ビジネスパーソンインタビュー
堀江貴文著『本音で生きる』より
仕事と家庭・時間と収入。バランスを取ろうとする人は、必ず中途半端になる
新R25編集部
平成から令和へと変わった2019年。
この1年を振り返ってみると、「人生を変えるような転機があった」「成長した実感がある」「なんとなく過ごしてしまった…」など、さまざまな思いがあるはず。
年末年始は、多くのビジネスパーソンにとってしばしの休暇になります。
そこで、新R25では年末年始にかけて、これまでの自分の働き方を振り返ったり、心機一転してスタートダッシュをきったりできるような書籍をピックアップする特集を考えました。
その名も「2020年 ジブン改革」。
第1回でお届けする書籍は、新R25レギュラーズである堀江貴文さんの『本音で生きる』です!
「言いたいことがいえない」「やりたいことがやれない」…。
堀江さんのもとには、そんな相談がたくさん届くそうですが、幼いころから本音で生きてきた堀江さんは、「どうしてみんな本音で生きられないのか」と不思議で仕方がないそう。
「なんで自分だけがうまくいかないんだろう」とモヤモヤしてしまう人に対して、叱咤してくれる3記事を抜粋してお届けします!
バランスなんかとらなくていい
「やりがいのある仕事をバリバリやりたい」が、「家族サービスのためのゆったりした時間も欲しい」。
「趣味の時間は今より減らしたくない」が、「もっと収入は欲しい」。
多くの人は、「バランス」をとろうとしすぎる。
でも、それはちょっとずるいと思うのだ。
仕事も家庭も趣味も、なんでもかんでもいいとこどりで、バランスのとれた生活をしたいと言っておきながら、もっと時間を効率的に使いたいとか、チャレンジの多い人生を送りたいとか、人間関係で悩みたくないとか…。
それははっきりいって無理だ。
まず、バランスを維持したまま、新しいことなどできるわけがない。現状を変えることなく、物事のいいとこどりをしようというのは不可能というものだ。
心躍る体験を味わおうとすれば、そのために費やす時間も必要になるし、失敗のリスクもある。物事はすべてトレードオフであり、例外はない。
会社を立ち上げた頃、僕は仕事に没頭していた。この時期は寝ている時以外(睡眠時間はきちんと確保していた)、ビジネスのことを考えつづけ、家にも帰らず、家族との時間も持たなかった。
結局その時の家族とは別れたが、仕事の面では、海外に子会社を作ったりと、充実していた。
そこまで徹底しないと、やりたいことはできない。でないと、土日に仕事をしたいと思っても、やっぱり「家族サービスがあって…」と中途半端なことになる。
僕の例だから仕事の話をしたけれど、没頭するものは仕事でも趣味でもなんでも構わない。
エキサイティングな人生を送るとは、何かを犠牲にして、何かに没頭することなのだ。
「今の自分を変えたくない」が、「ちょっとしたコツ」で「エキサイティングな人生を送りたい」なんて、虫のいい話なのだ。
本当にやりたいことがあるのなら、バランスなんてとらなくていい。極端でいいのだ。
安定した仕事や人間関係など存在しない
なぜ、バランスをとろうとする人が多いのか。
それは、今の安定を手放すことを恐れているのだろう。
だが、みんな薄々と気づきはじめているのではないだろうか。この世に、安定した仕事や人間関係など存在しないということに。
会社に勤めていること。家族がいること。結婚していること。
それらが、本当に安定したものだと思っているのだろうか。
大企業であっても倒産してリストラされてしまうリスクは高まっている。ずるずると会社勤めを続けていて、40代、50代になってからいきなりクビを切られるのは本当に悲惨だ。
リスクをとらなかったこと自体が、そのままリスクになってしまう典型的な例だといえる。
同じことは、家族や結婚などの人間関係についても当てはまる。
僕自身は狭義の意味での家族を持ちたくないし、むしろリスクだと考えている(狭義というのは、従来の制度上にある「家族」ということだ)。
こんなに豊かな世の中で、関係を固定化することのほうがリスクだと考えるからだ。
離婚にしたって、今結婚しているカップルの半分くらいは、ぶっちゃけ離婚したいと思っているのではないだろうか。
