

「主婦の苦しさは埋もれがち」
3児の父・新R25編集長が「今ママたちが直面してるのは、“普通の家事・育児”じゃない」と語る理由
新R25編集部
数カ月前までは想像もしていなかった未曾有の国難に直面し、社会は殺伐とした空気になっています。
しかし、この苦しい状況下だからこそ、誰かへの感謝を感じることもあるのでは?
新R25は、みんなが前を向くエネルギーになる「ありがとう」の声を届けるコンテンツをつくり、連載「#ありがとうプロジェクト」として発信していきます。
「コロナ離婚」。
そんな言葉もトレンドに入るようになった、この自粛期間。一日中一緒に過ごすようになり、お互いにイライラする時間が増えてしまっているご夫婦も多いと耳にします。
そんななか、「今だからこそ世の中のママに“ありがとう”を伝えたい」という男がひとり。
我らが新R25編集長、渡辺将基です。
【渡辺将基(わたなべ・まさき)】1983年生まれ、静岡県出身。2008年、モンスター・ラボに入社。カカクコムを経て、2012年、サイバーエージェントに入社し、社長室に配属される。2017年9月に若手ビジネスパーソン向けメディア『新R25』編集長に就任。リモートワーク中も仕事に没頭するあまり、引きこもりの浪人生のような生活をおくっている
じつは「#ありがとうプロジェクト」を立ち上げたとき、「俺もいま、本気で感謝を伝えたい人がいるんだけど…」と自ら取材を持ちかけてきた編集長。
最初は「好感度狙いか…?」と疑っていたのですが、いざ取材を始めてみると、今回の編集長は少し、雰囲気が違いました。
3人兄妹の父親でもある渡辺編集長が、おふざけ抜きで語る「家族への“ありがとう”」。ぜひ読んでみてください。
〈聞き手=サノトモキ〉

サノ
今回はどうしてまた、取材を受けたいと思ったんですか?

渡辺
以前取材でも話したことあるんだけど…俺、平日はほとんど家にいないダメな夫でさ。

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渡辺
だからこの自粛期間、家族と一緒にいる時間が圧倒的に増えたわけ。
そうなると、普段奥さんがどうやって子どもに向き合ってるのかがよくわかるんだけど…
シンプルに、うちの奥さんは素晴らしいなと。すごいです。

サノ
編集長が、こんなにまっすぐ人を褒めるとは…

渡辺
というよりね、今のママたちの姿を見て、感謝しないほうがおかしいと思う。
世の中のママたちがこの自粛期間に直面してるのって、もはや“普通の家事・育児”じゃないのよ。
そのことを世の中に伝えたいと思ったんだよね。
ここから「自粛期間の家事・育児」のリアルが語られます
「今、育児における“全責任”が親にのしかかってる」

サノ
もちろん家事・育児は大変な仕事だと思うんですけど…
自粛期間とはいえ、具体的な変化って「お昼ご飯も作らなきゃいけない」くらいじゃないんですか?

渡辺
いや、まずその違いがめちゃくちゃ大きいから!
主婦のリズムからすると、「昼」って貴重な“抜きのポイント”だったわけですよ。

渡辺
昼だけは家族の食事を用意しなくてよかったから、ママ友と外食して話したり、一人で適当に済ませたり、比較的力を抜きやすい貴重なタイミングだったわけじゃん。
でも今は、その時間がまったくなくなっちゃってる。
くわえて、俺の分のご飯まで作ってくれてるわけだから…
会社員でいえば毎日昼休憩なしで働いてるようなもんだよ。

サノ
絶対イヤ。

渡辺
しかも、それだけじゃなくて。
学校がないこの自粛期間は、「子どもがどう育つか」における全責任が、親にのしかかってきてるんだよね。
どういうことだ…?

