じずにデイリーに飲めて、「今日もいい日だったな」と1日の終わりに心地いい気分を味わってもらえる商品になっていたらいいなと思います。

渡辺
今、健康志向の加速と「家の時間を充実させたい」というトレンドが同時に来ているので、これから幅広い層の方に支持される商品になりそうですね。
今日はくわしくお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
“しっかりした飲みごたえ”と“罪悪感なく飲める糖質70%オフの特徴”を両立し、売上好調を獲得しつづけている「淡麗グリーンラベル」。
その舞台裏には、飲み手にとっての本当の満足を追求する担当者の姿勢と、手間と時間を惜しまず品質と向き合う開発陣の努力がありました。
家での時間を充実させたい今だからこそ、「淡麗グリーンラベル」を飲んで身体も心もリフレッシュしてみてはいかがでしょうか?
〈取材・編集=渡辺将基(@mw19830720)/文=森久保発万(@vneck_now)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉

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