それこそ、制度的にも、気持ち的にもいろいろと大変だから、みんな二の足を踏んでいるのではないだろうか。
僕は離婚の経験があるけれど、別れても死ぬわけではない。
こう言うと冷たい人だと思われるかもしれない。
でも、ここで聞きたいのだが、あなたは元カノ(元カレ)のことをどれだけ思い出すことがあるだろうか。
一時期はすごく愛し合ったとしても、たいていの人はいつかは忘れてしまう。
それに関して「何で忘れるんですか? ひどい人だな」と言われる理由はないだろう。
そう考えると「親子の情」などというのも思い込みのような気もしてくる。
「親子の情がないといけないよ」とみんなに言われているから、あるように思いはじめる、という人も、いるのではないだろうか。
家族や結婚というものも、必ずしも「安定」したものではないといえる。
ゼロイチ思考の枠を外せ
「バランスをとらなければならない」と考えている人は、「ゼロイチ思考」にとらわれすぎているのではないだろうか。
物事を「あり」or「なし」、「勝つ」or「負ける」のように、両極端にしか見られない。
たとえば、
「いい会社に就職して安定した生活を送る」or「就職できなければ人生終わり」
「結婚して幸せな家庭を築く」or「結婚できずに孤独な人生を送る」
などなど。
しかし今は、社会も人間関係も多彩だ。やりたいことがあるから仕事は派遣やパートでいいという人もいるし、途中で独立・起業する人もいる。
それなのに、なぜ、ゼロとイチのモノクロの世界にこだわる必要があるのか。薄いグレーもあれば濃いグレーもある。緑や青、赤の色彩も溢れている。
世界は、そんな「どちらかを選べ」みたいなものではまったくない。
たとえば、結婚や育児だ。
先にも述べたように、僕自身は狭義の意味での家族を持ちたくないし、夫婦で一生連れ添うことになんの関心もない。
これに対して、「結婚制度を廃止したら、モラルが崩壊して世の中が滅茶苦茶になる!」とか、「結婚制度がなくなったら、どうやって子どもを育てるんだ!」と反論をぶつけてくる人がいるが、これこそまさにゼロイチ思考の典型だ。
みんな根本的なことを見失っているのだ。
人間関係はゼロイチで測れるものではなくて、グラデーションになっている。結びつきの強さのようなものは、相手によって変わってくる。
結婚とか恋人とか、そういう制度や言葉ですべての関係を言い表わすことはできない。だったら、「あるがまま」で、いいのではないか。
今は、昔ながらの結婚制度で同居してうまくいっている人もいれば、僕のようにそういうしがらみがイヤな人間もいる。
別居して時々会うくらいがちょうどいい人もいるだろうし、何人かのパートナーを持つ関係だって別にいいだろうし、ネット上で大勢の人と緩くつながるだけでいいという人もいるだろう。
結局、人間関係については、その時、その時で、必要に応じて変えていけばいいのだ。
就職についても同じことがいえる。
高度経済成長期に人手不足に悩んだ企業が、長期雇用で労働者を囲い込もうとし、それがいつの間にか終身雇用として定着していった。
終身雇用など数十年程度の慣行にすぎないが、誰もが終身雇用を当たり前だと思うようになってしまった。
これまでの常識を疑うことなく受け入れていると、「○○でなければならない」という思い込みから抜けられなくなってしまう。
その挙句に「バランス」をとることに必死になり、やりたいことも中途半端になり、体も壊してしまったりする。
そんな思い込みにとらわれないほうがいい。
堀江さんが「やりたいと思っているのに、なんでやらないの?」と問いかけてくる一冊
『本音で生きる』の帯には、ひろゆきさんより以下のコメントが送られていました。
『本音で生きる』この本を読んでもやらない言い訳が出るなら、本当はやりたくないのか、読解力がないのかどっちかなんじゃないですかね…
どんな本でも堀江さんの主張は一貫していました。
「とにかくやれ」
2020年は『本音で生きる』を読んで、これまでの価値観を一度リセットしてみてはいかがでしょう?
〈撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
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