ビジネスパーソンインタビュー
堀江貴文著『堀江貴文のゼロをイチにするすごいプレゼン』より
電話でさえムダだと思っている僕が、プレゼンだけは「対面でやる価値がある」と考える理由
新R25編集部
社会人にとって欠かせないスキルのひとつが「プレゼン力」。
でも、求められる要素が多岐にわたり、世の中で“いい”と評価されているプレゼンのスタイルも千差万別。「結局、いいプレゼンってなんなの?」と頭を抱えるビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。
そんな疑問を解決できるのが、堀江貴文さんの新著『堀江貴文のゼロをイチにするすごいプレゼン』。
人一倍“ムダ”を嫌い、電話ですら「コスパが悪い」と切り捨てる堀江さんですが、プレゼンには「わざわざやる価値」を見出し、自身のオンラインサロンでも定期的にプレゼン勉強会が開催されているんだとか。
ホリエモンが提唱する「プレゼンの本当の価値」とは? そして、これまで数え切れないほどのプレゼンを見聞きしたなかで実感した「成功するプレゼンの極意」とは?
同書の中に、その答えがたっぷり詰まっていました。
プレゼンはあくまで「手段」
「プレゼンすること」そのものが目的になっていないだろうか?
きれいなスライド、なめらかなトーク。聴衆からの反応が上々だったとしても、それで満足してはいけない。
「あなたがゲットしたいもの」を最終的にゲットできなかったとしたら、そのプレゼンは失敗だ。
なぜなら、プレゼンは手段であり、目的ではないからだ。結果を得られなかったのだとしたら、そのプレゼンは手段としての役目を果たさなかったということになる。
「私の夢はみんなが笑顔になれる場所をつくること」など、具体性のない「ふわっとしたこと」を言う人は多い。正直なところ、こういう発言を聞くと興ざめしてしまう。
そんなことを言っている人に限って、何一つカタチにすることなどできやしないのだ。「なんでもいいからやりたいことを企画して、すぐ行動してみなよ」と言いたくなる。
抽象度の高い目標を掲げる人は、失敗しても大丈夫なように自分に保険をかけている、つまり逃げ道をつくっているようにしか思えない。
その反対に、「ゲットしたいもの」の具体性が上がれば上がるほど、言い訳ができなくなる。
すごくいいプレゼンを聞いたあと、僕は「スライドがよかった」「つかみが面白かった」なんてことはまず話さない。
プレゼンの内容について具体的に質問するなど、議論を始める。
これぞ、プレゼンが手段としての役目をまっとうしたケースといえる。
プレゼンは「ライブ」だと心得よ
僕らが相手に対面してプレゼンをする意味について考えてみよう。
「なんでメールじゃダメなの?」「なんでチャットじゃダメなの?」「ただ原稿を読むだけなら動画で十分じゃないか?」。
いつも忙しく動き回っている僕にとっては、プレゼンは非常に面倒くさいスタイルだ。第一に、時間と場所を決めて集合する必要があるので時間効率がものすごく悪い。
電話でさえムダの塊だと思っている僕だが、プレゼンには「わざわざやる価値」を見出している。いったい、そのメリットとはなんなのか?
