ビジネスパーソンインタビュー
「お金をとられる側ともらえる側、どっちがいいですか?」
「その言い分は、完全に論破できます」けんすうが“隠れ現金派”の箕輪厚介を説得
新R25編集部
さまざまな決済アプリが登場したり、お得なキャンペーンが話題になったり、急激に普及しつつある「キャッシュレス決済」。
しかし、なんとなく面倒くさい、使い方がよくわからない…などの理由でいまだに「現金派」という人も多いのでは?
なんと今回はそんな人たちのために、「キャッシュレスのメリットについて新R25で語ってほしい」という企画が実現しました。
登場していただくのは、数多くのベストセラーを手掛け、歌手活動やワイドショーのコメンテーターなど、編集者という領域を越えても活躍する箕輪厚介さん。
さらに、「nanapi」をはじめとする数多くのインターネットサービスを立ち上げ、現在はマンガ情報サービス「アル」を運営するけんすうさん。
おふたりにキャッシュレスについてお話しいただくつもりだったのですが、いざ対談となって、箕輪さんが“ゴリゴリの現金派”だということが発覚してしまいました…。
【左=箕輪厚介(みのわ・こうすけ)】2010年に双葉社に入社。広告営業などを経て2014年より編集部に異動し、『たった一人の熱狂(見城徹)』『逆転の仕事論(堀江貴文)』などを担当。2015年幻冬舎に入社した後、NewsPicks Book編集長として『多動力(堀江貴文)』『人生の勝算(前田裕二)』『お金2.0(佐藤航陽)』などの話題作を生み出しつづけている/【右=けんすう(古川健介)】1981年生まれ。19才で学生コミュニティ「ミルクカフェ」を立ち上げ、大学在学中にネット企業の社長に就任。2006年、リクルートに入社。2009年に退職し、nanapi代表取締役に就任。2018年にはアル株式会社を設立し、2019年1月にマンガ情報Webサービス「アル」をリリース
「なんとかPayが多すぎてわかんない」箕輪さんが現金派であることを白状
けんすうさん
今日はキャッシュレス決済のメリットについて対談してくれってことだったんですけど…
箕輪さん
まさに俺、キャッシュレス化について相談したかったんですよ!
「なんとかPayが多すぎてよくわかんない」みたいないわゆる情弱で、実は全然移行できてなくて。
けんすうさん
え!? そうなんですか?
箕輪さん
最近テレビのコメンテーターによく呼ばれるんですけど、そういうときはわかってるフリして現金派のことディスってますからね(笑)。
「まだ現金使ってるんですか? ノスタルジックですね」みたいな。
でも本当は、俺自身がめちゃめちゃ現金派という…
求められるキャラに応じて、テレビではテクノロジー強者っぽく振る舞っていた男
けんすうさん
ええ…
スマホ決済は使ってないんですか?
箕輪さん
使ってないです。キャッシュレスと言えるものはクレジットカードしか使ったことない。なんとかPayとか、スマホで交通系カードが使えるやつとか、設定ができなくて一切やってないです。
サイフもすごいぐちゃぐちゃ。
全然整理されてない箕輪さんのサイフ
けんすうさん
うわぁ…
僕はもう、ふだんの支払いはほぼスマホ決済にしてますね。
対応してないところはクレジットカードで。現金を使うのは、それも対応してないっていうよっぽどの場合のみです。
箕輪さんとは対照的なけんすうさんのサイフ
「お金をとられる側ともらえる側、どっちがいいですか?」
けんすうさん
現金を持ち歩くために銀行からお金を引き出すのって、お金かかるじゃないですか。
僕はまずそれがありえないと思うんです。
箕輪さん
手数料ってことですか?
けんすうさん
そう。口座に1万円入ってて、それを引き出すと200円ぐらい減るってよく考えるとすごいことじゃないですか?
逆に、キャッシュレス決済なら還元サービスやカードのポイントで“増える”ことも多いですよね。
箕輪さん
こういうこと言うと嫌われるけど、俺、正直そういう「数百円」とかどうでもいいじゃんって思っちゃうんですよね…
これは嫌われる「強者の理論」だ
けんすうさん
でも年間に100万円使うとしたら、2~3万円変わりますからね。
手間が減ってさらにお金もらえるならそのほうがいいって思いません?
箕輪さん
うーん、そうか…
けんすうさん
「お金をとられる側ともらえる側、どっちがいいですか?」って言われたらもらえる側がいいかなというシンプルな話です。
説得できつつある…のか…?
「お金を使いすぎる」「カバンをなくす」トラブルの多い箕輪さんでも、キャッシュレスなら安心
箕輪さん
キャッシュレスに踏み切れない理由のひとつに、「お金の感覚がなくなって、使いすぎちゃいそう」っていうのがあるんです。
僕、基本的にお金を使いすぎちゃう人なんで、キャッシュレスにしたら際限なく使っちゃう気がするんですよ!
けんすうさん
それは、完全に論破できちゃうんですけど…
マイルドな論破に定評のあるけんすうさん
けんすうさん
電子マネーを、スマホの決済アプリにひもづければいいんですよ。たとえば3万円分と決めておけば、それ以上は使えませんから。
「お金の感覚」って、Webの画面で数字として見たほうが、絶対わかりやすいですよ。
箕輪さん
あと僕、なぜかクレジットカードが“磁気不良”みたいになって使えなくなることがあるんですよ。
だからそれが怖くて、カバンに現金をたくさん入れて持ち歩いてるんです。
けんすうさん
え…いくらぐらいですか?
