ビジネスパーソンインタビュー

「嘘がないから、楽しめる」kemioが語る、R25世代が知らないTikTokとmemeの魅力

「アメリカではTikTokがコミュニケーションツールになってる」

「嘘がないから、楽しめる」kemioが語る、R25世代が知らないTikTokとmemeの魅力

新R25編集部

Sponsored by TikTok

2020/02/19

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世界で15億ダウンロードを突破し(※sensor tower調べ)、日本でも若者を中心に幅広い世代に人気を集めているショートムービープラットフォーム「TikTok」。

ですがぶっちゃけ、“R25世代の遊び場ではない感覚”がありませんか? 「正直どうやってTikTokを楽しむ(使う)のかわからない…」という人も多いのでは?

でも、「自分はよくわからないから」と敬遠してしまうのは、実はすごくもったいないかも。

というのも、アメリカはじめ海外では、TikTokが“流行の発信源”として勢いを増しているそうなんです。実際、TikTokの勢いってどれだけすごいのでしょう?

今回は、アメリカ在住のkemioさんにTikTokがアツい理由を聞いてみました。

〈聞き手=宮内麻希(新R25編集部)〉

【kemio】1995年生まれ、東京都出身。高校生時代、動画投稿サービス「Vine」にアップした動画が注目され、雑誌モデルや俳優としても活動を開始。アメリカに移住してからはYouTubeで動画投稿をはじめ、登録者は160万人以上(2020年2月)。2019年には初の著書『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』(KADOKAWA)も発売されている

宮内

kemioさんもTikTokを愛用されてますよね?

kemioさん

はい! TikTok、アメリカで最近すごいですよ。

宮内

今日はそのお話を聞きにきました。

R25世代から見ると「若い子たちの間で流行っている」というイメージが強いのですが、アメリカではどうなんでしょう?

kemioさん

そもそも、アメリカでは日本よりTikTokが生活の一部として根付いているのかなって思いますね!

kemioさん

たとえば日本だと、芸能人や好きなモデルさんを街で見かけたときに、「写真撮ってください」って声をかけると思うんですけど…

そういうときアメリカでは、「TikTok撮ってください」って声をかけるんですよ。わりと普通に。

宮内

えっ、そこでTikTokが出てくるんですか?

kemioさん

そう!

若者を中心に広まっているのはアメリカでも同じなんですけど、TikTokを使っている人たちだけで盛り上がったり、単純に見て楽しんだりするものではなくて、もっと幅広いコミュニケーションツールになってる感じです。

投稿するハードルが低いことも、TikTokの魅力のひとつ

kemioさん

だから、TikTokerもかなり注目されてます

最近、ハイブランドのメインキャンペーンのモデルに、TikTokerの男の子(※)が選ばれたんですよ。

※ハイブランドのアーティスティック、クリエイティブ、イメージ・ディレクターを務めるエディ・スリマンが、注目するアーティストやミュージシャンを自ら撮り下ろすプロジェクトにおいて、TikTokで750万人のフォロワーを持つ、ノエン・ユーバンクス(Noen Eubanks)が起用された

宮内

ハイブランドのモデルがTikToker…!

kemioさん

海外のファッションイベントに出させていただくとき、TikTokから有名になった人たちと出会うことも珍しくないですし。

音楽が売れるかどうかも、TikTokにかかってるなと思います。若いアーティストの曲でも、TikTokで多くの人に使われることで有名になったり、アーティスト自身もTikTokでシェアしやすい音楽をつくっていたりしてて。

本当に最先端の流行発信場所になってますよ

宮内

TikTokerってそんなに影響力があるんですね! 正直、知りませんでした…

kemioさん

「YouTubeから有名になって歌手デビュー」という流れと同じで、今はTikTokからスタートして違う世界でバンバン活躍しはじめてる人たちがいるんです。

今、若い人が憧れるのってTikTokerなんじゃないかな

「キラキラしてる世界で憧れる~みたいな」

kemioさん

でも僕も正直、最初にTikTokが流行りはじめたとき、みんなが熱中する理由がわからなかったんです。

これまでのSNSって、自分の友達や好きな芸能人が「何してるんだろう」とか「何が好きなんだろう」みたいな、パーソナルな部分が気になってチェックしてたじゃないですか。

だけど、TikTokって自分の主張を書く場所ではない。だから、なんで流行ってるんだろうって(笑)

宮内

たしかに、これまでのSNSとは少し違いますよね。

kemioさん

でも、使ってわかったんです。TikTokって“みんなが参加できる”プラットフォームだから、ここまで流行ってるんだなって。

kemioさん

僕はVineで有名になったことがきっかけで今のお仕事をさせていただいてますが、Vineって発信数(投稿者)より、受信数(見る人)の方が多かったんです。

でも、TikTokってフィルターやスタンプなど「投稿の型」があるから、発信するハードルが低い。自分がやりたいときにすぐにアップできる手軽さから広がっていったと思います。

日本でも実は浸透してるのに、認知されてない「meme(ミーム)」とは?

宮内

ほかにも、日本ではあまり知られていないけどアメリカで流行っていることってありますか?

kemioさん

TikTokを中心に、meme(ミーム)はずっと流行ってますね! 僕も、友達といつも面白いmemeの動画を送りあってる。

宮内

あの…memeってなんですか…?

kemioさん

そっか。まだ日本ではmemeってなじみがないですよね?

