ビジネスパーソンインタビュー

「すぐやる人」になるカギは“カバン”にあり。 人材育成のプロが教える、行動力のつくり方

塚本 亮著『すぐやる力』より

「すぐやる人」になるカギは“カバン”にあり。 人材育成のプロが教える、行動力のつくり方

新R25編集部

2019/10/21

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どうしてもやる気が出ない

面倒な仕事をつい先のばしにしてしまう

…ビジネスマンに、そんな悩みはつきものですよね。

そして、モチベーションが下がるたびに「自分はどうせこの程度しかできない」「性格の問題だから一生直らない」などと諦めてしまっていませんか?

実はそんなことはありません。『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』などのベストセラー著書で知られる塚本 亮さんは、「すぐやるために“気合”も“根性”も必要ない」と主張しています。

そんな塚本さんの新書『すぐやる力』のなかから、率先して行動できる人になるための独自メソッドをご紹介。

すぐやる人になるために、本当に必要なことって? 誰でも簡単にマネできる“ちょっとした習慣”を身につければ、長年の悩みが晴れるかもしれません。

ちょっとした行動で「すぐやる」心が手に入る

世の中には膨大な仕事量をこなしながら、なおかつプライベートまで充実させている人がいます。いわゆる「できる人」と呼ばれる人です。

とはいえ、1日が24時間であることは彼らも変わらないはず。彼らとそれ以外の人では、何が違うのでしょうか。

もちろん、本人の資質や能力、仕事との相性も関係していると思います。

しかしそれ以上に大きいのは、仕事や課題に対して「すぐやる」という習慣を持っているか否かだと思います。

ではなぜ、多くの人は「すぐやらない」のでしょうか? 

頭の中では「すぐやったほうがいい」とわかっていながら、先のばしをするのは、なぜなのでしょうか?