箕輪さん
50~60万円ぐらい。
けんすうさん
そんなに!?
使いすぎちゃうの、完全にそれが原因では…?
けんすうさん
それで言ったら、むしろ紙のほうが「怖さ」がありますよね。
そんなにお金持ち歩いてたら、盗難や紛失のリスクも大きいし。
箕輪さん
たしかに俺、サイフもカバンも、めちゃめちゃよくなくすんですよね…
けんすうさん
ほら。キャッシュレスなら「盗られる」みたいなトラブルは基本的にないですから。
紙のお金って、情報を書き込めないじゃないですか。「このお金は僕のです」って証明ができないんですよ。
それが紙と電子決済の大きな違いだと思います。
キャッシュレス決済が普及すれば、犯罪が減る? 社会的意義も大きい
けんすうさん
あと、これは箕輪さんには直接関係ないかもしれないけど、お店にとって、現金管理のコストが減るのはメリットが大きいんですよ。
飲食店がお店締めたあとにお金数えるのとか、すごい大変じゃないですか。
箕輪さん
あ~、でもそれはわかる!
けんすうさん
キャッシュレス決済が普及すれば、犯罪が減少するっていう社会的メリットもありますね。
箕輪さん
え。なんでですか?
けんすうさん
お金の動きがクリアになるから、「従業員がレジのお金をネコババしてしまう」なんてことはできなくなりますよ。
けんすうさん
高額紙幣って、犯罪の温床になると言われているんですよ。麻薬取引とか。
実際にインドでは、反社会勢力の取引に使われるのを防ぐ目的で、高額紙幣が廃止されてるんです。(※)
https://rd.amca.jp/OXZdF630AMYvminyZYVc(※)インド政府は2016年11月9日、ブラックマネー(非合法資金)対策のため高額紙幣を廃止しました。
箕輪さん
なるほどなあ…
中国のキャッシュレスは「点」の便利さだけでなく、「線」でユーザーとの接点を持っている
箕輪さん
いや~、やっぱりキャッシュレス決済を導入しないとダメですよね。それはわかってるんですよね~。
ただ、「めんどくさい」という“最初のカベ”を越えられてないだけなんですよ…
「こんなに新しいものに抵抗がない俺ができてないってことは、仕組みに問題がある。俺は悪くない」とのこと
箕輪さん
あらゆるサービスでそうだと思うんですけど「ユーザーに最初のハードルをどう越えさせるか」って必ず出てくる課題ですよね。
けんすうさん
ですね。
ただ僕、キャッシュレスに関しては、以前中国に行ったときに「ユーザーとの接点を“点”じゃなくて“線”にすると強い」って思ったんですよね。
箕輪さん
中国ね~、キャッシュレスがすごいんですよね?
けんすうさん
そうなんですよ。中国だと、あるアプリが爆発的に普及していて、それで決済からコミュニケーションまでが完結するんです。
アプリを使ってスマホから注文して、飲食店の行列に並ばなくても商品が受け取れたり、テーブルにQRコードがあって、店員を呼ばなくても注文できたりするんです。
箕輪さん
未来感あるな〜。
けんすうさん
それだけじゃなくて、食べ終わったあとにそのアプリに「また来てね」みたいなメッセージとか、クーポンが来たりするんです。
つまり、「キャッシュレス決済が便利」という“点”の話だけじゃなくて、「並ばなくていい」という体験や「来店後のユーザーコミュニケーション」まで、すべてが“線”でつながってるんですよね。こうなると、ユーザーとしてもどんどん使わない理由がなくなってくるわけです。
けんすうさん
線でつなげていくことが、キャッシュレス普及の起爆剤になる可能性は高そうですね。
「今日やらないとずっと始められないですよ」
けんすうさん
箕輪さん、たぶん今日やらないとずっと始められないですよ。今日スマホ決済登録しましょう!
「え~、やっぱりそうですよね~」
箕輪さん
でも僕、ホントITとか弱いんですよね…
銀行口座登録するとか、そういう事務作業もめちゃめちゃ苦手なんですよ。銀行のハンコもすぐなくしちゃうし。
けんすうさん
ハンコ、いらないですから。
箕輪さん
そうか。じゃあ頑張ってみようかな…
…というわけで、現金派だった箕輪さんもいよいよスマホの決済アプリに登録できました。
そしてここからは、箕輪さん同様にいまだ“現金派”だというR25世代の読者へお知らせです!
2019年10月1日の消費税率引上げにともない、対象店舗において登録されたキャッシュレス決済でお支払いをすると、最大で5%のポイント還元を受けられる「キャッシュレス・ポイント還元事業」が始まります。
クレジットカードはもちろん、デビットカード、電子マネー、QRコードなどの登録されたキャッシュレス決済手段で、対象となるお店で買い物をすることで、2019年10月~2020年6月の期間中、お得な還元を受けることができます。
対象のお店は、店頭のポスターに加え、地図アプリやウェブから確認できます。
ポイント還元率や還元対象となるキャッシュレス決済手段はお店によって異なります。店頭のポスターや、地図アプリ、ホームページからご確認ください。
けんすうさんがメリットを熱弁してくれたキャッシュレス決済。箕輪さんと同じく、「始めるなら今日しかない」ということで、読者の皆さんも今日から導入してみてはいかがですか?
〈文=天野俊吉(@amanop)/撮影=三浦希衣子〉
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