渡辺
これまでは、 「規則正しい生活」とか 「十分な学習時間」って、学校があることで確保できてた面もあったと思うんだよね。
登校時間があるから強制的に早寝早起きの習慣がついてたし、授業があるからみんな最低限の勉強をしてた。
でも今は、そこも全部自分たちでなんとかしなくちゃいけない。

サノ
たしかに…
家事の負担が増えた上に、教育面でやるべきこともめちゃくちゃ増えてるのか…

渡辺
そう。だから今子どもと一緒にいる親たちは、なかなか先が見えない状況のなかで、「自分がしっかりしないと子どもがダメになってしまうかも」というプレッシャーを受けながら子育てをしてると思うんだよね。

サノ
…未婚ですけど、さすがに大変さが想像できるようになってきました。

渡辺
そのしんどさに疲れ切っちゃって、ネグレクト(育児放棄)気味になっちゃってる家庭も正直少なくないと思うんだよね。
ゲームやりたい放題で、子どもの生活リズムが崩壊しちゃってるとか。
…っていうかね、普通そうなるよこれ。それくらいキツイ状況。

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渡辺
外に出て気分転換をすることも難しいし、家の中でずっと単調な毎日の繰り返し。
ママたちは今、「これ、いつまで続くの…」って不安を抱えながら、家事・育児を頑張ってるんだよね。
「やらなきゃいけないこと」と「楽しさ」を結びつける

渡辺
でもうちの奥さんは、そんな状況でも家事と育児をめちゃくちゃいい感じに回してくれててさ。
リスペクトと感謝が増すばかりですよ…

サノ
自分が親だったらうまくやれる自信がまったくないんですけど…いったいどうやって?

渡辺
“やらなきゃいけないこと”と“楽しさ”と結びつけることを、とにかく徹底してるんだよね。

渡辺
これは自粛期間のちょっと前からやってることなんだけど、うちは奥さんが考えた独自の「ポイントシステム」があって。
勉強をしたり、家事を手伝ったりするとポイントが貯まって、喧嘩をしたりするとマイナスされるという(笑)。
で、一定のポイント貯まるとゲームの時間をちょっと延長していいみたいなご褒美を用意してて、子どももそれを楽しそうにやってるわけよ。
編集長の奥さん考案、通称『るみポ』

サノ
なんだこれ…最高か…

渡辺
こういう工夫とか日常の丁寧なコミュニケーションの結果、うちの子どもたち、ちゃんと毎朝6時台に起きて、朝ごはん食べたらスッと家庭学習のルーティーンに入るからね(笑)。

サノ
えっ!?
渡辺チルドレンの優秀さに思わずブレる筆者

渡辺
ゲームとかYouTubeって、ある意味おそろしい中毒性じゃん。
でも、うちの子はある程度遊んだらまた自然と家庭学習に戻る、みたいな切り替えができてる。
…すごくない?(笑)

サノ
26歳だけど、お子さんの爪の垢を煎じて飲みたい…
でも、きちんと親が習慣づけないと、絶対そんなことできないですもんね。

渡辺
うん。子どもに行動を促すって、3つの段階があると思うんだけど…
【レベル0】ネグレクト(放置状態)
【レベル1】叱って、強制的にやらせる
【レベル2】一緒に楽しんで、自発的にやらせる
このレベル2をやるのって、自分の時間を犠牲にして子どもと向き合わなくちゃいけないから、めちゃくちゃ大変なのよ。
「しかも今は、家事がいつも以上に増えてる状況だしね…」

渡辺
うちの奥さんがすごいのは、それをやりつづけてることだよね。
昨日も、子どもたちと一緒にクレープ作ってくれてた(笑)。
ほぼ家庭科の調理実習だ

サノ
奥さまの育児センスがすごすぎるな…
ちなみに、お子さんが仕事の邪魔しにきちゃうこととかはないんですか?

