ビジネスパーソンインタビュー
西野亮廣エンタメ研究所Voicyより
四面楚歌は、むしろ勝率を上げている。キンコン西野が教える“逆境”との向き合い方
新R25編集部
「新しいことにチャレンジしよう!」と思っても、なかなかその一歩を踏み出せないことってありますよね。
SNSの普及によって自分の発信や活動が多くの人に届きやすくなったからこそ、まわりからどう見られるだろう?と人の目が気になったり、失敗したらどうしよう?と不安になったりする方も多いのでは。
他人の目が気にならないくらい、鉄のハートを身に付けてガンガンチャレンジしたい…!とも思いますが、キングコングの西野亮廣さんは「強い気持ちだけでは乗り越えられない」と言います。
西野さんは、お笑い芸人として、作家として、経営者として、数々の新しい取り組みをどうやって成功させてきたのでしょうか?
今回は、「西野亮廣エンタメ研究所voicy」より、「四面楚歌の乗り越え方」をご紹介します。
挑戦するときのネガティブな圧力は、革命を起こすときの副作用
新しいことに挑もうとすると、圧力がかかることってありますよね。
業界の若手が新しいやり方に挑戦しようとすると、上の世代の人から「この仕事はこうすべきだ! 新しいやり方はよくない!」と言われてしまったり。
たとえば、ボクは「芸人のくせに絵本書きやがって」「芸人だったらひな壇に出ろ」と言われたし、ボクの相方の梶原くんは「芸能人がYouTubeをやるなんて落ち目だな」と圧力をかけらたり、叩かれたりしました。
シンプルに「俺のやり方を踏襲できないなんて許せない」と思って圧力をかけてくる人もいれば、「自分の居場所をとられるかもしれない」という恐怖から圧力をかけている人もいます。
新しいことに挑戦しようとするとネガティブな力をかけられてしまうのは、革命を起こすときの副作用みたいなもので、避けては通れません。
革命に成功すると、本当にキレイに掌を返されて、叩いたことなんてなかったかのように振る舞われるんですけどね。
今回は、この四面楚歌な状況を乗り越える方法をお伝えしたいと思います。
「強い気持ち」で批判や反対は乗り越えられない
批判や反対を乗り越えるときに持っておかなければいけないものは「強い気持ち」ではありません。
強い気持ちで乗り越えようと思っても、強い批判が100件、1000件、1万件…とつづくと「あれ? 自分のやり方が間違っていたのかな?」と思いはじめてきます。
強い気持ちというのは絶対に折られてしまうんです。
批判や反対を乗り越えるときに持っておくべきなのは、ポジティブシンキングではなく、ロジカルシンキングです。
「四面楚歌な状態にある自分が、いかに有利か」「四面楚歌な状況にあるけど、ここからこういう道筋で勝つ」ということを、自分自身に納得させることができていれば、批判や反対意見に負けることはありません。
「四面楚歌な状況」が有利な理由
四面楚歌な状況が、どれだけ有利かという話は、東京五輪のエンブレムの例が一番わかりやすいと思います。
東京五輪のエンブレムは、一般公募で決まりましたよね。国民から応募された作品のうち、4作品が候補として残りました。
最終的に選ばれたのは、A案。白と黒の、落ち着いた雰囲気のエンブレムです。
で、B案・C案・D案がそれぞれどんな作品だったかというと、カラフルで、A案よりも動きがあって、それこそ「スポーツの祭典」っぽいエンブレムだったんですね。
さて、この4作品が最終選考で選ばれる確率は、A案・B案・C案・D案それぞれ4分の1だったかというと、そんなわけはありません。
なぜなら、この4作品を見れば、「白黒かカラフルか」「静か動か」で選ぶことになるから。
そうすると、A案が選ばれる確率は2分の1です。
そして、B案・C案・D案が選ばれる確率は6分の1ですね。
つまり、審査員の先生にお渡しした段階で、A案だけ圧倒的に有利だったんですよ。
この東京五輪のエンブレムの例でいうと、A案が四面楚歌の状態です。
今回はA案・B案・C案・D案の4つだけでしたが、仮にAからK案まで11個あったとして、BからK案はすべてカラフルなデザインだったら、A案が選ばれる確率は2分の1、その他の案は20分の1になります。
つまり、四面楚歌の状態が強くなればなるほど、勝率がぐっと上がるということです。
A案のほうにポジションを取ると、とても叩かれるので居心地は悪いけれど、理屈を頭できちんとわかっておけば、叩かれている間も「よしよし、勝率が上がっているぞ」と思えます。
バッシングはシェアしたほうがお得
逆に言うと、叩かれなくなったときがヤバいですね。
なので、基本的に自分のバッシングはシェアしたほうがいいです。「ボク側にきたら損をしますよ」というのをむちゃくちゃアピールしたほうが延命になります。
ちなみに、人として間違ったことをしている場合はもちろん別ですよ。
なにか新しいことに挑戦する態度を表明したことで起こるバッシングは、基本的には広めたほうが勝率があがる、という話です。
「四面楚歌な状況は、そんなに悪いもんじゃない」ということを証明するロジックをきちんと自分のなかで持っておく。
これが、革命を起こすときの条件だと思います。
〈撮影=三浦希衣子〉
キンコン西野さんの頭の中をのぞけるVoicyはこちら
西野さんが日々携わるエンタメビジネスの話だけではなく、「お金」や「集客」「時代」についても語ってくれる「西野亮廣エンタメ研究所」のVoicy。
1つの放送は10分程度にまとめられているので、通勤時間やお昼休みなどちょっとした時間に、西野さんの思考に触れてみてはいかがでしょう?
オンラインサロンはこちら
西野さんのオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」では、毎日議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
さらに、ビジネス書に掲載するレベルの記事を毎朝投稿しています。
興味がある方はコチラ↓
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部