それは、相手と生のやりとりができること。対話のなかで新しいもの、思いもつかないような面白いものが生まれる可能性もある。
また、メールやチャット、動画では伝えられない、感触やにおい、味などを利用してアピールできること。つまり、相手に「ライブ体験」をしてもらえるのだ。
「参加型プレゼン」のススメ
プレゼンは「ライブ」だ。せっかくお互いが時間を共有し、同じ空間にいるのだから、聴衆を巻き込まないともったいない。
サンプルを配布してさわり心地(=触覚)やにおい(=嗅覚)でアピールしたり、クイズ形式で2択の質問を投げかけ挙手させる、ピンポイントで誰かを指名して会話をしてみる、といった方法もある。
参加型のプレゼンにはメリットがたくさんある。
「一緒にプレゼンを進めている」と聴衆に感じてもらえれば、心理的にも距離感はグッと近くなる。一緒に何かをすることで親近感も生まれる。
「一体感を覚えて楽しかった」と思ってもらえたとしたら、そのプレゼンは大成功だといえる。
「堀江貴文と藤田晋のビジネスジャッジ」というネット番組の企画がある。
僕とサイバーエージェントの藤田さんの前で、プレゼンターがビジネスアイデアを発表し、ビジネス化の可能性についてジャッジを仰ぐというものだ。
そこで、リンゴのお酒(シードル)を事業化させるプロジェクトのプレゼンがあった。
プレゼンターらは手際よく、その場でお酒をシャンパングラスに注ぎ試飲させてくれた。甘ったるくなくスッキリした後味で、僕も藤田さんもすっかり気に入ってしまった。
また、別の機会では「足湯協会」なるものを組織しているメンバーが、「足湯のよさを知ってもらいたいから」と、プレゼン会場に即席の足湯セットを持ち込み、リアルな体験をさせてくれたことがあった。
実際に体験していなかったら、その魅力は数パーセントしか伝わらなかっただろう。
せっかく対面でプレゼンする機会を得たのなら、目の前にいる人に、対面だからこそできることをやってみるべきだと思う。
参加型プレゼンで、商品化が実現した例も
ここで取り上げるのは、HIU (堀江さん主催のオンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校」)メンバーであるアロマセラピスト、木澤紀子さんの話だ。
彼女はHIU のマッサージグループ内で立ち上げたアロマレッスン部に、HIU メンバーを勧誘しようとプレゼンに挑んだ。
その目的は、「アロマセラピーの魅力をより多くの人に伝える」こと。しかし、スライドやレジュメの事前提出の段階で「エビデンス不足」「内容がふわっとしすぎ」など講師陣から「ダメ出し」をくらい続けた。
本番の前々夜まで続いた「ダメ出し」で心が折れかけた木澤さん。気分転換もかねて夜更けにお手製リップバームをつくり始めた。
その過程を写真でHIU のスレッドに上げたところ、講師陣に大ウケし、アロマセラピーの活用方法を知る「自分の強み」に気づく。
「月桃(げっとう)のエッセンシャルオイルを使って、一緒に手作りリップバームをつくろう!」という具体的なアプローチ方法を採用することにした。
プレゼン当日。ここまでの悪戦苦闘ぶりなど一切知らない僕に、木澤さんは手作りの「月桃リップ」を手渡してくれた。
さらに、彼女は香りのサンプルシート(ムエット)を用意し、聴衆に配布、五感に訴えるアプローチ法を選んでいた。
「月桃って何科の植物なの?」という僕の質問に即答する木澤さん。調べてみると、なるほど「月桃」はとてもユニークな植物らしい。しかも、スティックタイプのリップは商品化されていない。
「これ、商品化してみたらいいじゃん」。そう伝えると彼女はすぐに「やります!」と答えた。
この後、「月桃リップ」は商品化され、第二弾の計画も進んでいる。「アロマの魅力を伝える」というふんわりした目的も突きつめればビジネスに昇華するという好例だ。
「堀江式メソッド」初公開。人生を変えるプレゼン術がここに!
数え切れないほどのプレゼンを見てきた堀江さんが、独自のメソッドをついに初公開!
『堀江貴文のゼロをイチにするすごいプレゼン』には、あなたのプレゼンスキルを飛躍的にアップさせる、堀江流のテクニックが凝縮されています。
堀江さんいわく、プレゼンとは「伝える力」。相手に想いを伝え、心を動かすためには欠かせないスキルなんだとか。
大事なプレゼンを控えた人はもちろん、プレゼンに苦手意識がある人にも手にとっていただきたい一冊です。
ビジネスパーソンインタビュー
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