日本人はなぜか、どうせ自分は「すぐに行動できなくて、先のばしする性格なんだ」と特に根拠もなく決めてかかっている人が多いのです。

だから、いくら「今日からすぐやるんだ」と決心しても、いつも長続きしないんだ……と考えがちです。

でもそれは、性格の問題ではありません。

すぐやるやり方を知らないから。ただ、それだけのことです。

重要なのは、性格を変えることではなく、ちょっとした行動を変えること

誰にでもできる簡単な行動から始めて、少しずつ結果を出していけば、やがて「すぐできない自分」から脱却できます

自然に動き出すように仕向けよう

今すぐやるべきとはわかっているのに、どうにもやる気がしない。ダラダラと過ごしているうちに時間だけが過ぎて、また残業。

こんな経験は、誰にでもあると思います。

どうすれば「すぐやる」ことができるのか。目の前の仕事にサッと集中できたらどんなにいいか。これは、多くのビジネスパーソンに共通する願望でしょう。

その方法はある、と私は思います。これについては追って説明していきますが、そもそもなぜ、すぐやれないのか、考えてみたことはあるでしょうか。

ビジネスで本当に大事なのは、とにかく「PDCA」のサイクルを回すことでしょう。この時、ずさんな「P=計画」は論外ですが、完璧な「計画」もあり得ない。

そう割り切って「実行」に進めば、たしかに数々の想定外の事態に直面します。しかしそれはけっして失敗ではなく、その分だけ経験値が高まったということです。

そこから「評価」「改善」のプロセスを踏めば、よりグレードアップした「P」が可能になる。これが「PDCA」の価値なのです。

個人も同様。作業の手順がわからないなら、わからないなりに試行錯誤して手を動かしてみればいい。

うまくいかなければ、立ち戻って別の方法を試してみればいい。それを繰り返すことで、いつか有効な手順が見つかるのではないでしょうか。

実はこれが、「すぐやる」のもっとも基本的なコツでもあります。

「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる…」という有名な言葉があります。

しかし私は、これを逆だと思っています

心が変われば行動が変わる」のではなく、「行動を変えれば心も変わる」のではないでしょうか。

「心」とは結局、正体不明なものです。それを「変えろ」と言われても、どうすればいいかわかりません。

しかし行動なら、容易に変えられます。別に「正解」である必要はありません。

とりあえず動いてみれば、失敗も含めてすべて経験値になります。

その結果、ちょっとした成果でも得られれば、自信につながるはず。

つまり「心が変わる」のです。

カバンの中を「空っぽ」にする意外なメリット

仕事を「すぐやる」ことが億劫なら、まずはとにかく「すぐできる」ことを探してみればいいのです。

特におすすめしているのが、毎日、帰宅後にカバンの中身を整理すること。

それも、一部のものを入れ替えるというレベルではありません。

すべて取り出して一旦空っぽにしてから、明日の仕事に必要なものだけ入れ直すのです。その際には、例えばペンや手帳などを所定の場所に戻すという作業も含まれます。

単純な作業なので、せいぜい2〜3分もあればできるでしょう。それに毎日繰り返せば、入れ替えるものが少なくなるので、もっと短時間で済むようになります。

それでいながら、これにはいくつものメリットがあります。

1つは当然ながら、カバンが軽くなる。カバンを整理しないまま使い続けると、いつの間にかモノが溜まっていきます。

終わった仕事の書類や、数日前の新聞・雑誌、先方から受け取った資料、どこかの店でもらったキャンペーンのチラシまで入れたままかもしれません。

重たい思いをして不要なものを持ち歩くとすれば、これほどムダなことはないでしょう。カバンの中身をすべて出してみることで、そんなムダを避けられるはずです。

しかし、それだけではありません。もっと大きなメリットは、意識を切り替えられること

カバンの整理は、頭の整理と似ています

その日にたとえイヤなことがあったとしても、カバンの中身をすべて出すことでリセットできる。少なくともそう自分に言い聞かせることができるのです。

それに、明日の仕事の“予習”にもなります。必要なものだけ入れようとすれば、必然的にスケジュールのチェックも欠かせません。

1日をざっとイメージすれば、どの場面で何を使うか、何が不要かはだいたいわかるでしょう。その作業は、明日のシミュレーションにもなるはずです。

誰に何を見せながらどんな話をするか、どの仕事をどこまで終わらせるか。そう考えることで、明日に対する心の準備もできるわけです。

当日の朝ではなく前日の夜にやるからこそ、ゆっくり考えることもできます。

逆にこのプロセスがないと、メリハリがつかないので、つい惰性で過ごしてしまうことになる

あるいは朝になって「あれがない、これがない」とバタバタしたり、重要な資料を忘れたり、取り出すときに時間がかかったりする。

いずれも余計なストレスを生むだけなので、ビジネスパーソンとしては避けたいところでしょう。

こういう入れ替えを一度実践すれば気づくと思いますが、本当にカバンに入れておくべきものは、意外と少ないものです。

毎日のように膨大な資料を持ち歩くような仕事は、そう多くないでしょう。

私もよく東京に出張に来ることがありますが、その行程を考えると、ノートPC1台と何冊かの本、それに若干の紙の資料だけで十分だったりします。

重そうなカバンを持ち歩くことは、けっしてデフォルトではないのです。

それに入れ替え作業自体、けっして奇抜なことではありません。誰でも小学校時代、ランドセルに入れる教科書を明日の時間割に合わせて入れ替えていたはずです。

ズボラになると1ヶ月前のテストがずっと入ったままだったり、場合によっては遠い昔の給食のパンが残っていたりしましたが、あまり気分のいいものではなかったと思います。

大人になった今、そんな当時を反省しつつ、もっと徹底して入れ替えてみようというわけです。翌朝からの仕事にも、きっと気分よく取りかかれると思います。

いつでも動き出せる自分に生まれ変わる。“すぐやる人”の法則を学ぼう

『すぐやる力』では、他にも“行動できる人”になるためのテクニックをたっぷりご紹介!

偏差値30台からケンブリッジ大学に合格したという異色の経歴を持つ塚本さんが、帰国後も欠かさず実践してきたというメソッドがあますことなく公開されています。

仕事をゲーム化する」「TODOリストを見える化する」などなど…。自分の心をポジティブに仕向け、自然に動き出せる人になるための方法がたくさんあることに驚かされるはず。

どうせ自分はできないから…」と諦めモードのあなたにこそ手に取ってほしい一冊です。

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