渡辺
うちは全然ないね。
むしろ仕事中は部屋に料理を運んできてくれたりする。
強いてあげるとすれば、たまに俺のPCをじーっと覗き込んできたりするくらいかな?
まあそういうときに限って俺だいたいTwitter開いてるから、「ちょっとあの、これは調べものしてて」ってごまかしてるんだけど…
それはめちゃくちゃダサい

渡辺
でも、こういう環境を作ってくれたのはやっぱり奥さんなんだよね。
奥さんが普段から子どもたちの生活習慣をデザインしてくれてるおかげで、自分も仕事に集中できてることは間違いないです。
今はとくに、主婦の苦しさが理解されにくい。だからこそ…

サノ
とはいえ、そんなまさきさんの奥さんでも、気持ちがダメになっちゃうときもあるんですか?
毎日のことだし、ものすごく疲れると思うんですけど…

渡辺
それはもちろんあるよ。
だから俺も苦手な料理の回数をちょっと増やしたりしてるけど、そんなんじゃ全然足りないよね…
「あ、あと奥さんが疲れてるときはお酒を買いに行ってるかな…(笑)」

サノ
世の中のパパは、家のことを頑張ってくれてるママたちに何をしてあげたらいいんですかね?

渡辺
そうだね…俺がエラそうなことはまったく言えないんだけど、確実にできることは「ママたちが今、本当に大変な状況にある」と気づいてあげることだよね。
この大変さを理解してくれる存在が側にいることが、やっぱり一番気持ち的に救いになると思うからさ。

サノ
たしかに、普段通りの家事・育児だと思い込んで、「これできてないよ」って指摘しちゃってる旦那さんもけっこう多いかもしれませんね…

渡辺
そういうパートナーの無理解がいろんな家庭で積み重なっていった結果、「コロナ離婚」みたいな言葉がバズワードになってるのかもね。

サノ
なるほど…

渡辺
今って仕事がなくなって経済的に苦しい人とか、医療現場の最前線でリスクを背負って仕事されてる方とかの話をたくさん耳にするじゃん。
そういったものと比べると、こういう主婦の苦しさは埋もれがちというか、理解されにくいと思うんだよな…

サノ
だからこそ今回、その実態をきちんと届けたかったと。

渡辺
そう。ママたちのしんどさを本気で理解できれば、感謝の気持ちは自然と生まれるはずだから。
この記事が、ちょっとでもそういうポジティブな連鎖のきっかけになったら嬉しいんだけどね。
おわりに

サノ
ちなみに、奥さんから「理解ある夫のおかげで頑張れてる」みたいな雰囲気が伝わってくることもあるんですか?

渡辺
…
ないようです。Zoomがフリーズしたのかと思いました

渡辺
ただまあ、一個だけうれしかったことはあったかな。
今って、コロナの影響で仕事を失ってしまいそうな大人がたくさんいるって話を、子どもたちもなんとなく理解してるんだよ。
で、長男に「もしかしてパパも仕事なくなっちゃったりするの?」って質問されたんだけど、そのときに奥さんが「パパはもしそうなっても、なんとかしてくれるよ。そこだけは信用してる」って答えてくれて。

サノ
それ以上ないってくらい、いい。

渡辺
それは地味にうれしかった(笑)。
でも今って、そういう普段面と向かって言えないような気持ちを確かめ合える期間でもあると思うんだよね。
だから俺もこの自粛期間、ちょっとしつこいくらいでもいいから、感謝の気持ちをちゃんと言葉にしようと思ってます。
#ありがとうプロジェクト第2弾でフォーカスしたのは、身近な人への“ありがとう”。
ずっと一緒にいる相手だからこそ、仰々しく感謝を伝えるのは少しこっ恥ずかったりもしますが、この自粛期間は、もしかしたらいつも伝えられない感謝を思い切って伝えるいい“大義名分”にもなるのかもしれませんね。
もしよかったらみなさんも、ハッシュタグ「#ありがとうプロジェクト」で、奥さんや旦那さん、ご家族への感謝をツイートしてみてください!
最後に、取材中お子さんが部屋に入ってきたときの編集長のやさしい眼差しを置いておきます。
いい目してるわ
〈取材・文=サノトモキ(@mlby.sns)〉

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