ビジネスパーソンインタビュー
「『変化を恐れない』という考えが逆に変化を妨げている」
「畑違いの業界にこそ、首を突っ込め」高木新平が共感したハミルトンのチャレンジ精神
新R25編集部
腕時計ブランド・ハミルトン。世界初の電池式腕時計「ベンチュラ」や世界初のLED式デジタル腕時計「ハミルトンパルサー」など、常識を覆すチャレンジで腕時計の歴史を切り開いてきました。
そんなハミルトンが2020年に掲げるテーマは「タイミング・ザ・チェンジ」。創業120年以上にわたり革新的な時計を生み出しつづけてきたハミルトンの、変化とチャレンジに富んだ歴史にフォーカスしています。
2020年は、私たちビジネスパーソンにとってもテクノロジーや働き方の急激な変化に対応しつつ、新たなチャレンジをすることが求められる1年になるのではないでしょうか。
そこで今回は、シェアハウス「リバ邸」の立ち上げや、小泉進次郎氏らとともに「人生100年時代の社会保障」のコンセプトづくり、月額会員制カレー屋「6curry」など、あらゆる分野で次々と新たな取り組みを仕掛けている高木新平さんにインタビュー。
ハミルトン マーケティングコミュニケーション&PR担当の渡邉香菜子さんにも同席いただき、高木さんに「新たなチャレンジをしつづける方法」について聞きました。
【高木新平(たかぎ・しんぺい)】博報堂に入社。独立後、「よるヒルズ」「リバ邸」などコンセプト型シェアハウスを全国各地に立ち上げ、シェアハウスブームを牽引する。2015年、“20世紀からの解放”を掲げ、NEWPEACEを創業。自動運転・シェアリングエコノミー・SDGsなど次世代のビジョン開発および社会浸透を手がける。独自事業として、都市における新たな交流場“サードコミュニティ”を展開。金髪3児のパパ。
シェアハウス、国家政策、カレー屋…なぜジャンルの垣根を越えたチャレンジを?
森久保
今日は「新たなチャレンジをしつづける方法」をお聞きさせてください。
高木さんは、全国各地に広がる若者向けのシェアハウス立ち上げや国家政策のライティング、新しいビジネスモデルの飲食店展開などをなさっていますが、どうすれば僕らも、変化を恐れず新たなチャレンジを続けられるんでしょうか?
高木さん
はたから見ると「無茶苦茶なことやってるやん」って感じですよね(笑)。
高木さん
変化を恐れずか…
僕、そもそも「変化を恐れず」なんて考えること自体が、逆に変化を妨げてるんじゃないかと思うんですよね。
森久保
どういうことでしょう?
高木さん
新たなチャレンジをすると言うと「過去の自分を一新して、本腰を入れて挑戦しなきゃいけない」って思ってる人が多いけど、僕は変化に対する根本的な意識が違うんですよ。
「過去の自分を一新する」というより、「“過去の自分たち”に“新しい自分”を足し算していくだけ」っていうか…
森久保
自分“たち”…
高木さん
つまり、人って本当は「会社で仕事してるときの自分」「地元の友達と遊んでるときの自分」「家族でいるときの自分」みたいに、いくつも別の自分たちを使い分けてるはずなんですよ。
だから、そこでシェアハウスを立ち上げようが、カレー店を始めようが、これまでたくさんあった“自分たち”に新しい自分が追加されるだけ。
森久保
たしかに、相手によって自分のキャラを変えている感覚はあるかもしれません。
高木さん
そのはずなのに、まるでただ1人の「本当の自分」がいるかのように錯覚して、「変化するには、過去の自分を否定しなきゃいけない」と大げさに考えている人が多い。
そのせいで、「IT企業で働いてたから、いきなり食品業界で働くのはちょっと…」とか「インドア派だからスポーツを趣味にするのは違うな」みたいに、チャレンジのハードルを自分で勝手に上げてしまってるわけです。
森久保
そういうことか…!
でもそれって、高木さんに能力があるから、畑違いの業界でも活躍できてるだけじゃないですか?