僕も4年前アメリカに行って初めて知った言葉なんですけど、TikTokやSNSでひとつのコンテンツを元にそれぞれがマネしたりアレンジしたりして、再投稿しながら広まっていくことを「meme」って呼ぶんです。

「ほら! このTikTokアカウントとかめっちゃすき~~!」

kemioさん

memeって幅広い言葉なので、コンテンツの例はいろいろあるんですけど、同じ画像にみんながそれぞれキャプションつけて大喜利しているのもmeme。

日本でなじみがあるものだと、クソコラ(※)のイメージに近いのかな。

(※)複数の画像を切り貼りして作成した「コラージュ」のうち、内容がくだらないもの、笑いを誘うようなものの呼び方

日本でも、TikTokにたくさんのmemeが投稿されています。

#ノーズペイント

Embedly

#ラララチャレンジ

Embedly

#ストーリーシャッター

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kemioさん

少し前に流行った「アイスバケツチャレンジ」(※)や「ボトルキャップチャレンジ」もmemeのひとつですよね!

※筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の研究を支援するため、バケツに入った氷水を頭からかぶるか、またはアメリカALS協会(英語版)に寄付をする運動。2014年にアメリカで始まり、SNSなどを通して社会現象化し、他国にも広まった。

宮内

なるほど。

kemioさん

そうそう! 僕もmemeを見るのが好きで、友だちと画像や動画を送り合うだけのSNSグループがありますよ。

「昨日のテレビ見た?」と同じ感覚で、「このmemeみた~?ウケるよね」っていうコミュニケーション。超楽しい。

宮内

画像と動画だけを送り合うんですか?

kemioさん

そう!テキストを打つのって重くないですか

これ僕だけかなと思って、この前Twitterで「メッセージを見て脳内で返した気になって、実際には返信してないことある」的な内容をつぶやいたら、「わかる。レス返せない」ってコメントがたくさん来たので、みんなそうなんだ~って思ってます。

kemioさん

memeをシェアするだけでリアクションしないこともあるし、全部自己完結で終わるところがニーズに合ってるんですよね。

TikTokの「#ラララチャレンジ」とかも、動画を送りあって「明日これ撮ろ~」みたいな感じで、遊びに誘うときの口実になってます。

宮内

そんな使われ方まで…!

つくり手の嘘はすぐバレる。「つくられたもの」には誰も惹かれない時代

kemioさん

使いやすいとかイケてるとか、流行る理由ってたくさんあると思うんですけど、TikTokが支持されてる理由ってもっとシンプルだと思うんです。

投稿されているものに「嘘がないから」なんですよね

宮内

「嘘がないコンテンツ」ってどういうものなんでしょう?

kemioさん

撮り直しもするし、自分がイケてる動画をアップしたいという気持ちはあるけど、「ビジネスにつなげよう」とか「ファンを増やそう」って考えではなく、純粋にみんなの「楽しい」という気持ちからはじまるコンテンツです。

オーガニックなものだからこそ信頼されるし、拡散力も強くなる

kemioさん

つくっている本人が心から楽しいと思えないものって、熱が伝わらないから、やっぱりシェアされない。

だから今は、自分が楽しめそうだなと思えるもの以外、お仕事もお断りしてます。やめちゃいました(笑)。

宮内

たしかにTikTokの動画って、アップしてる人が楽しそうにしてますもんね。

kemioさん

そうなんですよ。

アメリカのティーンの間で人気のカイリー・ジェンナーというタレントが、自分の子供を起こすために歌を歌っているシーンをSNSにアップして、これがめちゃくちゃバズったんですよ。

アリアナ・グランデも「カバーしたい」と発信したり、著名人がシェアしたりしてどんどん広まっていった。

kemioさん

その流れで、カイリー・ジェンナーは自らプロデュースした子供服を売り出したんですけど、その瞬間話題がピタッと止まってしまって。

結局「お金に替えよう」という意図が透けて見えた瞬間にみんな冷めちゃうんですよね。

宮内

おもしろいですね。つくられたものよりも、自然発生的なものが支持されると。

kemioさん

そう。だから、大人の事情」を匂わせるコンテンツって、どんどん見られなくなっていくと思います

kemioさん

結局、つくり手が一番楽しんでるコンテンツじゃないと、本当に信頼してもらえない。

そういう意味では、TikTokってこれからの時代にあってると思うし、日本でもmemeが世代を越えてもっと広がるんじゃないかなって思います!

宮内

これからの時代にウケるコンテンツを勉強するために、私もTikTokでmemeにチャレンジしてみようと思いました。

kemioさん、今日はありがとうございました!

取材後、kemioさんにTikTokで10億回以上再生された大人気のmeme「#ノーズペイント」を撮影してもらうことに。

R25と書いていただきました…! うまい!

Embedly

こうして、ワイワイmemeを撮影する楽しさこそ、TikTokがショートムービーアプリの域を超え、コミュニケーションツールとして愛される理由なのだと実感しました。

アメリカではすでに新たな流行発信元となっているTikTok

「流行っているけどよくわからない」「楽しみ方がわからない」と密かに思っていた読者の皆さん。これから来る時代の流れを先読みする、情報収拾のツールとして、TikTokを活用していくのも良さそうです…!

〈文=ほしゆき(@yknk_st)/取材・編集=宮内麻希(@haribo1126)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉

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