高木さん
いや、むしろ自分が素人の業界に、気楽に首を突っ込んだほうが、これまでの自分のスキルが活かせる場合が多いです。
たとえば、IT企業で働いてる人が政治関係の仕事をしたら「ここもっと効率化できるじゃん」とか思うはず。
「これまでの業界では当たり前だったことが、別の業界では革新的だった」なんてこと、けっこう多いですからね。
森久保
なるほど…!
“気楽に首を突っ込む”ということですが、その最初の一歩を踏み出す方法って、何かありますかね…?
高木さん
ハウツー知りたがるねえ(笑)。
まあ、あえて言うなら「ゆるふわコミュニティ」に所属してみるとかね。
森久保
ゆるふわコミュニティ…?
高木さん
僕たちって、「会社」や「家族」のようなコミュニティのなかで「課長」や「父親」みたいな役割が決められてるじゃないですか。
そこしかコミュニティがないと、既存の役割に収まった動きばかりになって新しい自分を発見するチャンスがないんですよ。
森久保
ふむふむ。
高木さん
でも、シェアハウスでも知らない人との飲み会でもいいから、これまでの役割から解放された「ゆるふわコミュニティ」に所属してみることで、意外な自分に出会えるかもしれない。
そうするとすぐに気づくと思いますよ。「変化することって案外簡単なんだ」って。
森久保
なるほど、ありがとうございます!
今回の取材は、腕時計ブランド「ハミルトン」の協賛なのですが、高木さんのようにジャンルや業界を越えて変化とチャレンジを繰り返してきたブランドの姿勢が高木さんの考えとかなりリンクしていると思うので、ご紹介させてください!
時計界の常識にとられないチャレンジに挑む腕時計ブランド・ハミルトン
渡邉さん
ハミルトンの渡邉です。よろしくお願いします。
こちらの腕時計のラインナップを見ていただいてもわかるように、私たちも時計界の常識にとらわれない新しい腕時計をつくろうと変化とチャレンジを繰り返してきました。
高木さん
これ全部ハミルトンの腕時計なんですね。
「違うブランドのものです」って言われても気づかないくらいいろんな型があるな。
渡邉
先ほど「“過去の自分たち”に“新しい自分”を足し算していく」というお話がありましたが、まさにハミルトンがたどってきた歴史もその通りで。
時計界の常識にとらわれないチャレンジを繰り返してきたことで、違うブランドのものに見えるくらい多様なモデルを生み出してきたんです。
今回は、そのなかでもハミルトンのチャレンジ精神が満載の4つのコレクションをぜひご紹介させてください!
「専門外のデザイナーが生んだ革新的なデザイン」モデル① ベンチュラ
渡邉
こちらがハミルトンを代表する腕時計「ベンチュラ」です。
見ての通り独特の三角形のケースが特徴で、高級車「キャデラック」を担当したデザイナー、リチャード・アービブによるデザインの時計なんです。
高木さん
おおー! たしかに、文字盤の上下のパーツが車っぽい。
渡邉
そうなんです。
ベンチュラは世界初の電池式腕時計として誕生したのですが、デザインもそれにふさわしい革新的なものにしたいというコンセプトだったそうで。
このような常識にとらわれないデザインが生まれたのは、アービブが時計の専門家ではなく、先入観がなかったからではないかと思います。
高木さん
まさに、さっき話した「自分が素人の業界に首を突っ込んだほうが、これまでの自分のスキルが活かせる」パターンじゃないですか(笑)。
「ベンチュラ」にはシンパシー感じますね。
「デザインに1940年代の名残がある」モデル② カーキ フィールド メカ
渡邉
次にご紹介するのが「カーキ フィールド メカ」です。
本日ご紹介するラインナップの中では一番歴史があるモデルですね。
渡邉
こちらは、1940年代に米軍へ供給していたミリタリーウォッチが原型です。
「リューズ」という時刻あわせのつまみを引くと秒針が止まる機能は当時としては画期的で、戦地で兵士が作戦を開始するための時刻あわせに重宝されていました。
その名残で、今もリューズが少し大きめなんです。
高木さん
現代ではほぼ使いようのない機能やな…(笑)
でもその名残があるのが好きです。こういう本物のストーリーを聞くとテンション上がりますね。
「ジャズからインスピレーションを受けて誕生」モデル③ ジャズマスター オープンハート
渡邉
3番目にご紹介するのが、「ジャズマスター オープンハート」というモデルです。
「オープンワーク」という時計の内部の動きが文字盤から見える構造になっています。
高木さん
中身のパーツの動きが見えるデザイン、カッコいいですね。「オープンワーク」って言うのか。
ちなみに、「ジャズマスター」という名前の由来は何ですか? 深い意味がありそうですけど。
渡邉
ジャズはハミルトンが創業した1890年代にアメリカで生まれた音楽で、そこからインスピレーションを受けて誕生したモデルでして。
さまざまな楽器が自由に音楽を奏でて曲を構成するジャズのように、時計もいろんなパーツが動いて時間を刻んでいるというところから「ジャズマスター」という名前がつけられたんです。
「果敢なチャレンジを繰り返して生まれた」モデル④ ハミルトンPSR
渡邉
最後がこちらの「PSR」というモデルです。
1970年に世界初のLED式デジタル腕時計として誕生した「ハミルトン パルサー」というモデルがオリジナルで、今年で誕生50周年ということで当時と同じデザインで復刻しました。
高木さん
おお! パンチのあるデザインですね。
これが今回の目玉でしょ(笑)。
渡邉
そうなんです!
こちらのモデルは、「時計は文字盤があって針で時刻を示すものだ」という従来の考え方に対して、時刻の見方をデジタル表示に変えたという意味で時計界のゲームチェンジャーでした。
高木さん
おお! 今で言う「iPhone」みたいなイノベーションじゃないですか。
渡邉
普通に考えると、「どうやって時計の精度をあげるか」といった発想にとどまっていたと思うんですが、パルサーは「そもそも一目見てわかるように時刻を表示した方が便利では?」というアイデアから生まれていて。
高木さん
今すごいシンパシー感じました。
渡邉
実はハミルトンは、このパルサーの開発に一生懸命になりすぎて、70年代後半に経営破綻してしまうんですよ。
しかも、最初に「世界初のLED式デジタル腕時計ができた」と言って売り出したモデルは初期不良が多くて、車が買えるくらい高価だったにもかかわらず、顧客の要望に応じて返金対応をしたというエピソードもあって。
高木さん
なんか僕みたいですね(笑)。
僕もすぐにチャレンジしては失敗するのを繰り返してるんで。
渡邉
そんな果敢なチャレンジの歴史をもつ「ハミルトン パルサー」の誕生50周年ということで、ハミルトンは2020年のテーマを「タイミング・ザ・チェンジ」と銘打っております。
「PSR」を始め、今日ご紹介した「ベンチュラ」等、たくさんの革新的な時計を生み出してきた先代たちの開拓精神を思い出そうという意味が込められています。
高木さん
「タイミング・ザ・チェンジ」いいですね。過去の成功に頼らず、時代にあわせて変化してきたハミルトンのチャレンジ精神を現していると思います。
僕、今うかがったエピソードも含めてこの「PSR」が一番気に入りました!
渡邉
ぜひ実際につけてみてください!
ステンレススチールとゴールドカラー、どちらがお好みですか?
高木さん
そこは時計のプロに選んでもらいたいですね!
「高木さんは、ゴールドカラーもお似合いになるかもしれません」
高木さん
おっ、思った以上になじみますね!
自分で選ぶならシルバーを選んでたとおもうんですけど、こうやってゴールドを選んでもらったことで新しい自分に出会えましたよ。
ゴールドの僕、いい感じかもしれないです(笑)。
変化とチャレンジを続ける高木さんの考え方は、革新的な腕時計を開発してきたハミルトンの姿勢と共通するものがありました。
激動の1年になりそうな2020年ですが、みなさんも日常のなかで新たな自分と出会う機会を増やして、変化を楽しめるようになりましょう!
また、自分の直感に従い素直にシンパシーを感じるものを身につけるのも新たな自分と出会う手軽な方法のひとつ。
新たな挑戦を繰り返す高木さんも共感するチャレンジングな時計ブランド・ハミルトンのコレクションを身につけて、新たな自分との出会いを楽しんでみてください!
〈取材・文=森久保発万(@vneck_now)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
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